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処方箋医薬品注)
劇薬
通常、テオフィリンとして、成人1回200mg(本剤2錠)を、小児1回100~ 200mg(本剤1~ 2錠)を、1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。また、気管支喘息については、テオフィリンとして成人1回400mg(本剤4錠)を、1日1回就寝前に経口投与することもできる。なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。
通常、テオフィリンとして、成人1回200mg(本剤1錠)を、1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。また、気管支喘息については、テオフィリンとして成人1回400mg(本剤2錠)を、1日1回就寝前に経口投与することもできる。なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。
中枢刺激作用によって発作を起こすことがある。
甲状腺機能亢進に伴う代謝亢進、カテコールアミンの作用を増強することがある。
血中濃度測定等の結果により減量すること。テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。
腎臓に対する負荷を高め、尿蛋白が増加するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(マウス、ラット、ウサギ)で催奇形作用等の生殖毒性が報告されている。また、ヒトで胎盤を通過して胎児に移行し、新生児に嘔吐、神経過敏等の症状があらわれることがある。
本剤投与中は授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中に移行し、乳児に神経過敏を起こすことがある。
副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。高齢者では、非高齢者に比べ最高血中濃度の上昇及びAUCの増加が認められたとの報告がある。
* アデノシン(アデノスキャン)
本剤によりアデノシンによる冠血流速度の増加及び冠血管抵抗の減少を抑制し、虚血診断に影響を及ぼすことがある。アデノシン(アデノスキャン)を投与する場合は12時間以上の間隔をあけること。
本剤はアデノシン受容体に拮抗するため、アデノシンの作用を減弱させる。
他のキサンチン系薬剤(アミノフィリン水和物、ジプロフィリン、カフェイン等)中枢神経興奮薬(エフェドリン塩酸塩、マオウ等)
過度の中枢神経刺激作用があらわれることがある。副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
併用により中枢神経刺激作用が増強される。
交感神経刺激剤(β刺激剤)(イソプレナリン塩酸塩、クレンブテロール塩酸塩、ツロブテロール塩酸塩、テルブタリン硫酸塩、プロカテロール塩酸塩水和物等)
低カリウム血症、心・血管症状(頻脈、不整脈等)等のβ刺激剤の副作用症状を増強させることがある。副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
心刺激作用をともに有しており、β刺激剤の作用を増強するためと考えられる。低カリウム血症の増強についての機序は不明である。
ハロタン
不整脈等の副作用が増強することがある。また、連続併用によりテオフィリン血中濃度が上昇することがある。副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
テオフィリンとハロタンの心臓に対する作用の相加又は相乗効果と考えられる。
ケタミン塩酸塩
痙攣があらわれることがある。痙攣の発現に注意し、異常が認められた場合には抗痙攣剤の投与など適切な処置を行うこと。
痙攣閾値が低下するためと考えられる。
シメチジンメキシレチン塩酸塩プロパフェノン塩酸塩アミオダロン塩酸塩ピペミド酸水和物シプロフロキサシンノルフロキサシントスフロキサシントシル酸塩水和物パズフロキサシンメシル酸塩プルリフロキサシンエリスロマイシンクラリスロマイシンロキシスロマイシンチクロピジン塩酸塩ベラパミル塩酸塩ジルチアゼム塩酸塩フルボキサミンマレイン酸塩フルコナゾールジスルフィラムデフェラシロクス
テオフィリンの中毒症状があらわれることがある。副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝代謝酵素が阻害され、テオフィリンクリアランスが低下するため、テオフィリン血中濃度が上昇すると考えられる。
アシクロビルバラシクロビル塩酸塩インターフェロンイプリフラボンシクロスポリンアロプリノール
テオフィリン血中濃度の上昇によると考えられる。
リファンピシンフェノバルビタールランソプラゾールリトナビル
テオフィリンの効果が減弱することがある。テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行うこと。
肝代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。
フェニトインカルバマゼピン
テオフィリン及び相手薬の効果が減弱することがある。テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行うこと。また、相手薬の効果減弱や血中濃度の低下に注意すること。
ジピリダモール
ジピリダモールの作用を減弱させることがある。
アデノシン拮抗作用による。
ラマトロバン
ラマトロバンの血中濃度が上昇することがある。
ラマトロバンの血中濃度上昇についての機序は不明である。
リルゾール
リルゾールの作用を増強(副作用発現)するおそれがある。
in vitro試験でリルゾールの代謝を阻害することが示唆されている。
タバコ
禁煙(禁煙補助剤であるニコチン製剤使用時を含む)によりテオフィリンの中毒症状があらわれることがある。副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
