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劇薬
処方箋医薬品注)
脳脊髄疾患に由来する重度の痙性麻痺(既存治療で効果不十分な場合に限る)
本剤専用のポンプシステムを植込む前に本剤の効果を確認するため、スクリーニングを実施する。スクリーニングには髄注0.005%(0.05mg/1mL)を用いる。通常、成人にはバクロフェンとして1日1回50μg[髄注0.005%を1mL(1管)]をバルボタージ法(ポンピング)により髄腔内投与し、抗痙縮効果を1~8時間後に確認する。期待した効果が認められない場合、初回投与から24時間以降に75μg[髄注0.005%を1.5mL(1.5管)]に増量の上同様に髄腔内投与して1~8時間後に効果を確認する。期待した効果が認められない場合、2回目の投与から24時間以降に100μg[髄注0.005%を2mL(2管)]に増量の上同様に髄腔内投与して1~8時間後に効果を確認する。100μgでも効果が認められない場合、本剤の治療対象とはならない。通常、小児にはバクロフェンとして1日1回25μg[髄注0.005%を0.5mL(0.5管)]をバルボタージ法(ポンピング)により髄腔内投与し、抗痙縮効果を1~8時間後に確認する。ただし、体格、症状などを考慮して増量することができるが、初回投与量の上限は50μg[髄注0.005%を1mL(1管)]とする。期待した効果が認められない場合、初回投与量が50μg未満である場合は50μg、50μgである場合は75μgに増量の上、髄腔内投与して1~8時間後に効果を確認する。期待した効果が認められない場合、成人の用法・用量に準じて増量の上、同様に髄腔内投与して1~8時間後に効果を確認する。100μgでも効果が認められない場合、本剤の治療対象とはならない。
本剤専用のポンプシステム植込み後の適正用量の設定には、髄注0.05%(10mg/20mL)または髄注0.2%(10mg/5mL)を用いる。髄注0.2%は0.05~0.2%の範囲内で日局生理食塩液にて希釈して使用することができる。
スクリーニングのいずれかの用量で期待した抗痙縮効果が認められた患者には、その用量を初回1日用量とし、本剤専用の植込み型ポンプシステムを用い24時間かけて髄腔内投与する。通常、成人には1日用量が50~250μgとなる範囲で患者の症状に応じ適宜増減する。用量の調整は通常1日に1回、次のとおりとする。なお、1日用量の上限は600μgとする。
原疾患
増量時
減量時
脊髄疾患(脊髄損傷、脊髄小脳変性症(痙性対麻痺)等)
30%以内の範囲
20%以内の範囲
脳疾患(脳性麻痺、頭部外傷等)
15%以内の範囲
通常、小児には1日用量が25~150μgとなる範囲で患者の症状に応じ適宜増減する。用量の調整は通常1日に1回、次のとおりとする。なお、1日用量の上限は400μgとする。
小児
通常、成人では標準1日用量として50~250μgであるが、患者の本剤に対する反応には個人差があるため、症状に応じて適宜増減する。用量の調整は通常1日に1回、次のとおりとする。なお、1日用量の上限は600μgとする。
40%以内の範囲
通常、小児では標準1日用量として25~150μgであるが、患者の本剤に対する反応には個人差があるため、症状に応じて適宜増減する。用量の調整は通常1日に1回、次のとおりとする。なお、1日用量の上限は400μgとする。
1日用量
使用が推奨される製剤
200μg未満
髄注0.05%
200μg以上、300μg未満
髄注0.05%又は髄注0.2%
300μg以上、600μg以下
髄注0.2%
本剤の長期連用中に投与が突然中止・中断されると、高熱、精神状態の変化(幻覚、錯乱、興奮状態等)、痙攣発作、リバウンド症状としての痙縮の増強、筋硬直などの症状が発現し、まれに横紋筋融解症、多臓器不全及び死に至ることもあるとの報告があるので、投与を中止する場合は、用量を徐々に減量するなど慎重に行うこと。海外の市販後12年間の調査で82例(死亡に至った17例を含む)の離脱症状が報告されている。通常、離脱症状は本剤の投与中止・中断後数時間から数日以内に発現している。また、離脱症状の臨床的特徴は、自律神経反射異常、感染症(敗血症)、悪性高体温症、神経遮断性悪性症候群、あるいは代謝亢進状態や広範な横紋筋融解症等に類似することもあるので鑑別に注意すること。,
