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生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品注)
敗血症、真菌感染症を含む日和見感染症等の致死的な感染症があらわれることがあるため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意すること。,,,
播種性結核(粟粒結核)及び肺外結核(髄膜、胸膜、リンパ節等)を含む結核が発症し、死亡例も認められている。結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがあるため、本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。川崎病患者において、本剤の投与に緊急を要する場合には、少なくとも十分な問診、胸部レントゲン検査等を行うことにより、結核感染の有無を十分に確認すること。また、結核の既感染者には、抗結核薬の投与をした上で、本剤を投与すること。ツベルクリン反応等の検査が陰性の患者において、投与後活動性結核が認められた例も報告されている。,,,,
本剤投与中あるいは投与終了後2時間以内に発現するinfusion reactionのうち、重篤なアナフィラキシー(呼吸困難、気管支痙攣、血圧上昇、血圧低下、血管浮腫、チアノーゼ、低酸素症、発熱、蕁麻疹等)、痙攣があらわれることがある。本剤は緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与終了後も十分な観察を行うこと。また、重篤なinfusion reactionが発現した場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,,,,
本剤投与後3日以上経過後に重篤なものを含む遅発性過敏症(筋肉痛、発疹、発熱、多関節痛、そう痒、手・顔面浮腫、嚥下障害、蕁麻疹、咽頭痛、頭痛等)があらわれることがある。再投与には遅発性過敏症の発現に備え、十分な観察を行うこと。,,,
通常、インフリキシマブ(遺伝子組換え)として、体重1kg当たり3mgを1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以後8週間の間隔で投与を行うこと。なお、6週の投与以後、効果不十分又は効果が減弱した場合には、投与量の増量や投与間隔の短縮が可能である。これらの投与量の増量や投与間隔の短縮は段階的に行う。1回の体重1kg当たりの投与量の上限は、8週間の間隔であれば10mg、投与間隔を短縮した場合であれば6mgとする。また、最短の投与間隔は4週間とする。本剤は、メトトレキサート製剤による治療に併用して用いること。
通常、インフリキシマブ(遺伝子組換え)として、体重1kg当たり5mgを1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以後8週間の間隔で投与を行うこと。
通常、インフリキシマブ(遺伝子組換え)として、体重1kg当たり5mgを1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以後8週間の間隔で投与を行うこと。なお、6週の投与以後、効果不十分又は効果が減弱した場合には、投与量の増量や投与間隔の短縮が可能である。これらの投与量の増量や投与間隔の短縮は患者の状態に応じて段階的に行う。1回の体重1kg当たりの投与量の上限は、8週間の間隔であれば10mg、投与間隔を短縮した場合であれば6mgとする。また、最短の投与間隔は4週間とする。
通常、インフリキシマブ(遺伝子組換え)として、体重1kg当たり5mgを1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以後6~8週間の間隔で投与を行うこと。
通常、インフリキシマブ(遺伝子組換え)として、体重1kg当たり5mgを1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以後8週間の間隔で投与を行うこと。なお、6週の投与以後、効果不十分又は効果が減弱した場合には、体重1kg当たり10mgを1回の投与量とすることができる。
通常、インフリキシマブ(遺伝子組換え)として、体重1kg当たり5mgを単回点滴静注する。
通常、インフリキシマブ(遺伝子組換え)として、体重1kg当たり5mgを1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以後8週間の間隔で投与を行うこと。なお、6週の投与以後、効果が減弱した場合には、投与量の増量又は投与間隔の短縮が可能である。投与量を増量する場合は、体重1kg当たり10mgを1回の投与量とすることができる。投与間隔を短縮する場合は、体重1kg当たり5mgを1回の投与量とし、最短4週間の間隔で投与することができる。
なお、本剤投与時には、1.2ミクロン以下のメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。
適切な処置と十分な観察が必要である。本剤は免疫反応を減弱する作用を有し、正常な免疫応答に影響を与える可能性がある。,,,
,,,,
肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。本剤を含む抗TNF製剤が投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。なお、これらの報告の多くは、他の免疫抑制作用をもつ薬剤を併用投与した患者に起きている。
定期的に問診を行うなど、注意すること。間質性肺炎が増悪又は再発することがある。,
血液疾患が悪化するおそれがある。
Infusion Reaction、遅発性過敏症が発現する可能性がある。,,,,,,,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと。一般に生理機能(免疫機能等)が低下している。
敗血症、肺炎(ニューモシスティス肺炎を含む)、真菌感染症、脳炎、髄膜炎(リステリア菌性髄膜炎を含む)、骨髄炎等の重篤な感染症(日和見感染症を含む)があらわれることがある。なお、死亡に至った症例の多くは、感染症によるものであった。,,,