喫煙により肝代謝酵素が誘導され、テオフィリンクリアランスが上昇し、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。また、禁煙により血中濃度が上昇すると考えられる。
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。
セイヨウオトギリソウにより誘導された肝代謝酵素が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。
痙攣又はせん妄、昏睡等の意識障害があらわれることがあるので、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。
痙攣、意識障害等に引き続き急性脳症に至ることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。
脱力感、筋肉痛、CK上昇等に注意し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うとともに横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
潰瘍等による消化管出血(吐血、下血等)があらわれることがある。
貧血があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
アナフィラキシーショック(蕁麻疹、蒼白、発汗、血圧低下、呼吸困難等)があらわれることがある。
肝機能障害(AST、ALTの上昇等)、黄疸があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
そう痒感、発疹
蕁麻疹、固定薬疹、紅斑(多形滲出性紅斑等)
精神神経系
頭痛、不眠、めまい、振戦
しびれ、不随意運動、筋緊張亢進
神経過敏(興奮、不機嫌、いらいら感)、不安、耳鳴
循環器
動悸、不整脈(心室性期外収縮等)
頻脈、顔面潮紅、顔面蒼白
消化器
悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、腹部膨満感、下痢、消化不良(胸やけ等)
しゃっくり
泌尿器
蛋白尿
頻尿
代謝異常
血清尿酸値上昇、CK上昇
肝臓
ALT、ALP、LDHの上昇
ASTの上昇
γ-GTPの上昇
血液
貧血
好酸球増多
その他
倦怠感、むくみ、胸痛
関節痛、四肢痛、発汗、低カリウム血症、鼻出血、しびれ(口、舌周囲)
テオフィリン血中濃度が高値になると、血中濃度の上昇に伴い、消化器症状(特に悪心、嘔吐)や精神神経症状(頭痛、不眠、不安、興奮、痙攣、せん妄、意識障害、昏睡等)、心・血管症状(頻脈、心室頻拍、心房細動、血圧低下等)、低カリウム血症その他の電解質異常、呼吸促進、横紋筋融解症等の中毒症状が発現しやすくなる。なお、軽微な症状から順次発現することなしに重篤な症状が発現することがある。
血液透析は血中のテオフィリンを効率的に除去するとの報告がある。なお、テオフィリン血中濃度が低下しても、組織に分布したテオフィリンにより血中濃度が再度上昇することがある。
健康成人にテオドール錠100mg×2錠(テオフィリンとして200mg)を単回経口投与した場合の薬物動態パラメータは下表のとおりである2) 。
健康成人(n=6)
Cmax(μg/mL)
3.0±0.5
tmax(h)
7.2±1.6
AUC0-∞(μg・h/mL)
53.9±10.8
(平均値±S.D.)
健康成人にテオドール錠100mg×2錠(テオフィリンとして200mg)を12時間ごとに9回連続投与した場合のテオフィリン血清中濃度は、下図のように6回目投与後ほぼ定常状態に達した2) 。
消化管からほぼ100%吸収される3) 。
一般に約0.45L/kgとされている3) 。
約60%3)
ラットに14C-theophyllineを経口投与した場合、テオフィリン及びその代謝物が特異的に分布、蓄積する臓器は認められなかった4) 。
12例の喘息を有する母親の妊娠中の平均血清中テオフィリン濃度は9.69μg/mLであり、同時に得られた平均臍帯血テオフィリン濃度は10.21μg/mLであり、有意差を認めなかった5) 。
5例の授乳婦を対象にテオフィリンの血清中濃度と乳汁中濃度を検討したところ、乳汁/血清中濃度比は平均で0.7であった6) 。
健康成人にテオドール錠100mg×2錠(テオフィリンとして200mg)を経口投与した場合、テオフィリンは主として肝臓で代謝され、尿中代謝物は1,3-dimethyluric acid、1-methyluric acid及び3-methylxanthineが同定された。テオフィリンの代謝にはP450の分子種のうちCYP1A2が主たる分子種として、3A4や2E1がマイナーな分子種として関与することが示唆されている2),7) 。
テオドール錠100mg×2錠(テオフィリンとして200mg)を投与後48時間に健康成人の尿中に排泄される未変化のテオフィリンは投与量の約8%、代謝物は約80%であった2) 。
健康高齢者及び健康非高齢者にテオドール錠100mg×2錠(テオフィリンとして200mg)を12時間ごとに9回連続経口投与した場合の薬物動態パラメータは下表のとおりである8) 。
健康非高齢者(n=16)
健康高齢者(n=16)
8.7±2.2
10.3±2.3
3.9±1.4
4.8±1.7
AUC96-108(μg・h/mL)
93.1±25.5
111.6±24.7
テオフィリンの治療上有効な血清中濃度は5~20μg/mLであり、20μg/mLを超えると中毒作用が発現することがある9) 。
小児(6~15歳)の気管支喘息患者を対象に実施された多施設二重盲検比較試験(本剤群:錠100mgを1日2回、テオフィリン群:錠67mgを1日3回、トリメトキノール群:錠1mgを1日3回)の概要は下表のとおりであった。
著明改善
中等度改善
軽度改善
不変
悪化
計
Kruskaltest
Wilcoxon順位和検定
X2検定
本剤群
7
11
4
3
1
26
P<0.05(M>I,P<0.1)
M>I,P<0.05M:T N.S.T:I N.S.
