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処方箋医薬品注)
2型糖尿病ただし、テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物及びカナグリフロジン水和物の併用による治療が適切と判断される場合に限る。
通常、成人には1日1回1錠(テネリグリプチン/カナグリフロジンとして20mg/100mg)を朝食前又は朝食後に経口投与する。
使用経験がなく、安全性が確立していない。
低血糖を起こすおそれがある。
,
本剤の成分であるカナグリフロジンの利尿作用により脱水を起こすおそれがある。,,
症状を悪化させるおそれがある。,
腸閉塞を起こすおそれがある。
QT延長を起こすおそれがある。海外臨床試験において本剤の有効成分であるテネリグリプチン160mgを1日1回投与したときにQT延長が報告されている。本剤の有効成分であるテネリグリプチンの承認用量は通常、20mg/日であり、最大用量は40mg/日である。
投与しないこと。カナグリフロジン水和物の効果が期待できない。,,
投与の必要性を慎重に判断すること。カナグリフロジン水和物の効果が十分に得られない可能性がある。,,,
これらの患者(Child-Pugh分類で合計スコア9超)を対象とした臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には本剤を投与せず、インスリン製剤等を使用すること。本剤の成分であるテネリグリプチン及びカナグリフロジンの動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている。また、カナグリフロジンの動物実験(ラット)で、ヒトの妊娠中期及び後期にあたる期間の曝露により、幼若動物に腎盂及び尿細管の拡張が報告されている。
授乳しないことが望ましい。本剤の成分であるテネリグリプチン及びカナグリフロジンの動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。また、カナグリフロジンの動物実験(ラット)では哺育期間中に出生児の体重増加抑制や幼若動物の腎盂の拡張、尿細管の拡張が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
低血糖症状が起こるおそれがあるので、患者の状態を十分観察しながら投与すること。特に、インスリン製剤、スルホニルウレア剤又は速効型インスリン分泌促進薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するため、これらの薬剤の減量を検討すること。
血糖降下作用が増強される。
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
血糖降下作用が減弱される。
QT延長等が起こるおそれがある。
これらの薬剤では単独投与でもQT延長がみられている。
ジゴキシン
カナグリフロジン300mgとの併用によりジゴキシンのCmax及びAUCがそれぞれ36%及び20%上昇したとの報告があるため、適切な観察を行うこと。
カナグリフロジンのP-糖蛋白質阻害作用による。
リファンピシン、フェニトイン、フェノバルビタール、リトナビル等
カナグリフロジンとリファンピシンとの併用によりカナグリフロジンのCmax及びAUCがそれぞれ28%及び51%低下したとの報告があるため、適切な観察を行うこと。
カナグリフロジンの代謝酵素であるUGT1A9及びUGT2B4をこれらの薬剤が誘導することにより、カナグリフロジンの代謝が促進される。
必要に応じ利尿薬の用量を調整するなど注意すること。
左記薬剤との併用により利尿作用が増強されるおそれがある。
炭酸リチウム
リチウムの作用が減弱されるおそれがある。
血清リチウム濃度が低下する可能性がある。
低血糖症状が発現するおそれがある。他のDPP-4阻害剤で、スルホニルウレア剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来たす例やカナグリフロジンの海外臨床試験では、インスリン製剤との併用で低血糖が報告されている。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行い、α-グルコシダーゼ阻害薬との併用時にはブドウ糖を投与すること。,,,,
