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劇薬
処方箋医薬品注)
関節リウマチ
通常成人1回1アンプル(デキサメタゾンとして2.5mg)を2週に1回静脈内注射する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
免疫機能抑制作用により、感染症を増悪させるおそれがある。
症状を増悪させるおそれがある。
使用当初、一時症状が増悪することがある。
B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。
*褐色細胞腫クリーゼがあらわれることがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。新生児に副腎不全を起こすことがある。また、血圧上昇、心筋壁の肥厚を起こすとの報告がある。動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形作用(臍ヘルニア、口蓋裂)等が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中に移行したとの報告がある。
長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障等の副作用があらわれやすい。
デスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト)(男性における夜間多尿による夜間頻尿)
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
機序は不明である。
バルビツール酸誘導体
フェニトインリファンピシン
本剤の作用が減弱することが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
バルビツール酸誘導体、フェニトイン、リファンピシンはチトクロームP450を誘導し、本剤の代謝が促進される。
サリチル酸誘導体
併用時に本剤を減量すると、サリチル酸中毒を起こすことが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤はサリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が低下する。
抗凝血剤
抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤は血液凝固促進作用がある。
糖尿病用薬
糖尿病用薬の作用を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤は肝臓で糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を阻害する。
利尿剤(カリウム保持性を除く)
低カリウム血症があらわれることがあるので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある。
シクロスポリン
シクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤はシクロスポリンの代謝を阻害する。
HIVプロテアーゼ阻害剤
本剤のAUCの上昇あるいはこれらの薬剤のAUCが低下するおそれがある。
チトクロームP450に対して競合する可能性がある。また、本剤がチトクロームP450を誘導することにより、これらの薬剤の代謝が促進される可能性がある。
マクロライド系抗生物質
本剤の作用が増強するおそれがあるので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤の代謝酵素(CYP3A)が阻害されるおそれがある。
非脱分極性筋弛緩剤
他のステロイド剤との併用により非脱分極性筋弛緩剤の作用が減弱又は増強するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。
呼吸困難、蕁麻疹、喉頭浮腫等があらわれることがある。
B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。,,,,
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0.1~5%未満
頻度不明
内分泌系
続発性副腎皮質機能不全、糖尿病、月経異常
消化器
下痢、悪心・嘔吐
消化性潰瘍、膵炎、腹部膨満感、食欲亢進、胃痛、胸やけ、口渇
精神神経系
頭痛
精神変調、うつ状態、多幸症、痙攣、不眠、眩暈
筋・骨格系
骨粗鬆症、大腿骨及び上腕骨等の骨頭無菌性壊死、ミオパチー、筋肉痛、関節痛
脂質・たん白質代謝
満月様顔貌
野牛肩、窒素負平衡、脂肪肝
体液・電解質
浮腫
低カリウム性アルカローシス、血圧上昇
眼
中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害、眼球突出
血液
白血球増多
血栓症
皮膚
発疹、そう痒、顔面発赤、発汗(異常含む)
ざ瘡、多毛、色素沈着、皮下溢血、紫斑、線条、顔面紅斑、創傷治癒障害、皮膚菲薄化・脆弱化、脂肪織炎、脱毛
その他
動悸、発熱、疲労感
ステロイド腎症、精子数及びその運動性の増減、しびれ感、しゃっくり、体重増加
副腎皮質ホルモン剤を投与中の患者にワクチンを接種して神経障害、抗体反応の欠如が起きたとの報告がある。
リメタゾンを関節リウマチ患者(50~80歳、5例)に1mL、及び健康成人(男子26~29歳、3例)に2mL静脈内投与した際の血漿中濃度推移を図1、2に示す1)。デキサメタゾンパルミチン酸エステル及び活性代謝物デキサメタゾンの血中半減期、デキサメタゾンの血中最高濃度、デキサメタゾンの血中最高濃度到達時間は、下記のとおりであった。また、リメタゾンを投与した患者と健康成人との間では、年齢差によると推察されるデキサメタゾンパルミチン酸エステルの血中半減期の差を除き、他のパラメーターに差は認められなかった。
