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日本薬局方
クロチアゼパム錠
向精神薬
処方箋医薬品注)
用量は患者の年齢、症状により決定するが、通常成人にはクロチアゼパムとして1日15~30mgを1日3回に分けて経口投与する。麻酔前投薬の場合は、就寝前または手術前にクロチアゼパムとして10~15mgを経口投与する。
血圧低下があらわれるおそれがあり、症状の悪化につながるおそれがある。
作用が強くあらわれるおそれがある。
炭酸ガスナルコーシスを起こしやすい。
症状を悪化させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行し、哺乳中の児に嗜眠、体重減少等を起こすことが、他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)で報告されており、また黄疸を増強する可能性がある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用が発現しやすい。
中枢神経抑制剤 フェノチアジン誘導体 バルビツール酸誘導体等
眠気、血圧低下、運動失調などを起こすおそれがある。
中枢神経抑制剤との併用で相加的な増強作用が考えられる。
MAO阻害剤
過鎮静、昏睡、痙攣発作、興奮などを起こすおそれがある。
MAO阻害剤が本剤の肝での代謝を抑制し、半減期を延長し、血中濃度を上昇させるため作用が増強されることが考えられる。
アルコール 飲酒
精神機能、知覚・運動機能の低下を起こすおそれがある。
エタノールと本剤は相加的な中枢抑制作用を示すことが考えられる。
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
肝機能障害(AST、ALT、γ-GTP、LDH、ALP、ビリルビン上昇等)、黄疸があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
精神神経系
眩暈、歩行失調、霧視、頭痛・頭重、振戦、手足のしびれ
舌のもつれ
眠気、ふらつき
循環器
耳鳴、血圧低下、たちくらみ、頻脈
消化器
悪心・嘔吐、食欲不振、胃痛、便秘、口渇
皮膚
発疹、かゆみ
骨格筋
易疲労・倦怠感、脱力感等の筋緊張低下症状、筋痛、関節痛
その他
浮腫
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。なお、投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニルを投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男性34例に5mg及び10mgリーゼ錠を単回経口投与した場合、速やかに吸収され、約1時間で最高血漿中濃度に達し、その消失半減期はそれぞれ6.3時間及び5.8時間であった1) 。
投与量
tmax(h)
Cmax(ng/mL)
t1/2(h)
AUC(ng・h/mL)
5mg
0.78±0.31
153.2±40.2
6.29±2.27
546.1±152.0
10mg
0.85±0.54
304.5±89.4
5.82±1.48
1206.4±368.4
(平均値±SD)
ラットに35S-クロチアゼパムを経口投与すると各組織中濃度は投与後0.5~1時間後に最高となり、肝、腎及び副腎に高濃度に分布する。また、3週間にわたる連続投与でも各組織中濃度は1回投与時に比べ著しい上昇はなく、蓄積性は認められていない2) 。
約99%3) (外国人のデータ)
健康成人男性に10mgを経口投与すると、尿中に代謝物として3種のエチル基の水酸化体及びそれらのグルクロナイドが排泄された。代謝物は薬理活性を有するが、その中枢作用はクロチアゼパムに比べれば弱い4) 。
代謝物の尿中排泄量の合計は投与量の約33%に相当する(0~60時間)。未変化体は、投与量の約0.5%以下であった5) 。
二重盲検比較試験を含む1,393例(糖衣錠、顆粒)について実施された臨床試験の概要は次のとおりである6),7),8),9),10),11),12),13),14),15),16),17),18),19),20),21) 。(有効率は“有効と認められるもの”以上を集計)
疾患名
有効率
心身症(消化器疾患、循環器疾患)
58.5%(523例/894例)
自律神経失調症
57.6%(83例/144例)
麻酔前投薬
63.1%(224例/355例)
いずれも二重盲検比較試験によって本剤の有用性が確認されている。
視床下部及び大脳辺縁系、とくに扁桃核のベンゾジアゼピン受容体に作用し22) 、不安・緊張などの情動異常を改善する。
マウスでのPhotocell法による自発運動抑制作用、クロルプロチキセン麻酔増強作用及び正向反射に及ぼす影響はジアゼパムより弱い22) 。
マウスの回転カゴ試験及び回転棒試験、またラットの後肢を用いた試験において筋弛緩作用はジアゼパムより弱い22),26) 。
クロチアゼパム(Clotiazepam)
5-(2-Chlorophenyl)-7-ethyl-1-methyl-1,3-dihydro-2H-thieno[2,3-e][1,4]diazepin-2-one
C16H15ClN2OS
318.82
白色~淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は僅かに苦い。クロロホルムに極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(95)、アセトン、酢酸(100)又は酢酸エチルに溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。光によって徐々に着色する。
106~109℃
外箱又は容器開封後は遮光保存すること。
100錠[10錠(PTP)×10]、1,000錠[10錠(PTP)×100]、1,000錠[バラ]
100錠[10錠(PTP)×10]
100g
1) 田辺三菱製薬(株): リーゼ錠5mg、10mgの薬物動態に関わる資料(社内資料)
2) 中西美智夫, 他: 薬学雑誌. 1973; 93(3): 311-317
3) Arendt R, et al.: Arzneimittelforschung. 1982; 32(4): 453-455
4) 田辺三菱製薬(株): クロチアゼパムの薬物動態に関わる資料1(社内資料)
5) 田辺三菱製薬(株): クロチアゼパムの薬物動態に関わる資料2(社内資料)
6) 並木正義, 他: 精神身体医学. 1974; 14(4): 230-244
7) 若原孝雄, 他: 診療と新薬. 1973; 10(9): 2063-2074
8) 水川 勇, 他: 新薬と臨床. 1973; 22(4): 647-654
9) 稲垣義明, 他: 薬理と治療. 1985; 13(2): 841-855
10) 並木正義, 他: 臨床と研究. 1984; 61(8): 2705-2716
11) 萩森正紀, 他: 麻酔. 1972; 21(3): 243-250
12) 小島 敏, 他: 臨床と研究. 1975; 52(9): 2820-2831
13) 佐野公人, 他: 新薬と臨床. 1980; 29(4): 691-693
14) 菅田芳文: 診療と新薬. 1979; 16(8): 1789-1794
15) 奥瀬 哲, 他: 心身医学. 1980; 20(3): 200-208
16) 名尾良憲, 他: 臨床成人病. 1980; 10(6): 1057-1065
17) 長田洋文, 他: 治療. 1980; 62(11): 2045-2052
18) 岩根久夫, 他: 臨床と研究. 1981; 58(10): 3362-3366
19) 筒井末春, 他: 臨床医薬. 1986; 2(10): 1395-1411
20) 石田嘉彦: 診療と新薬. 1986; 23(11): 2559-2570
21) 大下修一, 他: 新薬と臨床. 1986; 35(11): 2609-2621
22) Nakanishi M, et al.: Arzneimittelforschung. 1972; 22(11): 1905-1914
23) 田辺三菱製薬(株): クロチアゼパムの薬効薬理に関わる資料1(社内資料)
24) 田辺三菱製薬(株): クロチアゼパムの薬効薬理に関わる資料2(社内資料)
25) Haga K, et al.: Jpn J Pharmacol. 1984; 34(4): 381-387
26) 田辺三菱製薬(株): クロチアゼパムの薬効薬理に関わる資料3(社内資料)
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本剤は厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付)に基づき、1回30日分を限度として投薬する。
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