口渇、多尿、頻尿、血圧低下等の症状があらわれ脱水が疑われる場合には、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。脱水に引き続き脳梗塞を含む血栓・塞栓症等を発現した例が報告されている。,,,
ケトアシドーシス(糖尿病性ケトアシドーシスを含む)があらわれることがある。,
腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)があらわれ、敗血症(敗血症性ショックを含む)に至ることがある。,
高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
AST、ALTの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
1%以上
0.1~1%未満
頻度不明
精神・神経系
浮動性めまい、感覚鈍麻
消化器
口渇、便秘
裂肛、消化器カンジダ症
腹部膨満、上腹部痛、悪心、下痢
循環器
心筋梗塞、高血圧、起立性低血圧
泌尿器
頻尿、多尿
膀胱炎、尿閉
皮膚
湿疹
発疹、酒さ、足部白癬
そう痒症
耳
耳不快感
生殖器
外陰部腟カンジダ症
亀頭包皮炎、外陰腟そう痒症、陰部そう痒症
臨床検査
血中ケトン体増加
血中ブドウ糖減少
全身症状
疲労
空腹
筋骨格系
関節痛
その他
熱中症
カナグリフロジンの作用機序により、本剤服用中は尿糖陽性、血清1,5-AG(1,5-アンヒドログルシトール)低値を示す。尿糖及び血清1,5-AGの検査結果は、血糖コントロールの参考とはならないので注意すること。
末期腎不全患者では、血液透析によってテネリグリプチンは投与量の15.6%が除去されたとの報告がある。
末期腎不全患者では、4時間の透析によってカナグリフロジンはほとんど除去されなかったとの報告がある。
海外で行われた脳・心血管疾患の既往又は高いリスクを有する、血糖コントロール不良な2型糖尿病患者を対象とした大規模臨床試験において、本剤の有効成分であるカナグリフロジンとして100又は300mgを1日1回投与された患者では、プラセボを投与された患者よりも、下肢切断の発現頻度が有意に高かった(ハザード比:1.97、95%信頼区間1.41-2.75)との報告がある1)。本剤の有効成分であるカナグリフロジンの承認用量は100mg/日である。
健康成人男性に、カナリア配合錠〔普通錠〕又は単剤〔普通錠〕併用で空腹時に投与したときのテネリグリプチンとカナグリフロジンの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。単剤〔普通錠〕に対するカナリア配合錠〔普通錠〕のAUC0-72h及びCmaxの対数値の平均値の差の90%信頼区間は、いずれもlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、生物学的同等性が確認された2)。
Cmax(ng/mL)
AUC0-72h(ng・h/mL)
tmax(h)
t1/2(h)
テネリグリプチン
カナリア配合錠〔普通錠〕
268.6(104.4)
2002.9(303.2)
1.00(0.50-5.00)
21.5(4.7)
単剤併用〔普通錠〕
231.2(66.45)
1921.6(285.6)
22.9(5.7)
カナグリフロジン
1158(249.8)
7833(1389)
1.75(1.00-12.00)
13.42(3.41)
1115(286.0)
7633(1616)
2.00(1.00-5.00)
13.83(3.74)
n=24、平均値(標準偏差)、tmaxは中央値(最小値-最大値)
健康成人男性に、カナリア配合OD錠(水なしで服用及び水で服用)又はカナリア配合錠〔普通錠〕を空腹時に投与したときのテネリグリプチンとカナグリフロジンの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。カナリア配合錠〔普通錠〕に対するカナリア配合OD錠のAUC0-72h及びCmaxの対数値の平均値の差の90%信頼区間は、いずれもlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された3)。
カナリア配合OD錠
195.0(49.77)
1628.7(296.5)
1.50(0.50-3.00)
