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日本薬局方
アドレナリン液
気管支喘息、百日咳
通常5~10倍に希釈して吸入する。この場合、1回の投与量はアドレナリンとして0.3mg以内とすること。2~5分間たって効果が不十分な場合でも、前記の投与をもう一度行うのを限度とする。続けて用いる必要がある場合でも、少なくとも4~6時間の間隔をおくこと。
血管収縮薬未添加の局所麻酔薬10mLに1~2滴(アドレナリン濃度1:10~20万)の割合に添加して用いる。
通常本剤(アドレナリン0.1%溶液)をそのままか、あるいは5~10倍希釈液を、直接塗布、点鼻もしくは噴霧するか、またはタンポンとして用いる。
本剤の過度の使用により不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現するおそれがあるため、アドレナリンとして1回0.3mg以内投与の用法及び用量を守ること。
アドレナリン受容体が本剤に対し高い感受性を示すおそれがある。
肺循環障害を増悪させ、右心系への負荷が過重となり、右心不全に陥るおそれがある。
頻脈、心房細動がみられることがあり、本剤の投与により悪化するおそれがある。
本剤の血管収縮作用により、急激な血圧上昇があらわれるおそれがある。
本剤のβ刺激作用により、心疾患を悪化させるおそれがある。
肝におけるグリコーゲン分解の促進や、インスリン分泌の抑制により、高血糖を招くおそれがある。
本剤の血管収縮作用により、閉塞性血管障害が促進されるおそれがある。
血清カリウム値をモニターすることが望ましい。低酸素血症は、血清カリウム値の低下による心リズムに及ぼす作用を増強することがある。
妊婦、妊娠している可能性のある女性又は産婦には投与しないことが望ましい。胎児の酸素欠乏をもたらしたり、分娩第二期を遅延するおそれがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。小児等では全身の副作用が起こりやすい。
少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤の作用に対する感受性が高いことがある。
抗精神病薬
α遮断薬
本剤の昇圧作用の反転により、低血圧があらわれることがある。
これらの薬剤のα遮断作用により、本剤のβ刺激作用が優位になると考えられている。
カテコールアミン製剤
アドレナリン作動薬
不整脈、場合により心停止があらわれることがある。蘇生等の緊急時以外には併用しないこと。
これらの薬剤のβ刺激作用により、交感神経興奮作用が増強すると考えられている。
ハロゲン含有吸入麻酔薬
頻脈、心室細動発現の危険性が増大する。
これらの薬剤により、心筋のカテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。
モノアミン酸化酵素阻害薬
本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。
本剤の代謝酵素を阻害することにより、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。
三環系抗うつ薬
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)
その他の抗うつ薬
アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを遮断し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させると考えられている。
メチルフェニデート
分娩促進薬
バッカクアルカロイド類
これらの薬剤の血管平滑筋収縮作用により、血圧上昇作用を増強すると考えられている。
ジギタリス製剤
異所性不整脈があらわれることがある。
ともに異所性刺激能を有し、不整脈発現の可能性が高くなると考えられている。
キニジン
心室細動があらわれることがある。
相互に心筋に対する作用を増強すると考えられている。
甲状腺製剤
冠不全発作があらわれることがある。
甲状腺ホルモンは心筋のβ受容体を増加させるため、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。
*非選択性β遮断薬
(1)相互の薬剤の効果が減弱する。
(2)血圧上昇、徐脈があらわれることがある。
(1)これらの薬剤のβ遮断作用により本剤の作用が抑制される。また、本剤のβ刺激作用により、これらの薬剤の作用が抑制される。
(2)これらの薬剤のβ遮断作用により、本剤のα刺激作用が優位になると考えられている。
血糖降下薬
血糖降下薬の作用を減弱させることがある。
本剤の血糖上昇作用によると考えられている。
ブロモクリプチン
血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれることがある。
機序は明らかではないが、本剤の血管収縮作用、血圧上昇作用に影響を及ぼすと考えられている。
利尿剤
チアジド系利尿剤
チアジド系類似剤
ループ利尿剤
カリウム保持性利尿剤
本剤の作用が減弱することがある。また、低カリウム血症による不整脈があらわれるおそれがある。手術前の患者に使用する場合、利尿剤の一時休薬等を行うこと。
本剤の血管反応性を低下させることがある。また、血清カリウム値の低下を増強させると考えられる。
肺水腫等があらわれることがある。全身性の症状があらわれた場合には投与を中止すること。
キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿薬の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。,
頻度不明
循環器
心悸亢進、血圧変動、顔面潮紅・蒼白
精神神経系
頭痛、振戦、発汗、神経過敏
消化器
悪心
過敏症
発疹等
呼吸器
気道刺激症状(吸入時)
眼
結膜・眼瞼・目のまわり等の過敏症状、結膜充血、眼痛
過度の使用により神経過敏や頻脈等心臓に対する副作用があらわれるおそれがある。
本剤は注射又は点眼には使用しないこと。
変色したり、あるいは沈殿を生じたものは使用しないこと。
医師・薬剤師の指導により使用すること。
アドレナリンは交感神経細胞内に取り込まれるかあるいは組織内で主としてカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ、モノアミンオキシダーゼによって速やかにメタネフリン、そのグルクロン酸及び硫酸抱合体、3-メトキシ-4-ヒドロキシマンデル酸等に代謝され、不活化される。
アドレナリンは組織に取り込まれ代謝されたのち、大部分は代謝物として尿中に排泄される。
本剤は、化学的に合成した副腎髄質ホルモン(アドレナリン)の1,000倍液であり、交感神経のα、β受容体に作用する。
血管に対しては、α受容体刺激による収縮作用とβ受容体刺激による拡張作用を示す。皮膚血管では収縮作用が優先するため、局所に適用すると末梢血管を収縮し止血作用をあらわし、また鼻粘膜の充血・腫脹を抑制する4)。
気管支筋に対しては、弛緩作用をあらわし、気管支を拡張させて呼吸量を増加させる4),5)。
局所麻酔薬の作用を増強させ、効力を持続させる5)。
アドレナリン(Adrenaline)
4-[(1R)-1-Hydroxy-2-(methylamino)ethyl]benzene-1,2-diol
C9H13NO3
183.20
白色~灰白色の結晶性の粉末である。ギ酸又は酢酸(100)に溶けやすく、水に極めて溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。空気又は光によって徐々に褐色となる。
瓶開封後は遮光して保存すること。
瓶 100mL 500mL
1) Johnston RR, et al.:Anesth Analg. 1976;55(5):709-712
2) Navarro R, et al.:Anesthesiology 1994;80(3):545-549
3) Moore MA, et al.:Anesthesiology 1993;79(5):943-947
4) 島本暉朗ほか:薬理学(医学書院)1964:340-347
5) 高木敬次郎ほか:薬物学(南山堂)1967:118-121
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