本剤における離脱症状は、カテーテルのトラブル(特に外れ)、ポンプ内の薬液不足、ポンプの電池切れ、又は誤った用量設定等が原因で、発現するおそれがある。ポンプ、カテーテル及びプログラマ(専用の用量調整用の体外プログラミング機器)の説明書を熟読の上、ポンプシステムのプログラミング及びモニタリング、薬液の補充スケジュール及びその手順、ならびにポンプのアラームに十分注意すること。患者及び介護者には薬液補充のための受診の重要性及び離脱症状の初期症状(投与により改善していた痙縮の増悪、そう痒症、血圧低下及び感覚異常)について十分説明し、異常がみられた場合には直ちに受診するよう指導すること。
離脱症状に対する治療として、投与中止・中断前の用量あるいはそれに近い用量での本剤の投与再開が推奨される。投与再開が遅れる場合は、バクロフェンの経口投与、ベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム等)の経口、経腸、又は静脈内投与により症状の重篤化を予防できることがある。
症状を誘発するおそれがある。
精神症状が悪化するおそれがある。
腹痛等の消化器系の副作用が報告されており、症状が悪化するおそれがある。
本剤の筋弛緩作用により呼吸抑制があらわれるおそれがある。
侵害受容刺激あるいは本剤の突然の中止により、自律神経系反射異常発作が起こるおそれがある。
安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
効果判定が妨げられる場合があるため、スクリーニング時に感染症に罹患していないことを確認すること。また、感染症により手術に伴う合併症のリスクが高まるため、ポンプシステム植込み前にも患者が感染症に罹患していないことを確認すること。ポンプシステム植込み後に感染症に罹患した場合には、用量調整が困難になることがあるので注意すること。
本剤の循環が正常でないため本剤の作用が変化する可能性がある。
用量の調節に注意すること。本剤は大部分が未変化体のまま尿中に排泄されるため、血中濃度が上昇するおそれがある。
症状が悪化するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(妊娠ラット静脈内投与試験)で胎盤を通過することが報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(分娩後ラット静脈内投与試験)で乳汁中に移行することが報告されている。
低用量(25μg)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、比較的低用量で筋力低下、倦怠感等があらわれることがある。
降圧薬
降圧作用を増強するおそれがある。
相互に作用を増強すると考えられている。
中枢神経抑制薬
アルコール
中枢神経抑制作用を増強するおそれがある。
オピオイド系鎮痛剤
低血圧あるいは呼吸困難等の副作用を増強するおそれがある。
バクロフェンの経口投与により幻覚・錯乱等が発現したという報告があり、精神依存形成につながるおそれがある。
0.1~3%未満
0.1%未満
頻度不明
精神神経系
頭痛、傾眠、痙攣発作、筋緊張低下、しびれ、嗜眠、昏睡、歩行困難、筋緊張(亢進)
幻覚、情緒不安定、うつ状態、会話障害
感覚減退、錯感覚、見当識障害、思考異常、アジテーション、重圧感、不眠症、言語機能障害、反応性遅延、無力症、頸部痛、背部痛、振戦、視神経調節障害
循環器
血圧低下
徐脈
期外収縮、高血圧
呼吸器
肺炎
呼吸困難、低換気
鼻咽頭炎、呼吸抑制
消化器
悪心、嘔気(嘔吐)、腹部膨満感、便秘、下痢(便失禁)
胃部不快感、排便障害
口内乾燥、唾液分泌亢進
泌尿器・生殖器
排尿困難、尿失禁、尿閉
性機能障害
頻尿、副睾丸炎、前立腺炎、前立腺特異性抗原増加
過敏症
発疹等
そう痒症
全身症状
発熱、脱力感、異常感、めまい(ふらつき)、疼痛、筋力低下
悪寒、倦怠感
ほてり、灼熱感
その他
冷感、CK上昇、胸部不快感
浮腫、耳管開放、皮膚潰瘍、転倒、CRP上昇、LDH上昇、カテーテル留置部位異常感覚、四肢重感
カテーテルの開存性又は位置を確認する際、カテーテル内の薬液を不注意に送達することにより過量投与が生じることがある。また、ポンプシステムのプログラミングミス、極端に急激な増量、経口バクロフェンとの併用、あるいはポンプの機能異常等が原因で発現することがある。
特徴的な症状は傾眠、意識障害、呼吸抑制、昏睡等の中枢神経抑制症状である。また、痙攣、錯乱、幻覚、全身筋緊張低下、反射低下・消失、血圧低下、徐脈、低体温等があらわれることがある。