21.5(5.1)
198.9(52.34)
1678.2(298.4)
1.00(0.50-8.00)
21.1(4.5)
1147(257.3)
7784(1361)
11.70(2.57)
1094(254.0)
7808(1437)
3.00(1.00-5.02)
11.53(2.13)
n=77、平均値(標準偏差)、tmaxは中央値(最小値-最大値)
215.9(55.15)
1613.8(268.0)
1.00(0.50-3.00)
23.9(7.0)
227.8(55.46)
1730.2(351.7)
23.3(6.0)
1105(244.1)
7314(985)
12.63(3.02)
1149(271.3)
7409(988)
12.34(2.20)
n=23、平均値(標準偏差)、tmaxは中央値(最小値-最大値)
健康成人男性に、カナリア配合錠〔普通錠〕を空腹時又は食事10分後(食後投与)に単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった2)。
空腹時
229.3(65.00)
1968.8(425.6)
1.00(0.50-2.00)
食後
169.1(32.52)
1823.5(415.4)
2.00(1.50-3.00)
757.2(168.2)
5873(1204)
3.00(1.50-5.00)
745.2(186.6)
6088(1212)
2.00(1.50-5.00)
n=13、平均値(標準偏差)、tmaxは中央値(最小値-最大値)
テネリグリプチンのヒト血漿蛋白結合率は77.6~82.2%であった4)(in vitro)。カナグリフロジンのヒト血漿蛋白結合率は約98%であった5)(in vitro)。
腎機能障害者(32例)に、テネリグリプチンとして20mgを単回経口投与したとき、テネリグリプチンのCmax及びt1/2は腎機能障害の程度に応じた顕著な変化は認められなかった。一方、AUC0-∞は健康成人(Ccr>80mL/min、8例)と比較して、軽度腎機能障害者(50≦Ccr≦80mL/min、8例)、中等度腎機能障害者(30≦Ccr<50mL/min、8例)及び高度腎機能障害者(Ccr<30mL/min、8例)でそれぞれ約1.25倍、約1.68倍及び約1.49倍であり、末期腎不全患者(8例)のAUC0-43hは健康成人(8例)と比較して、約1.16倍であった。また、血液透析によってテネリグリプチンは投与量の15.6%が除去された14)(外国人のデータ)。
中等度腎機能障害(30≦eGFR<50mL/min/1.73m2)を伴う2型糖尿病患者(12例)に、カナグリフロジンとして100mgを単回経口投与したとき、カナグリフロジンのAUC0-∞は腎機能正常2型糖尿病患者(eGFR≧80mL/min/1.73m2、12例)と比較して約26%上昇した。また、腎機能正常及び中等度腎機能障害を伴う2型糖尿病患者における投与後24時間までの累積尿中グルコース排泄量のベースラインからの変化量(平均値[95%信頼区間])は86.592g[75.612-97.572]及び61.017g[49.362-72.671]であった15)。,
腎機能障害者(37例)に、カナグリフロジンとして200mgを単回経口投与したとき、軽度腎機能障害者(eGFR 60~89mL/min/1.73m2、10例)、中等度腎機能障害者(eGFR 30~59mL/min/1.73m2、9例)及び高度腎機能障害者(eGFR 15~29mL/min/1.73m2、10例)のカナグリフロジンのCmaxは正常腎機能者(eGFR≧90mL/min/1.73m2、3例)と比較して、それぞれ約27%、約9%及び約10%低下した。また、AUC0-∞は正常腎機能者と比較して、それぞれ約15%、約29%及び約53%高かった。末期腎不全患者(8例)では、4時間の透析によってカナグリフロジンはほとんど除去されなかった。,,,また、正常腎機能者と軽度、中等度及び高度腎機能障害者における投与後24時間までの累積尿中グルコース排泄量のベースラインからの変化量(調整済み平均値)は、53.04、38.32、17.11及び4.27gであった15)(外国人のデータ)。
