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処方箋医薬品注)
生物由来製品
通常、成人には体重kg当たりアルテプラーゼ(遺伝子組換え)として34.8万国際単位(0.6mg/kg)を静脈内投与する。ただし、投与量の上限は3,480万国際単位(60mg)までとする。投与は総量の10%は急速投与(1~2分間)し、その後残りを1時間で投与する。なお、本薬の投与は発症後できるだけ早期に行う。[投与に際しては、添付の溶解液に溶解し、必要に応じて日局生理食塩液にて希釈する。]
通常、成人には体重kg当たりアルテプラーゼ(遺伝子組換え)として29万~43.5万国際単位(0.5mg/kg~0.75mg/kg)を静脈内投与する。総量の10%は急速投与(1~2分間)し、その後残りを1時間で投与する。なお、本薬の投与は発症後できるだけ早期に行う。[投与に際しては、添付の溶解液に溶解し、必要に応じて日局生理食塩液にて希釈する。]
心囊液貯留を起こすおそれがある。
脳出血の危険性が高まるとの報告がある。
脳塞栓を起こすおそれがある。
脳塞栓又は心囊液貯留を起こすおそれがある。
腎障害が悪化したり、出血するおそれがある。
投与しないこと。肝障害が悪化したり、出血するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ウサギ)で高用量にて胚・胎児死亡が報告されていること及び本剤の線維素溶解作用からみて、早期胎盤剝離が起こる可能性が考えられる。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
他の治療法の可能性も含め本剤の適用を慎重に検討すること。脳出血等の重篤な出血が起こることがある。
適応を十分に検討し、より慎重に投与すること。
デフィブロチドナトリウム(デファイテリオ)
出血の危険性が増大するおそれがある。
マウスの血栓塞栓症モデルにおいて、組換え型t-PAの抗血栓作用が増強された1) 。
血液凝固阻止作用を有する薬剤
,,,
出血傾向が助長されることがある。
血液凝固作用を阻害することにより凝固時間を延長し、出血傾向が増強されることが考えられる。
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
,,
血小板凝集を抑制することにより、出血傾向が増強されることが考えられる。
血栓溶解剤
プラスミノーゲンをプラスミンに変換させ、生成したプラスミンがフィブリンを分解し血栓を溶解するため、出血傾向が増強されることが考えられる。
アプロチニン
本剤の作用が減弱するおそれがある。
アプロチニンが本剤の作用を阻害する。
* レカネマブ
*左記薬剤投与中に脳出血を発現した場合、出血を助長するおそれがある。
*左記薬剤の副作用として脳出血の報告がある。併用により本剤が出血を助長する可能性がある。
脳出血(2.5%:脳、0.4%:心)、消化管出血(0.7%:脳、0.6%:心)、肺出血(0.1%未満:脳、0.1%未満:心)、後腹膜出血(0.1%未満:脳、0.1%未満:心)等の重篤な出血があらわれることがある。また、出血の増大に伴い出血性ショックに至ることがあるので注意すること。
血圧低下、発汗、脈拍の異常、呼吸困難、じん麻疹等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
舌、口唇、顔面、咽頭、喉頭等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがある。このような場合には、気道の閉塞を起こしやすくなるので、直ちに投与を中止し、アドレナリン、副腎皮質ホルモン剤の投与、気道確保等の適切な処置を行うこと。
心室細動、心室頻拍等があらわれることがある。
1%以上
0.1~1%未満
0.1%未満
出血傾向
血尿、歯肉出血、皮下出血、カテーテル穿刺部位からの出血等
神経系
頭痛
呼吸器
しゃっくり
肝臓
肝機能異常(AST,ALT,ビリルビン,LDH,Al-P上昇等)
皮膚
紅斑
消化器
悪心・嘔吐
その他
貧血
発熱、熱感、血圧低下、発汗
溶解後は速やかに使用すること。
アンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与している患者では、本剤投与中又は投与後に口舌血管浮腫があらわれる例が多いとの報告がある。
急性心筋梗塞患者7例にrt-PA 43.5万国際単位(IU)/kgを1時間で静脈内投与したときの血漿中免疫反応性rt-PA濃度(ELISA法)の推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった2) 。
tmax(min)
Cmax(IU/mL)
AUC0-∞(IU・h/mL)
半減期(min)
CLtotal(L/h/kg)
t1/2α
t1/2β
55
1302.7±1330.1
1343.2±1218.3
6.3±2.2
84.2±47.7
0.490±0.393
mean±S.D., n=7
雄性ラットに125I-rt-PA 58万IU/kgを静脈内投与したときの投与5分後の組織内放射能濃度を測定したとき、肝臓>骨髄>脾臓>副腎>腎臓の順で分布が認められた。なお、脳へはほとんど分布しなかった3) 。
125I-rt-PA 58万IU/kgを妊娠ラットに静脈内投与したとき、胎児への放射能の移行が認められたが、その多くはTCA非沈殿性であり、125I-rt-PAが代謝されて生成した低分子の代謝物又は遊離の125Iが移行したものと推察された4) 。
125I-rt-PA 58万IU/kgを授乳ラットに静脈内投与したとき、乳汁中に放射能が移行したが、免疫反応性rt-PAは検出されず、125I-rt-PAが代謝されて生成した低分子の代謝物又は遊離の125Iが移行したものと考えられ、未変化体は、乳汁中に移行しないと推察された4) 。
血漿中にはrt-PA抗体に対する免疫反応性は有するが線溶活性を失った代謝物の存在が示唆された。
