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処方箋医薬品注)
通常、成人にはカナグリフロジンとして100mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。
使用経験がなく、安全性が確立していない。
,
本剤の利尿作用により脱水を起こすおそれがある。,,
症状を悪化させるおそれがある。,
これらの患者(Child-Pugh分類で合計スコア9超)を対象とした臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には本剤を投与せず、インスリン製剤等を使用すること。動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されており、ヒトの妊娠中期及び後期にあたる期間の曝露により、幼若動物に腎盂及び尿細管の拡張が報告されている。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されており、哺育期間中に出生児の体重増加抑制や幼若動物の腎盂の拡張、尿細管の拡張が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
低血糖症状が起こるおそれがある。特に、インスリン製剤、スルホニルウレア剤又は速効型インスリン分泌促進薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、これらの薬剤の減量を検討すること。
血糖降下作用が増強される。
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
血糖降下作用が減弱される。
ジゴキシン
本剤300mgとの併用によりジゴキシンのCmax及びAUCがそれぞれ36%及び20%上昇したとの報告があるため、適切な観察を行うこと。
本剤のP-糖蛋白質阻害作用による。
リファンピシン、フェニトイン、フェノバルビタール、リトナビル等
リファンピシンとの併用により本剤のCmax及びAUCがそれぞれ28%及び51%低下したとの報告があるため、適切な観察を行うこと。
本剤の代謝酵素であるUGT1A9及びUGT2B4をこれらの薬剤が誘導することにより、本剤の代謝が促進される。
必要に応じ利尿薬の用量を調整するなど注意すること。
左記薬剤との併用により利尿作用が増強されるおそれがある。
炭酸リチウム
リチウムの作用が減弱されるおそれがある。
血清リチウム濃度が低下する可能性がある。
低血糖があらわれることがある。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行い、α-グルコシダーゼ阻害薬との併用時にはブドウ糖を投与すること。, ,, ,, ,,
口渇、多尿、頻尿、血圧低下等の症状があらわれ脱水が疑われる場合には、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。脱水に引き続き脳梗塞を含む血栓・塞栓症等を発現した例が報告されている。,,,
**ケトアシドーシス(糖尿病性ケトアシドーシスを含む)があらわれることがある。,
腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)があらわれ、敗血症(敗血症性ショックを含む)に至ることがある。,
1%以上
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
感染症および寄生虫症
尿路感染
カンジダ性亀頭炎、膀胱炎、腟感染、外陰部腟カンジダ症、真菌性性器感染、外陰腟真菌感染
細菌尿、蜂巣炎、結膜炎、性器カンジダ症、口腔カンジダ症、歯周炎、肺炎、股部白癬、外陰部炎、外陰腟炎、カンジダ感染
血液およびリンパ系障害
赤血球増加症
貧血、白血球増加症
代謝および栄養障害
無症候性低血糖
高カリウム血症、高尿酸血症、ケトーシス、食欲減退
水分過負荷、痛風、高血糖、低ナトリウム血症、血液量減少症、代謝性アシドーシス、多飲症
神経系障害
浮動性めまい、体位性めまい、頭痛
*脳卒中、糖尿病性ニューロパチー、労作性めまい、味覚異常、末梢性ニューロパチー
失神
眼障害
糖尿病網膜症、網膜症
耳および迷路障害
回転性めまい
耳鳴、突発性難聴
心臓障害
狭心症、不安定狭心症、心房細動、うっ血性心不全、冠動脈疾患、動悸、頻脈、心室性期外収縮、急性冠動脈症候群
血管障害
低血圧、起立性低血圧
高血圧
呼吸器、胸郭および縦隔障害
