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劇薬
処方箋医薬品注)
統合失調症
モサプラミン塩酸塩として、通常、成人1日30~150mgを3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日300mgまで増量することができる。
一過性の血圧降下があらわれることがある。
血液障害を悪化させるおそれがある。
痙攣閾値を低下させることがある。
錐体外路症状が起こりやすい。
Syndrome malin(悪性症候群)が起こりやすい。
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている。
肝機能障害を悪化させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。動物実験(マウス)で催奇形作用が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状(新生児薬物離脱症候群)や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。
投与中及び投与後一定期間は授乳を避けさせること。動物実験(ラット)で乳汁移行すること、乳児の生存率が低下すること等が報告されている。授乳により曝露されその後に離乳等で曝露が低下した場合、乳児に新生児薬物離脱症候群と同様な症状があらわれるおそれがある。
錐体外路症状、特にジスキネジアが起こりやすい。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。錐体外路症状等の副作用があらわれやすい。
アドレナリン(アナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)(ボスミン)
アドレナリンの作用を逆転させ、重篤な血圧降下を起こすことがある。
アドレナリンはアドレナリン作動性α,β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。
中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体・麻酔剤等)
睡眠(催眠)・精神機能抑制の増強、麻酔効果の増強・延長、血圧降下等を起こすことがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。
アルコール(飲酒)
眠気、精神運動機能低下等を起こすことがある。
ドンペリドンメトクロプラミド
内分泌機能調節異常又は錐体外路症状が発現するおそれがある。
ともに中枢ドパミン受容体遮断作用を有する。
リチウム
心電図変化、重症の錐体外路症状、持続性のジスキネジア、突発性のSyndrome malin(悪性症候群)、非可逆性の脳障害を起こすおそれがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
機序は不明であるが、併用による抗ドパミン作用の増強等が考えられている。
ドパミン作動薬(レボドパ製剤、ブロモクリプチンメシル酸塩)
相互に作用を減弱させるおそれがある。
ドパミン作動性神経において、作用が拮抗することによる。
アドレナリン含有歯科麻酔剤
(リドカイン・アドレナリン)
重篤な血圧降下を起こすことがある。
アドレナリンはアドレナリン作動性α,β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されるおそれがある。
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
長期投与により口周部等の不随意運動があらわれることがある。
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することが報告されているので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることが報告されているので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
循環器
胸内苦悶感、心悸亢進、顔面潮紅
低血圧
心電図変化(QT間隔の延長、T波の変化等)
精神神経系
眠気(11.3%)、睡眠障害、めまい・ふらつき
知覚異常、運動失調、性欲異常、焦燥感、頭痛・頭重、意識障害
痙攣
不安、幻覚・妄想の顕在化、過鎮静、易刺激
肝臓
肝機能異常
錐体外路症状
パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎等)、アカシジア(静坐不能)(11.3%)
ジスキネジア(口周部、四肢等の不随意運動等)、ジストニア(眼球上転、眼瞼痙攣、舌突出、痙性斜頸、頸後屈、体幹側屈、後弓反張、構音障害、嚥下障害等)
眼
調節障害
過敏症
そう痒感、発疹
消化器
便秘、口渇
食欲不振、悪心・嘔吐
食欲亢進
内分泌
月経異常、乳汁分泌
女性化乳房
血液
貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値低下)、白血球減少、血小板減少
その他
脱力倦怠感
排尿障害、発汗、鼻閉、顔面浮腫
尿失禁、発熱
CK上昇、尿閉
傾眠から昏睡までの中枢神経系の抑制、血圧低下と錐体外路症状である。その他、激越と情緒不安、痙攣、口渇、腸閉塞、心電図変化及び不整脈等があらわれる可能性がある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
長期経口投与試験において、雌マウスで乳腺(約30mg/kg以上)及び下垂体(約30mg/kg以上)の、雄マウスでハーダー腺(約29mg/kg以上)の、また雌ラットで乳腺(約5mg/kg)の腫瘍発生頻度が対照群に比し高いとの報告がある。
健康成人にモサプラミン塩酸塩25mgを単回経口投与した場合、血漿中濃度は約6時間で最高に達する。血漿中濃度の半減期は約15時間であった1)。
tmax(h)
Cmax(ng/mL)
t1/2(h)
AUC0~∞(ng・h/mL)
6.0±1.4
7.9±1.7
15±2
168±23
(平均値±SD、n=5)
ヒトにおける未変化体の血清蛋白結合率は約98%(in vitro)であった2)。
健康成人にモサプラミン塩酸塩25mgを経口投与した場合の主代謝物はイミノジベンジル核8位の水酸化体(M5)のグルクロナイドと末端スピロアミン部の脱水素化体(M1)である3)。M1、M5の急性毒性はモサプラミン塩酸塩とほぼ同程度であった。
健康成人にモサプラミン塩酸塩25mgを経口投与した場合、投与後22時間までの尿中には未変化体及び代謝物の排泄は非常に少なく、主として胆汁を介して糞中に排泄されるものと推定される3)。
二重盲検比較試験を含む統合失調症1,104例に対する改善率は、中等度改善以上33.9%(374例/1,104例)、軽度改善以上62.0%(684例/1,104例)である4),5),6)。なお、二重盲検比較試験によって統合失調症に対する本剤の有用性が確認されている。
抗精神病薬の作用機序は、中枢ドパミン受容体遮断作用と密接に関連していると推定されているが、モサプラミン塩酸塩は行動薬理学的方法及び神経化学的方法によって、強力な中枢ドパミン受容体遮断作用並びに中枢セロトニン受容体遮断作用を示すことが確認されている。
ラットでのin vitroの実験で、中枢ドパミン受容体(3H-スピペロン結合部位)に対して、ハロペリドールより高い親和性を示す3)。M1、M5は3H-スピペロンでラベルされるドパミンD2受容体に強力な親和性を示した。
ラットでのin vitroの実験で、中枢5-HT2受容体(3H-スピペロン結合部位)に対して高い親和性を示す3)。
ラットでのカタレプシー惹起作用はハロペリドールより弱い7)。
モサプラミン塩酸塩(Mosapramine Hydrochloride)
(±)-3-Chloro-5-[3-(2-oxo-1,2,3,5,6,7,8,8a-octahydroimidazo[1,2-a]pyridine-3-spiro-4'-piperidino)propyl]-10,11-dihydro-5H-dibenz[b,f]azepine dihydrochloride
C28H35ClN4O・2HCl
551.98
白色~微黄褐白色の結晶性の粉末である。ギ酸に溶けやすく、水にやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、N, N-ジメチルホルムアミドに極めて溶けにくく、アセトニトリル、無水酢酸又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。光により徐々に着色する。
約270℃(分解).
∞(pH7.05、クロロホルム/水系)
アルミピロー包装又はアルミ袋開封後は遮光保存すること。
100錠[10錠(PTP)×10]
100g[アルミ袋]
1) Ishigooka J, et al.: Psychopharmacology(Berl). 1989(3); 97: 303-308
2) 田辺三菱製薬(株): モサプラミン塩酸塩の薬物動態に関わる資料(社内資料)
3) クレミン文献集 基礎編. 1991; 1-33
4) 工藤義雄, 他: 医学のあゆみ. 1990; 152(8): 529-543
5) 加藤伸勝, 他: 臨床評価. 1989; 17(2): 177-196
6) クレミン臨床文献集. 1991
7) 福田武美, 他: 日薬理誌. 1985; 86: 197-208
8) 森本敏彦, 他: 日薬理誌. 1990; 96: 65-71
田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
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