肝機能障害者(16例)に、テネリグリプチンとして20mgを単回経口投与したとき、テネリグリプチンのCmaxは健康成人(8例)と比較して、軽度肝機能障害者(Child-Pugh分類で合計スコア5~6)(8例)及び中等度肝機能障害者(Child-Pugh分類で合計スコア7~9)(8例)でそれぞれ約1.25倍及び約1.38倍であり、AUC0-∞はそれぞれ約1.46倍及び約1.59倍であった16)(外国人のデータ)。なお、高度肝機能障害者(Child-Pugh分類で合計スコア9超)での臨床試験は行われていない。
肝機能障害者(16例)に、カナグリフロジンとして300mgを単回経口投与したとき、軽度肝機能障害者(Child-Pugh分類で合計スコア5~6)(8例)及び中等度肝機能障害者(Child-Pugh分類で合計スコア7~9)(8例)のカナグリフロジンのCmaxは正常肝機能者(8例)と比較して、それぞれ約7%の上昇と約4%の低下が認められた。また、AUC0-∞は正常肝機能者(7例)と比較して、それぞれ約10%及び約11%高かった17)(外国人のデータ)。なお、高度肝機能障害者(Child-Pugh分類で合計スコア9超)での臨床試験は行われていない。
健康な高齢者(65歳以上75歳以下、12例)と非高齢者(45歳以上65歳未満、12例)に、テネリグリプチンとして20mgを空腹時に単回経口投与したとき、Cmax、AUC0-∞及びt1/2の非高齢者に対する高齢者の幾何最小二乗平均値の比(90%信頼区間)は、それぞれ1.006(0.871-1.163)、1.090(0.975-1.218)及び1.054(0.911-1.219)であり、ほぼ同様であった18)(外国人のデータ)。
2型糖尿病患者を対象とした用量設定試験から、高齢者(65歳以上、71~73例)と非高齢者(65歳未満、217~225例)において用量補正した血漿中カナグリフロジン濃度のトラフ値及び投与12週後のAUC0-2.17hを比較した。その結果、高齢者のトラフ濃度の平均値は非高齢者よりも約10~30%高い値を示した19)。
併用薬
併用薬用量
テネリグリプチン用量
テネリグリプチンの薬物動態パラメータ幾何平均値の比(90%信頼区間)併用/単独
Cmax
AUC0-∞
ケトコナゾール
400mg
20mg
1.37(1.25-1.50)
1.49(1.39-1.60)
カナグリフロジン注)、ピオグリタゾン注)、グリメピリド注)及びメトホルミンは、いずれも併用投与による明らかな影響は認められなかった(外国人のデータ)。注)カナグリフロジン、ピオグリタゾン、グリメピリドは日本人のデータ
カナグリフロジン用量
カナグリフロジンの薬物動態パラメータ幾何平均値の比(90%信頼区間)併用/単独
リファンピシン
600mg
300mg
0.72(0.61-0.84)
0.49(0.44-0.54)
テネリグリプチン注)、メトホルミン、シクロスポリン、プロベネシド、経口避妊薬(エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレル)及びヒドロクロロチアジドは、いずれも併用投与による明らかな影響は認められなかった21)(外国人のデータ)。注)テネリグリプチンは日本人のデータ
併用薬の薬物動態パラメータ幾何平均値の比(90%信頼区間)併用/単独
AUC0-24h
0.25mg
1.36(1.21-1.53)
1.20(1.12-1.28)
テネリグリプチン注)、グリベンクラミド(グリブリド)、メトホルミン、経口避妊薬(エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレル)、ヒドロクロロチアジド、シンバスタチン、アセトアミノフェン及びワルファリンカリウムは、いずれも併用投与による明らかな影響は認められなかった21)(外国人のデータ)。注)テネリグリプチンは日本人のデータ
本剤の有効成分であるカナグリフロジンの承認用量は100mg/日である。
食事療法及び運動療法に加えてカナグリフロジン単剤治療で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(154例)を対象に、テネリグリプチン又はプラセボを1日1回24週間投与した。結果は次表のとおりであった。本試験において低血糖の副作用は認められなかった22)。
カナグリフロジン100mg+プラセボ
カナグリフロジン100mg+テネリグリプチン20mg
投与前
投与前からの変化量
プラセボとの差
HbA1c(%)
8.09±0.85(n=77)
0.00±0.08