呼吸困難
咳嗽
胃腸障害
便秘
腹部膨満、腹痛、下痢、口内乾燥、胃炎、胃食道逆流性疾患、悪心、嘔吐
腹部不快感、上腹部痛、慢性胃炎、嚥下障害、痔核、過敏性腸症候群
肝胆道系障害
肝機能異常
皮膚および皮下組織障害
湿疹、そう痒症、発疹、皮膚潰瘍、蕁麻疹、中毒性皮疹
接触皮膚炎、薬疹、全身性皮疹、皮膚病変、全身性そう痒症、糖尿病性足病変
筋骨格系および結合組織障害
筋痙縮
背部痛、筋力低下
腎および尿路障害
頻尿
排尿困難、緊張性膀胱、尿意切迫、夜間頻尿、多尿、糖尿病性腎症、腎機能障害、慢性腎臓病、急性腎障害、末期腎疾患
腎結石症、中毒性ネフロパシー、蛋白尿、尿失禁
生殖系および乳房障害
亀頭包皮炎、陰部そう痒症、外陰腟そう痒症
良性前立腺肥大症、腟分泌物、勃起不全
一般・全身障害および投与部位の状態
疲労、空腹、倦怠感、末梢性浮腫、口渇
無力症、胸部不快感、悪寒、注射部位内出血
臨床検査
血中ケトン体増加
血中クレアチニン増加、血中尿素増加、γ ‒ グルタミルトランスフェラーゼ増加、糸球体濾過率減少、尿中血陽性、体重減少、尿中ケトン体陽性、尿量増加
血中重炭酸塩減少、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、血中乳酸脱水素酵素増加、血中カリウム増加、ヘマトクリット増加、赤血球数増加、尿中アルブミン/クレアチニン比増加、肝酵素上昇
傷害、中毒および処置合併症
転倒、上腕骨骨折
本剤の作用機序により、本剤服用中は尿糖陽性、血清1,5-AG(1,5-アンヒドログルシトール)低値を示す。尿糖及び血清1,5-AGの検査結果は、血糖コントロールの参考とはならないので注意すること。
末期腎不全患者では、4時間の透析によってカナグリフロジンはほとんど除去されなかったとの報告がある。
海外で行われた脳・心血管疾患の既往又は高いリスクを有する、血糖コントロール不良な2型糖尿病患者を対象とした大規模臨床試験において、カナグリフロジンとして100又は300mgを1日1回投与された患者では、プラセボを投与された患者よりも、下肢切断の発現頻度が有意に高かった(ハザード比:1.97、95%信頼区間1.41-2.75)との報告がある1) 。本剤の承認用量は100mg/日である。国内及び海外で行われた2型糖尿病を合併する慢性腎臓病患者を対象とした大規模臨床試験において、カナグリフロジンとして100mgを1日1回投与された患者での下肢切断の発現頻度のプラセボ群に対するハザード比(95%信頼区間)は、1.11(95%信頼区間0.79-1.56)であった2) 。
雌雄ラットを用いた2年間反復投与がん原性試験(10、30及び100mg/kg/日)において、10mg/kg/日以上の雄で精巣に間細胞腫、100mg/kg/日の雌雄で副腎に褐色細胞腫及び腎臓に尿細管腫瘍の発生頻度の増加が認められた。ラットに本剤10mg/kg/日(雄)又は100mg/kg/日(雌)を反復経口投与したときの曝露量(AUC0-24h)は、最大臨床推奨用量(1日1回100mg)の約6倍又は約84倍であった。
2型糖尿病患者に、カナグリフロジンとして100mgを食事10分前に単回経口投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりである3)。
Cmax(ng/mL)
AUC0-∞(ng・h/mL)
tmax(h)
t1/2(h)
1126(228)
6561(1305)
1.0(1.0-1.5)
10.2(1.9)
n=12、平均値(標準偏差)、tmaxは中央値(最小値-最大値)
2型糖尿病患者に、カナグリフロジンとして100mgを1日1回14日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであり、反復投与開始後4日目までに定常状態に達するものと考えられた3)。
AUC0-24h(ng・h/mL)
1136(330)
6635(1367)
11.8(3.2)
健康成人に、カナグルOD錠100mg(水なしで服用及び水で服用)とカナグル錠100mg〔普通錠〕を絶食単回経口投与したときのカナグリフロジンの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであり、両製剤の生物学的同等性が確認された4)。
投与製剤
AUC0-72h(ng・h/mL)
カナグルOD錠100mg
1386(283)
8539(1479)
2.0(1.0-4.0)
10.5(2.2)
カナグル錠100mg〔普通錠〕
1320(274)
8529(1531)