結核の発症は、投与初期からあらわれる可能性がある。また、肺外結核(髄膜、胸膜、リンパ節等)もあらわれることがあることからその可能性も十分考慮した観察を行うこと。,,,,
*ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、気管支痙攣、血圧上昇、血圧低下、血管浮腫、チアノーゼ、低酸素症、発熱、蕁麻疹等の重篤な副作用)、痙攣があらわれることがある。また、infusion reactionに引き続き脳出血、脳梗塞があらわれることがある。,,,,,
多発性硬化症、視神経炎、横断性脊髄炎、ギラン・バレー症候群等があらわれることがある。,,,
発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部レントゲン検査、胸部CT検査及び血液ガス検査等を実施し、本剤及びメトトレキサート製剤の投与を中止するとともにニューモシスティス肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を考慮に入れ、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。主としてメトトレキサート製剤併用時において、間質性肺炎を発現し致命的な経過をたどった症例が報告されている。,
AST、ALT、γ-GTP、LDH等の著しい上昇を伴う重篤な肝機能障害があらわれることがある。
筋肉痛、発疹、発熱、多関節痛、そう痒、手・顔面浮腫、嚥下障害、蕁麻疹、咽頭痛、頭痛等を伴う遅発性過敏症(3日以上経過後)があらわれることがある。,,,
抗dsDNA抗体が陽性化し、関節痛、筋肉痛、皮疹等の症状があらわれることがある。このような場合には、投与を中止すること。
汎血球減少、血小板減少、白血球減少、顆粒球減少、血球貪食症候群、血小板減少性紫斑病があらわれることがある。
脱力感、筋肉痛、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇に注意し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5%以上
1%以上~5%未満
1%未満
頻度不明
精神・神経系
頭痛
浮動性めまい、感覚鈍麻、異常感覚
頭部不快感、体位性めまい、知覚過敏、失神、嗅覚錯誤、味覚異常、神経痛、不随意性筋収縮、片頭痛、振戦、運動過多、ジスキネジー、脳梗塞、協調運動異常、不眠症、不安、神経過敏、うつ病、感情不安定、多幸気分、錯乱、傾眠(眠気)
多発性神経障害、ニューロパシー、てんかん発作
血液
貧血(鉄欠乏性貧血、溶血性貧血)、カリウム減少、血小板数増加
リンパ節炎、脾腫、単球減少症、リンパ球減少症、リンパ球増加症、単球増加症、白血球増加症、好中球増加症、好酸球増加症、赤血球異常、低カリウム血症、好酸球数減少、骨髄球数増加、アミラーゼ増加、総蛋白減少、総蛋白増加、アルブミン減少、クロール減少、ナトリウム減少、血沈亢進、リンパ球形態異常(異形リンパ球)、リンパ節症、後骨髄球数増加、尿酸増加、カリウム増加、CRP増加、ヘマトクリット減少
血栓性血小板減少性紫斑病
循環器
ほてり、潮紅、高血圧、低血圧、動悸、血圧低下、血圧上昇
血腫、蒼白、末梢性虚血、徐脈、不整脈、頻脈、心室性期外収縮、狭心症、心不全、心拍数増加
血管炎(IgA血管炎)
呼吸器
気道感染、咽喉頭炎
呼吸困難、気管支炎、咳嗽、鼻炎、副鼻腔炎
発声障害、咽喉絞扼感、鼻出血、胸膜炎、胸水、喘息、気管支痙攣、胸部X線(CT)異常、PaO2低下、KL-6増加、扁桃炎
間質性肺線維症
肝臓
ALP増加
脂肪肝、肝炎、胆嚢炎、肝腫大、高ビリルビン血症
泌尿器
血尿(尿潜血)
尿路感染、尿中ブドウ糖陽性、尿中蛋白陽性、BUN増加、尿沈渣
腎盂腎炎、排尿困難、尿中白血球陽性、頻尿、クレアチニン増加、尿中ウロビリノーゲン増加、膀胱炎
消化器
悪心
嘔吐、下痢、腹痛、便秘、胃腸炎
上腹部痛、嚥下障害、逆流性食道炎、腸閉塞、腸管狭窄、消化不良、血便、腸管穿孔、胃炎、痔核、肛門周囲痛、憩室炎、腹部膨満、胃ポリープ、胃潰瘍、腹膜炎、腹部不快感、腸炎、胃不快感、軟便、放屁
口内炎、歯周病
口腔内潰瘍形成、歯痛、口唇炎、口腔内痛、齲歯、唾液腺炎、口渇、舌炎
皮膚
発疹(膿疱性皮疹、斑状皮疹、斑状丘疹状皮疹、小水疱性皮疹、そう痒性皮疹、湿疹、紅斑性皮疹、頭部粃糠疹、丘疹、血管炎性皮疹)
白癬、皮膚炎(脂漏性皮膚炎、水疱性皮膚炎、乾癬様皮膚炎、ざ瘡様皮膚炎)、毛包炎、そう痒症、蕁麻疹、紅斑(発赤)、多汗症
麦粒腫、せつ、皮膚真菌感染、皮膚裂傷、皮膚嚢腫、ざ瘡、皮膚乾燥、皮膚変色、皮膚剥脱、脱毛症、乾癬、斑状出血、点状出血、皮膚潰瘍、脂漏、過角化、光線過敏性反応、皮膚腫瘤、多毛症、アトピー性皮膚炎
投与部位
注射部位反応(注射部位疼痛、注射部位炎症、注射部位腫脹、注射部位出血、注射部位そう痒感)
眼
眼内炎、涙器障害、角膜炎、眼瞼炎、視覚障害、眼痛、眼球乾燥、羞明、強膜炎、緑内障、眼圧上昇、眼脂、結膜炎、結膜充血、視野欠損、網膜静脈閉塞
耳
耳痛、回転性めまい、耳鳴、耳不快感(耳閉感)、耳感染(外耳炎、中耳炎、迷路炎)
筋・骨格系
関節痛、筋痛
関節腫脹、背部痛、筋骨格硬直、頚部痛、関節炎、骨痛、腱炎、筋力低下、滑液包炎、CK増加、筋骨格痛
皮膚筋炎、多発性筋炎
抵抗機構
自己抗体陽性(抗DNA抗体陽性、抗カルジオリピン抗体陽性、抗核抗体陽性)、ウイルス感染(帯状疱疹、単純ヘルペス、インフルエンザ様疾患、インフルエンザ)
膿瘍
免疫グロブリン増加、爪周囲炎、限局性感染、サイトメガロウイルス抗原陽性、食道カンジダ症、蜂巣炎
ニューモシスティス症、サルモネラ症、サルコイドーシス、非結核性マイコバクテリア感染(非結核性抗酸菌症)、クリプトコッカス症
代謝
高コレステロール血症
糖尿病、高血糖、抗利尿ホルモン不適合分泌、コレステロール減少、トリグリセリド増加
その他
発熱
悪寒、熱感、倦怠感、疲労、胸痛、疼痛、浮腫(末梢性浮腫、顔面浮腫、全身性浮腫、眼窩周囲浮腫、血管浮腫、咽頭浮腫、喉頭浮腫)
腟感染、勃起不全、乳房肥大、亀頭包皮炎、不規則月経、腟出血、性器分泌物(白帯下)、無力症、不快感、胸部不快感、嚢胞、食欲不振、食欲亢進、過敏症、体重増加、体重減少、子宮平滑筋腫、リビドー減退、末梢腫脹
本剤は用時溶解とすること。(溶解後3時間以内に投与開始をすること。)