7.98±0.80(n=77)
-0.94±0.08
-0.94±0.11♯[-1.16, -0.72]
空腹時血糖(mg/dL)
151.0±25.0(n=76)
10.0±2.8
148.5±21.2(n=77)
-5.6±2.7
-15.6±3.9♯[-23.3, -7.9]
食事負荷後2時間血糖(mg/dL)
232.6±45.6(n=65)
2.3±4.5
232.2±44.7(n=73)
-35.3±4.3
-37.6±6.2♯[-49.9, -25.2]
投与前:平均値±標準偏差、投与前からの変化量及びプラセボとの差:調整済み平均値±標準誤差♯p<0.001、[ ]は両側95%信頼区間HbA1c:NGSP値
食事療法及び運動療法に加えてテネリグリプチン単剤治療で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(138例)を対象に、カナグリフロジン又はプラセボを1日1回24週間投与した。結果は次表のとおりであった。本試験において低血糖の副作用は認められなかった23),24)。
テネリグリプチン20mg+プラセボ
テネリグリプチン20mg+カナグリフロジン100mg
7.87±0.83(n=68)
-0.10±0.10
8.18±0.90(n=70)
-0.97±0.10
-0.88±0.14♯[-1.15, -0.60]
167.0±33.6(n=67)
3.9±3.5
173.9±30.6(n=69)
-34.9±3.4
-38.8±4.9♯[-48.5, -29.2]
247.1±56.0(n=61)
-9.2±5.1
256.1±45.6(n=67)
-60.1±4.9
-50.9±7.1♯[-64.9, -36.9]
食事療法及び運動療法に加えてテネリグリプチン単剤治療で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(153例)を対象に、カナグリフロジンを1日1回52週間投与した。テネリグリプチン20mg+カナグリフロジン100mg併用投与により、HbA1c(NGSP値)が低下し52週間にわたって安定した血糖コントロールが得られた。52週時における投与前からのHbA1c(NGSP値)の変化量(平均値±標準偏差)は-0.99±0.84%であった。低血糖の副作用発現割合は1.3%(2例/153例)であった25)。
健康成人にテネリグリプチンとして40mg又は160mgを1日1回4日間、反復経口投与したときのプラセボ補正したQTcI(個人ごとに補正したQTc)間隔変化の最大平均値(及び90%信頼区間上限値)は、40mg群の投与終了後3時間で3.9(7.6)msec、160mg群の投与終了後1.5時間で9.3(13.0)msecであった26)(外国人のデータ)。本剤の有効成分であるテネリグリプチンの承認用量は通常、20mg/日であり、最大用量は40mg/日である。
グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)は、食事に応答して消化管から分泌され、膵臓からのインスリン分泌を促進し、グルカゴン分泌を抑制することで、食後血糖を調節している27)。テネリグリプチンは、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)活性の阻害によりGLP-1の分解を抑制し、活性型GLP-1の血中濃度を増加させることにより、血糖低下作用を発揮する28)。
ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)は腎臓で近位尿細管に限局して分布しており、糸球体ろ過されたグルコースの大部分を血液中に再吸収させる役割を担っている29)。カナグリフロジンは、SGLT2を選択的に阻害し、腎臓でのグルコースの再吸収を抑制することで、血中に過剰に存在するグルコースを尿糖として排泄し血糖低下作用を発揮する。
2型糖尿病モデルであるZucker Diabetic Fatty(ZDF)ラットを用いた糖負荷試験において、テネリグリプチン及びカナグリフロジンの単回併用投与は、それぞれの単独投与と比較して、血漿中活性型GLP-1濃度を増加させ、血糖値上昇の抑制を増強した30)。