2.0(1.0-5.0)
10.8(2.5)
n=46、平均値(標準偏差)、tmaxは中央値(最小値-最大値)
1391(342)
8618(1220)
11.9(4.3)
1443(343)
8342(1135)
11.3(2.4)
n=21、平均値(標準偏差)、tmaxは中央値(最小値-最大値)
健康成人(9例)に、カナグリフロジンとして300mgを単回経口投与したときの絶対的バイオアベイラビリティは約65%であった5)(外国人のデータ)。
健康成人に、カナグリフロジンとして200mgを空腹時又は食事10分後(食後投与)に単回経口投与したときのCmax及びAUC0-∞の幾何平均値の比(食後/空腹時)とその90%信頼区間は、0.843[0.790, 0.900]及び0.977[0.945, 1.011]であった。空腹時と比較して、カナグリフロジンのtmaxの中央値は食後投与で約1.0時間延長した6)。
空腹時
2026(458)
15316(3135)
食後
1740(435)
15140(3572)
3.0(1.5-5.0)
n=22~24、平均値(標準偏差)、tmaxは中央値(最小値-最大値)
カナグリフロジンのヒト血漿蛋白結合率は約98%であった7)(in vitro、限外ろ過法)。
中等度腎機能障害を伴う2型糖尿病患者に、カナグリフロジンとして100mgを単回経口投与したとき、カナグリフロジンのAUC0-∞は腎機能正常2型糖尿病患者と比較して約26%上昇した。また、腎機能正常及び中等度腎機能障害を伴う2型糖尿病患者における投与後24時間までの累積尿中グルコース排泄量のベースラインからの変化量(平均値[95%信頼区間])は86.592g[75.612, 97.572]及び61.017g[49.362, 72.671]であった11)。,
腎機能障害の程度
n
正常腎機能患者
12
1214(338)
6929(1734)
中等度腎機能障害を伴う2型糖尿病患者(eGFR 30~49mL/min/1.73m2)
1197(311)
8766(2551)
正常腎機能患者との幾何平均値の比(%)[90%信頼区間]
98[82, 117]
126[106, 149]
平均値(標準偏差)
腎機能障害者に、カナグリフロジンとして200mgを単回経口投与したとき、軽度腎機能障害者、中等度腎機能障害者及び高度腎機能障害者のカナグリフロジンのCmaxは正常腎機能者と比較して、それぞれ約27%、約9%及び約10%低下した。また、AUC0-∞は正常腎機能者と比較して、それぞれ約15%、約29%及び約53%高かった。末期腎不全患者では、4時間の透析によってカナグリフロジンはほとんど除去されなかった。,,,,また、正常腎機能者と軽度、中等度及び高度腎機能障害者における投与後24時間までの累積尿中グルコース排泄量のベースラインからの変化量(調整済み平均値)は、53.04、38.32、17.11及び4.27gであった11)(外国人のデータ)。
正常腎機能者
3
1880(475)
14862(5380)
軽度腎機能障害者(eGFR 60~89mL/min/1.73m2)
10
1469(669)
17172(6075)
正常腎機能者との幾何平均値の比(%)[90%信頼区間]
73[50, 108]
115[84, 159]
中等度腎機能障害者(eGFR 30~59mL/min/1.73m2)
9
1717(427)
18715(4504)
91[61, 134]
129[93, 178]
高度腎機能障害者(eGFR 15~29mL/min/1.73m2)
1746(665)
22304(5566)
90[61, 133]
153[111, 211]
末期腎不全患者(透析後)
8
1287(277)
13587(3216)
69[52, 90]
94[67, 131]
末期腎不全患者(透析前)
1433(509)
14205(3648)
75[52, 107]
97[67, 141]
肝機能障害者に、カナグリフロジンとして300mgを単回経口投与したとき、軽度肝機能障害者(Child-Pugh分類で合計スコア5~6)及び中等度肝機能障害者(Child-Pugh分類で合計スコア7~9)のカナグリフロジンのCmaxは正常肝機能者と比較して、それぞれ約7%の上昇と約4%の低下が認められた。また、AUC0-∞は正常肝機能者と比較して、それぞれ約10%及び約11%高かった12)(外国人のデータ)。なお、高度肝機能障害者(Child-Pugh分類で合計スコア9超)での臨床試験は行われていない。
肝機能障害の程度
正常肝機能者
8a)
