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処方箋医薬品注)
膝関節全置換術、股関節全置換術、股関節骨折手術
効能又は効果
OD錠15mg
OD錠30mg
OD錠60mg
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
○注1),注2)
○
静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制
○注2)
**慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者における血栓・塞栓形成の抑制
下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制
-
○:効能あり、-:効能なし
通常、成人には、エドキサバンとして以下の用量を1日1回経口投与する。
体重60kg以下:30mg体重60kg超:60mg なお、腎機能、併用薬に応じて1日1回30mgに減量する。
また、出血リスクが高い高齢の患者では、年齢、患者の状態に応じて1日1回15mgに減量できる。
通常、成人には、エドキサバンとして30mgを1日1回経口投与する。
クレアチニンクリアランス(CLcr)値(mL/min)
投与法
30≦CLcr≦50
30mgを1日1回経口投与すること。
15≦CLcr<30
有効性及び安全性は確立していないので、本剤投与の適否を慎重に判断すること。投与する場合は30mgを1日1回経口投与すること注3)。
併用薬
キニジン硫酸塩水和物、ベラパミル塩酸塩、エリスロマイシン、シクロスポリン
併用する場合には、本剤30mgを1日1回経口投与すること。
アジスロマイシン、クラリスロマイシン、イトラコナゾール、ジルチアゼム、アミオダロン塩酸塩、HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル等)等
治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤との併用が適切と判断される患者にのみ併用すること。併用する場合には、本剤30mgを1日1回経口投与することを考慮すること。
出血傾向、先天性又は後天性の出血性疾患、コントロールできない重症の高血圧症、消化管潰瘍又はその既往、消化管出血の既往、胃腸管血管異形成、糖尿病性網膜症、悪性腫瘍又はその既往、貧血、頭蓋内出血後又は脳脊髄や眼の手術後日の浅い患者等では出血を生じるおそれがある。,
出血の危険性が増大するおそれがある。体重40kg未満の患者に60mg又は30mg 1日1回投与で有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。,
投与しないこと。ベネフィットを上回る出血のリスクが生じるおそれがある。臨床試験では除外されている。,
投与しないこと。静脈血栓塞栓症発症抑制効果を上回る出血のリスクが生じるおそれがある。臨床試験では除外されている。,
凝固因子の産生が低下していることがあり、出血の危険性が増大するおそれがある。
投与しないこと。出血の危険性が増大するおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
抗凝固剤
これらの薬剤との併用により、出血の危険性を増大させるおそれがある。
相互に抗血栓作用を増強することが考えられる。
血栓溶解剤
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
,
これらの薬剤との併用により、出血の危険性を増大させるおそれがある。併用については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断すること。抗血小板剤2剤との併用時には、出血リスクが特に増大するおそれがあるため、本剤との併用についてはさらに慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、これらの薬剤と併用すること。
非ステロイド性消炎鎮痛剤
これらの薬剤と本剤の併用については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断すること。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
P糖蛋白阻害作用を有する薬剤
,,,,,,,
本剤の血中濃度を上昇させ、出血の危険性を増大させるおそれがある。
P糖蛋白を阻害することにより、本剤のバイオアベイラビリティを上昇させると考えられる。
消化管出血(1.3%)、頭蓋内出血(0.3%)、眼内出血(0.2%)、創傷出血(0.1%未満)、後腹膜出血(頻度不明)等の重大な出血があらゆる組織及び器官に生じることがあり、死亡に至った症例も報告されている。臨床的に問題となる出血又は出血の増悪がみられた場合には投与を中止すること。
経口抗凝固薬の投与後に急性腎障害があらわれることがある。経口抗凝固薬投与後の急性腎障害の中には、血尿を認めるもの、腎生検により尿細管内に赤血球円柱を多数認めるものが報告されている1),2)。
