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乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン「タケダ」

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)
3.製法の概要及び組成・性状
3.1製法の概要
3.2組成
3.3製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する者に関する注意
9.1接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
9.2腎機能障害を有する者
9.3肝機能障害を有する者
9.4生殖能を有する者
9.5妊婦
10.相互作用
10.1併用禁忌(併用しないこと)
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副反応
11.1重大な副反応
11.2その他の副反応
14.適用上の注意
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン「タケダ」

添付文書番号

636940CD2025_1_22

企業コード

400256

作成又は改訂年月

2025年4月改訂(第2版)
2022年11月改訂

日本標準商品分類番号

876369

薬効分類名

ウイルスワクチン類混合製剤

承認等

乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン「タケダ」

販売名コード

YJコード

636940CD2025

販売名英語表記

FREEZE-DRIED LIVE ATTENUATED MEASLES AND RUBELLA COMBINED VACCINE “TAKEDA”

販売名ひらがな

かんそうじゃくどくなまましんふうしんこんごうわくちん

承認番号等

承認番号

21700AMZ00750

販売開始年月

2006年1月

貯法・有効期間

貯法

5℃以下で保存

有効期間

1年

基準名

生物学的製剤基準

乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン

規制区分

一般的名称

乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン

2. 接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)

  1. 2.1 明らかな発熱を呈している者
  2. 2.2 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
  3. 2.3 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
  4. 2.4 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療を受けている者
  5. 2.5 妊娠していることが明らかな者
  6. 2.6 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

3. 製法の概要及び組成・性状

3.1 製法の概要

本剤は、弱毒生麻しんウイルス(シュワルツFF-8株)を伝染性の疾患に感染していないニワトリ胚初代培養細胞で増殖させ、得たウイルス液を精製したものと、弱毒生風しんウイルス(TO-336株)を伝染性の疾患に感染していないウサギ腎初代培養細胞で増殖させ、得たウイルス液を精製したものとを混合し、安定剤を加え分注した後、凍結乾燥したものである。本剤は製造工程でウシの血清、乳由来成分(ラクトアルブミン水解物)、ブタの膵臓由来成分(トリプシン)を使用している。

3.2 組成

本剤は添付の溶剤(日本薬局方 注射用水)0.7mLで溶解した時、0.5mL当たり次の成分を含有する。

乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン「タケダ」

有効成分弱毒生麻しんウイルス(シュワルツFF-8株)   5,000FFU以上
弱毒生風しんウイルス(TO-336株)   1,000FFU以上
安定剤乳糖水和物  25mg
L-グルタミン酸カリウム水和物  0.24mg
D-ソルビトール  7.5mg
緩衝剤リン酸水素ナトリウム水和物  0.3125mg
リン酸二水素カリウム  0.13mg
希釈剤TCM-199  2.65mg
pH調節剤  適量

ウイルス培養工程由来のカナマイシン硫酸塩及びエリスロマイシンラクトビオン酸塩はそれぞれ、12.5㎍(力価)以下及び7.5㎍(力価)以下である。ウイルス培養工程・希釈剤(TCM-199)由来のフェノールレッドの含有量は、0.005mg以下である。

3.3 製剤の性状

乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン「タケダ」

pH6.8〜8.5(0.7mLで溶解時)
浸透圧比約1(生理食塩液に対する比)
性状本剤は、微赤白色の乾燥製剤である。添付の溶剤0.7mLを加えると、速やかに溶解して帯赤色の澄明な液剤となる。

4. 効能又は効果

麻しん及び風しんの予防

6. 用法及び用量

本剤を添付の溶剤(日本薬局方 注射用水)0.7mLで溶解し、通常、その0.5mLを1回皮下に注射する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 接種対象者
    1. 7.1.1 *定期の予防接種
      1. (1) 第1期 生後12月から24月に至るまでの間にある者。
      2. (2) 第2期 5歳以上7歳未満の者であって、小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にある者(小学校就学前の1年間にある者)。
    2. 7.1.2 任意の予防接種