2844(794)
24632(7132)
軽度肝機能障害者
3038(670)
27162(8609)
正常肝機能者との幾何平均値の比(%)[90%信頼区間]
107[84, 137]
110[86, 140]
中等度肝機能障害者
2810(1037)
26866(5788)
96[75, 122]
111[87, 141]
平均値(標準偏差)、a)AUC0-∞はn=7
2型糖尿病患者を対象とした用量設定試験から、高齢者(65歳以上、71~73例)と非高齢者(65歳未満、217~225例)において用量補正した血漿中カナグリフロジン濃度のトラフ値及び投与12週後のAUC0-2.17hを比較した。その結果、高齢者のトラフ濃度の平均値は非高齢者よりも約10~30%高い値を示した13)。
併用薬
併用薬用量
カナグリフロジン用量
カナグリフロジンの薬物動態パラメータ幾何平均値の比[90%信頼区間]併用/単独
Cmax
AUC0-∞
リファンピシン
600mg
300mg
0.72[0.61-0.84]
0.49[0.44-0.54]
テネリグリプチン注)、メトホルミン、シクロスポリン、プロベネシド、経口避妊薬(エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレル)及びヒドロクロロチアジドは、いずれもカナグリフロジンとの併用投与による明らかな影響は認められなかった14)(外国人のデータ)。
併用薬の薬物動態パラメータ幾何平均値の比[90%信頼区間]併用/単独
AUC0-24h
0.25mg
1.36[1.21-1.53]
1.20[1.12-1.28]
テネリグリプチン注)、グリベンクラミド(グリブリド)、メトホルミン、経口避妊薬(エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレル)、ヒドロクロロチアジド、シンバスタチン、アセトアミノフェン及びワルファリンカリウムは、いずれもカナグリフロジンとの併用投与による明らかな影響は認められなかった14)(外国人のデータ)。
注)テネリグリプチンは日本人のデータ本剤の承認用量は100mg/日である。
食事療法及び運動療法で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(271例)を対象に、カナグリフロジンとして100mg、200mg又はプラセボを1日1回24週間投与した。結果は次表のとおりであった。24週時における投与前からの体重変化率(調整済み平均値±標準誤差)は、プラセボ投与群(93例)で-0.76±0.35%、カナグリフロジン100mg投与群(90例)で-3.76±0.35%であった。低血糖の副作用発現割合は、プラセボ群で1.1%(1例/93例)、カナグリフロジン100mg群で1.1%(1例/90例)であった15),16)。
プラセボn=93
カナグリフロジン100mgn=90
投与前
投与前からの変化量
プラセボとの変化量の差
HbA1c(%)
8.04±0.70
0.29±0.07
7.98±0.73
-0.74±0.07
-1.03±0.10♯[-1.23, -0.83]
空腹時血糖(mg/dL)
163.0±32.6
3.7±2.7
157.7±35.7
-31.6±2.8
-35.3±3.9♯[-43.0, -27.6]
糖負荷後2時間血糖(mg/dL)
303.0±66.4
-0.5±5.8
311.7±72.4
-84.9±5.4
-84.4±8.0♯[-100.1, -68.7]
投与前:平均値±標準偏差、投与前からの変化量及びプラセボとの変化量の差:調整済み平均値±標準誤差 ♯p<0.001、[ ]は両側95%信頼区間、HbA1c:NGSP値
食事療法及び運動療法で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(379例)を対象に、カナグリフロジンとして100mg又は200mgを1日1回52週間投与した。結果は次表のとおりであった。投与前からの体重変化率(平均値±標準偏差)は、カナグリフロジン100mg投与群(127例)で-4.42±3.06%であった。低血糖の副作用発現割合は3.9%(5例/127例)であった17),18)。
カナグリフロジン100mgn=127
7.84±0.71
-0.80±0.70[-0.92, -0.67]
平均値±標準偏差、[ ]は両側95%信頼区間、HbA1c:NGSP値
また、腎機能別の結果は次表のとおりであった。,
カナグリフロジン100mg
