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劇薬
処方箋医薬品注)
遅発性ジスキネジア
*遅発性ジスキネジアと診断された患者※に使用すること。※米国精神医学会の「精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM;Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」及び米国精神医学会の「統合失調症治療ガイドライン」の最新版を参考にすること。
通常、成人にはバルベナジンとして1日1回40mgを経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回80mgを超えないこととする。
活性代謝物の血漿中濃度が上昇するおそれがある。,,,
QT延長があらわれるおそれがある。,
自殺念慮、自殺企図があらわれるおそれがある。
悪性症候群が起こりやすい。
バルベナジン及び活性代謝物の血漿中濃度が上昇するおそれがある。,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットにおいてバルベナジン及びその代謝物の胎盤通過性が認められている。また、ラットにおいて、臨床曝露量を下回る用量で母動物の体重増加抑制及び摂餌量の減少、並びに生存出生児数の減少が認められている。加えて、ウサギにおいて、臨床曝露量を下回る用量で母動物の体重増加抑制及び摂餌量の減少に伴う、胎児の骨化遅延及び胎児体重の減少が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットにおいて、バルベナジン及びその代謝物の乳汁中への移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
モノアミン酸化酵素阻害剤(MAO阻害剤)
本剤の作用が減弱する可能性がある。
本剤とMAO阻害剤を併用すると、シナプス中のモノアミン神経伝達物質の濃度が上昇する可能性がある。
テトラベナジン
相互に作用を増強することがあるため併用は推奨されない。併用する場合は観察を十分に行い、副作用の発現に注意すること。
本剤と類似した作用機序を有する。
中程度以上のCYP3A阻害剤
,,,
**併用により、本剤の作用が増強することで副作用があらわれるおそれがあるため、観察を十分に行うこと。強いCYP3A阻害剤を併用する場合には本剤の用量を調節すること。
左記薬剤のCYP3A阻害作用により、バルベナジン及び活性代謝物の血漿中濃度が上昇するおそれがある。
CYP2D6阻害剤
**併用により、本剤の作用が増強することで副作用があらわれるおそれがあるため、観察を十分に行うこと。強いCYP2D6阻害剤を併用する場合には本剤の用量を調節すること。
左記薬剤のCYP2D6阻害作用により、活性代謝物の血漿中濃度が上昇するおそれがある。
中程度以上のCYP3A誘導剤
併用により、本剤の作用が減弱するおそれがあるため、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。
左記薬剤のCYP3A誘導作用により、バルベナジン及び活性代謝物の血漿中濃度が低下するおそれがある。
P-gpの基質薬剤
本剤との併用により、副作用があらわれるおそれがあるため、観察を十分に行い、副作用の発現に注意すること。
本剤のP-gp阻害作用により、左記薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。
QT延長を起こすことが知られている薬剤,
QT延長を起こすおそれがあるため、本剤の投与前及び投与中は定期的に心電図検査を行う等、患者の状態を慎重に観察すること。
併用によりQT延長作用が増強するおそれがある。
傾眠(16.9%)、鎮静(1.2%)があらわれることがある。
重篤な発疹(0.4%)、蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫(いずれも頻度不明)等があらわれることがある。
流涎過多(11.2%)、振戦(7.2%)、アカシジア(6.8%)、パーキンソニズム(2.4%)、錐体外路障害(2.0%)、運動緩慢(1.2%)、落ち着きのなさ、姿勢異常(いずれも0.8%)、ジストニア、表情減少、筋固縮、筋骨格硬直、歩行障害、突進性歩行、運動障害(いずれも0.4%)等があらわれることがある。
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
5%以上
1%以上5%未満
1%未満
頻度不明