インスリン抵抗性及び耐糖能異常を示す肥満モデルであるZucker Fattyラットを用いた糖負荷試験において、テネリグリプチンは単回投与により血糖値上昇を抑制した28)。2型糖尿病患者において、テネリグリプチン20mgの1日1回投与は、朝食、昼食及び夕食後血糖並びに空腹時血糖を改善した31)。
カナグリフロジンはヒトSGLT2を選択的に阻害する(IC50値:4.2nmol/L)32)(in vitro)。
ZDFラットにおいて、カナグリフロジンは単回経口投与により、腎糖再吸収阻害率※の上昇及び尿中グルコース排泄量の増加を示した32)。2型糖尿病患者にカナグリフロジンとして100mgを単回経口投与したとき、腎糖再吸収阻害率の上昇及び尿中グルコース排泄量の増加が認められた33)。※腎糖再吸収量(糸球体グルコースろ過量と尿中グルコース排泄量の差)の媒体投与群に対する阻害率
ZDFラットにおいて、カナグリフロジンは単回経口投与により、血糖低下作用を示した32)。同モデルにおいて、カナグリフロジンは4週間反復経口投与により、HbA1c低下作用を示した。反復投与後の経口糖負荷試験では、血糖値上昇の抑制が認められた34)。2型糖尿病患者にカナグリフロジンとして100mgを1日1回24週間反復経口投与したとき、HbA1cの低下及び食後高血糖の改善がみられた35)。
テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物(Teneligliptin Hydrobromide Hydrate)
{(2S,4S)-4-[4-(3-Methyl-1-phenyl-1H-pyrazol-5-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2-yl}(1,3-thiazolidin-3-yl)methanone hemipentahydrobromide hydrate
C22H30N6OS・2 1/2HBr・χH2O
628.86(無水物)
白色の粉末である。水に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。
約201℃(分解)
カナグリフロジン水和物(Canagliflozin Hydrate)
(1S)-1,5-Anhydro-1-C-(3-{[5-(4-fluorophenyl)thiophen-2-yl]methyl}-4-methylphenyl)-D-glucitol hemihydrate
C24H25FO5S・1/2H2O
453.52
101.7℃
PTP包装開封後は、湿気を避けて保存すること。
100錠[10錠(PTP)×10]
100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]
1) Neal B, et al.:N Engl J Med. 2017;377(7):644-657
2) 田辺三菱製薬(株):健康成人男性を対象とした臨床薬理試験(社内資料)(カナリア配合錠:2017年7月3日承認、CTD2.7.6.1)
3) **田辺三菱製薬(株):健康成人男性を対象としたOD錠及び普通錠の生物学的同等性試験(社内資料)(カナリア配合OD錠:2025年2月17日承認、CTD2.7.6.1)
4) 田辺三菱製薬(株):テネリグリプチンの蛋白結合に関する検討(社内資料)(テネリア錠20mg:2012年6月29日承認、CTD2.6.4.4.2)
5) 田辺三菱製薬(株):カナグリフロジンの蛋白結合に関する検討(社内資料)(カナグル錠100mg:2014年7月4日承認、CTD2.6.4.4.2)
6) Nakamaru Y, et al.:Xenobiotica. 2014;44(3):242-253
7) 田辺三菱製薬(株):テネリグリプチンの代謝に関する検討(社内資料)(テネリア錠20mg:2012年6月29日承認、CTD2.6.4.5.6、2.6.4.7.1、2.6.4.7.2)
8) 田辺三菱製薬(株):カナグリフロジンのマスバランス試験(社内資料)(カナグル錠100mg:2014年7月4日承認、CTD2.7.6.11)
9) 田辺三菱製薬(株):カナグリフロジンの代謝に関する検討(社内資料)(カナグル錠100mg:2014年7月4日承認、CTD2.6.4.5.5、2.6.4.7.1)
10) 田辺三菱製薬(株):テネリグリプチンの健康成人を対象とした単回投与試験(社内資料)(テネリア錠20mg:2012年6月29日承認、CTD2.7.6.3)
