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日本薬局方
ウルソデオキシコール酸顆粒
胆道(胆管・胆のう)系疾患及び胆汁うっ滞を伴う肝疾患
小腸切除後遺症、炎症性小腸疾患
効能又は効果
用法及び用量
ウルソデオキシコール酸として、通常、成人1回50mgを1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解には、ウルソデオキシコール酸として、通常、成人1日600mgを3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
原疾患が悪化するおそれがある。
粘膜刺激作用があるため、症状が増悪するおそれがある。
投与しないこと。利胆作用があるため、症状が増悪するおそれがある。
投与しないこと。症状が増悪するおそれがある。
利胆作用があるため、胆汁うっ滞を惹起するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で妊娠前及び妊娠初期の大量(2,000mg/kg/日)投与により胎児毒性が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで母乳への移行が認められている。
用量に注意して投与すること。一般に生理機能が低下している。
コレスチラミンコレスチミド
本剤の作用を減弱するおそれがあるので、可能な限り間隔をあけて投与すること。
本剤と結合し、本剤の吸収を遅滞あるいは減少させるおそれがある。
制酸剤
本剤の作用を減弱するおそれがある。
アルミニウムを含有する制酸剤は、本剤を吸着し、本剤の吸収を阻害するおそれがある。
脂質低下剤
本剤をコレステロール胆石溶解の目的で使用する場合は、本剤の作用を減弱するおそれがある。
クロフィブラート等は胆汁中へのコレステロール分泌を促進するため、コレステロール胆石形成が促進されるおそれがある。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
1~5%未満
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
消化器
下痢
悪心、食欲不振、便秘、胸やけ、胃不快感、腹痛、腹部膨満
嘔吐
過敏症
そう痒、発疹
蕁麻疹等
紅斑(多形滲出性紅斑等)
肝臓
AST上昇、ALT上昇、ALP上昇
ビリルビン上昇、γ-GTP上昇
その他
全身倦怠感、めまい
白血球数減少
ウルソデオキシコール酸は胆汁分泌を促進する作用(利胆作用)により胆汁うっ滞を改善する。また、投与されたウルソデオキシコール酸は肝臓において、細胞障害性の強い疎水性胆汁酸と置き換わり、その相対比率を上昇させ、疎水性胆汁酸の肝細胞障害作用を軽減する(置換効果)。さらに、ウルソデオキシコール酸はサイトカイン・ケモカイン産生抑制作用や肝臓への炎症細胞浸潤抑制作用により肝機能を改善する。そのほか、下記の胆石溶解作用、消化吸収改善作用が知られている1),2),3),4),5),6),7),8),9),10),11),12),13),14),15),16),17),18)。
慢性肝疾患患者に本剤150mg/日を3ヵ月間経口投与し、その前後に99mTc-PMTを静注して動態解析を行ったところ、肝の摂取排泄曲線のピークタイムが有意に短縮した3)。
ヒト肝細胞由来のChang細胞を用いたin vitro実験で、培養液中にCA、CDCAあるいはウルソデオキシコール酸を添加して細胞障害性を検討したところ、細胞障害性の強さはCDCAが最も強く、CAとウルソデオキシコール酸は同程度に弱かった。また、CDCAによる細胞障害性はウルソデオキシコール酸の添加により有意に低下した6)。
マウス肝非実質細胞とリンパ球を用いたin vitro試験で、コンカナバリンA添加によるTNF-α及びIL-6産生を抑制した7)。ラット肝実質細胞を用いたin vitro試験で、TNF-α添加によるRANTES産生を抑制した8)。
ラット及びイヌの十二指腸内に2.55×10-2Mに調製したウルソデオキシコール酸溶液2.5mL/kgを投与したところ、ラットにおいて膵液量の増加を、またイヌでは重炭酸濃度の増加及びアミラーゼなど膵酵素活性の上昇を認めた10)。
コレステロール系胆石症患者5例に本剤300mg/日を2ヵ月間、その後増量し、600mg/日を2ヵ月間経口投与したところ、いずれの用量においても胆のう胆汁中のコレステロールの相対比率は低下し、Lithogenic Indexの改善を認めた11)。
コレステロール系胆石症患者5例に本剤600mg/日を1週間経口投与し、胆のう胆汁を採取し、偏光顕微鏡で観察したところ、胆汁中に多成分型の液晶が認められ、コレステロールはこの液晶中に多量に可溶化されていた12)。
健康成人6例に本剤600mg/日を1ヵ月間経口投与したところ、腸管におけるコレステロール吸収を抑制した13)。
ウルソデオキシコール酸(Ursodeoxycholic Acid)
3α, 7β-Dihydroxy-5β-cholan-24-oic acid
C24H40O4
392.57
白色の結晶又は粉末で、味は苦い。メタノール、エタノール(99.5)又は酢酸(100)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。
201~205℃
500g
1) 吉岡正智, 他: 診断と治療. 1976; 64(10): 1953-1963
2) 田辺三菱製薬(株): ウルソデオキシコール酸の薬効薬理に関わる資料1(社内資料)
3) 早川富博, 他: 日本消化器病学会雑誌. 1988; 85(11): 2389-2395
4) Ishizaki K, et al.: Eur J Pharmacol. 2008; 578(1): 57-64
5) Iwaki T, et al.: World J Gastroenterol. 2007; 13(37): 5003-5008
6) 木村恒夫: 日本消化器病学会雑誌. 1980; 77(2): 185-194
7) 田辺三菱製薬(株): ウルソデオキシコール酸の薬効薬理に関わる資料2(社内資料)
8) 田辺三菱製薬(株): ウルソデオキシコール酸の薬効薬理に関わる資料3(社内資料)
9) 土屋周二, 他: 厚生省特定疾患消化吸収障害調査研究班 昭和57年度業績集. 1982; 99-104
10) 原 泰寛, 他: 福岡医誌. 1974; 65(12): 933-940
11) 菅田文夫, 他: 日本消化器病学会雑誌. 1978; 75(4): 492-499
12) Igimi H, et al.: Gastroenterol Jpn. 1983; 18(2): 93-97
13) 堀内 至: 胆道. 1988; 2(3): 239-247
14) 武内喜茂, 他: 薬理と治療. 1998; 26(2): 169-176
15) Crosignani A, et al.: Hepatology. 1991; 14(6): 1000-1007
16) Terasaki S, et al.: Am J Gastroenterol. 1991; 86(9): 1194-1199
17) Yoshikawa M, et al.: Hepatology. 1992; 16(2): 358-364
18) Tanaka H, et al.: J Immunol. 1996; 156(4): 1601-1608
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