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レクチゾール錠25mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
12.臨床検査結果に及ぼす影響
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2活性酸素産生抑制作用
18.3サイトカイン産生抑制作用
18.4
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

レクチゾール錠25mg

添付文書番号

2699003F1024_2_06

企業コード

400315

作成又は改訂年月

2021年2月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872699
876231

承認等

レクチゾール錠25mg

販売名コード

YJコード

2699003F1024

販売名英語表記

Lectisol TABLETS

販売名ひらがな

れくちぞーるじょう

承認番号等

承認番号

20300AMZ00600

販売開始年月

1991年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

5年

一般的名称

ジアフェニルスルホン錠

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤及び類似化合物に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

レクチゾール錠25mg

有効成分(1錠中)ジアフェニルスルホン   25mg
添加剤乳糖水和物、トウモロコシデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム

3.2 製剤の性状

レクチゾール錠25mg

外形
大きさ直径6.5mm
厚さ2.4mm
質量100mg
識別コードY-LC
性状・剤形白色・素錠(割線入り)

4. 効能又は効果

  • 持久性隆起性紅斑、ジューリング疱疹状皮膚炎、天疱瘡、類天疱瘡、色素性痒疹
  • ハンセン病
  • 〈適応菌種〉

    本剤に感性のらい菌

  • 〈適応症〉

    ハンセン病

6. 用法及び用量

  • 〈持久性隆起性紅斑、ジューリング疱疹状皮膚炎、天疱瘡、類天疱瘡、色素性痒疹〉

    ジアフェニルスルホンとして、通常、成人1日50~100mgを2~3回に分けて経口投与する。

  • 〈ハンセン病〉

    ジアフェニルスルホンとして、通常、成人1日75~100mgを経口投与する。原則として、他剤と併用して使用すること。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の投与により薬剤性過敏症症候群、溶血性貧血等の重篤な副作用があらわれることがあり、これらの副作用は投与量が増加すると発生頻度が高まることが報告されているので、使用にあたっては用法及び用量、使用上の注意に十分注意すること。また、症状の改善がみられない場合は投与を中止すること。,,
  2. 8.2 本剤投与中は定期的に血液及び尿検査を行うこと。,

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 血液障害のある患者

    血液障害を悪化させるおそれがある。,,

  2. 9.1.2 グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症のある患者

    溶血を起こすおそれがある。

  3. 9.1.3 糖尿病性ケトーシスの患者

    溶血を起こすおそれがある。

  4. 9.1.4 長期にわたり副腎皮質ホルモン剤が投与されている患者(天疱瘡、類天疱瘡等の患者)

    本剤を併用することにより副腎皮質ホルモン剤の減量を図る場合には、離脱症状があらわれることがあるので十分な管理の下で徐々に行うこと。

  5. 9.1.5 *糖尿病の患者

    本剤服用中は、血糖コントロールにあたり、ヘモグロビンA1c以外の検査値の推移に十分注意すること。

9.2 腎機能障害患者

溶血を起こすおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

副作用として肝障害が報告されており、悪化させることがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

*授乳しないことが望ましい。外国において、ヒト母乳中への移行と哺乳中の児の溶血性貧血が報告されている1)

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    リファンピシン

    本剤の作用が減弱することがある。

    リファンピシンが肝の薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進して血中濃度を低下させると考えられている。

    プロベネシド

    本剤の尿中排泄が阻害されることがある。

    プロベネシドによる本剤の尿細管排泄阻害が考えられる。

    メトトレキサート

    血液障害があらわれることがある。

    両剤ともに葉酸代謝阻害作用を有するためと考えられる。

    スルファドキシン・ピリメタミン配合剤

    血液障害があらわれることがある。

    両剤ともに葉酸代謝阻害作用を有するためと考えられる。

    スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤(ST合剤)

    血液障害があらわれることがある。

    両剤ともに葉酸代謝阻害作用を有するためと考えられる。
    なお、トリメトプリムとの併用において両剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 薬剤性過敏症症候群(0.1~5%未満)

      初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること2)

    2. 11.1.2 血液障害

      無顆粒球症、溶血性貧血、白血球減少症、血小板減少(いずれも0.1~5%未満)、再生不良性貧血、汎血球減少症、メトヘモグロビン血症、巨赤芽球性貧血(いずれも0.1%未満)があらわれることがある。,,

    3. 11.1.3 SLE様症状(0.1%未満)
    4. 11.1.4 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)
    5. 11.1.5 好酸球性肺炎(頻度不明)