患者の体重当たりで計算した必要量を成人は約250mL、体重が25kg未満の小児は約50mL、25kg以上の小児は約100mLの日局生理食塩液に希釈すること。体重が100kgを超える患者に投与する場合には、希釈後のインフリキシマブ濃度が4mg/mLを超えないよう、日局生理食塩液の量を調整すること。ブドウ糖注射液等を含め日局生理食塩液以外の注射液は用いないこと。日局生理食塩液で希釈する際は、溶解液を緩徐に注入し、混和の際も静かに行うこと。希釈後のインフリキシマブ濃度は、0.4~4mg/mLとすること。
本剤は無菌・パイロジェンフリーのインラインフィルター(ポアサイズ1.2ミクロン以下)を用いて投与すること。
本剤は独立したラインにて投与するものとし、他の注射剤、輸液等と混合しないこと(ブドウ糖注射液等の汎用される注射液でも配合変化が確認されているため)。また、原則、2時間以上をかけて緩徐に点滴静注すること。なお、6週の投与以後、それまでの投与でinfusion reactionが認められなければ、点滴速度を上げて点滴時間を短縮することができる。ただし、平均点滴速度は1時間当たり5mg/kgを投与する速度を超えないこと(臨床試験において投与経験がない)。また、点滴時間を短縮した際にinfusion reactionが認められた場合には、次回以降の投与では、点滴時間を短縮せずに投与すること。,,,,,
クローン病全試験注1)
プラセボ投与例
全例追跡期間(人・年)
悪性腫瘍観察例数
悪性腫瘍予測例数
a.悪性リンパ腫
97
0
0.01
b.非黒色腫性皮膚癌
96
1
NA
c.上記以外の悪性腫瘍
0.19
悪性腫瘍計(a+c)注2)
0.20
レミケード投与例
4094
2
0.65
4085
8
4055
19
13.85
21
14.49
また、関節リウマチ患者での悪性腫瘍の観察例数及び予測例数を表2に示した。本剤投与群では予測例数52.37例に対し観察例数は50例、プラセボ群では、予測例数13.61例に対し観察例数は10例であった。
関節リウマチ全試験注3)
1626
0.46
1611
6
1604
10
13.16
悪性腫瘍計(a+c)注4)
13.61
6391
9
1.79
6357
24
6343
41
50.80
6331
50
52.37
また、全臨床試験における悪性腫瘍の観察例数及び予測例数を表3に示した。本剤投与群の予測例数105.18例に対し観察例数は106例、プラセボ群では予測例数19.46例に対して観察例数が15例であった。
全試験注5)
2906
0.72
2887
12
2877
14
18.75
悪性腫瘍計(a+c)注6)
15
19.46
17852
4.13
17721
67
17720
92
101.30
17707
106
105.18
本剤はヒト及びチンパンジーのTNFαのみに結合能を有し、ラットやカニクイザル等の一般的に動物実験に使用される動物種のTNFαと結合しない。このため、がん原性試験は実施されていない。
国内クローン病患者に本剤を5mg/kgの用量で3回(0、2、6週)持続静脈内投与後、10週評価時に効果が認められた患者を対象に14週以降8週間隔で投与した時の薬物動態を検討した。8週間隔投与例の投与前の血清中インフリキシマブ濃度(メジアン)は維持された。
薬物動態パラメータ
0週C1H
14週Cpre
30週Cpre
54週
投与量
5mg/kg(n=31~38)
平均値±標準偏差メジアン
80.4±16.978.9
3.1±2.43.1
2.6±2.12.6
2.0±1.62.0
C1H:投与終了1時間後値、Cpre:投与前値(μg/mL)
5mg/kg 8週間隔投与で効果が維持できない患者の5mg/kg投与8週後の血清中インフリキシマブ濃度(メジアン)は0.30μg/mLであったが、これらの患者に10mg/kgを投与した場合、10mg/kg投与8週後の血清中インフリキシマブ濃度(メジアン)は1.29μg/mLまで上昇した。
増量0週Cpre
増量0週C1H
増量8週Cpre
増量16週Cpre
増量40週
10mg/kg(n=26~39)
1.45±2.670.30
199.23±41.71191.24
3.24±5.101.29
3.73±5.851.31
4.10±5.582.18
5mg/kg 8週間隔投与で効果が維持できない患者19例に5mg/kg 4週間隔投与を行ったときの4週後の血清中濃度は、投与間隔短縮前と比較して増加した。また、血清中濃度は40週まで維持された。
薬物動態パラメータ注7)
短縮0週Cpre
短縮0週C1H
短縮4週Cpre
短縮8週Cpre
短縮40週
5mg/kg(n=4~19)
1.83±2.740.80
85.50±8.6586.75
6.49±6.154.90
8.96±7.256.90
14.73±9.208.70
5mg/kgの単回投与では最高血中濃度(Cmax)の中央値は118μg/mL、分布容積(Vd値)の中央値は3.0L、消失半減期は9.5日であった。臨床試験において、患者の性、年齢、体重、肝及び腎機能等の背景別の薬物動態的な差は認められなかった。副腎皮質ホルモン剤を使用した患者では、使用しない患者に対してVd値の有意な増加(17%)が認められたが、副腎皮質ホルモン剤が電解質バランスに影響するために、体液貯留へ作用した結果と考えられた。5mg/kgの単回投与を受けた20例では2例に本剤に対する抗体が検出された。瘻孔を形成している疾患の患者に本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に反復投与した後の蓄積性はなかった。本剤のクリアランスは、患者のクレアチニン値あるいはAST、ALTと相関は認められず、腎機能・肝機能障害者における動態の差は認められなかった。5mg/kgの反復投与を受けた31例では1例に本剤に対する抗体が検出された(外国人における成績)。
2週Cpre
6週Cpre
14週
5mg/kg(n=28~30)
メジアン四分位間領域
168113-206
33.726.7-46.4
21.813.8-33.3
5.41.4-10.6
10mg/kg(n=29~32)
359.5274-419
75.154.1-93.7
50.631.7-69.1
17.69.3-23.6