腎機能正常患者(eGFR 90mL/min/1.73m2以上)n=42
軽度腎機能障害患者(eGFR 60mL/min/1.73m2以上90mL/min/1.73m2未満)n=77
中等度腎機能障害患者(eGFR 45mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満)n=8
8.01±0.69
7.73±0.73
7.96±0.37
-1.02±0.62[-1.21, -0.83]
-0.68±0.74[-0.85, -0.51]
-0.74±0.26[-0.95, -0.52]
食事療法及び運動療法に加えて経口血糖降下薬で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(918例)を対象に、カナグリフロジンとして100mg又は200mgを1日1回52週間投与した。結果は次表のとおりであった。低血糖の副作用発現割合は、スルホニルウレア剤併用で16.1%(20例/124例)、速効型インスリン分泌促進薬併用で4.6%(3例/65例)、α-グルコシダーゼ阻害薬併用で0.0%(0例/62例)、ビグアナイド系薬剤併用で5.6%(4例/72例)、チアゾリジン系薬剤併用で4.8%(3例/63例)、DPP-4阻害薬併用で2.8%(2例/71例)であった17),18)。
スルホニルウレア剤
124
8.18±0.99
-0.96±0.69[-1.08, -0.84]
速効型インスリン分泌促進薬
65
8.25±0.91
-1.06±1.01[-1.31, -0.81]
α-グルコシダーゼ阻害薬
62
8.02±0.84
-0.91±0.81[-1.11, -0.70]
ビグアナイド系薬剤
72
7.87±0.75
-0.87±0.63[-1.02, -0.73]
チアゾリジン系薬剤
63
8.10±1.04
-1.04±0.88[-1.26, -0.82]
DPP-4阻害薬
71
8.19±0.85
-1.04±0.76[-1.22, -0.86]
腎機能正常患者(eGFR 90mL/min/1.73m2以上)
軽度腎機能障害患者(eGFR 60mL/min/1.73m2以上90mL/min/1.73m2未満)
中等度腎機能障害患者(eGFR 45mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満)
併用療法
158
279
20
8.31±0.96
8.01±0.87
7.87±0.91
-1.08±0.95[-1.23, -0.93]
-0.93±0.67[-1.01, -0.85]
-0.76±0.89[-1.17, -0.34]
併用薬別
23
98
8.12±0.92
8.19±1.01
8.17±1.32
-0.86±0.85[-1.22, -0.49]
-0.98±0.65[-1.11, -0.85]
-1.00±0.92[-3.28, 1.28]
34
26
5
8.41±0.95
8.11±0.78
7.92±1.20
-1.10±1.20[-1.51, -0.68]
-1.02±0.64[-1.28, -0.76]
-1.00±1.37[-2.71, 0.71]
22
36
4
8.24±0.97
7.94±0.76
7.55±0.64
-1.02±0.77[-1.36, -0.68]
-0.91±0.82[-1.19, -0.64]
-0.25±0.82[-1.55, 1.05]
30
40
2
8.17±0.78
7.61±0.59
8.65±1.34
-1.02±0.65[-1.26, -0.77]
-0.78±0.61[-0.97, -0.58]
-0.65±0.64[-6.37, 5.07]
21
39
8.53±1.27
7.93±0.85
7.27±0.32
-1.27±1.15[-1.79, -0.74]
-0.94±0.71[-1.17, -0.71]
-0.70±0.30[-1.45, 0.05]
28
8.36±0.92
8.09±0.81
7.97±0.32
-1.21±0.93[-1.57, -0.85]
-0.92±0.60[-1.11, -0.73]
-0.90±0.87[-3.05, 1.25]
食事療法及び運動療法もしくは食事療法及び運動療法に加えて経口血糖降下薬で血糖コントロールが不十分、かつ、中等度(eGFR 30mL/min/1.73m2以上50mL/min/1.73m2未満)の腎機能障害を伴う2型糖尿病患者(269例)を対象に、カナグリフロジン又はプラセボを1日1回26週間投与した。結果は次表のとおりであった19)。低血糖の副作用発現割合はプラセボ投与群で2.2%(2例/90例)、カナグリフロジン100mg群で7.8%(7例/90例)であった(外国人のデータ)。,