11) 田辺三菱製薬(株):テネリグリプチンのP-糖蛋白に関する試験(社内資料)(テネリア錠20mg:2012年6月29日承認、CTD2.6.4.7.3、2.6.4.7.4)
12) 田辺三菱製薬(株):テネリグリプチンのトランスポーターに関する検討(社内資料)(テネリア錠20mg:2012年6月29日承認、CTD2.6.4.7.5)
13) 田辺三菱製薬(株):カナグリフロジンのトランスポーターに関する検討(社内資料)(カナグル錠100mg:2014年7月4日承認、CTD2.6.4.7.2)
14) 田辺三菱製薬(株):テネリグリプチンの腎機能障害者における薬物動態試験(社内資料)(テネリア錠20mg:2012年6月29日承認、CTD2.7.6.9)
15) 田辺三菱製薬(株):カナグリフロジンの腎機能障害者における薬物動態試験(社内資料)(カナグル錠100mg:2014年7月4日承認、CTD2.7.6.14)
16) 田辺三菱製薬(株):テネリグリプチンの肝機能障害者における薬物動態試験(社内資料)(テネリア錠20mg:2012年6月29日承認、CTD2.7.6.10)
17) 田辺三菱製薬(株):カナグリフロジンの肝機能障害者における薬物動態試験(社内資料)(カナグル錠100mg:2014年7月4日承認、CTD2.7.6.15)
18) 田辺三菱製薬(株):テネリグリプチンの高齢者における薬物動態試験(社内資料)(テネリア錠20mg:2012年6月29日承認、CTD2.7.6.8)
19) 田辺三菱製薬(株):カナグリフロジンの第Ⅱ相用量設定試験(社内資料)(カナグル錠100mg:2014年7月4日承認、CTD2.7.6.41)
20) Nakamaru Y, et al.:Clin Ther. 2014;36(5):760-769
21) 田辺三菱製薬(株):カナグリフロジンの薬物相互作用試験(社内資料)(カナグル錠100mg:2014年7月4日承認、CTD2.7.2.2.3.2、2.7.2.2.5.1)
22) 田辺三菱製薬(株):2型糖尿病患者を対象とした検証的試験(1)(社内資料)(カナリア配合錠:2017年7月3日承認、CTD2.7.6.3)
23) Kadowaki T, et al.:Diabetes Obes Metab. 2017;19(6):874-882
24) 田辺三菱製薬(株):2型糖尿病患者を対象とした検証的試験(2)(社内資料)(カナリア配合錠:2017年7月3日承認、CTD2.7.6.4)
25) 田辺三菱製薬(株):2型糖尿病患者を対象とした長期投与試験(社内資料)(カナリア配合錠:2017年7月3日承認、CTD2.7.6.5)
26) 田辺三菱製薬(株):テネリグリプチンのQTc間隔への影響試験(社内資料)(テネリア錠20mg:2012年6月29日承認、CTD2.7.6.15)
27) Kreymann B, et al.:Lancet. 1987;2(8571):1300-1304
28) Fukuda-Tsuru S, et al.:Eur J Pharmacol. 2012;696(1-3):194-202
29) Mather A, Pollock C,:Kidney Int. 2011;79(Suppl.120):S1-S6
30) Oguma T, et al.:J Pharmacol Sci. 2015;127(4):456-461
31) Eto T, et al.:Diabetes Obes Metab. 2012;14(11):1040-1046
32) Kuriyama C, et al.:J Pharmacol Exp Ther. 2014;351(2):423-431
33) 田辺三菱製薬(株):カナグリフロジンの2型糖尿病患者を対象とした臨床薬理試験(社内資料)(カナグル錠100mg:2014年7月4日承認、CTD2.7.6.12)
34) 田辺三菱製薬(株):カナグリフロジンのin vitro及びin vivo薬理作用(社内資料)(カナグル錠100mg:2014年7月4日承認、CTD2.6.2.2.1、2.6.2.2.2)
35) Inagaki N, et al.:Expert Opin Pharmacother. 2014;15(11):1501-1515
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