メトトレキサート併用下(6mg/週以上)で、本剤3、10mg/kgを初回、2週後、6週後に反復投与したときの血清中濃度は用量にほぼ比例して増加した(二重盲検比較試験)。また、性、年齢、副腎皮質ホルモン剤あるいは非ステロイド性抗炎症剤併用による背景別の薬物動態の差はみられなかったが、肥満度(BMI)の増加に伴って血清中濃度が増加する傾向がみられた。肝又は腎機能障害を有する患者に薬物動態の差が存在するか否かは不明である。3mg/kgの反復投与を受けた49例では2例、10mg/kgの反復投与を受けた50例では4例に、本剤に対する抗体が検出された。,
3mg/kg(n=49)
47.9±11.347.5
11.5±4.110.8
5.6±4.14.8
0.8±1.10.5
10mg/kg(n=48~51)
168.4±48.6168.3
35.6±15.233.7
22.3±13.720.6
5.4±5.83.6
メトトレキサート併用下(6mg/週以上)で、本剤3mg/kgを初回、2週後、6週後に持続静脈内投与し、引き続き3mg/kg、6mg/kgあるいは10mg/kgを8週間隔で反復投与したときの血清中濃度は用量にほぼ比例して増加した(増量試験)。3mg/kg投与を受けた99例では27例、6mg/kg投与を受けた104例では24例、10mg/kg投与を受けた104例では13例に、本剤に対する抗体が検出された。,
14週C1H
22週Cpre
3mg/kg(n=86~99)
57.77±14.2358.14
60.82±13.6060.35
0.85±0.980.50
0.90±1.130.44
6mg/kg(n=91~104)
58.86±11.7458.52
110.94±23.83113.41
2.18±2.301.81
2.88±2.802.28
10mg/kg(n=95~104)
58.23±11.3457.16
188.70±39.61186.12
4.73±4.783.13
6.50±6.265.47
本剤3mg/kgあるいは6mg/kgを8週間隔で反復投与したとき、投与22週時点でACR基準20%改善に達しなかった症例に対して、投与間隔を4週に短縮した場合の推定血清中インフリキシマブ濃度(定常状態の血清中トラフ濃度)注8)は、3mg/kgで3.35[0.83~10.46]、6mg/kgで7.19[1.27~21.62]μg/mL(中央値[最小値~最大値])であった。
欧米第Ⅲ相試験(ATTRACT試験)において、メトトレキサート併用下(12.5mg/週以上)で、本剤3、10mg/kgを初回、2週後、6週後に持続静脈内投与し、引き続き4週間隔あるいは8週間隔で102週間反復投与した維持治療期にも蓄積性はなく、安定した血清中濃度を長期間にわたり維持することが観察された。3mg/kgの反復投与(4週間隔)を受けた73例では10例、3mg/kgの反復投与(8週間隔)を受けた71例では8例、10mg/kgの反復投与(4週間隔)を受けた74例では1例、10mg/kgの反復投与(8週間隔)を受けた77例では6例に、本剤に対する抗体が検出された(外国人における成績)。,
注)本剤の承認最大用量は1回10mg/kgである。
本剤5、10mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し、引き続き8週間隔で46週後まで反復投与したときの血清中濃度は投与量の増加に伴って高くなり、安定した血清中濃度を長期間にわたり維持することが観察された。本試験では5、10mg/kgの反復投与を受けた8例において本剤に対する抗体は検出されなかった。
5mg/kg(n=3~4)
114.9±20.3119.0
15.9±9.915.7
14.3±7.713.3
6.7±4.56.3
6.8±4.77.0
10mg/kg(n=3~4)
193.1±17.2185.9
32.5±22.732.9
26.0±17.632.1
5.9±6.35.2
4.8±6.12.6
注)本剤の承認最大用量は1回5mg/kgである。
尋常性乾癬患者と乾癬性関節炎患者に本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し、引き続き8週間隔で62週後まで投与したとき、安定した血清中濃度を維持することが観察された(検証的試験及び継続投与試験)。5mg/kgの反復投与を受けた35例中8例に、本剤に対する抗体が検出された。尋常性乾癬患者、乾癬性関節炎患者、膿疱性乾癬患者及び乾癬性紅皮症患者に本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し、引き続き8週間隔で46週後まで投与したとき、14週後から54週後までの投与8週後の血清中濃度(中央値)は0.39μg/mLから2.27μg/mLの範囲で推移した(長期投与試験)。5mg/kgの反復投与を受けた64例中19例に、本剤に対する抗体が検出された。
70週
5mg/kg(n=27~35)
97.18±19.4098.33
3.34±2.952.45
2.16±2.181.48
2.22±2.262.09
5mg/kg 8週間隔投与で効果が維持できない尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症患者の5mg/kg投与8週後の血清中インフリキシマブ濃度(メジアン)は定量限界(0.1μg/mL)未満であったが、これら患者に10mg/kgを投与した場合、10mg/kg投与40週後(8週間隔投与)の血清中インフリキシマブ濃度(メジアン)は1.10μg/mLまで上昇した。
10mg/kg(n=51~44)
1.45±2.230.00
230.99±51.77237.99
2.70±4.050.00
3.18±4.300.47
3.60±4.561.10
本剤5mg/kg 8週間隔投与で効果が維持できない乾癬患者に対して、本剤6mg/kgを4週間隔で反復投与した場合の推定血清中インフリキシマブ濃度(定常状態の血清中トラフ濃度)注9)は、4.63[0.00~37.69]μg/mL(中央値[最小値~最大値])であった。
本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し、引き続き6週間隔で42週後まで投与したとき、安定した血清中濃度を維持することが観察された。5mg/kgの反復投与を受けた33例では2例に、本剤に対する抗体が検出された。
24週Cpre
48週
5mg/kg(n=32~33)
91.76±21.1086.28