著明~中等度以上M>I,P<0.01他はN.S.
テオフィリン群
5
6
2
23
トリメトキノール群
9
8
本剤群の副作用発現頻度は、14.3%(8例/56例)であった。主な副作用は、悪心12.5%(7/56例)、頭痛10.7%(6/56例)、食欲不振8.9%(5/56例)であった10) 。
1日2回分割投与法との気管支喘息患者を対象に実施された多施設二重盲検交叉比較試験の概要は下表のとおりであった11),12),13),14),15) 。
1日1回投与は1日2回投与に比べ
検定
改善
やや改善
同等
やや悪化
著明悪化
S検定
W検定
0[0.0]
5[7.0](7.0)
11[15.5](22.5)
41[57.7]
11[15.5](19.7)
2[2.8](4.2)
1[1.4]
71
NS
[ ]:% ( ):累積% S検定:符号検定 W検定:順位和検定 NS:Not significant
注)本剤の承認最大用量は、成人400mg/回、小児200mg/回である。錠200mgは小児に対する承認用法及び用量を有していない。
本剤の作用機序は、phosphodiesteraseの作用を阻害して細胞内cyclic 3’,5’-AMP濃度を高めることによるとされている16),17),18),19),20),21) 。このほかにも、アデノシン受容体に対する拮抗作用、細胞内カルシウムイオンの分布調節作用、内因性カテコールアミンの遊離促進作用及びプロスタグランジンに対する拮抗作用等が報告されており、いまだ作用機序については不明な点が多い。
気管支拡張、肺血管拡張、呼吸中枢刺激、気道の粘液線毛輸送能の促進、横隔膜の収縮力増強、肥満細胞からの化学伝達物質(気管支収縮因子)の遊離抑制等の作用により、気管支喘息等の諸症状を改善する16),17) 。
喘息患者の気管支生検において活性化好酸球数、総好酸球数の減少等の抗炎症作用を示す18) 。
ヒト炎症細胞からの活性酸素及びサイトカインの産生に対する抑制作用19) 、IL-5のヒト好酸球寿命延長に対する抑制作用20) 、ヒト好酸球の接着因子発現の抑制作用等21) が報告されている。
テオフィリン(Theophylline)
1,3-Dimethyl-1H-purine-2,6(3H,7H)-dione
C7H8N4O2
180.16
白色の結晶又は結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミドにやや溶けやすく、水又はエタノール(99.5)に溶けにくい。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
271~275℃
錠剤表面の斑点は、効果を持続するための特殊製剤技術によるもので、変質によるものではない。
1) 滝沢琢己,手塚純一郎,長尾みづほ,吉原重美監修:一般社団法人日本小児アレルギー学会編 小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2023,協和企画2023
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3) 厚生省薬務局研究開発振興課監修:第十三改正日本薬局方医薬品情報(JPDI). 1996; 955-958
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11) 宮本昭正,他:薬理と治療. 1991; 19(4): 1513-1544
12) 川合 満,他:Ther Res. 1991; 12(3): 891-902
13) 田中一正,他:新薬と臨床. 1991; 40(4): 802-814
14) 大黒道夫,他:医学と薬学. 1991; 25(3): 802-814
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21) Sagara H, et al.: Clin Exp Allergy. 1996; 26(Suppl. 2): 16-21
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