      任意接種として、性、年齢に関係なく接種できる。

  2. 7.2 輸血及びガンマグロブリン製剤投与との関係

    輸血又はガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、通常、3か月以上間隔を置いて本剤を接種すること。また、ガンマグロブリン製剤の大量療法(200mg/kg以上)を受けた者は、6か月以上間隔を置いて本剤を接種すること。

  3. 7.3 他の生ワクチン(注射剤)との接種間隔

    他の生ワクチン(注射剤)の接種を受けた者は、通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。

  4. 7.4 同時接種

    医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
  2. 8.2 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
  3. 8.3 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種直後及び5〜14日の間の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。

9. 特定の背景を有する者に関する注意

9.1 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)

被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。

  1. 9.1.1 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者

    ,

  2. 9.1.2 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
  3. 9.1.3 過去にけいれんの既往のある者
  4. 9.1.4 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
  5. 9.1.5 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者

9.2 腎機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.3 肝機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.4 生殖能を有する者

妊娠可能な女性においては、あらかじめ約1か月間避妊した後接種すること、及びワクチン接種後約2か月間は妊娠しないように注意させること。

9.5 妊婦

妊娠していることが明らかな者には接種しないこと。

10. 相互作用

    10.1 併用禁忌(併用しないこと)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    副腎皮質ステロイド剤

    • プレドニゾロン等

    免疫抑制剤

    • シクロスポリン
      (サンディミュン、ネオーラル)
      タクロリムス
      (プログラフ)
      アザチオプリン
      (イムラン)


    麻しん又は風しん様症状があらわれるおそれがある。

    特に長期あるいは大量投与を受けている者、又は投与中止後6か月以内の者は、免疫機能抑制下にあるため、ワクチンウイルスの感染を増強あるいは持続させる可能性がある。

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    輸血
    ガンマグロブリン製剤

    接種前3か月以内に輸血又はガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、3か月以上過ぎるまで接種を延期すること。また、ガンマグロブリン製剤の大量療法において200mg/kg以上投与を受けた者は、6か月以上(麻しん感染の危険性が低い場合は11か月以上)過ぎるまで接種を延期すること。
    本剤接種後14日以内にガンマグロブリン製剤を投与した場合は、投与後3か月以上経過した後に本剤を再接種することが望ましい。

    輸血及びガンマグロブリン製剤中に麻しん又は風しん抗体が含まれると、ワクチンウイルスが中和されて増殖の抑制が起こり、本剤の効果が得られないおそれがある。

    ツベルクリン反応検査

    本剤接種後、1か月以内はツベルクリン反応が弱くなることがある。

    細胞性免疫の抑制が起こることがある。

    他の生ワクチン(注射剤)

    • おたふくかぜワクチン
      水痘ワクチン
      BCGワクチン
      黄熱ワクチン等

    通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。

    他の生ワクチン(注射剤)の干渉作用により本剤のウイルスが増殖せず免疫が獲得できないおそれがある。

    11. 副反応

    次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副反応

    1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

      じん麻疹、呼吸困難、血管浮腫等があらわれることがある。

    2. 11.1.2 血小板減少性紫斑病(頻度不明)

      通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれる。本症が疑われる場合には、血液検査等の観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。

    3. 11.1.3 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)(頻度不明)

      通常、接種後数日から2週間程度で発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害等があらわれる。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。

    4. 11.1.4 脳炎・脳症(頻度不明)

      異常が認められた場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。

    5. 11.1.5 けいれん(熱性けいれんを含む)(頻度不明)

    11.2 その他の副反応

    5%以上

    0.1〜5%未満

    頻度不明

    局所症状(注射部位)

    発赤

    腫脹、硬結

    疼痛

    過敏症注1)

    発熱、発疹、そう痒

    じん麻疹、紅斑、多形紅斑

    精神神経系

    不機嫌注2)

