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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤(ジルチアゼム塩酸塩として10mg又は50mg)は、5mL以上の生理食塩液又はブドウ糖注射液に用時溶解し、次のごとく投与する。
通常、成人にはジルチアゼム塩酸塩として1回10mgを約3分間で緩徐に静注する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
1回静注の場合:通常、成人にはジルチアゼム塩酸塩として1回10mgを約1分間で緩徐に静注する。なお、年齢、症状により適宜増減する。点滴静注の場合:通常、成人には1分間に体重kg当たりジルチアゼム塩酸塩として5~15μgを点滴静注する。目標値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節する。
通常、成人には1分間に体重kg当たりジルチアゼム塩酸塩として5~15μgを点滴静注する。目標値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節する。
通常、成人には1分間に体重kg当たりジルチアゼム塩酸塩として1~5μgを点滴静注する。投与量は低用量から開始し、患者の病態に応じて適宜増減するが、最高用量は1分間に体重kg当たり5μgまでとする。
心不全症状を悪化させるおそれがある。
心刺激生成抑制作用、心伝導抑制作用が過度にあらわれるおそれがある。
血圧を更に低下させるおそれがある。
低血圧を伴う心拍数増加、心室細動を来すおそれがある。
薬物の排泄が遅延し、作用が増強するおそれがある。
薬物の代謝が遅延し、作用が増強するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で催奇形作用(マウス、ラット、ウサギ:骨格異常、外形異常)及び胎児毒性(マウス、ラット、ウサギ:致死)が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトの母乳中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
低用量から投与を開始するなど患者の状態を十分観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。
アスナプレビル(スンベプラ)
ダクラタスビル塩酸塩/アスナプレビル/ベクラブビル塩酸塩(ジメンシー)
アスナプレビルの血中濃度が上昇する。肝胆道系の副作用が発現し、また重症化するおそれがある。
本剤がCYP3Aを阻害することにより、左記薬剤の代謝が阻害される。
イバブラジン塩酸塩(コララン)
過度の徐脈があらわれることがある。
本剤がCYP3Aを阻害することにより、左記薬剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する。左記薬剤の心拍数減少作用を相加的に増強する。
ロミタピドメシル酸塩(ジャクスタピッド)
ロミタピドメシル酸塩の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。
降圧作用を有する薬剤(降圧剤、硝酸剤等)
血圧を測定し、用量を調節する。
相加的に作用(降圧作用)を増強させると考えられる。
β遮断剤(ビソプロロールフマル酸塩、プロプラノロール塩酸塩、アテノロール等)
徐脈、房室ブロック、洞房ブロック等があらわれることがある。心電図をモニターし、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用、陰性変力作用、降圧作用)を増強させると考えられる。特にジギタリス製剤との3剤併用時には注意を要する。
ラウオルフィア製剤(レセルピン等)
ジギタリス製剤(ジゴキシン、メチルジゴキシン)
徐脈、房室ブロック等があらわれることがある。また、これらの不整脈を含めジギタリス製剤の血中濃度上昇による中毒症状(悪心・嘔吐、頭痛、めまい、視覚異常等)があらわれることがある。心電図をモニターし、また、定期的にジギタリス中毒の有無を観察し、必要に応じてジギタリス製剤の血中濃度を測定する。異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用)を増強させると考えられる。特にβ遮断剤との3剤併用時には注意を要する。また、本剤はジギタリス製剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
抗不整脈薬(アミオダロン塩酸塩、メキシレチン塩酸塩等)
徐脈、房室ブロック、洞停止等があらわれることがある。心電図をモニターし、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用)を増強させると考えられる。
麻酔剤(イソフルラン等)
フィンゴリモド塩酸塩
フィンゴリモド塩酸塩の投与開始時に併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められることがある。
共に徐脈や心ブロックを引き起こすおそれがある。
アプリンジン塩酸塩
両剤の血中濃度上昇による症状(徐脈、房室ブロック、洞停止、振戦、めまい、ふらつき等)があらわれることがある。心電図をモニターし、また、定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