速やかにポンプを停止させる(プログラマが無い場合には、ポンプ内の残存薬液をすべて抜き取ることでも薬液注入は停止する)。呼吸抑制がみられる場合、人工呼吸あるいは必要に応じて挿管するとともに心血管系の機能保持のための処置を行う。本剤は主として腎から排泄されるため、水分の供給を十分に行い、可能ならば利尿薬を併用する。腎機能が低下している場合には血液透析等を考慮する。痙攣が発現した場合にはジアゼパムを慎重に静脈内注射する。症状の発現直後であれば、髄液中バクロフェン濃度を低下させるために、腰椎穿刺又はポンプアクセスポートより30~40mLの髄液を抜き取ることも有効である。ただし、その場合、低髄圧症状、ヘルニア等の発現に注意しながら急激には抜き取らないこと。なお、過量投与による症状が改善した後もポンプを停止させたままで放置した場合には、離脱症状が発現する可能性があるため、症状が改善した後には、患者の痙縮の状態を十分観察しながら、過量投与を起こす前の用量あるいはそれに近い用量で本剤の投与を再開すること。
重度痙性麻痺患者8例にバクロフェン50μgを単回髄腔内投与したとき、投与2時間後までの髄液中濃度は350~1320ng/mLであり、2~4時間後では29~950ng/mLであった。投与1~4時間後までの血漿中濃度は0.4~0.6ng/mLであった(バクロフェン内服剤の併用4例を除く)1)。雄性イヌに14C-バクロフェン250μg(約0.019mg/kg)を単回髄腔内投与したとき、髄液中放射能濃度は投与0.58時間後でCmax(11263.7ng/mL)に達し、生物学的半減期は0.54時間(投与2又は4時間後まで)及び8.2時間(投与4又は6時間後以降)であった。血漿中放射能濃度は投与0.50時間後でCmax(20.5ng/mL)に達し、生物学的半減期は8.0時間であった2)。
バクロフェンを経口投与したとき、大部分が未変化体として存在するが、一部は酸化的脱アミノ化されて4-hydroxy-3-(4-chlorophenyl)butyric acidに代謝された3)。
健康成人12例にバクロフェン5又は10mgを単回経口投与したとき、尿中排泄率は投与24時間後でそれぞれ投与量の約80.8%、78.7%であった。健康成人6例に漸増法により連続経口投与したとき、累積投与量に対する尿中排泄率は1日目80.8%、2日目75.8%であり、3日目以降は62~63%と一定であった1),4)。雄性イヌに14C-バクロフェン250μg(約0.019mg/kg)を単回髄腔内投与したとき、投与48時間後までの尿中及び糞中排泄率は、それぞれ投与量の96.3%、0%であった5)。
重度痙性麻痺患者30例[脊髄損傷12例、脊髄小脳変性症4例、脊髄血管障害3例、後縦靭帯骨化症1例、頸部脊椎症1例、脳性麻痺2例、頭部外傷2例及び小児脳性麻痺(7歳以上)5例]を対象とした、本剤25μg(4例:成人1例、小児3例)、50μg(25例:成人23例、小児2例)又は75μg(成人1例)の単回髄腔内投与によるスクリーニング試験の結果、主要評価項目である下肢平均Ashworth評点は投与前3.79から投与4時間後には1.76となり、有意な低下が認められた。「有効」例数の割合は96.7%(29/30例)であった。さらに、スクリーニング試験における有効例を対象とした本剤専用ポンプシステム植込み後6ヵ月までの長期持続投与試験(25例:成人20例、小児5例)ならびに6ヵ月以降長期フォローを行った長期安全性試験(24例:成人19例、小児5例)の結果、主要評価項目の下肢平均Ashworth評点について成人患者では36ヵ月後まで、小児患者では27ヵ月後までの各評価時期で有意な低下が認められ、抗痙縮効果が長期間持続することが確認された6)。
副作用は、成人では72.0%(18/25例)に認められ、主な副作用は、頭痛28.0%(7/25例)、無力症16.0%(4/25例)、感覚減退16.0%(4/25例)であった。小児では80.0%(4/5例)に認められ、主な副作用は、CK上昇40.0%(2/5例)、LDH上昇20.0%(1/5例)、血圧低下20.0%(1/5例)であった。
脊髄損傷による重度痙性麻痺患者を対象としたスクリーニング試験の結果は次のとおりで、主要評価項目である下肢平均Ashworth評点の有意な低下がみられ、本剤による抗痙縮効果が確認された。また長期持続投与試験の結果、抗痙縮効果は24ヵ月以上にわたり持続することが確認された。
原疾患名
症例数
下肢平均Ashworth評点
投与前
4時間後
検定注1)
脊髄損傷多発性硬化症
3112
3.803.78