7.40±4.337.01
6.96±4.487.37
本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し、引き続き8週間隔で22週後まで投与したとき、安定した血清中濃度を維持することが観察された。5mg/kgの反復投与を受けた104例では10例に本剤に対する抗体が検出された。
30週
5mg/kg(n=62~104)
95.88±21.5093.72
11.09±7.1910.88
3.45±3.982.31
2.52±2.731.46
2.46±2.731.46
ACT1試験において、本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に点滴静脈内投与し、引き続き8週間隔で46週後まで投与したとき、安定した血清中濃度を長期間にわたり維持することが観察された。5mg/kgの反復投与を受けた116例では9例に本剤に対する抗体が検出された(外国人における成績)。
本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し、引き続き8週間隔で46週後まで反復投与したとき、病型別に差は認められず、安定した血清中濃度を維持することが観察された。5mg/kgの反復投与を受けた18例において本剤に対する抗体は検出されなかった。
5mg/kg(n=8~11)
114.36±27.22104.55
8.59±4.537.78
6.72±3.987.30
6.51±3.966.77
30週Cpre(n=2)
54週(n=2)
5mg/kg(n=2~3)
116.05±29.09130.00
9.45±4.098.40
6.996.99
7.957.95
5mg/kg(n=4)
127.09±38.00117.69
8.86±3.278.18
4.95±1.434.73
5.62±1.385.90
本剤5mg/kg 8週間隔投与で効果が維持できない腸管型ベーチェット病患者3例に本剤10mg/kgを投与したときの8週後の血清中濃度は、増量前と比較して増加した。10mg/kgの投与を受けた3例において本剤に対する抗体は検出されなかった。
薬物動態パラメータ注10)
0週Cpre
8週Cpre
8週C1H(n=1)
16週(n=1)
10mg/kg(n=1~3)
4.38±3.414.39
209.69±51.45190.57
11.51±6.549.77
170.77-
5.06-
本剤5mg/kgを単回静脈内投与したときの最高血中濃度(Cmax)は69.80±9.26μg/mL(平均値±標準偏差)、69.73μg/mL(中央値)、消失半減期は179.3±71.2時間(平均値±標準偏差)、183.8時間(中央値)であった。本剤投与56日後には16例中11例の血清中インフリキシマブ濃度が定量下限値(0.1μg/mL)未満であった。5mg/kgの単回投与を受けた16例では7例に本剤に対する抗体が検出された。
ヒトTNFαトランスジェニックマウス及び同系統野生型マウスに、35S標識体インフリキシマブ約10mg/kgを静脈内投与したときの臓器・組織内放射能濃度はいずれも心臓、肺、脾臓に高く、腎臓、肝臓、前肢及び後肢に中程度、消化管では比較的低かった。
ヒトTNFαトランスジェニックマウスに35S標識体インフリキシマブ約10mg/kgを静脈内投与したところ、血清中には主として未変化体が検出され、代謝物は検出されなかった。また、ヒトIgG1と同様に細網内皮系細胞等により体内で分解再吸収されるものと推測される。
ヒトTNFαトランスジェニックマウスに、35S標識体インフリキシマブ約10mg/kgを静脈内投与したところ、投与14日目までの尿及び糞中へは投与放射能量のそれぞれ11.5%及び12.2%が排泄され、総排泄率は23.7%であった。
5mg/kg(n=8~14)
91.19±10.6091.48
4.71±3.364.54
4.28±3.323.75
4.19±3.693.62
本剤5mg/kg 8週間隔投与で効果が維持できない患者5例に本剤10mg/kgを投与したときの8週後の血清中濃度は、増量前と比較して増加した。10mg/kgの投与を受けた5例において本剤に対する抗体は検出されなかった。
薬物動態パラメータ注11)
増量16週
10mg/kg(n=3~5)
2.85±3.740.38
173.87±8.44173.20
4.57±5.111.16
7.82±6.939.61
5mg/kg(n=14~21)
96.18±15.6597.17
12.34±7.5110.35
3.30±3.032.58
2.68±3.021.54
2.74±3.521.34
活動期クローン病患者25例を対象とし、本剤1、3、5、10mg/kgを単回投与した。本剤5mg/kgを投与した群のうち、IOIBD指標(投与4週後の値が投与前より2点以上減少もしくは1点以下)では5例中4例、CDAI指標(投与4週後の値が投与前より70ポイント以上減少)では4例中3例が有効であった2)。副作用発現頻度(臨床検査値異常変動は除く)は、本剤5mg/kg投与群で71.4%(5/7例)であった。主な副作用は、眠気42.9%(3/7例)であった。
本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し10週までに改善(CDAI値が25%以上かつ70ポイント以上の減少)を認めた中等から重度のクローン病患者57例に6週以降は8週間隔で46週まで投与し、効果が消失した場合はそれ以降4週間隔で50週まで投与した。54週後の改善率は82.5%(47/57例)、寛解率(CDAI値が150未満)は61.4%であった(4週間隔投与を行った症例も含む)。なお、4週移行例の最終評価時の改善率は83.3%(15/18例)、寛解率は55.6%(10/18例)であった。副作用発現頻度は、89.1%(57/64例)であった。主な副作用は、DNA抗体陽性53.1%(34/64例)であった。
