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日本薬局方
タルチレリン錠
処方箋医薬品注)
タルチレリン口腔内崩壊錠
脊髄小脳変性症における運動失調の改善
通常、成人にはタルチレリン水和物として1回5mg、1日2回(朝、夕)食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
臨床症状を観察し、必要に応じて血中ホルモン濃度(TSH、プロラクチン等)を測定することが望ましい。
重度の腎機能障害患者1例で血漿中濃度が約4.2倍上昇した。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁への移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
用量に注意して投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある。
発熱、無動緘黙、筋強剛、脱力、頻脈、血圧の変動等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、体冷却、水分補給などの適切な処置を行うこと。また、本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇があらわれることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下があらわれることがある。
AST、ALT、ALP、LDH、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
一過性の血圧低下、意識喪失等のショック様症状があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
血液
赤血球減少、ヘモグロビン減少
循環器
血圧及び脈拍数の変動、動悸
消化器
悪心、嘔吐、下痢、食欲不振、胃部不快感、胃炎、腹痛、口渇、便秘
舌炎
肝臓
AST、ALT、γ-GTP、ALP、LDH、トリグリセリド、総コレステロールの上昇
腎臓
BUNの上昇
精神神経系
頭痛、めまい、ふらつき、振戦
しびれ、眠気、頭がボーっとする、不眠
過敏症
発疹、そう痒
内分泌
TSHの変動、甲状腺ホルモン(T3、T4)、プロラクチンの上昇
女性化乳房
その他
CKの上昇、血糖上昇、熱感、倦怠感、頻尿
脱毛
健康成人男子6例にタルチレリン水和物錠0.5~40mgを単回経口投与注1) した時の血漿中タルチレリン濃度は投与約3時間後で最高濃度(0.15~10.81ng/mL)に達し、消失半減期はおよそ2時間であった。Cmax及びAUCは用量に比例して増加し、Tmax及びt1/2は投与量にかかわらずほぼ一定値を示した1) 。
健康成人男子6例に対するタルチレリン水和物錠2.5mg1日2回あるいは5mg1日1回2週間反復経口投与注1) によっても蓄積性は認められず、投与初日と14日目の血漿中濃度推移に差はみられなかった2) 。
健康成人男子にタルチレリン水和物錠5mg(普通錠)とタルチレリン水和物OD錠5mgを単回経口投与した時、血漿中タルチレリン濃度及び薬物速度論的パラメータは以下のとおりである。
投与製剤
Tmax※※(hr)
Cmax(ng/mL)
AUC0-12hr(ng・hr/mL)
t1/2(hr)
タルチレリン水和物錠5mg
3.0(2.0-6.0)
2.0±0.9
10.7±4.6
2.0±0.3
タルチレリン水和物OD錠5mg※
3.0(1.0-5.0)
2.1±1.0
10.4±3.8
2.0±0.5
(平均値±標準偏差、n=22)※水で服用※※中央値(最小-最大)
健康成人男子にタルチレリン水和物錠5mgを空腹時及び食後に単回投与した時の血漿中タルチレリン濃度のCmaxは食後で空腹時のおよそ77%、AUCは食後で空腹時のおよそ75%と低下がみられた3) 。
健康成人男子にタルチレリン水和物錠5mgを単回経口投与した場合、投与3及び6時間後の血漿蛋白へのタルチレリンの結合は認められなかった。
健康成人にタルチレリン水和物錠5mgを単回経口投与した場合、血漿及び尿中に代謝物としてプロリンアミドから脱アミノしたアシド体が認められた1) 。
健康成人にタルチレリン水和物錠5mgを単回経口投与した場合、投与24時間後までの未変化体と代謝物アシド体の尿中排泄量はともに投与量の1~2%であった1) 。
脊髄小脳変性症427例を対象に、プラセボを対照とした本剤1日10mg1日2回経口投与の最長1年間投与の二重盲検群間比較試験の結果、投与28週後の種々の運動失調検査では明確な差を認めていないが、主たる評価項目である全般改善度及び運動失調検査概括改善度で、本剤は有意にプラセボに優れることが示された。また、28週後のKaplan-Meier法による累積悪化率はセレジスト錠投与群27.7%、プラセボ投与群41.7%であり、その差は有意であった。なお、投与1年後までの全般改善度(悪化率)のlog-rank検定では、プラセボとの差を認めなかった。副作用は199例中28例(14.1%)に40件認められ、主な副作用は、めまい・ふらつき5件、胃部不快感4件、悪心及び食欲不振がいずれも3件であった4) 。
タルチレリン水和物は10-12Mで、ラット胎児の脊髄腹側培養細胞において神経突起進展を濃度依存的に促進させ、ラット新生児の坐骨神経切断後の運動ニューロン変性を2mg/kg/日の2週間反復腹腔内投与により抑制した10),11) 。
タルチレリン水和物(Taltirelin Hydrate)
N-[(4S)-1-Methyl-2,6-dioxohexahydropyrimidine-4-carbonyl]-L-histidyl-L-prolinamide tetrahydrate
C17H23N7O5・4H2O
477.47
白色の結晶又は結晶性の粉末である。水、エタノール(99.5)又は酢酸(100)に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすい。1mol/L塩酸試液に溶ける。結晶多形が認められる。
PTP包装開封後は、湿気を避けて保存すること。
28錠[14錠(PTP)×2]、140錠[14錠(PTP)×10]
1) 甲斐沼 正, 他: 臨床医薬. 1997; 13(10): 2501-2516
2) 甲斐沼 正, 他: 臨床医薬. 1997; 13(10): 2517-2532
3) 藤田雅巳, 他: 臨床医薬. 1997; 13(13): 3359-3369
4) 金澤一郎, 他: 臨床医薬. 1997; 13(16): 4169-4224
5) Kinoshita K, et al.: Jpn J Pharmacol. 1996; 71(2): 139-145
6) Fukuchi I, et al.: Arzneimittelforschung. 1998; 48(4): 353-359
7) Kinoshita K, et al.: Eur J Pharmacol. 1995; 274(1-3): 65-72
8) Kinoshita K, et al.: Br J Pharmacol. 1995; 116(8): 3274-3278
9) Kinoshita K, et al.: Eur J Pharmacol. 1998; 343(2-3): 129-133
10) Iwasaki Y, et al.: J Neurol Sci. 1992; 112(1-2): 147-151
11) Iwasaki Y, et al.: Neurol Res. 1997; 19(6): 613-616
12) 森安眞津子, 他: 日薬理誌. 1996; 107(6): 285-297
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