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トランサミン錠250mg/トランサミン錠500mg/トランサミンカプセル250mg/トランサミン散50%

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.8高齢者
10.相互作用
10.1併用禁忌(併用しないこと)
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

トランサミン錠250mg/トランサミン錠500mg/トランサミンカプセル250mg/トランサミン散50%

添付文書番号

3327002B1027_2_07

企業コード

430574

作成又は改訂年月

2023年1月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873327
87449

薬効分類名

抗プラスミン剤

承認等

トランサミン錠250mg

販売名コード

YJコード

3327002F1142

販売名英語表記

TRANSAMIN TABLETS

承認番号等

承認番号

21400AMZ00148

販売開始年月

1976年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

トラネキサム酸錠

トランサミン錠500mg

販売名コード

YJコード

3327002F2041

販売名英語表記

TRANSAMIN TABLETS

承認番号等

承認番号

15300AMZ01211

販売開始年月

1981年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

トラネキサム酸錠

トランサミンカプセル250mg

販売名コード

YJコード

3327002M1303

販売名英語表記

TRANSAMIN CAPSULES

承認番号等

承認番号

22000AMX01511

販売開始年月

1965年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

トラネキサム酸カプセル

トランサミン散50%

販売名コード

YJコード

3327002B1027

販売名英語表記

TRANSAMIN POWDER

承認番号等

承認番号

21400AMZ00141

販売開始年月

1970年8月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

トラネキサム酸散

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

トロンビンを投与中の患者

3. 組成・性状

3.1 組成

トランサミン錠250mg

有効成分1錠中
トラネキサム酸(日局)   250mg
添加剤トウモロコシデンプン、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、硬化油

トランサミン錠500mg

有効成分1錠中
トラネキサム酸(日局)   500mg
添加剤カルメロースカルシウム、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、タルク、酸化チタン、ジメチルポリシロキサン、二酸化ケイ素、カルナウバロウ

トランサミンカプセル250mg

有効成分1カプセル中
トラネキサム酸(日局)   250mg
添加剤トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウム
カプセル:ゼラチン、ラウリル硫酸ナトリウム、黄色5号

トランサミン散50%

有効成分1g中
トラネキサム酸(日局)   500mg
添加剤D-マンニトール、ポリビニルアルコール(部分けん化物)

3.2 製剤の性状

トランサミン錠250mg

剤形素錠
色調白色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径10.0mm
厚さ約3.2mm
質量約290mg
識別コード606

トランサミン錠500mg

剤形フィルムコーティング錠
色調白色~淡黄白色
外形表面
裏面
側面
大きさ長径17.8mm
短径7.2mm
厚さ約5.0mm
質量約574mg
識別コード608

トランサミンカプセル250mg

剤形カプセル
色調キャップ:だいだい色不透明
ボディー:白色不透明
内容物:白色の粉末
外形表面
大きさ全長17.8mm
号数2
質量約348mg
識別コード605

トランサミン散50%

剤形散剤
色調白色

4. 効能又は効果

  • 全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向
    (白血病、再生不良性貧血、紫斑病等、及び手術中・術後の異常出血)
  • 局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血
    (肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、前立腺手術中・術後の異常出血)
  • 下記疾患における紅斑・腫脹・そう痒等の症状
    湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹
  • 下記疾患における咽頭痛・発赤・充血・腫脹等の症状
    扁桃炎、咽喉頭炎
  • 口内炎における口内痛及び口内粘膜アフター

6. 用法及び用量

トラネキサム酸として、通常成人1日750~2,000mgを3~4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 血栓のある患者(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎等)及び血栓症があらわれるおそれのある患者

    血栓を安定化するおそれがある。

  2. 9.1.2 消費性凝固障害のある患者

    ヘパリン等と併用すること。血栓を安定化するおそれがある。

  3. 9.1.3 術後の臥床状態にある患者及び圧迫止血の処置を受けている患者

    静脈血栓を生じやすい状態であり、本剤投与により血栓を安定化するおそれがある。離床、圧迫解除に伴い肺塞栓症を発症した例が報告されている。

  4. 9.1.4 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 腎不全のある患者

    血中濃度が上昇することがある。

  2. 9.2.2 人工透析患者

9.5 妊婦

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

10. 相互作用

    10.1 併用禁忌(併用しないこと)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    トロンビン

    血栓形成傾向があらわれるおそれがある。

    血栓形成を促進する作用があり、併用により血栓形成傾向が増大する。

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    ヘモコアグラーゼ

    大量併用により血栓形成傾向があらわれるおそれがある。

    ヘモコアグラーゼによって形成されたフィブリン塊は、本剤の抗プラスミン作用によって比較的長く残存し閉塞状態を持続させるおそれがあると考えられている。

    バトロキソビン

    血栓・塞栓症を起こすおそれがある。

    バトロキソビンによって生成するdesAフィブリンポリマーの分解を阻害する。

    凝固因子製剤

    • エプタコグアルファ等

    口腔等、線溶系活性が強い部位では凝固系がより亢進するおそれがある。

    凝固因子製剤は凝固系を活性化させることにより止血作用を発現する。一方、本剤は線溶系を阻害することにより止血作用を発現する。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 痙攣(頻度不明)

      人工透析患者において痙攣があらわれることがある。

    11.2 その他の副作用

    0.1~1%未満

    0.1%未満

    過敏症

    そう痒感、発疹等

    消化器

    食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、胸やけ

    その他

    眠気

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

    15. その他の注意

    15.2 非臨床試験に基づく情報

    イヌに長期・大量投与したところ網膜変性があらわれたとの報告がある。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    1. 16.1.1 単回投与