精神・神経系
遅発性ジスキネジアの悪化、不眠症、浮動性めまい、統合失調症の悪化、うつ病の悪化、抑うつ状態、不安
頭痛、感覚鈍麻、感情の平板化、自殺念慮、自殺企図、双極性障害の悪化、脱抑制、激越、軽躁、無為、大うつ病の悪化、異常行動、注意力障害、構語障害、痙攣発作、協調運動異常、意識消失、昏迷、認知障害
耳
回転性めまい、感音性難聴、耳鳴
循環器
動悸、徐脈、心室性期外収縮、低血圧
呼吸器
呼吸困難、口腔咽頭痛、咳払い
消化器
便秘、嚥下障害、食欲減退、悪心、口渇
下痢、腹部不快感、口内乾燥、胃炎、食欲亢進、腹部膨満、口の感覚鈍麻
肝臓
肝機能検査値上昇
肝機能異常
皮膚
発疹
湿疹、蕁麻疹、水疱、紅斑性皮疹、中毒性皮疹
筋骨格系
筋力低下、背部痛、四肢痛
全身症状
倦怠感(7.2%)
体重増加、疲労、体重減少
無力症、薬物離脱症候群、活動性低下、異常感、不快感、末梢性浮腫
臨床検査
血中クレアチンホスホキナーゼ増加、尿中ブドウ糖陽性
血中プロラクチン増加
その他
扁桃炎、乳腺炎、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、歯ぎしり、眼瞼下垂、排尿困難、乳汁漏出症、不規則月経、挫傷、転倒、皮膚擦過傷
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
国内臨床試験において、本剤を投与された249例中8例(本剤40mg群3例、本剤80mg群5例)に死亡が報告された。このうち7例は本剤との関連性が否定されているが、本剤40mg群1例の死亡は、原因不明であり、本剤との関連性が否定されていない。
健康成人に、バルベナジン40mg、80mg及び160mgを絶食下で単回経口投与したときのバルベナジン及び活性代謝物の平均血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりである1)。注)本剤の承認最大用量は80mgである。
投与量
Cmax(ng/mL)
AUC0-∞(ng·h/mL)
tmax(h)
バルベナジン
40mg
542±164
3625±846.4
0.75(0.50–2.00)
80mg
1260±344
8535±1797
0.50(0.50–1.00)
160mg
3010±837
18051±4225
0.75(0.50–1.00)
活性代謝物
9.89±2.94
349.3±99.6
6.00(4.00–12.00)
24.6±5.88
773.1±217.0
4.00(4.00–8.00)
55.4±15.8
1675±372
n=8、平均値±標準偏差、tmaxは中央値(最小値–最大値)
健康成人に、バルベナジン40mgを1日1回8日間絶食下で反復経口投与したときの投与8日目の薬物動態パラメータは下表のとおりであった。バルベナジン及び活性代謝物の血漿中濃度は反復投与8日以内に定常状態に到達すると推定された1)。
AUC0-24(ng·h/mL)
465±120
3832±807.3
0.75(0.50–3.00)
29.0±10.9
520.6±216.2
4.00(3.00–4.00)
n=10、平均値±標準偏差、tmaxは中央値(最小値–最大値)
母集団薬物動態解析(日本人及び外国人データ)に基づくシミュレーションから、バルベナジン80mgを1日1回反復経口投与したとき日本人における薬物動態パラメータは下表のとおりであった2)。
AUC0-24h(ng·h/mL)
695
6475
53.1
1076
中央値
健康成人に、バルベナジン80mgを空腹時又は高脂肪高カロリー食摂取後に単回投与したときのバルベナジンのCmax及びAUC0-∞の幾何平均値の比(食後/空腹時、%)とその90%信頼区間は、それぞれ、54%[50%, 58%]及び87%[85%, 90%]であった。活性代謝物のCmaxは空腹時と比較して、食後投与で僅かに低下し、活性代謝物のAUC0-∞は空腹時と食後投与時で同程度であった。空腹時と比較して、バルベナジン及び活性代謝物のtmaxの中央値は食後投与で延長した(外国人データ)3)。
投与条件
空腹時
769±230
6010±1530
0.63(0.50–2.0)
食後
409±112
5200±1270
3.0(1.3–4.0)
25.1±6.55
711±181
4.0(3.0–8.0)
20.5±5.35
666±165
8.0(4.0–10)
空腹時n=24、食後n=22、平均値±標準偏差、tmaxは中央値(最小値–最大値)