健康成人15例にrt-PA 1.45万、2.9万及び5.8万IU/kg(各5例)を1時間静脈内持続投与し、投与後24時間までの尿中の免疫反応性rt-PA濃度及び線溶活性を測定した。その結果、尿中には免疫反応性rt-PA及びrt-PAによる線溶性は認められず、未変化体は尿中に排泄されないものと推察された5) 。
本剤の第III相試験はオープン試験により検討され、海外での使用経験と同程度の有用性が確認されている。発症3時間以内の虚血性脳血管障害急性期患者103例を対象に、本剤0.6mg(34.8万国際単位(IU))/kgを静脈内投与した際の発症3ヵ月後の機能予後良好率(modified Rankin Scale 0又は1まで改善した割合)は36.9%(38/103例)であった6) 。副作用発現頻度は、48.5%(50/103例)であった。主な副作用は、出血性脳梗塞31.1%(32/103例)及び皮下出血11.7%(12/103例)であった。
米国において、発症3時間以内の虚血性脳血管障害急性期患者624例を対象に、本剤投与群として312例、プラセボ投与群として312例の二重盲検試験(Part 1、Part 2)が実施され、有用性が確認されている。Part 2試験(本剤投与群:168例、プラセボ投与群165例)において、本剤0.9mg/kgを静脈内投与した際の発症3ヵ月後の機能予後良好率(modified Rankin Scale 0又は1まで改善した割合)は、本剤投与群で39%、プラセボ投与群で26%であった7) 。Part 1とPart 2を合計した症候性頭蓋内出血発現率は、投与後36時間以内では、本剤投与群6.4%(20/312例)、プラセボ投与群0.6%(2/312例)であった。投与後36時間後から発症3ヵ月後までは、本剤投与群1.3%(4/312例)、プラセボ投与群0.6%(2/312例)であった。また、発症3ヵ月後の死亡率は、本剤投与群17.3%(54/312例)、プラセボ投与群20.5%(64/312例)であった。
本剤の第III相試験は二重盲検比較試験により検討され、その有用性が確認されている。発症6時間以内に冠動脈造影が施行され、ニトログリセリンあるいは硝酸イソソルビドを冠動脈内投与した後も責任冠動脈の完全閉塞あるいはdelay3の造影遅延を伴う99%の閉塞が確認された急性心筋梗塞患者82例を対象に、本剤29万~43.5万IU/kgを静脈内投与した。その結果、冠血流の改善度、再開通率、全般改善度、安全度、有用度は以下のとおりであった8) 。
冠血流の改善度(改善以上)
再開通率(TIMI判定)
全般改善度(改善以上)
安全度(ほぼ安全以上)
有用度(有用以上)
30分
60分
24.0%(18/75)
56.0%(42/75)
40.0%(30/75)
68.9%(51/74)
58.7%(44/75)
93.9%(77/82)
60.0%(45/75)
副作用発現頻度は、11.0%(9/82例)であった。認められた副作用は、血尿・肉眼的血尿6.1%(5/82例)、穿刺部位血腫・穿刺部位出血4.9%(4/82例)、右眼瞼部血腫、吐血、皮下出血、消化管出血及び歯肉出血 各1.2%(1/82例)であった。
本剤はフィブリン親和性が高く、血栓に特異的に吸着し血栓上でプラスミノーゲンをプラスミンに転化させ、これがフィブリンを分解し、血栓を溶解する9),10) 。
イヌ冠動脈血栓モデルを作製して血栓溶解作用について検討した結果、rt-PAは用量に相関した血栓溶解効果を示した11) 。また、ウサギ頸静脈血栓モデルを用いた実験においても同様の結果が得られた12) 。他方、in vitroの実験においてrt-PAはヒト血漿クロットを濃度の増加に伴って減少させた10) 。
光増感反応によりラット中大脳動脈血栓モデルを作製し血栓溶解作用及び神経症状の改善効果について検討した結果、rt-PAは血栓溶解作用により神経症状を改善した13) 。
アルテプラーゼ(遺伝子組換え)(Alteplase(genetical recombination))
約64,000
無色澄明の液(アルテプラーゼ原液)
本品はアミノ酸527個から成る糖蛋白質である。
1瓶[溶解液(日局注射用水10mL)、溶解液注入針 添付]
1瓶[溶解液(日局注射用水20mL)、溶解液注入針 添付]
1瓶[溶解液(日局注射用水40mL)、溶解液注入針 添付]
1) Paul W, et al.:Br J Pharmacol. 1993; 110: 1565-1571
2) 田辺三菱製薬(株):アルテプラーゼの薬物動態に関わる資料(社内資料)(1991年3月29日承認、申請資料概要へ-2-1、3.)
3) 飯田成宇ほか:薬物動態. 1988; 3: 309-329
4) 岩本正人ほか:薬理と治療. 1988; 16: 1259-1268
5) 田辺三菱製薬(株):GMK-527(rt-PA)の第I相臨床試験成績(第1報)(社内資料)(1991年3月29日承認、申請資料概要ト-1-1)
6) Yamaguchi T, et al.:Stroke. 2006; 37: 1810-1815
7) The National Institute of Neurological Disorders and Stroke rt-PA Stroke Study Group:N Engl J Med. 1995; 333: 1581-1587
8) 新谷博一ほか:医学のあゆみ. 1991; 6: 429-451
9) Hoylaerts M, et al.:J Biol Chem. 1982; 257: 2912-2919
10) 山本登志弘ほか:薬理と治療. 1988; 16: 1203-1213
11) 比護勝哉ほか:薬理と治療. 1988; 16: 1223-1229
12) 山本登志弘ほか:薬理と治療. 1988; 16: 1215-1221
13) Umemura K, et al.:Pathophysiol Haemost Thromb. 2008; 36: 245-250
田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話 0120-753-280
田辺三菱製薬株式会社
大阪市中央区道修町3-2-10
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