共通の代謝酵素(チトクロームP450)に影響を及ぼし合い、両剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤(ニフェジピン、アムロジピンベシル酸塩等)
ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤の血中濃度上昇による症状(降圧作用の増強等)があらわれることがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
これらの薬剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
シンバスタチン
シンバスタチンの血中濃度上昇による横紋筋融解症やミオパシーが発現することがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には投与を中止する。
トリアゾラム
トリアゾラムの血中濃度上昇による症状(睡眠時間の延長等)があらわれることがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
ミダゾラム
ミダゾラムの血中濃度上昇による症状(鎮静・睡眠作用の増強等)があらわれることがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
カルバマゼピン
カルバマゼピンの血中濃度上昇による症状(眠気、悪心・嘔吐、眩暈等)があらわれることがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
セレギリン塩酸塩
セレギリン塩酸塩の作用、毒性が増強することがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
テオフィリン
テオフィリンの血中濃度上昇による症状(悪心・嘔吐、頭痛、不眠等)があらわれることがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
シロスタゾール
シロスタゾールの作用が増強することがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
アピキサバン
アピキサバンの作用が増強することがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
ビノレルビン酒石酸塩
ビノレルビン酒石酸塩の作用が増強することがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
シクロスポリン
シクロスポリンの血中濃度上昇による症状(腎障害等)があらわれることがある。定期的に臨床症状を観察し、また、シクロスポリンの血中濃度を測定し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
タクロリムス水和物
タクロリムスの血中濃度上昇による症状(腎障害等)があらわれることがある。定期的に臨床症状を観察し、また、タクロリムスの血中濃度を測定し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
フェニトイン
フェニトインの血中濃度上昇による症状(運動失調、めまい、眼振等)があらわれることがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。また、本剤の作用が低下することがある。
フェニトインの代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、フェニトインの血中濃度を上昇させると考えられる。また、フェニトインが本剤の代謝を促進することにより、本剤の血中濃度を低下させると考えられる。
シメチジン
本剤の血中濃度上昇による症状(降圧作用の増強、徐脈等)があらわれることがある。血圧を測定し、また、心電図をモニターし、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
これらの薬剤が本剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、本剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル、サキナビルメシル酸塩等)
リファンピシン
本剤の作用が低下することがある。定期的に臨床症状を観察し、また、可能であれば本剤の血中濃度を測定し、異常が認められた場合には、他剤への変更あるいは本剤を増量するなどの適切な処置を行う。
リファンピシンが本剤の代謝酵素(チトクロームP450)を誘導することにより、本剤の血中濃度を低下させると考えられる。
筋弛緩剤(パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物等)
筋弛緩剤の作用が増強することがある。筋弛緩作用に注意し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
本剤が神経筋接合部において、シナプス前からのアセチルコリン放出を抑制させると考えられる。
初期症状として徐脈、めまい、ふらつき等があらわれることがあり、心停止に至る場合もあるので、これらに対処できる十分な準備を行い、投与する。また、このような異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、下記等の適切な処置を行うこと。,,