      健康成人男性15例に本剤を単回経口投与したとき、血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった1)

      トラネキサム酸単回経口投与時の血漿中濃度推移
      単回経口投与時のトラネキサム酸の薬物動態パラメータ

      投与量

      例数

      Cmax(μg/mL)

      Tmax(hr)

      t1/2(hr)

      錠250mg

      5

      3.9

      2~3

      3.1

      錠500mg

      5

      6.0

      3.3

      カプセル500mg

      5

      5.5

      3.3

    16.3 分布

    マウスに14C-トラネキサム酸を40mg/kgの投与量で単回経口投与したところ、大部分の臓器において投与1~2時間後に最高濃度を示し、組織内分布は、肝、腎、肺、膵で高く、子宮、脾、心、筋肉がこれに次ぎ、脳では低かった2)

    16.5 排泄

    健康成人男性15例にトラネキサム酸を250mg又は500mg単回経口投与したとき、投与後24時間以内に投与量の約40~70%が未変化体として尿中に排泄された1)

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    • 〈全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向及び局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血〉
      1. 17.1.1 国内一般臨床試験

        全身性線溶亢進が関与すると考えられる白血病、再生不良性貧血、紫斑病等の出血傾向及び肺出血、性器出血、腎出血、手術中・術後等の異常出血に対する止血効果は73.6%(2,063/2,802例)に認められた。

    • 〈湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹における紅斑・腫脹・そう痒等の症状〉
      1. 17.1.2 国内一般臨床試験

        皮膚疾患(湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹等)の患者223例を対象にした一般臨床試験では、そう痒、腫脹、紅斑等の症状に対する効果は60.5%(135/223例)に認められた。

      2. 17.1.3 国内二重盲検比較試験

        皮膚疾患(湿疹及びその類症、薬疹・中毒疹)の患者67例を対象に、そう痒、発赤、腫脹等の症状に対する効果を本剤(35例)とプラセボ(32例)との二重盲検比較試験により検討した結果、有効以上はプラセボ31.3%(10/32例)に対し本剤62.9%(22/35例)で、本剤が有意(p<0.05)に優れていた3)

    • 〈扁桃炎、咽喉頭炎における咽頭痛・発赤・充血・腫脹等の症状、口内炎における口内痛及び口内粘膜アフター〉
      1. 17.1.4 国内一般臨床試験

        扁桃炎、咽喉頭炎、口内炎及び歯肉炎等の患者168例を対象にした一般臨床試験では、疼痛、腫脹及び発赤等に対する効果は70.8%(119/168例)に認められた。

      2. 17.1.5 国内二重盲検比較試験

        耳鼻咽喉科疾患(急性咽喉頭炎、急性扁桃炎、口内炎等)の患者168例を対象に疼痛、腫脹及び発赤に対する効果を本剤(84例)とプラセボ(84例)との二重盲検比較試験により検討した結果、有効以上はプラセボ26.2%(22/84例)に対し本剤52.4%(44/84例)で、本剤が有意(p<0.05)に優れていた4)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    線維素溶解現象(線溶現象)は生体の生理的ならびに病的状態において、フィブリン分解をはじめ、血管の透過性亢進等に関与し、プラスミンによって惹起される生体反応を含め、種々の出血症状やアレルギー等の発生進展や治癒と関連している。
    トラネキサム酸は、このプラスミンの働きを阻止し、抗出血・抗アレルギー・抗炎症効果を示す。

    18.2 抗プラスミン作用

    トラネキサム酸は、プラスミンやプラスミノゲンのフィブリンアフィニティー部位であるリジン結合部位(LBS)と強く結合し、プラスミンやプラスミノゲンがフィブリンに結合するのを阻止する。このため、プラスミンによるフィブリン分解は強く抑制される。更に、α2-マクログロブリン等血漿中アンチプラスミンの存在下では、トラネキサム酸の抗線溶作用は一段と強化される5),6),7),8),9)

    18.3 止血作用

    異常に亢進したプラスミンは、血小板の凝集阻止、凝固因子の分解等を起こすが、軽度の亢進でも、フィブリン分解がまず特異的に起こる。したがって一般の出血の場合、トラネキサム酸は、このフィブリン分解を阻害することによって止血すると考えられる5)

    18.4 抗アレルギー・抗炎症作用

    トラネキサム酸は、血管透過性の亢進、アレルギーや炎症性病変の原因になっているキニンやその他の活性ペプチド等のプラスミンによる産生を抑制する(モルモット、ラット)10),11),12),13)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    トラネキサム酸(Tranexamic Acid)

    化学名

    trans-4-(Aminomethyl)cyclohexanecarboxylic acid

    分子式

    C8H15NO2

    分子量

    157.21

    性状

    白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。

    化学構造式

    22. 包装

    • トランサミン錠250mg
      • (プラスチックボトル:バラ) 500錠
        (PTP) 100錠(10錠×10) 500錠(10錠×50)
    • トランサミン錠500mg
      • (PTP) 100錠(10錠×10) 500錠(10錠×50)
    • トランサミンカプセル250mg
      • (PTP) 100カプセル(10カプセル×10) 500カプセル(10カプセル×50)
    • トランサミン散50%
      • (アルミラミネート袋) 100g

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    第一三共株式会社 製品情報センター

    〒103-8426 東京都中央区日本橋本町3-5-1

    TEL:0120-189-132

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    第一三共株式会社

    東京都中央区日本橋本町3-5-1

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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