AST、ALTの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
血痰、肺胞出血を伴う場合もある。咳嗽、息切れ、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
1~10%未満
1%未満
頻度不明
血液
貧血
血小板数増加、好酸球増多
出血傾向
鼻出血、血尿(尿中血陽性等)、皮下出血、挫傷、創傷出血
月経過多、関節内血腫
肝臓
肝機能異常
γ-GTP上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇、AST上昇、ALP上昇、LDH上昇
精神神経系
頭痛
浮動性めまい
消化器
下痢
悪心、腹痛
過敏症
発疹、そう痒
血管浮腫、蕁麻疹
その他
浮腫、尿酸上昇、トリグリセリド上昇、発熱
本剤を過量投与した場合、出血性の合併症を引き起こすおそれがある。
本剤は血液透析により除去されにくい3)。症状に応じて、外科的止血、血液製剤(濃厚赤血球輸血、新鮮凍結血漿輸注)等の適切な治療の開始を検討すること。
海外において実施された3抗体(ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体、抗β2グリコプロテインI抗体)のいずれもが陽性で、血栓症の既往がある抗リン脂質抗体症候群患者を対象とした直接作用型経口抗凝固薬(リバーロキサバン)とワルファリンの非盲検無作為化試験において、血栓塞栓性イベントの再発が、ワルファリン群61例では認められなかったのに対し、リバーロキサバン群では59例中7例に認められたとの報告がある4)。
健康成人男性24例にエドキサバンOD錠60mg 1錠(水なし又は水で服用)又はエドキサバン錠60mg 1錠(水で服用)を、クロスオーバー法で空腹時単回経口投与して薬物動態パラメータを比較した。Cmax及びAUC0-48hの幾何最小二乗平均値の比の両側90%信頼区間は、いずれも0.80~1.25の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された。エドキサバンOD錠15mg及びOD錠30mgは「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づき、標準製剤をエドキサバンOD錠60mgとしたとき、溶出挙動は同等と判定され、生物学的に同等とみなされた5)。
剤形
n
Cmax(ng/mL)
Tmax注4)(h)
t1/2(h)
AUC0-48h(ng・h/mL)
OD錠60mg(水なしで服用)
22
355(26.8)
1.50(0.50~3.00)
6.41(30.9)
2,030(17.4)
OD錠60mg(水で服用)
23
348(23.0)
1.00(0.50~3.00)
6.21(29.2)
2,050(13.4)
錠60mg(水で服用)
316(27.8)
1.50(0.50~4.00)
6.70(36.5)
1,890(16.9)
幾何平均値(幾何CV%)
t1/2は投与後48時間までの血漿中濃度データに基づく
健康成人男性にエドキサバン30mgを空腹時単回経口投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。また、食後に投与したときCmaxは13%上昇したが、AUCに影響は認められなかった6)。
投与量
Tmax注5)(h)
AUC0-24h(ng・h/mL)
30mg
34
218.9(34.1)
1.0(0.5~3.0)
4.9(19.2)
1,187.0(21.7)
t1/2は投与後24時間までの血漿中濃度データに基づく
健康成人39例にエドキサバン30~150mg注)を単回経口投与したとき、Cmax及びAUCは概ね投与量に比例して上昇した。投与後72時間までの血漿中濃度データに基づくt1/2は10~14時間であった(外国人データ)。
健康成人男性9例にエドキサバン120mg注)を8日間反復経口投与したとき、蓄積性は認められなかった7)。
健康成人35例にエドキサバン60mgを経口投与した際の絶対的バイオアベイラビリティは61.8%であった(外国人データ)。
健康成人男性18例にエドキサバン90mg及び120mg注)を単回経口投与したとき、投与2、6及び12時間後のex vivo血漿蛋白結合率は40.0~58.9%であった(外国人データ)。
健康成人男性35例にエドキサバン30mgを単回静脈内投与したとき、本剤の分布容積は107Lであった(外国人データ)。
エドキサバンはカルボキシエステラーゼ1による加水分解、抱合及びCYP3A4による代謝を受け、CYP3A4による代謝は投与量の10%未満であった(外国人データ)。
健康成人男性35例にエドキサバン30mgを単回静脈内投与したとき、全身クリアランスは21.8L/hであり、その約50%(10.7L/h)が腎クリアランスであった。健康成人男性6例にエドキサバン60mgを単回経口投与したマスバランス試験において、投与後168時間までに投与された放射能の35.4%及び62.2%が、それぞれ尿中及び糞中へ排泄され、その大部分(それぞれ23.8%、49.1%)はエドキサバンであった。血漿中にも主にエドキサバンとして存在した(外国人データ)。