1.561.51
P<0.001P<0.001
有害事象発現頻度は、全期間を通じて66.0%(66/100例)であり、主な有害事象は、脱力感24.0%(24/100例)、筋緊張低下17.0%(17/100例)、傾眠11.0%(11/100例)であった7)。
1514
3.84.2
1.11.2
P<0.0001P<0.0001
有害事象発現頻度は、全期間を通じて94.1%(32/34例)であり、主な有害事象は、脱力感43.8%(14/34例)、傾眠34.4%(11/34例)、浮腫15.6%(5/34例)であった8)。
脳性麻痺(4歳以上)による重度痙性麻痺患者を対象としたスクリーニング試験の結果は次のとおりで、主要評価項目である下肢平均Ashworth評点の有意な低下がみられ、本剤による抗痙縮効果が確認された。また長期持続投与試験の結果、抗痙縮効果は24ヵ月以上にわたり持続することが確認された。
原疾患名注2)
脳性麻痺(4~6歳)(7~16歳)(17歳~)
51(14)(29)(8)
3.36(3.29)(3.48)(3.36)
2.14(2.14)(2.14)(2.45)
P<0.001(P<0.001)(P<0.001)(P=0.02)
有害事象発現頻度は、全期間を通じて82.4%(42/51例)であり、主な有害事象は、筋緊張低下31.4%(16/51例)、傾眠25.5%(13/51例)、痙攣発作23.5%(12/51例)であった9)。
48(7)(26)(15)
2.77(2.82)(2.60)(2.99)
1.99(1.83)(1.85)(2.22)
P<0.001(P=0.02)(P<0.01)(P<0.01)
有害事象発現頻度は、全期間を通じて66.7%(54/81例)であり、主な有害事象は、筋緊張低下29.6%(24/81例)、頭痛23.5%(19/81例)、傾眠22.2%(18/81例)であった10)。
外傷等の脳損傷による重度痙性麻痺患者を対象としたスクリーニング試験の結果は次のとおりで、主要評価項目である下肢平均Ashworth評点の有意な低下がみられ、本剤による抗痙縮効果が確認された。また長期持続投与試験の結果、抗痙縮効果は24ヵ月以上にわたり持続することが確認された。
外傷等の脳損傷
11
4.16
2.16
P=0.001
有害事象は、全期間を通じて発現しなかった11)。
脳脊髄疾患由来の重度の痙性麻痺患者に対して、使用実態下における単回髄腔内投与によるスクリーニング及びシンクロメッドポンプを用いた長期持続投与の有効性及び安全性を検討することを目的とした中央登録方式による全例調査を実施し、国内218施設から1,478例の症例を収集した。スクリーニング期及び長期持続投与期の有効性解析対象症例は各々1,472例、742例であった。なお、原疾患の内訳は、スクリーニング期で脊髄損傷262例、脊髄血管障害48例、後縦靭帯骨化症24例、頸部脊椎症39例、多発性硬化症29例、脊髄小脳変性症223例、痙性脳性麻痺197例、頭部外傷94例等であり、長期持続投与期で脊髄損傷136例、脊髄血管障害22例、後縦靭帯骨化症10例、頸部脊椎症14例、多発性硬化症18例、脊髄小脳変性症105例、痙性脳性麻痺107例、頭部外傷52例等であった。スクリーニング期の下肢平均Ashworth評点は、投与前2.95から投与後1.79となり、有意な低下が認められた。また、上肢平均Ashworth評点は、投与前2.50から投与後1.96となり、有意な低下が認められた。スクリーニング期における「有効」例数の割合は、87.6%(1,290/1,472例)であった。ポンプシステム植込み後12ヵ月間フォローを行った長期持続投与期の下肢平均及び上肢平均Ashworth評点は、いずれも各評価時期で有意な低下が認められ、抗痙縮効果が長期間持続することが確認された12)。
時点
上肢平均Ashworth評点
例数
平均値±標準偏差
検定注3)
724
3.11±0.91
-
470
2.59±0.94
1ヵ月後
701
1.97±0.82
P<0.0001
450
1.95±0.81
3ヵ月後
660
1.93±0.79
427
1.89±0.78
6ヵ月後
646
1.94±0.82
414
1.90±0.79
12ヵ月後
629
1.91±0.82
401
1.88±0.81
バクロフェンはγ-アミノ酪酸(GABA)の誘導体で、脊髄の単シナプス及び多シナプス反射の両方を抑制し、γ-運動ニューロンの活性を低下させる抗痙縮剤である。
