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本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、緑膿菌、カンジダ属
外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染
1日1回、滅菌手袋などを用いて、創面を覆うに必要かつ十分な厚さ(約2~3mm)に直接塗布する。又は、ガーゼ等に同様の厚さにのばし、貼付し、包帯を行う。なお、第2日目以後の塗布に際しては、前日に塗布した本剤を清拭又は温水浴等で洗い落としたのち、新たに本剤を塗布すること。
エリテマトーデスにみられる白血球減少が悪化するおそれがある。
溶血を惹起するおそれがある。
本剤の代謝が抑制され、副作用が強くあらわれるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁への移行が認められている。
低出生体重児、新生児には使用しないこと。高ビリルビン血症を起こすおそれがある。
外皮用酵素製剤
外皮用酵素製剤の作用を減弱させるおそれがある。
銀が酵素のSH基と結合し、酵素活性を減弱させる可能性がある。
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、接触皮膚炎
発赤、光線過敏症
菌交代現象
耐性菌・非感性菌による化膿性感染症
血液
白血球減少
貧血、血小板減少
皮膚
疼痛
ラットに本剤を経皮投与した実験で、諸臓器(肝、膵、腸間膜リンパ節等)への銀沈着と可逆性の軽度なアルカリフォスファターゼ上昇を認めたとの報告がある。
熱傷患者に本剤を14日間反復塗布(平均400g/日)したとき、銀の血中濃度は、使用開始後徐々に上昇し、90.8ng/mLに達した。一方、中止により次第に減少し、中止後14日目には、54.8ng/mLとなった。また、スルファジアジン及びその代謝物(N4-アセチルスルファジアジン)の血中濃度は使用開始後速やかに上昇して14日目には4.7μg/mLに達し、中止後は迅速に血中から消失した1)。
ラットに35S-スルファジアジン銀を皮下投与し放射性代謝物を検討したところ、スルファジアジン部分のみ知見が得られ、解離したスルファジアジンはN4-アセチルスルファジアジン、スルファジアジン-N4-グルクロニド及びスルファジアジン-N4-スルフォン酸であった。なお、銀部分の代謝については、明らかにできなかったが、吸収部位での体液中の蛋白、塩素イオンと結合し、AgCl、Ag-蛋白複合体を形成し、最終的にAg2Sとして存在すると推定されている2)。
熱傷患者に本剤を14日間反復塗布(平均400g/日)したとき、銀の尿中排泄量は使用開始後徐々に上昇し、14日目に108.2μg/日に達した。一方、中止と同時に減少しはじめ、3日後には46.3μg/日となった。また、スルファジアジン及びその代謝物(N4-アセチルスルファジアジン)の尿中排泄量は使用開始と同時に速やかに上昇し、110.5mg/日に達し、中止後速やかに減少した1)。
中等度・重症熱傷患者を対象とした臨床試験の評価対象257例における有効以上の有効率は次のとおりであった3),4),5),6),7),8)。
疾患名\有効率(%)
有効以上
熱傷
中等度
75.6( 59例/ 78例)
重症
69.8(125例/179例)
計
71.6(184例/257例)
褥瘡等各種皮膚潰瘍患者を対象として本剤又は基剤を1日1回2週間創面に塗布した二重盲検比較試験における有効以上の有効率は本剤群70.6%(24/34例)、基剤群32.4%(12/37例)であった9)。副作用は接触皮膚炎2.3%(1/43例)のみであった。
褥瘡等各種皮膚潰瘍患者を対象として本剤又はゲンタマイシンクリームを1日1回2週間創面に塗布した二重盲検比較試験における有効以上の有効率は本剤群71.1%(32/45例)、ゲンタマイシンクリーム群61.0%(25/41例)であった10)。副作用の発現は認められなかった。
スルファジアジン銀はSulfonamideの誘導体であるが、p-aminobenzoic acidによって競合的阻害を受けず、いわゆるサルファ剤とは異なる作用機序を有する。銀が細胞膜、細胞壁に作用して抗菌作用を発現すると考えられている11),12)。
スルファジアジン銀は黄色ブドウ球菌、レンサ球菌属などのグラム陽性菌、緑膿菌、エンテロバクタークロアカ、クレブシエラ属などのグラム陰性菌、カンジダ属などの真菌に対し抗菌力を示す。MICはいずれも100μg/mL以下であった(in vitro)13),14),15)。
スルファジアジン銀(Sulfadiazine Silver)
Monosilver 4-amino-N-(pyrimidin-2-yl)benzenesulfonamidate
C10H9AgN4O2S
357.14
白色~微黄色の結晶性の粉末で、においはない。水、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。アンモニア試液に溶ける。光によって徐々に着色する。
約275℃(分解).
容器開封後は遮光保存すること。
50g(チューブ)×10、100g(ボトル)、500g(ボトル)
1) 田辺三菱製薬(株): ゲーベンクリーム1%の薬物動態に関わる資料(社内資料)
2) Buckley WR, et al.: Arch Dermatol. 1965;92(6):697-705
3) 小野一郎, 他: 熱傷. 1980; 5(2): 166-176
4) T-107東部研究班: 熱傷. 1980; 5(2): 177-187
5) 井沢洋平, 他: 外科診療. 1981; 23(2): 254-260
6) 吉岡敏治, 他: 救急医学. 1980; 4(4): 421-427
7) 難波雄哉, 他: 臨床と研究. 1981; 58(1): 306-312
8) 塚田貞夫, 他: 日本災害医学会会誌. 1980; 28(5): 325-330
9) 由良二郎, 他: CHEMOTHERAPY. 1984; 32(4): 208-222
10) T-107中国地区研究班: 西日本皮膚科. 1984; 46(2): 582-591
11) Rosenkranz HS, et al.: Antimicrob Agents Chemother. 1972; 2(5): 367-372
12) Coward JE, et al.: Antimicrob Agents Chemother. 1973; 3(5): 621-624
13) 由良二郎, 他: CHEMOTHERAPY. 1980; 28(9): 1163-1170
14) Carr HS, et al.: Antimicrob Agents Chemother. 1973; 4(5): 585-587
15) Wlodkowski TJ, et al.: Lancet. 1973; 2(7831): 739-740
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