本剤5mg/kg 8週間隔投与では効果が維持できないクローン病患者39例を対象とし、本剤10mg/kg 8週間隔で32週まで投与した。増量8週時点における10mg/kg投与前からのCDAI値の減少量(中央値及び平均値±標準偏差)は95.0及び103.5±87.2(33例)であり、増量40週時点では95.0及び109.7±98.8(26例)であった。副作用発現頻度は、本剤5mg/kg 8週間隔投与群で91.5%(65/71例)及び本剤10mg/kg 8週間隔投与群で53.8%(21/39例)であった。主な副作用は、5mg/kg群でDNA抗体陽性25.4%(18/71例)、鼻咽頭炎22.5%(16/71例)、10mg/kg群で鼻咽頭炎10.3%(4/39例)、DNA抗体陽性10.3%(4/39例)であった。
本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し10週までに改善(PCDAIが15ポイント以上減少、かつ30以下)を認めた中等症から重症の小児のクローン病患者14例に6週以降は8週間隔で46週まで投与し、効果が減弱した場合はそれ以降10mg/kgを8週間隔で46週まで投与した。54週後の改善率は91.7%(11/12例)、寛解率(PCDAI値が10以下)は75.0%(9/12例)であった(10mg/kg 8週間隔投与の増量投与を行った症例も含む)。本剤5mg/kg 8週間隔で効果が減弱した5例において、本剤10mg/kg 8週間隔で投与したとき、増量8週後の寛解率は60.0%(3/5例)であった。副作用発現頻度は、64.3%(9/14例)であった。主な副作用は、二本鎖DNA抗体陽性50.0%(7/14例)であった。
既存治療で効果不十分な中等度から重度の活動期にあるクローン病患者に、プラセボ及び本剤5mg/kgを単回投与した。その結果、有効率(投与4週後におけるCDAI値が投与前より70ポイント以上減少)はプラセボ群17%(4/24例)に対して、5mg/kg群では81%(22/27例)であり、有意差が認められた3)。副作用発現頻度は、本剤投与群で44.4%(12/27例)及びプラセボ群で24.0%(6/25例)であった。主な副作用は、本剤投与群でめまい7.4%(2/27例)、疲労感7.4%(2/27例)であった。
本剤5mg/kgを単回投与し、2週に改善(CDAI値が25%以上かつ70ポイント以上減少)が認められた活動期クローン病患者に、その後2、6週、以降は8週間隔で46週までプラセボ又は本剤5mg/kg又は10mg/kgを投与した。その結果、初回投与後に認められた効果が消失するまでの期間は本剤維持群で有意に長く(p=0.002)、その期間はプラセボ維持群19週に対して、5mg/kg、10mg/kg維持群ではそれぞれ38週(p=0.002)、54週以上(p<0.001)であった4)。副作用発現頻度は、本剤5mg/kg維持群で65.3%(126/193例)、本剤10mg/kg維持群で58.9%(113/192例)、プラセボ維持群で53.2%(100/188例)であった。主な副作用は、5mg/kg群で頭痛14.0%(27/193例)、不眠症10.9%(21/193例)、10mg/kg群で頭痛16.1%(31/192例)、咳嗽10.4%(20/192例)であった。
既存治療で効果不十分な外瘻を有するクローン病患者に、プラセボ及び本剤5mg/kgを3回(初回、2週後、6週後)投与した。その結果、有効率(連続した2回の観察時に半数以上の瘻孔が閉鎖)はプラセボ群26%(8/31例)に対して、5mg/kg群では68%(21/31例)であり、有意差が認められた5)。副作用発現頻度は、本剤5mg/kg投与群で48.4%(15/31例)、本剤10mg/kg投与群で53.1%(17/32例)、プラセボ群で45.2%(14/31例)であった。主な副作用は、5mg/kg群で頭痛16.1%(5/31例)、10mg/kg群で疲労感12.5%(4/32例)であった。
本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し、10週、14週で改善(半数以上の瘻孔が閉鎖)が認められた外瘻を有するクローン病患者に、その後8週間隔で46週までプラセボ又は本剤5mg/kgを投与した。その結果、14週以降の効果消失までの期間(中央値)はプラセボ維持群14週間に対して、5mg/kg維持群は40週間を超え、5mg/kg維持群ではプラセボ維持群と比較して有意に長く効果を維持できることが示された(p<0.001)6)。副作用発現頻度は、本剤5mg/kg維持群で47.1%(65/138例)及びプラセボ維持群で60.4%(87/144例)であった。主な副作用は、5mg/kg群で頭痛8.0%(11/138例)、疲労7.2%(10/138例)、悪心6.5%(9/138例)であった。
メトトレキサートに効果不十分な関節リウマチ患者を対象とし、メトトレキサート併用下(6mg/週以上)で、プラセボ及び本剤3mg/kgを初回、2週後、6週後に反復投与した(二重盲検比較試験)。その結果、14週後のACR基準20%以上改善率は、プラセボ群23.4%(11/47例)に対して、本剤投与群61.2%(30/49例)であり、有意差が認められた(p<0.001)。また、この二重盲検比較試験に参加した患者に対して、二重盲検比較試験の用量に関わらず引き続き3mg/kgを8週間隔で4回投与し、初回投与後54週まで評価した(長期投与試験)。その結果、最終投与8週後のACR基準20%以上改善率は53.3%(24/45例)であり、有効性の維持が認められた。副作用発現頻度(随伴症状)は、本剤3mg/kg投与群で49.0%(24/49例)及びプラセボ群で51.1%(24/47例)であった。主な副作用(随伴症状)は、3mg/kg群で発熱12.2%(6/49例)であった。
メトトレキサート併用下(6mg/週以上)で本剤3mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し、引き続き3mg/kg、6mg/kgあるいは10mg/kgを8週間隔で反復投与した。成績は以下のとおりであった。
副作用発現頻度は、86.1%(179/208例)であった。主な副作用は、DNA抗体陽性53.8%(112/208例)であった。
メトトレキサート製剤に効果不十分な関節リウマチ患者を対象とし、メトトレキサート併用下(12.5mg/週以上)で、プラセボ及び本剤3mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し、引き続き8週間隔で54週間反復投与した。成績は下記のとおりであった7)。
副作用発現頻度は、本剤投与群で62.5%(55/88例)及びプラセボ群で44.2%(38/86例)であった。主な副作用は、本剤投与群で頭痛14.8%(13/88例)であった。
ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎患者を対象とし、本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に反復投与した。その結果、14週間あたりの眼発作回数(平均値±SD)は、投与前10.17±10.60回から投与後0.66±0.98回となり、有意に減少した(p<0.001)。また、14週間あたりの眼発作回数は、投与前後において12例中11例で減少し、そのうち7例で消失した。副作用発現頻度は、100%(12/12例)であった。主な副作用は、DNA抗体陽性58.3%(7/12例)、皮膚炎41.7%(5/12例)であった。
尋常性乾癬患者と乾癬性関節炎患者(局面型皮疹が体表面積の10%以上、かつPASI(Psoriasis Area and Severity Index)スコアが12以上)を対象とし、プラセボ及び本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に投与した(検証的試験)。その結果、10週後のPASIスコア75%改善率は、プラセボ群0.0%(0/19例)に対して、本剤投与群68.6%(24/35例)であり、有意差が認められた(p<0.001)。尋常性乾癬患者(局面型皮疹が体表面積の10%以上、かつPASIスコアが12以上)、乾癬性関節炎患者(腫脹関節数及び疼痛関節数が5以上、かつCRPが1.5mg/dL以上又は朝のこわばりが45分以上)、膿疱性乾癬患者及び乾癬性紅皮症患者を対象とし、本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し、引き続き8週間隔で46週後まで投与した(長期投与試験)。その結果、最終評価において、尋常性乾癬患者のPASIスコア75%改善率は54.1%(20/37例)、乾癬性関節炎患者のACR基準20%改善率は83.3%(10/12例)、膿疱性乾癬患者と乾癬性紅皮症患者の全般改善度が「消失又は改善」の割合はそれぞれ57.1%(4/7例)、87.5%(7/8例)であった。副作用発現頻度は、本剤投与群で85.7%(30/35例)及びプラセボ群で36.8%(7/19例)であった。主な副作用は、本剤投与群でDNA抗体陽性68.6%(24/35例)であった。
本剤5mg/kg 8週間隔投与では効果が維持できない乾癬患者51例(尋常性乾癬患者31例、乾癬性関節炎患者8例、膿疱性乾癬患者7例、乾癬性紅皮症患者5例)を対象とし、本剤10mg/kg 8週間隔で32週まで投与した。PASIスコアは本剤5mg/kg投与前のスコアを基準値とした。増量24週時点におけるPASIスコア75%改善率は尋常性乾癬患者では40.7%(11/27例)、乾癬性関節炎患者では42.9%(3/7例)、膿疱性乾癬患者では33.3%(2/6例)、乾癬性紅皮症患者では40.0%(2/5例)であった。副作用発現頻度は、74.5%(38/51例)であった。主な副作用は、二本鎖DNA抗体陽性49.0%(25/51例)であった。
乾癬性関節炎患者(腫脹関節数及び疼痛関節数が5以上、かつCRPが1.5mg/dL以上又は朝のこわばりが45分以上)を対象とし、プラセボ及び本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し、引き続き8週間隔で46週後まで投与した。その結果、14週後のACR基準20%改善率はプラセボ群11.0%(11/100例)に対して、本剤投与群58.0%(58/100例)であり、有意差が認められた(p<0.001)。関節破壊進展を手及び足のX線スコア(Modified Sharp Score)で評価した結果、24週後のスコア変化(平均値±標準偏差)はプラセボ群0.82±2.62に対して、本剤投与群-0.70±2.53であり、有意差が認められた(p<0.001)8),9)。副作用発現頻度は、本剤投与群で48.2%(92/191例)及びプラセボ群で26.5%(26/98例)であった(22週まではプラセボ、24週以降は本剤を投与した症例を含む)。主な副作用は、本剤投与群で上気道感染11.0%(21/191例)であった。
既存治療で効果不十分な強直性脊椎炎患者を対象とし、本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し、引き続き6週間隔で投与した(非盲検下)。その結果、24週後、48週後のASAS(Assessment in Ankylosing Spondylitis)基準20%以上改善率はそれぞれ97.0%(32/33例)、96.9%(31/32例)であった。副作用発現頻度は、87.9%(29/33例)であった。主な副作用は、DNA抗体陽性48.5%(16/33例)であった。
既存治療で効果不十分な強直性脊椎炎患者を対象とし、プラセボ及び本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し、引き続き6週間隔で投与した。その結果、24週後のASAS基準20%以上改善率はプラセボ群19.2%(15/78例)に対し、本剤投与群では61.2%(123/201例)であり、有意差が認められた(p<0.001)10)。副作用発現頻度は、本剤投与群で64.9%(131/202例)及びプラセボ群で48.0%(36/75例)であった。主な副作用は、本剤投与群で頭痛7.9%(16/202例)であった。
既存治療(ステロイド、アザチオプリン等)で効果不十分な潰瘍性大腸炎患者208例を対象とし、プラセボ及び本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し、引き続き8週間隔で22週後まで投与し、30週後まで有効性を評価した。その結果、主要有効性評価項目である8週後のMayoスコア改善率は、プラセボ群35.6%(37/104例)に対し、本剤投与群54.8%(57/104例)であり、本剤は有意に高い改善率を示した(p=0.005)。副作用発現頻度は、本剤投与群で73.1%(76/104例)及びプラセボ群で59.6%(62/104例)であった。主な副作用は、本剤投与群でDNA抗体陽性51.9%(54/104例)であった。