健康高齢男性4例にエドキサバン90mg注)を1日1回8日間反復経口投与したとき、健康成人男性と比較しAUCtauは33%高値を示した(外国人データ)。
腎機能障害患者24例にエドキサバン15mgを単回経口投与したとき、クレアチニンクリアランス(CLcr)の低下に伴いt1/2の遅延とAUC0-infの上昇が認められた8)(外国人データ)。,
パラメータ
腎機能障害程度(CLcr:mL/min)
CLcr>80
80≧CLcr≧50(軽度)
50>CLcr≧30(中等度)
30>CLcr(高度)
腹膜透析
81.2(31.7)
104(46.7)
108(38.5)
87.4(34.1)
91.7(57.0)
C24h(ng/mL)
2.34(28.1)
3.44(62.5)
5.90(38.4)
6.88(36.2)
8.24(53.9)
AUC0-inf(ng・h/mL)
443(22.3)
620(24.5)
794(25.6)
835(25.1)
963(42.5)
t1/2注6)(h)
8.60(3.83)
8.15(2.82)
9.44(2.12)
16.9(10.4)
12.2(5.29)
CL/F(mL/min)
564(22.3)
403(24.5)
315(25.6)
299(25.1)
260(42.5)
CLR(mL/min)
197(16.5)
121(37.8)
67.4注7)(37.8)
32.5(49.3)
幾何平均値(幾何CV%)、n=8
高度腎機能障害(15mL/min≦CLcr<30mL/min)を有する非弁膜症性心房細動患者での定常状態でのAUCとCmaxは、腎機能正常又は軽度腎機能障害(50mL/min≦CLcr)を有する非弁膜症性心房細動患者に同じ用量を投与したときと比べて、それぞれ2倍、1.6倍と推定された9)。
軽度及び中等度の肝機能障害患者16例にエドキサバン15mgを単回経口投与したとき、健康成人と比較し薬物動態に大きな差異は認められなかった10)(外国人データ)。
エドキサバンは臨床用量で想定される血漿中濃度で主要なヒトCYP分子種を阻害あるいは誘導しなかった。エドキサバンはP糖蛋白の基質であることが示唆された。(in vitro試験データ)
ジゴキシン(0.25mg/日)とエドキサバン(60mg/日)を併用したとき、ジゴキシン及びエドキサバンの薬物動態への影響はわずかであった(外国人データ)。
ケトコナゾール(400mg/日、経口剤:国内未承認)とエドキサバン60mgを併用したとき、エドキサバンのCmax及びAUCは、ともに1.9倍に上昇した(外国人データ)。,,
キニジン(300mg×3/日)とエドキサバン60mgを併用したとき、エドキサバンのCmax及びAUCは、それぞれ1.9倍、1.8倍に上昇した(外国人データ)。,,
ベラパミル(240mg/日)とエドキサバン60mgを併用したとき、エドキサバンのCmax及びAUCは、ともに1.5倍に上昇した(外国人データ)。,,
エリスロマイシン(500mg×4/日)とエドキサバン60mgを併用したとき、エドキサバンのCmax及びAUCは、それぞれ1.7倍、1.9倍に上昇した(外国人データ)。,,
シクロスポリン(500mg/日)とエドキサバン60mgを併用したとき、エドキサバンのCmax及びAUCは、ともに1.7倍に上昇した(外国人データ)。,,
アミオダロン(400mg/日)とエドキサバン60mgを併用したとき、エドキサバンのCmax及びAUCは、それぞれ1.7倍、1.4倍に上昇した(外国人データ)。,,
リファンピシン(600mg/日)とエドキサバン60mgを併用したとき、エドキサバンのAUCは約34%低下したが、PT及びAPTTには影響が認められなかった(外国人データ)。
アスピリン(100mg/日あるいは325mg/日)とエドキサバン60mgを併用したとき、単独投与時に比べて出血時間が1.3~1.6倍に延長した(外国人データ)。
ワルファリンナトリウム(国内未承認)を反復経口投与しPT-INRが2.0~3.0となるように調整後、ワルファリン最終投与の24時間後にエドキサバン60mg 1日1回投与に切り替えたとき、エドキサバン投与1時間後にPT-INRは投与前の2.31(算術平均)から3.83まで上昇したが、24時間後にはプラセボ群と同程度(1.81)まで低下した。なお、薬物動態学的な相互作用は認められなかった(外国人データ)。
注)本剤の承認用量は15mg、30mg及び60mgである。
日本を含む国際共同第Ⅲ相二重盲検試験において、心房細動患者(有効性評価21,105例、安全性評価21,026例)に、エドキサバン30mg(低用量群、減量基準注8)を満たす患者では15mg)又は60mg(高用量群、減量基準注8)を満たす患者では30mg)、もしくは対照薬としたワルファリンナトリウムを1日1回経口投与した。観察期間の中央値は2.8年であった。主要評価項目とした脳卒中又は全身性塞栓症の発現率について、対照薬群に対する各エドキサバン群の非劣性が検証された11)。