健康成人男性(6名)にバルベナジン50mgを空腹時に経口投与し、さらに[14C]標識バルベナジンを単回静脈内投与したときの血漿中非標識バルベナジン及び[14C]標識バルベナジン濃度から算出したバルベナジンの経口投与時の絶対的バイオアベイラビリティは48.6%であった4)。
バルベナジン(1000ng/mL)及び活性代謝物(10ng/mL)のヒト血漿中タンパク結合率は、それぞれ99.9%及び62.9%であった(in vitro)5)。
健康成人男性(6名)に[14C]標識バルベナジン50mgを単回投与したとき、投与9日後までに、投与された総放射能の約60%が尿中に、約30%が糞中に排泄された。バルベナジン及び活性代謝物の尿中排泄率は総放射能の1.8%及び1.6%であった(外国人データ)4)。
軽度、中等度及び高度肝機能障害患者(Child-Pugh分類クラスはA、B及びC)にバルベナジン50mgを単回経口投与したとき、バルベナジン及び活性代謝物のCmax及びAUC0-∞は肝機能障害の程度に伴い上昇した(外国人データ)7)。,,
肝機能障害の程度
正常肝機能者
233±52.0
2680±246
軽度肝機能障害患者
384±285
3510±1530
正常肝機能者との比[90%信頼区間]
1.4[0.86, 2.4]
1.2[0.88, 1.7]
中等度肝機能障害患者
556±448
5550±2840
2.0[1.2, 3.3]
1.9[1.3, 2.6]
高度肝機能障害患者
631±302
6430±1390
2.5[1.5, 4.2]
2.4[1.7, 3.3]
8.61±0.95
335±26.8
10.6±2.76
430±145
1.2[0.89, 1.7]
1.2[0.83, 1.8]
20.0±10.7
1110±697
2.1[1.5, 2.9]
2.8[1.9, 4.1]
19.2±5.58
1180±358
2.2[1.6, 3.0]
3.4[2.3, 5.1]
n=6、平均値±標準偏差
高度腎機能障害患者(eGFRが15~29mL/min/1.73m2)にバルベナジン40mgを単回経口投与したとき、腎機能正常者と比較してバルベナジンのCmax及びAUC0-∞は大きな違いはなく、活性代謝物のCmax及びAUC0-∞は僅かに上昇した(外国人データ)8)。
腎機能障害の程度
正常腎機能者
300±79.2
2350±472
高度腎機能障害患者
271±101
2300±482
正常腎機能者との比[90%信頼区間]
0.87[0.64, 1.2]
0.98[0.81, 1.2]
8.17±2.84
355±126
9.90±2.17
435±144
1.3[0.97, 1.6]
1.2[0.91, 1.7]
n=8、平均値±標準偏差
母集団薬物動態解析(外国人データ)に基づくシミュレーションから遺伝的にCYP2D6の活性が欠損しているPMは、PM以外の多型(non-PM)の患者と比較し、活性代謝物のCmax及びAUC0-24hが約2倍高くなると推定された9)。,,
Cmax[90%信頼区間]
AUC0-24h[90%信頼区間]
0.98[0.84, 1.26]
0.99[0.80, 1.26]
1.83[1.45, 2.41]
2.03[1.58, 2.79]
併用薬用量
バルベナジン用量
n
薬物動態パラメータ幾何平均値の比[90%信頼区間]併用/単独
Cmax
AUC0-∞
200mg
50mg
24
1.5[1.4, 1.6]
2.1[2.0, 2.2]
1.6[1.5, 1.7]
,,
20mg
0.76[0.62, 0.93]
0.91[0.77, 1.1]
1.4[1.2, 1.7]
1.9[1.6, 2.3]
600mg
12
0.68[0.58, 0.80]
0.28[0.26, 0.30]
0.49[0.41, 0.57]
0.23[0.21, 0.25]
生理学的薬物速度論モデルに基づいたシミュレーションから、バルベナジン40mgを中程度のCYP2D6阻害剤(ミラべグロン、100mg)又は強いCYP2D6阻害剤(パロキセチン、20mg)と中程度のCYP3A阻害剤(フルコナゾール、200mg)又は強いCYP3A阻害剤(ケトコナゾール、200mg)の両方と併用投与したときのバルベナジン及び活性代謝物のCmax及びAUC0-∞は、バルベナジンを単独投与したときと比較して高くなると推定された。また、CYP2D6 PMがバルベナジン40mgを中程度のCYP3A阻害剤(フルコナゾール、200mg)又は強いCYP3A阻害剤(ケトコナゾール、200mg)と併用投与したときのバルベナジン及び活性代謝物のCmax及びAUC0-∞は、健康成人がバルベナジンを単独投与したときと比較して高くなると推定された。
組み合わせ
Cmax上昇比
AUC0-∞上昇比