脊髄の単シナプス反射及び多シナプス反射の両方の反射を抑制し、特に単シナプス反射をより強く抑制することが認められている。これらの反射抑制作用は持続的である(髄腔内投与:ラット13)、ウサギ14)、静脈内投与:ラット15)、ヒヨコ15)、ネコ16)、in vitro:カエル15))。
γ-運動ニューロン活性を持続的に抑制することが認められている(静脈内投与:ラット15)、ネコ16))。なお、脊髄反射及び運動ニューロンの抑制用量では筋紡錘ならびに神経筋接合部に対する末梢作用は認められていない。
上丘-下丘間除脳固縮(γ-固縮)及び貧血性除脳固縮(α-固縮)の両方の固縮を用量依存的に抑制することが認められている(髄腔内投与:ラット17)、静脈内投与:ラット15)、ネコ16))。
遺伝性痙性ラット13)において筋電図活性を用量依存的に抑制することが認められている(髄腔内投与及び腹腔内投与)。痙性麻痺患者において他動的伸展反射及び誘発筋電図法による検討の結果、クローヌス等の減少18)及びH波回復曲線の改善作用19),20)が認められている(いずれも経口投与)。
圧刺激法等で調べると痛覚閾値を上昇させ、鎮痛作用が認められている(髄腔内投与:ラット21)、ネコ21)、サル22)、腹腔内投与:マウス15)、ラット15))。
バクロフェン(Baclofen)
(3RS)-4-Amino-3-(4-chlorophenyl)butanoic acid
C10H12ClNO2
213.66
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、水に溶けにくく、メタノール又はエタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。
本剤の安全性及び有効性を十分に理解し、施術に関する十分な知識・経験のある医師によってのみ用いられるよう、本剤を納入する前に予め講習(ポンプシステムに関する事項を含む)を実施する等の適切な措置を講じること。
1) 社内資料:国内第Ⅲ相試験(DL4040-01試験)(2005年4月11日承認、CTD2.7.2.2)
2) 社内資料:薬物動態試験(2005年4月11日承認、CTD2.6.4.4)
3) Faigle JW, et al.:Postgrad Med J. 1972;48(S-5):9-13
4) 高杉紀雄ほか:日本薬学会講演要旨集(第97回)1977:237
5) 社内資料:薬物動態試験(2005年4月11日承認、CTD2.6.4.6)
6) 社内資料:国内臨床成績(2007年1月26日承認、CTD2.7.6)
7) 社内資料:海外臨床成績(2005年4月11日承認、CTD2.7.6.5)
8) 社内資料:海外臨床成績(2005年4月11日承認、CTD2.7.6.4)
9) Gilmartin R, et al.:J Child Neurol. 2000;15(2):71-77
10) 社内資料:海外臨床成績(2005年4月11日承認、CTD2.7.6.7)
11) Meythaler JM, et al.:Arch Phys Med Rehabil. 1996;77(5):461-466
12) 山口広貴ほか:臨床医薬 2016;32(6):419-467
13) Schwarz M, et al.:Local-spinal therapy of spasticity. Berlin:Springer-Verlag;1988:65-79
14) Kroin JS, et al.:Exp Brain Res. 1984;54(1):191-194
15) 福田英臣ほか:応用薬理 1977;13(5):611-626
16) Fehr HU, et al.:J Int Med Res. 1974;2:36-47
17) Kuroiwa M, et al.:Pharmacol Res. 2009;60(5):392-396
18) 津山直一ほか:薬理と治療 1976;4(4):959-970
19) 糸賀叡子ほか:診断と治療 1976;64(9):1772-1776
20) 玄番央恵ほか:臨床脳波1977;19(6):395-399
21) Wilson PR, et al.:Eur J Pharmacol. 1978;51(4):323-330
22) Yaksh TL, et al.:Anesthesiology 1981;54(6):451-467
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