      発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には投与を中止し、速やかに胸部X線検査、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。

    6. 11.1.6 ネフローゼ症候群、腎乳頭壊死(いずれも0.1%未満)

    11.2 その他の副作用

    0.1~5%未満

    頻度不明

    肝臓

    黄疸、AST、ALT、ALP、γ-GTP、LDHの上昇等の肝障害

    過敏症

    発疹

    精神神経系

    うつ状態、頭痛、めまい

    視神経萎縮、霧視

    消化器

    悪心・嘔吐

    腹痛、食欲不振

    その他

    発熱

    頻脈、耳鳴、リンパ節腫脹、血尿、低アルブミン血症、好酸球増多、末梢神経障害

    注)発現頻度は、製造販売後調査等の結果を含む。

    12. 臨床検査結果に及ぼす影響

    *本剤により、ヘモグロビンA1cが偽低値を示すことがある3)

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

    15. その他の注意

    15.2 非臨床試験に基づく情報

    ジアフェニルスルホンをラットに長期間経口投与(臨床用量の約9~18倍、20ヵ月間)したところ、雄に脾腫瘍及び腹膜腫瘍の発生増加が認められたとの報告がある。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    健康成人5例に本剤100mgを経口投与した結果、投与後2~3時間後に最高血中濃度に達し、t1/2は21.7±5.7時間であった4)(外国人のデータ)。

    tmax(h)

    Cmax
    (μg/mL)

    t1/2(h)

    AUC0-∞
    (μg・h/mL)

    Vd(L/kg)注1)

    2.5±0.5

    1.63±0.47

    21.7±5.7

    50.0±22.3

    0.98±0.12

    (平均値±SD)

    注1)50mg静注のデータより算出

    16.2 吸収

    健康成人5例に本剤100mgを経口投与した結果、バイオアベイラビリティは93.4±7.1%(平均値±SD)であり、良好であった4)(外国人のデータ)。

    16.3 分布

    1. 16.3.1 組織中濃度

      ジューリング疱疹状皮膚炎の患者15例に本剤150mg注2)を単回経口投与した結果、4時間後の炎症皮膚内濃度/血漿中濃度の比は1.09±0.11(平均値±SD)であった5)(外国人のデータ)。

    2. 16.3.2 蛋白結合率

      73.9%(500~2000ng/mL濃度時)6)(in vitro)

    注2)ジューリング疱疹状皮膚炎への承認用法用量は1日50~100mgを2~3回に分けて投与である。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    1. 18.1.1 抗炎症作用

      免疫反応により生じる炎症反応の過程で産生され、皮膚組織に障害を与える活性酸素や炎症性サイトカインの産生を抑制することにより、皮膚の炎症症状を改善させるものと考えられる。

    2. 18.1.2 抗菌作用

      サルファ剤と同様の抗菌スペクトルを持ち、葉酸合成の過程でパラアミノ安息香酸と競合して静菌的に作用することから、サルファ剤とほぼ同じ作用機序によると考えられる7),8)

    18.2 活性酸素産生抑制作用

    健康成人末梢血より分離した好中球を用い、オプソニン化zymosanで活性酸素の産生が促進された試験系において、H2O2、OH・、1O2の産生抑制作用を示す9)(in vitro)。

    18.3 サイトカイン産生抑制作用

    各種in vitro試験において、ジアフェニルスルホンはマクロファージからのインターロイキン1α、β(IL-1α、IL-1β)、腫瘍壊死因子α(TNFα)及びインターロイキン6(IL-6)の産生に対して抑制作用を示す10)

    18.4 M.lepraeに対する抗菌作用

    マウスを用いた実験で、M.lepraeの増殖に対して阻止作用が認められている。
    また、ジアフェニルスルホンのM.lepraeに対する作用は静菌的である11),12)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    ジアフェニルスルホン(Diaphenylsulfone, Dapsone)

    化学名

    4,4'-Diaminodiphenyl sulfone(DDS)

    分子式

    C12H12N2O2S

    分子量

    248.30

    性状

    白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。アセトニトリルに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。光によって徐々に暗色となる。

    化学構造式

    融点

    177~181℃

    20. 取扱い上の注意

    アルミニウム袋開封後は遮光保存すること。

    22. 包装

    100錠[10錠(PTP)×10]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター

    〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10

    電話 0120-753-280

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    田辺三菱製薬株式会社

    大阪市中央区道修町3-2-10

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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