強いCYP2D6阻害剤及び強いCYP3A阻害剤併用
1.25
2.12
2.56
5.28
強いCYP2D6阻害剤及び中程度のCYP3A阻害剤併用
1.19
1.65
3.71
中程度のCYP2D6阻害剤及び強いCYP3A阻害剤併用
2.44
4.76
中程度のCYP2D6阻害剤及び中程度のCYP3A阻害剤併用
1.17
1.63
1.97
3.27
CYP2D6 PMかつ強いCYP3A阻害剤併用
2.09
2.69
5.80
CYP2D6 PMかつ中程度のCYP3A阻害剤併用
1.61
2.16
3.98
ジゴキシンの薬物動態パラメータ幾何平均値の比[90%信頼区間]併用/単独
0.5mg
1.9 [1.7, 2.2]
1.4 [1.3, 1.5]
健康成人に本剤80mgとミダゾラム2mgを経口併用投与したとき、バルベナジンはCYP3Aの基質であるミダゾラムの曝露量に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
遅発性ジスキネジアを有する統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害又は抑うつ障害の患者を対象に、二重盲検期では、プラセボ又はバルベナジンを1日1回6週間経口投与した。バルベナジンの投与量は、40mg/日又は80mg/日とし、80mg/日を投与する場合は最初の1週間に40mg/日を投与した後80mg/日に増量した。継続投与期では、バルベナジンを1日1回42週間経口投与した。バルベナジンの投与量は、40mg/日又は80mg/日とし、二重盲検期にバルベナジン群であった被験者は継続投与期においても同一用量を投与し、二重盲検期にプラセボであった被験者は継続投与期において40mg/日又は80mg/日のいずれかを投与した。また、バルベナジン80mg/日については、40mg/日に減量することを可能としたが、再増量は不可とした。投与6週後の異常不随意運動評価尺度(AIMS)合計スコア(項目1~7)のベースラインからの変化量は下表のとおりであり、プラセボ群と比較してバルベナジン40mg群及びバルベナジン80mg群ともに統計学的な有意差が認められた。
投与前
投与6週後の変化量
プラセボとの変化量の差
p値
プラセボ群(n=84)
8.0±4.2
-0.1[-0.8, 0.5](n=80)
-
バルベナジン40mg群(n=83)
7.7±3.8
-2.3[-3.0, -1.7](n=68)
-2.2[-3.0, -1.3]
<0.001
バルベナジン80mg群(n=82)
7.4±4.3
-3.7[-4.4, -3.0](n=57)
-3.6[-4.5, -2.6]
投与前:平均値±標準偏差、投与6週後の変化量及びプラセボとの変化量の差:投与前のAIMS合計スコアを共変量としたMMRMモデル法で算出された最小二乗平均、[ ]は両側95%信頼区間、p値:固定順序法(ステップ1:バルベナジン80mg群をプラセボ群と比較、有意であればステップ2:バルベナジン40mg群をプラセボ群と比較)で求められた多重調整後の値
また投与48週後のAIMS合計スコア(項目1~7)のベースラインからの平均変化量は下表のとおりであり、効果の持続性が示された。
投与48週後の変化量
バルベナジン40mg群(n=125)
7.9±4.1
-3.7±4.2(n=64)
バルベナジン80mg群(n=124)
7.6±4.2
-5.7±4.6(n=49)
平均値±標準偏差
投与開始から48週後までの副作用発現頻度は、62.7%{バルベナジン40mg群で50.8%(64/126例)、バルベナジン80mg群で74.8%(92/123例)}であった。主な副作用は、傾眠16.9%{バルベナジン40mg群で12.7%(16/126例)、バルベナジン80mg群で21.1%(26/123例)}、流涎過多9.6%{バルベナジン40mg群で4.8%(6/126例)、バルベナジン80mg群で14.6%(18/123例)}、振戦7.2%{バルベナジン40mg群で3.2%(4/126例)、バルベナジン80mg群で11.4%(14/123例)}であった12)。
健康成人(n=48)を対象にバルベナジン160mgを絶食下で単回経口投与したときのQT間隔を測定した。投与後8時間において、QTcF間隔(Fridericia法による心拍数補正QT間隔)のベースラインからの変化量のプラセボとの差が最大となり、平均値(及び90%信頼区間上限値)は8.96msec(11.1)であった(外国人データ)13)。,,,,注)本剤の承認最大用量は80mgである。