プラセボn=87
カナグリフロジン100mgn=88
8.02±0.917
-0.03±0.090
7.89±0.898
-0.33±0.090
-0.30±0.117♯[-0.529, -0.066]
投与前:平均値±標準偏差、投与前からの変化量及びプラセボとの変化量の差:調整済み平均値±標準誤差、♯p=0.012、[ ]は両側95%信頼区間、HbA1c:NGSP値
eGFRが30~90mL/min/1.73m2、UACRが300~5000mg/gCr、かつACE阻害薬又はARBを服用している、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病患者(4401例)を対象に、カナグリフロジン又はプラセボを1日1回、115週間(平均値)投与した(本剤群2202例(日本人57例)、プラセボ群2199例(日本人53例))。結果は次表のとおりであった。なお、非糖尿病性の腎臓病と診断された患者は除外された。また、本剤投与中にeGFRが30mL/min/1.73m2未満に低下した場合も本剤投与を継続可とした。副作用は本剤群2200例中469例(21.3%)及びプラセボ群2197例中361例(16.4%)に認められた。主な副作用は低血糖が本剤群100例(4.5%)及びプラセボ群92例(4.2%)、尿路感染が本剤群80例(3.6%)及びプラセボ群49例(2.2%)、高カリウム血症が本剤群35例(1.6%)及びプラセボ群24例(1.1%)、血中クレアチニン増加が本剤群30例(1.4%)及びプラセボ群20例(0.9%)、糸球体濾過率減少が本剤群22例(1.0%)及びプラセボ群21例(1.0%)であった2)。
カナグリフロジン100mgn=2202
プラセボn=2199
ハザード比a)[95%信頼区間]
p値
複合エンドポイント
43.2/1000人年(245例:血清クレアチニンの倍化74例、ESRDb)への進展79例、腎死0例、心血管死92例)
61.2/1000人年(340例:血清クレアチニンの倍化122例、ESRDb)への進展101例、腎死1例、心血管死116例)
0.70[0.59, 0.82]
<0.0001
a)スクリーニング時のeGFR(mL/min/1.73m2)(30以上45未満、45以上60未満、60以上90未満)を層別因子とした層別Cox比例ハザードモデルにより推定、両側有意水準0.022b)eGFR<15mL/min/1.73m2、慢性透析療法又は腎臓移植eGFR:推算糸球体濾過量、ESRD:末期腎不全、UACR:尿中アルブミン/クレアチニン比
eGFRが30~90mL/min/1.73m2、UACRが300~5000mg/gCr、かつACE阻害薬又はARBを服用している、2型糖尿病で糖尿病性腎症第3期(顕性腎症期)の患者(308例)を対象に、カナグリフロジン又はプラセボを1日1回104週間投与した。結果は次表のとおりであった。なお、非糖尿病性の腎臓病と診断された患者は除外された。また、本剤投与中にeGFRが30mL/min/1.73m2未満に低下した場合も本剤投与を継続可とした。副作用は本剤群154例中35例(22.7%)及びプラセボ群154例中31例(20.1%)に認められた。主な副作用は低血糖が本剤群13例(8.4%)及びプラセボ群10例(6.5%)、血中ブドウ糖減少が本剤群13例(8.4%)及びプラセボ群7例(4.5%)、頻尿が本剤群4例(2.6%)及びプラセボ群0例、血中ケトン体増加が本剤群3例(1.9%)及びプラセボ群2例(1.3%)であった20)。
評価項目
カナグリフロジン100mgn=154
プラセボn=154
eGFR30%低下発生割合(%)a)
18.2
29.5
群間差 [95%信頼区間]b)
11.3 [1.2, 21.5]
a)Multiple imputation法により欠測を補完したため、達成した被験者数は提示していない。b)Farrington-Manning法
食事療法及び運動療法に加えてインスリン製剤(混合型、中間型又は持効型溶解のいずれか1剤を使用、加えて超速効型又は速効型のうち1剤を併用可、1日投与量は8単位以上60単位以下)で血糖コントロールが不十分なeGFR 45mL/min/1.73m2以上の2型糖尿病患者(146例)を対象に、カナグリフロジンとして100mg又はプラセボを1日1回16週間投与した。結果は次表のとおりであった。低血糖の副作用発現割合はプラセボ投与群で15.5%(11例/71例)、カナグリフロジン100mg群で18.7%(14例/75例)であった21),22)。