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
循環器
徐脈、房室ブロック、血圧低下、房室接合部調律、期外収縮、洞停止、顔面潮紅、脚ブロック、動悸
洞房ブロック、めまい、一過性の頻脈
精神神経系
頭痛、嘔気
嘔吐
肝臓
AST、ALT、LDHの上昇
ALPの上昇
腎臓
血清クレアチニン、BUNの上昇
尿量減少
過敏症
発疹、そう痒、光線過敏症
その他
注射部位の局所発赤
静脈炎
徐脈、完全房室ブロック、心不全、低血圧等があらわれることがある。
透析によって除去されない。下記等の適切な処置を行うこと。
他剤との配合によりpHが8を超える場合には、ジルチアゼムが析出することがあるので注意すること。
心疾患患者8例に本剤10mgを1分間で1回静注したとき、投与直後で最高血中濃度に達し、初期で急激に減少、その後緩やかに減衰する。1回静注時の半減期(消失相)は約1.9時間である1)。
非開心術中の患者5例に本剤を5、10、15μg/kg/分で24時間点滴静注したときの実測値より算出したシミュレーションカーブは下図のとおりである。血漿中濃度は注入速度の増加に従って用量依存的に上昇し、投与開始後5~6時間で定常状態となる。投与終了後は速やかに減少したのち緩やかに消失する2)。
血漿蛋白結合率は約60~75%であった(血漿中濃度約180~540ng/mL、ヒト)3)(in vitro)。
健康成人男子に経口投与したときの主な代謝経路は、酸化的脱アミノ化、酸化的脱メチル化、脱アセチル化、抱合化である4)。
本剤は主として代謝酵素チトクロームP450 3A4(CYP3A4)で代謝される。
14C標識ジルチアゼム塩酸塩3mg/kgをSD系雄性ラットに静脈内投与したとき、投与後72時間までの尿中排泄率は34.8%、糞中排泄率は64.6%であった5)。
一般臨床試験の結果、有効率(有効以上)は発作性上室性頻拍に対して90.3%(168/186例)、頻拍性心房細動・粗動に対して87.2%(130/149例)であった。副作用発現頻度は、7.5%(27/362例)であった。主な副作用は、血圧低下2.2%(8/362例)、顔面潮紅及び体のほてりがいずれも0.8%(3/362例)であった。
本剤0.2mg/kg又はプラセボを約3分間で1回静脈内投与した二重盲検比較試験の結果、有効率(有効以上)は発作性上室性頻拍に対して59.3%(16/27例)、頻拍性心房細動・粗動に対して90.2%(37/41例)であった。副作用発現頻度は、13.2%(9/68例)であった。主な副作用は、顔のほてり4.4%(3/68例)、顔面潮紅2.9%(2/68例)であった6)。
一般臨床試験の結果、有効率(有効以上)は93.4%(227/243例)であった。副作用発現頻度は、8.8%(22/251例)であった。主な副作用は、房室ブロック3.6%(9/251例)、血圧低下、徐脈及び房室接合部調律がそれぞれ1.2%(3/251例)であった。
本剤を10~30μg/kg/分で静脈内に持続投与、又は対照薬としてニトログリセリンを0.5~5μg/kg/分で静脈内に持続投与した単純盲検比較試験の結果、本剤の有効率(順調以上)は95.7%(88/92例)であった。副作用発現頻度は、13.0%(12/92例)であった。主な副作用は、房室接合部調律5.4%(5/92例)、徐脈4.3%(4/92例)であった7)。
悪性高血圧、高血圧性脳症、解離性大動脈瘤、急性左心不全等の高血圧性緊急症に対する有効率(有効以上)は100.0%(28/28例)であった。副作用発現頻度は、20.7%(6/29例)であった8)。
無作為単純盲検比較試験の結果、不安定狭心症に対する本剤の有用性が認められた。有効率(中等度改善以上)は80.0%(32/40例)であった9)。
末梢血管、冠血管等の血管平滑筋及び房室結節において、細胞内へのCa2+流入を抑制することにより、血管拡張作用及び房室結節伝導時間の延長作用を示し、高血圧、不整脈、狭心症に効果を示す。
心筋虚血時、細胞内へのCa2+過剰流入を抑制することにより、心機能・心筋エネルギー代謝を保持し梗塞巣の広がりを縮小する(イヌ、ネコ)22),23)。
ジルチアゼム塩酸塩(Diltiazem Hydrochloride)
(2S, 3S)-5-[2-(Dimethylamino)ethyl]-2-(4-methoxyphenyl)-4-oxo-2, 3, 4, 5-tetrahydro-1, 5-benzothiazepin-3-yl acetate monohydrochloride
C22H26N2O4S・HCl
450.98
白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。ギ酸に極めて溶けやすく、水、メタノール又はクロロホルムに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、無水酢酸又はエタノール(99.5)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
210~215℃(分解).
+115~+120°(乾燥後, 0.2g, 水, 20mL, 100mm)
[10mg×10瓶(バイアル)]
[50mg×10瓶(バイアル)]
1) 江藤 晃, 他:基礎と臨床. 1980;14(10):3082-3088
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