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眼科手術(白内障、硝子体、緑内障)時の眼灌流及び洗浄
水晶体混濁を起こすことがあるとの報告がある。
頻度不明
眼
角膜浮腫、角膜混濁
両眼性の老人性白内障患者21例を対象に、片眼に無作為に本剤、その対側眼にブドウ糖含有眼灌流液を使用し、水晶体嚢外摘出術及び後房レンズ挿入術を行った。角膜内皮形態変化については、角膜内皮細胞像の各パラメーターにおいて、本剤群では術後有意な変動が認められず、対照群に比ベ角膜内皮細胞形状の乱れが少ないことが示された。角膜厚については、両群とも術後1日~1週目まで有意な肥厚が認められたが、本剤群では4週目に術前値に復したのに対し、対照群では術後4週目においても有意な肥厚が持続し、本剤は対照薬に比べ角膜の肥厚が軽度であることが示された。副作用は認められなかった2)。
白内障を有する糖尿病患者14例14眼を対象に、無作為に本剤群(8眼)または対照としてブドウ糖含有眼灌流液群(6眼)に振り分け、水晶体嚢外摘出術及び後房レンズ挿入術に使用したとき、眼組織保護効果を指標とした全般有効度(「有効」以上)は100%(8/8)であり、対照群に比べ有意な差が認められた。副作用は認められなかった3)。
老人性白内障患者106例110眼を対象に、無作為に本剤群(55眼)または対照としてブドウ糖含有眼灌流液群(55眼)に振り分け、超音波水晶体乳化吸引術及び後房レンズ挿入術に使用したとき、眼組織保護効果を指標とした全般有効度は「著効」が72.7%(40/55)であり、対照群に比べ有意な差が認められた。「有効」以上の割合は100%(55/55)であった。副作用は認められなかった4)。
本剤を使用した硝子体手術症例のうち、灌流時間が1時間以内であった有水晶体眼53例54眼(裂孔原性網膜剥離(黄斑円孔網膜剥離を含む)10眼、外傷l眼、黄斑前線維増殖症21眼、網膜静脈分枝閉塞症12眼、硝子体網膜牽引症候群2眼、ぶどう膜炎2眼、イールズ病1眼、テルソン症候群3眼、原因不明の硝子体出血2眼)を対象とした。眼組織保護効果を指標とした全般有効度(「効果があると思われた」以上)は96.3%(52/54)であった。副作用は認められなかった5)。
薬物治療にて眼圧コントロールが困難なために緑内障手術を必要とした21例23眼を対象に使用したとき、眼組織保護効果を指標とした全般有効度(「有効」以上)は69.6%(16/23)であった。副作用は認められなかった6)。
眼科手術施行患者1,877例1,877眼(水晶体嚢外摘出術528眼、超音波水晶体乳化吸引術1123眼、硝子体手術167眼、緑内障手術8眼、併用手術32眼、その他の手術19眼)を対象に使用したとき、眼組織保護効果を指標とした全般有効度(「有効」以上)は水晶体嚢外摘出術で99%(521/528)、超音波水晶体乳化吸引術で99%(1113/1123)、硝子体手術で97%(162/167)、緑内障手術で100%(8/8)、その他の術式も併せた総計で99%(1855/1877)であった。副作用は認められなかった7)。
本品の有効成分であるオキシグルタチオンは、眼内あるいは全身のすべての組織に分布するグルタチオン(酸化還元系に関与する補酵素)の酸化型であり、グルタチオンとオキシグルタチオンのバランスにより、ペントース回路における反応速度を調節し、角膜内皮の透明性の維持に関与しているATPase活性をコントロールし、内皮細胞層のバリアー機能及びポンプ機能をつかさどっている。その結果、眼科手術における長時間の眼灌流・洗浄からの組織障害を防御する効果が知られている。
ビーエスエスプラス眼灌流液0.0184%をウサギの前房内に灌流し、前房内への蛋白質の漏出量を測定した結果、血液房水柵破壊抑制作用を示した。
ビーエスエスプラス眼灌流液0.0184%の水晶体の透明性に及ぼす影響をラット摘出水晶体を使用したin vitro実験により検討した結果、オキシグルタチオンは水晶体内の透明性に重要な役割を果たしているグルタチオン量を増加させる働きがあり、水晶体の透明性と膜機能を正常に維持することが示された。
ビーエスエスプラス眼灌流液0.0184%の網膜機能への影響をウサギERGを指標としてin vitroにおいて検討した結果、硝子体の灌流において網膜機能への影響が少なく、網膜機能維持作用に優れていた。
オキシグルタチオン(oxiglutatione)
N-(N-γ-glutamyl-cysteinyl)glycine-(2→2′)-disulfide