プラセボn=70
カナグリフロジン100mgn=76
-1.10±0.11♯[-1.33, -0.87]
8.85±0.84
0.13±0.08
8.89±0.81
-0.97±0.08
長期継続投与試験において、カナグリフロジンとして100mgを最大52週間継続投与した。二重盲検比較試験時のカナグリフロジン群(76例)の52週時における本剤投与前からのHbA1c(NGSP値)変化量(平均値±標準偏差)は、-0.88±0.86%であった。低血糖の副作用発現割合は、29.3%(22例/75例)であった23)。
食事療法及び運動療法に加えてGLP-1受容体作動薬(リラグルチド)で血糖コントロールが不十分なeGFR 45mL/min/1.73m2以上の2型糖尿病患者(71例)を対象に、カナグリフロジンとして100mgを1日1回52週間投与した。52週時における本剤投与前からのHbA1c(NGSP値)の変化量(平均値±標準偏差)は、-0.70±0.82%であった。低血糖の副作用発現割合は9.9%(7例/71例)であった24)。
本剤の承認用量は100mg/日である。
ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)は腎臓で近位尿細管に限局して分布しており、糸球体ろ過されたグルコースの大部分を血液中に再吸収させる役割を担っている25)。カナグリフロジンは、SGLT2を選択的に阻害し、腎臓でのグルコース再吸収を抑制することで、血中に過剰に存在するグルコースを尿糖として排泄し血糖低下作用を発揮する。また、ナトリウム再吸収抑制により遠位尿細管へのナトリウム送達が増加すると、尿細管糸球体フィードバックの破綻で上昇した糸球体内圧が低下し、過剰ろ過による尿中アルブミン排泄増加を抑制すると考えられる26),27)。加えて、ポドサイトの脱落抑制やメサンギウム領域拡大の抑制、尿細管での低酸素ストレス軽減による腎の炎症抑制等、複合的な要因により、長期的な腎保護作用に働くことが推定される28)。
カナグリフロジンはヒトSGLT2を選択的に阻害する(IC50値:4.2nmol/L)29)(in vitro)。
2型糖尿病モデルであるZucker Diabetic Fatty(ZDF)ラットにおいて、カナグリフロジンは単回経口投与により、腎糖再吸収阻害率※の上昇及び尿中グルコース排泄量の増加を示した29)。2型糖尿病患者にカナグリフロジンとして100mgを単回経口投与したとき、腎糖再吸収阻害率の上昇及び尿中グルコース排泄量の増加が認められた3)。※腎糖再吸収量(糸球体グルコースろ過量と尿中グルコース排泄量の差)の媒体投与群に対する阻害率
ZDFラットにおいて、カナグリフロジンは単回経口投与により、血糖低下作用を示した29)。同モデルにおいて、カナグリフロジンは4週間反復経口投与により、HbA1c低下作用を示した。反復投与後の経口糖負荷試験では、血糖値上昇の抑制が認められた30)。2型糖尿病患者にカナグリフロジンとして100mgを1日1回24週間反復経口投与したとき、HbA1cの低下及び食後高血糖の改善がみられた15)。
2型糖尿病モデルでアルブミン尿を呈するdb/dbマウスへのカナグリフロジン0.003w/w%の12週間混餌投与により、尿中アルブミン排泄量の経時的増加を抑制した31)。
カナグリフロジン水和物(Canagliflozin Hydrate)
(1S)-1,5-Anhydro-1-C-(3-{[5-(4-fluorophenyl)thiophen-2-yl]methyl}-4-methylphenyl)-D-glucitol hemihydrate
C24H25FO5S・1/2H2O
453.52
101.7℃
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、140錠[14錠(PTP)×10]、500錠[バラ]
100錠[10錠(PTP)×10]
1) Neal B, et al.:N Engl J Med. 2017;377(7):644-657
2) Perkovic V, et al.:N Engl J Med. 2019;380(24):2295-2306
3) 田辺三菱製薬(株):2型糖尿病患者を対象とした臨床薬理試験(社内資料)(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.12)