遅発性ジスキネジアの病態生理に関する詳細は不明であるが、脳内線条体におけるシナプス後のドパミン(DA)過感受性等が考えられている。バルベナジン及びその活性代謝物である[+]-α-ジヒドロテトラベナジン([+]-α-DHTBZ)は、中枢神経系の前シナプスにおいて、モノアミン(DA等)の貯蔵及び遊離のために、細胞質からシナプス小胞へのモノアミンの取込みを制御している小胞モノアミントランスポーター2(VMAT2)を選択的に阻害する。その結果、遅発性ジスキネジアに対する治療効果を発揮すると考えられる。
バルベナジン及びその活性代謝物である[+]-α-DHTBZは、ヒトVMAT2を阻害し、その作用は[+]-α-DHTBZの方が約45倍強かった(in vitro)14)。また、ラットにおいて、バルベナジン及び[+]-α-DHTBZは、神経終末におけるDA及び/又はノルエピネフリンの遊離量減少によって生じる眼瞼下垂、自発運動量減少及び血中プロラクチン値上昇を引き起こした15)。
バルベナジントシル酸塩(Valbenazine Tosilate)
(2R,3R,11bR)-9,10-Dimethoxy-3-(2-methylpropyl)-1,3,4,6,7,11b-hexahydro-2H-pyrido[2,1-a]isoquinolin-2-yl L-valinate bis(4-methylbenzenesulfonate)
C24H38N2O4・2C7H8O3S
762.97
白色の固体である。
約243℃
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]
1) 田辺三菱製薬(株):健康成人を対象とした薬物動態試験(社内資料)(2022年3月28日承認、CTD2.7.6.9)
2) 田辺三菱製薬(株):日本人及び外国人データを用いた母集団薬物動態解析(社内資料)(2022年3月28日承認、CTD2.7.2.3.3.4)
3) 田辺三菱製薬(株):健康成人を対象とした食事の影響試験(社内資料)(2022年3月28日承認、CTD2.7.1.2.2.2)
4) 田辺三菱製薬(株):マスバランス試験(社内資料)(2022年3月28日承認、CTD2.7.2.2.2.1)
5) 田辺三菱製薬(株):血漿たん白結合に関する検討(社内資料)(2022年3月28日承認、CTD2.7.2.2.1.2)
6) 田辺三菱製薬(株):代謝に関する検討(社内資料)(2022年3月28日承認、CTD2.7.2.2.1.3)
7) 田辺三菱製薬(株):肝機能障害患者を対象とした薬物動態試験(社内資料)(2022年3月28日承認、CTD2.7.6.11)
8) 田辺三菱製薬(株):腎機能障害患者を対象とした薬物動態試験(社内資料)(2022年3月28日承認、CTD2.7.6.12)
9) 田辺三菱製薬(株):外国人データを用いた母集団薬物動態解析(社内資料)(2022年3月28日承認、CTD2.7.2.3.3.5.1)
10) 田辺三菱製薬(株):薬物相互作用試験(社内資料)(2022年3月28日承認、CTD2.7.2.2.2.5)
11) 田辺三菱製薬(株):生理学的薬物速度論モデルに基づく検討(社内資料)(2022年3月28日承認、CTD2.7.2.3.3.5.4)
12) 田辺三菱製薬(株):遅発性ジスキネジア患者を対象とした国内第II/III相試験(社内資料)(2022年3月28日承認、CTD2.7.6.16)
13) 田辺三菱製薬(株):QT/QTc試験(社内資料)(2022年3月28日承認、CTD2.7.6.13)
14) 田辺三菱製薬(株):In vitro薬理作用(社内資料)(2022年3月28日承認、CTD2.6.2.2.1)
15) 田辺三菱製薬(株):In vivo薬理作用(社内資料)(2022年3月28日承認、CTD2.6.2.2.2)
田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話 0120-753-280
ヤンセンファーマ株式会社 メディカルインフォメーションセンター
〒101-0065 東京都千代田区西神田3-5-2
電話 0120-183-275
本製剤の効能・効果に関連する注意において「遅発性ジスキネジアと診断された患者に使用すること。」とされていることから、遅発性ジスキネジアの診断及び治療に精通した医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例に使用すること(保医発0524第3号:令和4年5月24日付)。
田辺三菱製薬株式会社
大阪市中央区道修町3-2-10
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