C20H32N6O12S2
612.63
本品は白色の粉末で、においはなく、味はわずかに酸味がある。本品は水に極めて溶けやすく、メタノール、エタノール又はエーテルにほとんど溶けない。本品は吸湿性である。
GSSG
500mL{オキシグルタチオン溶液20mL}×6500mL{希釈液480mL}×6500mL{移注針}×6
1) 松岡秀仁 他:あたらしい眼科, 1990;7(4):569-572
2) Matsuda M, et al.:Br.J.Ophthalmol. 1991;75(8):476-479
3) 大黒伸行 他:眼科臨床医報, 1991;85(6):1621-1626
4) 松田 司 他:日本眼科紀要, 1990;41(7):1330-1337
5) 池田恒彦 他:眼科臨床医報, 1990;84(10):2034-2039
6) 谷原秀信 他:眼科臨床医報, 1990;84(10):2040-2042
7) 社内資料:眼科手術における酸化型グルタチオン(GSSG)眼灌流・洗浄液の臨床的有用性評価
8) 松田 司 他:日本眼科紀要, 1990;41(6):1093-1098
9) Araie M, et al.: Invest.Ophthalmol.Vis.Sci., 1988;29(12):1884-1887
10) Araie M, : Arch.Ophthalmol., 1986;104(3):435-438
11) 社内資料:眼内灌流液中の酸化型または還元型グルタチオンの角膜内皮barrier機能に及ぼす影響
12) 松田 司 他:眼科手術, 1988;1(1):113-121
13) 社内資料:オキシグルタチオンのネコ角膜内皮細胞の形態変化に対する保護作用
14) 社内資料:オキシグルタチオン眼内灌流・洗浄液のウサギ前房内灌流による角膜保護作用および血液房水柵保護作用の検討
15) 大橋ときえ 他:あたらしい眼科, 1989;6(3):406-408
16) 堀川嘉美 他:あたらしい眼科, 1989;6(3):396-398
17) 社内資料:オキシグルタチオン眼内灌流・洗浄液のウサギin vitro ERGに及ぼす影響
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下記の希釈は一連の操作で行って下さい。
①オキシグルタチオン溶液の青いキャップを外し、次に導入針2(樹脂針)のキャップを外し・・・・・・②図のようにオキシグルタチオン溶液のゴム栓中央に根元まで突き刺します。③導入針1(ステンレス針)のキャップを外し・・・・・・④青いキャップを外した希釈液のゴム栓へ図のように突き刺すと、希釈液ボトル内の陰圧によってオキシグルタチオン溶液が希釈液ボトルに移注されます。移注後、よく混合して下さい。※希釈液ボトル内は陰圧に保たれています。陰圧が保たれていないと、十分な移注が行われなくなるため、オキシグルタチオン溶液と希釈液を混合する前に他の薬液を注入したり、移注針を2回以上刺さないで下さい。
①オキシグルタチオン溶液の青いキャップを外し、次に一方の導入針(いずれでも構いません)のキャップを外し・・・・・・②図のようにオキシグルタチオン溶液のゴム栓中央に根元まで突き刺します。③もう一方の導入針のキャップを外し・・・・・・④希釈液入りバッグのゴム栓へ図のように斜め下から突き刺します。上から突き刺すと、オキシグルタチオン溶液が導入針から漏れる場合があります。⑤穿刺後、オキシグルタチオン溶液を図のように立ててください。移注がすぐに始まらない場合は、バッグを少し圧迫してバッグ側からオキシグルタチオン溶液側への空気の移行を促してやると移注が始まります。移注後、よく混合してください。
※この手順を間違いますと希釈されないか、希釈後の濃度が変わりますので、必ずこの手順に従って下さい。※希釈時、希釈液ボトル内が陰圧に保たれておらず混合が十分に行われない場合、またはバッグへの移注が不十分な場合は使用しないで下さい。※ゴム片の混入を防ぐため、移注用の導入針はねじらないように垂直に突き刺して下さい。※ゴム栓に導入針を2回以上刺したり、同一の導入針を2回以上使用するとゴム片混入のおそれがありますので注意して下さい。ゴム片が混入した場合は使用しないで下さい。※移注針をゴム栓に突き刺す前に、ゴム栓表面をアルコール綿で清拭して下さい。
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