4) *田辺三菱製薬(株):健康成人を対象としたOD錠及び普通錠の生物学的同等性試験(社内資料)(2024年3月15日承認、CTD2.7.6.1)
5) 田辺三菱製薬(株):絶対バイオアベイラビリティ検討試験(社内資料)(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.2)
6) 田辺三菱製薬(株):健康成人を対象とした食事の影響試験(社内資料)(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.1)
7) 田辺三菱製薬(株):蛋白結合に関する検討(社内資料)(2014年7月4日承認、CTD2.6.4.4.2)
8) 田辺三菱製薬(株):マスバランス試験(社内資料)(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.11)
9) 田辺三菱製薬(株):代謝に関する検討(社内資料)(2014年7月4日承認、CTD2.6.4.5.5、2.6.4.7.1)
10) 田辺三菱製薬(株):トランスポーターに関する検討(社内資料)(2014年7月4日承認、CTD2.6.4.7.2)
11) 田辺三菱製薬(株):腎機能障害者における薬物動態試験(社内資料)(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.14)
12) 田辺三菱製薬(株):肝機能障害者における薬物動態試験(社内資料)(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.15)
13) 田辺三菱製薬(株):第Ⅱ相用量設定試験(社内資料)(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.41)
14) 田辺三菱製薬(株):薬物相互作用試験(社内資料)(2014年7月4日承認、CTD2.7.2.2.3.2、2.7.2.2.5.1)
15) Inagaki N, et al.:Expert Opin Pharmacother. 2014;15(11):1501-1515
16) 田辺三菱製薬(株):2型糖尿病患者を対象とした検証的試験(社内資料)(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.42)
17) Inagaki N, et al.:J Diabetes Investig. 2015;6(2):210-218
18) 田辺三菱製薬(株):2型糖尿病患者を対象とした長期投与試験(社内資料)(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.53)
19) Yale JF, et al.:Diabetes obes metab. 2013;15(5):463-473
20) 田辺三菱製薬(株):2型糖尿病における糖尿病性腎症第3期の患者を対象とした長期投与試験(社内資料)(2022年6月20日承認、CTD2.5)
21) 田辺三菱製薬(株):インスリン製剤併用試験:二重盲検比較試験(社内資料)
22) Inagaki N, et al.:Cardiovasc Diabetol. 2016;15:89
23) 田辺三菱製薬(株):インスリン製剤併用試験:長期投与試験(社内資料)
24) 田辺三菱製薬(株):GLP-1受容体作動薬併用試験:長期投与試験(社内資料)
25) Mather A, Pollock C,:Kidney int. 2011;79(Suppl. 120):S1-S6
26) Heerspink HJL, et al.:Kidney Int. 2018;94:26-39
27) 金崎啓造:日腎会誌 2019;61(4):465‒471
28) DeFronzo RA, et al.:Nat Rev Nephrol. 2021;17(5):319-334
29) Kuriyama C, et al.:J Pharmacol Exp Ther. 2014;351(2):423-431
30) 田辺三菱製薬(株):in vitro及びin vivo薬理作用(社内資料)(2014年7月4日承認、CTD2.6.2.2.1、2.6.2.2.2)
31) 田辺三菱製薬(株):糖尿病性腎症モデルマウスにおける薬理作用(社内資料)(2022年6月20日承認、CTD2.6.2.2.2)
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