関節リウマチ患者(1mL)
健康成人(2mL)
デキサメタゾンパルミチン酸エステルの血中半減期(時間)
2.17±0.51
1.13±0.16
デキサメタゾンの血中半減期(時間)
5.48±1.77
5.20±0.69
デキサメタゾンの血中最高濃度(μg/dL血漿)
4.09±0.92
6.62±0.66
デキサメタゾンの血中最高濃度到達時間(時間)
1.54±0.41
1.68±0.26
3H-デキサメタゾンパルミチン酸エステルより調製したリメタゾンをラットにデキサメタゾンとしてヒトでの常用量にあたる0.05mg/kg及びその10倍量の0.5mg/kgの用量で静脈内投与し、各組織中放射能濃度を測定した。その結果、肝、脾、肺、骨髄等の網内系組織及び心臓等への放射能の分布が多かった2)。
3H-デキサメタゾンパルミチン酸エステルより調製したリメタゾンを授乳中の母獣ラットにデキサメタゾンとして0.05mg/kgの用量で投与し、その体内分布を計測した。その結果、乳汁中への分布率は母獣血中の分布率の1/4~1/5であり、その推移は母獣血中の分布率推移とパラレルであった。また、薬剤投与6時間の乳汁中への移行量は総投与量の0.56%であった3)。
本剤は、炎症巣、肝、脾等の網内系組織に富んだ臓器に多く取り込まれた後エステラーゼ様の酵素により緩徐に加水分解され、活性代謝物デキサメタゾンになる1),4),5)(ヒト、ラット)。
注)本剤の承認用量は1回1アンプル(1mL)である。
活動性関節リウマチ患者78例を対象に、本剤を1回0.1~3.0mL(デキサメタゾンとして0.25mg~7.5mg)、延べ106回単回投与した有効率は、67.9%(72/106)であった6)。副作用発現頻度は3.8%(3例/78例)であった。副作用の内訳は血管痛1.3%(1例/78例)、かゆみ1.3%(1例/78例)、頭痛1.3%(1例/78例)であった。
関節リウマチ患者72例を対象とした二重盲検比較試験(クロスオーバー法)においても、本剤2週に1回、1回1mL(デキサメタゾンとして2.5mg)を8週にわたり(計4回)投与した試験を行い、対照薬に比べて本剤の有用性が認められている7)。副作用発現頻度は8.3%(6例/72例)であった。主な副作用は熱感2件、下痢1件、全身倦怠感1件であった。
本剤は、炎症巣に取り込まれた後エステラーゼ様の酵素により緩徐に加水分解され、活性代謝物デキサメタゾンになり、抗炎症効果を発揮する1),4),5)(in vitro、ヒト、ラット)。
ラットカラゲニン足浮腫を用いた急性炎症に対しては、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウムと同程度の効力を示したにすぎなかったが、ラットのホルマリンろ紙肉芽腫、ラットのカラゲニン肉芽腫及びラットのアジュバント関節炎に対しては、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウムに対し、2~5倍の抗炎症作用を示した8)。
ラットのアジュバント関節炎の炎症部への分布は、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウムに比べ約2倍高いことが、3H-リメタゾンを用いた実験で、その放射活性から明らかにされた2)。この炎症巣への分布は、ラットのアジュバント関節炎、ラットのカラゲニン肉芽腫の全身オートラジオグラフィー、ミクロオートラジオグラフィーによっても明らかにされている9)。
ラットのカラゲニン胸膜炎を用いた胸水のゲルろ過分析により炎症巣へは、遊離のデキサメタゾンとともに乳剤状で、本剤が移行し得ることが示された。このことは、ラットのカラゲニン肉芽腫の炎症巣の電子顕微鏡像によっても示されている10)。すなわち、乳剤状リメタゾンは、炎症巣マクロファージに積極的に貪食され、遊走能、貪食能、活性酸素生成能にみるマクロファージ機能を水溶性のデキサメタゾンリン酸エステルナトリウムに比べより効率よく抑制することが示された。
デキサメタゾンパルミチン酸エステル(Dexamethasone Palmitate)
9-fluoro-11β, 17, 21-trihydroxy-16α-methylpregna-1, 4-diene-3, 20-dione 21-palmitate
C38H59FO6
630.88
白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。アセトニトリル、メタノール、エタノール(95)、2-プロパノール、ジエチルエーテル又は1,4-ジオキサンに極めて溶けやすく、アセトンに溶けやすく、水又はヘプタンにほとんど溶けない。
約60℃
外箱開封後は遮光保存すること。
[1mL×10管]
1) 井伊重雄, 他: 薬理と治療. 1988; 16(2): 865-871
2) 岩井正和, 他: 基礎と臨床. 1985; 19(8): 4085-4109
3) 田辺三菱製薬(株):リポステロイドの胎仔,胎盤および乳汁への移行(社内資料)
4) 岩井正和, 他: 基礎と臨床. 1985; 19(8): 4110-4124
5) 岡本浩之, 他: 炎症. 1985; 5(3): 219-223
6) 金子久美子: 炎症. 1985; 5(3): 241-249
7) 塩川優一, 他: 臨床評価. 1985; 13(1): 195-227
8) 浜野哲夫, 他: 基礎と臨床. 1985; 19(7): 3167-3177
9) 北川 勉, 他: 薬理と治療. 1990; 18(2): 409-417
10) 名倉一晶, 他: 基礎と臨床. 1985; 19(7): 3195-3206
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