    頭痛

    呼吸器

    鼻汁、咳

    咽頭紅斑、口腔咽頭痛、鼻閉

    消化器

    食欲減退

    下痢、嘔吐、腹痛

    皮膚

    発疹注2)

    麻しん様発疹

    筋・骨格系

    関節痛

    その他

    発熱(22.3%)注2)

    眼脂、頸部その他のリンパ節腫脹

    だるさ注2)

    注1)接種直後から数日中にあらわれることがある。
    注2)接種5〜14日後に1〜3日間程度あらわれることがある。特に、7〜12日を中心として20%程度に37.5℃以上、10%以下に38.5℃以上の発熱がみられる。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤接種時の注意

    1. 14.1.1 接種時
      1. (1) 接種用器具は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用い、被接種者ごとに取り換えること。
      2. (2) 本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。
      3. (3) 本剤の溶解に当たっては、容器の栓及びその周囲をアルコールで消毒した後、添付の溶剤で均一に溶解して、所要量を注射器内に吸引すること。この操作に当たっては、雑菌が迷入しないよう注意すること。また、栓を取り外し、あるいは他の容器に移し使用しないこと。
      4. (4) 注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
    2. 14.1.2 接種部位

      接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒すること。

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国内臨床試験(小児)

      健康小児327例(男児171例、女児156例)を対象に臨床試験を行った1)。本剤0.5mLを1回皮下に注射した後、抗体反応(HI抗体価)を調べた。抗体陽転は接種前のHI抗体価(log2)が陰性(3未満)から接種後に陽性(3以上)に変化することで判定した。327例中、接種前麻しん抗体陰性は326例、風しん抗体陰性は327例であったが、接種後、抗体陽転率は麻しんで99.7%、風しんで100%であり、獲得した平均HI抗体価は麻しんで6.8、風しんで7.6であった。
      上記臨床試験において、ワクチン接種後の副反応調査が行われた1)。主な副反応を発現日別に表に示した。

      発現日別副反応発現例数

      安全性評価対象例数

      327例

      副反応名

      発現日(接種後日数)

      合計(%)

      0〜1日

      2〜4日

      5〜14日

      15日〜

      リンパ節症

      1

      2

      1

      4(1.2)

      眼脂

      3

      3(0.9)

      注射部位紅斑

      7

      2

      10

      19(5.8)

      注射部位硬結

      3

      1

      1

      5(1.5)

      注射部位腫脹

      1

      1

      2

      4(1.2)

      発熱(37.5℃以上)

      3

      4

      65

      1

      73(22.3)

      食欲不振

      1

      1

      9

      11(3.4)

      不機嫌

      1

      14

      1

      16(4.9)

      咳嗽

      2

      7

      9(2.8)

      鼻漏

      1

      9

      10(3.1)

      そう痒症

      1

      1

      2(0.6)

      発疹

      2

      2

      22

      2

      28(8.6)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    麻しん及び風しんウイルスは経気道的に侵入、感染し、局所の粘膜上皮及び所属リンパ組織で増殖後、ウイルス血症を起こして全身の標的臓器に運ばれ、発症すると考えられている2),3)。予め本剤の接種により、麻しん及び風しんウイルスに対する液性免疫及び細胞性免疫が獲得されていると、感染したウイルスの増殖は抑制され、発症は阻止される。

    20. 取扱い上の注意

    本剤のウイルスは日光に弱く、速やかに不活化されるので、溶解の前後にかかわらず光が当たらないよう注意すること。

    22. 包装

    1人分 バイアル 1本
    溶剤(日本薬局方 注射用水)0.7mL 1本 添付

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    武田薬品工業株式会社 くすり相談室

    〒103-8668 東京都中央区日本橋本町二丁目1番1号

    フリーダイヤル 0120-566-587
    受付時間 9:00~17:30(土日祝日・弊社休業日を除く)

    25. 保険給付上の注意

    本剤は保険給付の対象とはならない(薬価基準未収載)。

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    武田薬品工業株式会社

    〒540-8645 大阪市中央区道修町四丁目1番1号

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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