既存治療(ステロイド、アザチオプリン等)で効果不十分な小児の潰瘍性大腸炎患者21例を対象とし、本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し、引き続き8週間隔で22週後まで投与し、30週後まで有効性を評価した。その結果、CAIスコア寛解率は、投与2週で60.0%(12/20名)となり、投与6、8週共に80.0%(16/20名)と増加し、投与10~30週までの間では64.3~87.5%で推移した。PUCAIスコア寛解率は、投与2週で35.0%(7/20名)となり、投与6、8週共に40.0%(8/20名)と増加し、その後、投与10~30週までの間では28.6~42.9%で推移した。また、Mayoスコアの改善率及び寛解率は、投与30週でそれぞれ42.9%(3/7例)、14.3%(1/7例)であった。副作用発現頻度は、71.4%(15/21例)であった。主な副作用は、二本鎖DNA抗体陽性57.1%(12/21例)であった。
既存治療(ステロイド、アザチオプリン等)で効果不十分な潰瘍性大腸炎患者242例に対し、プラセボ及び本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し、引き続き8週間隔で46週まで投与し、54週後まで有効性を評価した。その結果、主要有効性評価項目である8週後のMayoスコア改善率は、プラセボ群37.2%(45/121例)に対し、本剤投与群69.4%(84/121例)であり、本剤は有意に高い改善率を示した(p<0.001)11)。副作用発現頻度は、本剤投与群で48.8%(59/121例)及びプラセボ群で42.1%(51/121例)であった。主な副作用は、本剤投与群で頭痛9.9%(12/121例)であった。
既存治療で効果不十分な腸管型、神経型及び血管型ベーチェット病患者を対象とし、本剤5mg/kgを初回、2週後、6週後に投与し、引き続き8週間隔で46週まで投与した。その結果、腸管型ベーチェット病患者での投与30週後の著効例の割合(内視鏡検査で潰瘍の治癒又は瘢痕化を確認でき、臨床症状が消失し、完全寛解となった患者の割合)は54.5%(6/11例)であった。神経型ベーチェット病患者での投与30週後の著効例の割合(急性型:頭部MRI画像検査で高信号域の消失及び髄液中の細胞数及びIL-6濃度が投与前よりも低下し、神経症状が消失した患者の割合、慢性進行型:頭部MRI画像検査で脳幹部の更なる萎縮がなく、髄液中のIL-6濃度が投与前よりも低下し、神経症状の悪化がない患者の割合)は33.3%(1/3例)であった。血管型ベーチェット病患者での投与30週後の著効例の割合(PET/CTなどの画像検査結果及び臨床症状が投与前と悪化せず、CRP及びESRが投与前と比較して低下した患者の割合)は100.0%(4/4例)であった。副作用発現頻度は、66.7%(12/18例)であった。主な副作用は、二本鎖DNA抗体陽性44.4%(8/18例)であった。
本剤5mg/kg 8週間隔で効果が維持できない腸管型ベーチェット病患者3例において、本剤10mg/kg 8週間隔で投与したとき、臨床症状や炎症マーカー等の改善傾向が認められた。なお、3例に副作用は認められなかった。
初回の免疫グロブリン療法で効果不十分な川崎病患者31例に対し、ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン(VGIH)2g/kg及び本剤5mg/kgを単回投与し、有効性を評価した。主要有効性評価項目である治験薬投与開始48時間以内の解熱率の点推定値(95%信頼区間)は、本剤投与群76.7%(56.6~96.7%)、VGIH群37.0%(11.9~62.1%)であった。また、冠動脈病変発現率はVGIH群20.0%(3/15例)に対し、本剤投与群6.3%(1/16例)であった。副作用発現頻度は、本剤投与群で68.8%(11/16例)及びVGIH投与群で66.7%(10/15例)であった。主な副作用は、本剤投与群で二本鎖DNA抗体陽性68.8%(11/16例)であった。
インフリキシマブはクローン病や関節リウマチの病態形成に密接に関与しているTNFαの作用を阻害する。その機序は可溶性TNFαの生物活性を中和するとともに、膜結合型TNFα発現細胞をCDC(補体依存性細胞傷害)あるいはADCC(抗体依存性細胞媒介型細胞傷害)により傷害すること、ならびに受容体に結合したTNFαを解離させることによりTNFαの作用を阻害すると考えられている。
可溶性TNFαへの結合定数は1.04×1010 M-1であった12)(in vitro)。
TNFα刺激による線維芽細胞からのIL-6産生を抑制した13)(in vitro)。
ヒトIgG1のFc領域を有することから、CDC及びADCCにより膜結合型TNFαを発現するTNFα産生細胞を傷害した12)(in vitro)。
TNFα受容体に結合したTNFαとも結合し、TNFαを受容体から解離させ、接着分子(ICAM-1、VCAM-1)の発現を抑制した(in vitro)。
ヒトTNFαトランスジェニックマウスの死亡率軽減作用が認められた13)。
インフリキシマブ(遺伝子組換え)[infliximab(genetical recombination)]
約149,000
ヒトIgG1定常領域及びTNFα特異的なマウス可変領域を有するモノクローナル抗体で、1,328個のアミノ酸残基からなる糖蛋白質。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
100mg[1バイアル(20mL容器)]
1) Westhovens R, et al.:Arthritis Rheum. 2006;54(4):1075-1086
2) Asakura H, et al.:J Gastroenterol Hepatol. 2001;16(7):763-769
3) Targan SR, et al.:N Engl J Med. 1997;337(15):1029-1035
4) Hanauer SB, et al.:Lancet. 2002;359:1541-1549
5) Present DH, et al.:N Engl J Med. 1999;340(18):1398-1405
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