エンドポイント
イベント発現例数/被験者数(年間発現率)
ワルファリン群に対するハザード比(信頼区間)
エドキサバン低用量群注9)
エドキサバン高用量群
ワルファリン群
脳卒中又は全身性塞栓症注10)
253/7,002(1.61%)
182/7,012(1.18%)
232/7,012(1.50%)
1.07注13)(0.87-1.31)注14)
0.79注13)(0.63-0.99)注14)
虚血性脳卒中注10)
226/7,002(1.43%)
135/7,012(0.87%)
144/7,012(0.93%)
1.54(1.25-1.90)注15)
0.94(0.75-1.19)注15)
出血性脳卒中注10)
18/7,002(0.11%)
40/7,012(0.26%)
76/7,012(0.49%)
0.23(0.14-0.39)注15)
0.53(0.36-0.78)注15)
全身性塞栓症注10)
11/7,002(0.07%)
8/7,012(0.05%)
13/7,012(0.08%)
0.83(0.37-1.85)注15)
0.62(0.26-1.50)注15)
心血管死注11)
527/7,034(2.71%)
530/7,035(2.74%)
611/7,036(3.17%)
0.85(0.76-0.96)注15)
0.86(0.77-0.97)注15)
全死亡注11)
737/7,034(3.80%)
773/7,035(3.99%)
839/7,036(4.35%)
0.87(0.79-0.96)注15)
0.92(0.83-1.01)注15)
重大な心血管系イベント注16)、注11)
913/7,034(4.90%)
827/7,035(4.41%)
926/7,036(4.98%)
0.98(0.87-1.11)注17)
0.89(0.78-1.00)注17)
非致死性心筋梗塞注11)
148/7,034(0.78%)
117/7,035(0.62%)
125/7,036(0.66%)
1.18(0.93-1.49)注15)
0.93(0.72-1.20)注15)
大出血注12)
254/7,002(1.61%)
418/7,012(2.75%)
524/7,012(3.43%)
0.47(0.41-0.55)注15)
0.80(0.71-0.91)注15)
試験終了時、PT-INRが2.0以上で安定するまでワルファリンと本剤30mg(本剤を減量している患者では15mg)1日1回を併用してエドキサバン高用量群からワルファリンへ切り替えた際、切り替えから30日間の脳卒中又は全身性塞栓症の発現率は、ワルファリン群と同程度であった。副作用発現頻度は、エドキサバン高用量群で28.9%(2,024/7,012例)であった。主な副作用は、鼻出血6.2%(434/7,012例)、血尿3.5%(247/7,012例)であった。日本人集団(有効性評価1,010例、安全性評価1,010例)では次の成績が得られ、有効性・安全性ともに試験全体の成績と同様の傾向が認められた。
ワルファリン群に対するハザード比(95%信頼区間)
エドキサバン低用量群注18)
脳卒中又は全身性塞栓症注19)
18/337(2.24%)
12/336(1.47%)
13/337(1.56%)
1.46(0.65-3.31)
0.95(0.39-2.34)
大出血注20)
14/337(1.74%)
27/336(3.38%)
33/337(4.03%)
0.44(0.24-0.82)
0.84(0.51-1.40)
副作用発現頻度は、エドキサバン高用量群で49.7%(167/336例)であった。主な副作用は、鼻出血8.6%(29/336例)、血尿5.7%(19/336例)であった。
国内で実施した第Ⅲ相二重盲検試験において、80歳以上で出血リスクが高く注21)既存の経口抗凝固薬を承認された用法及び用量注22)で投与することが困難な非弁膜症性心房細動患者(有効性評価984例、安全性評価982例)に、エドキサバン15mg又はプラセボを1日1回経口投与した。観察期間の中央値は1.3年であった。主要評価項目とした脳卒中又は全身性塞栓症の発現率について、エドキサバン群の優越性が検証された12)。
ハザード比(95%信頼区間)
エドキサバン群
プラセボ群
脳卒中又は全身性塞栓症注23)
15/492(2.3%)
44/492(6.7%)
0.34(0.19-0.61)
大出血注24)
20/492(3.3%)
11/490(1.8%)
1.87(0.90-3.89)
副作用発現頻度は、エドキサバン群で11.4%(56/492例)であった。主な副作用は、貧血3.3%(16/492例)、尿中血陽性1.2%(6/492例)であった。
日本を含む国際共同第Ⅲ相二重盲検試験において、急性症候性静脈血栓塞栓症患者(有効性評価8,240例、安全性評価8,240例)に、ヘパリンによる初期治療注25)後、エドキサバン60mg(減量基準注26)を満たす患者では30mg)又は対照薬としたワルファリンナトリウムを1日1回、3~12ヵ月間経口投与した注27)。主要評価項目とした無作為割付後12ヵ月間での症候性静脈血栓塞栓症の再発(深部静脈血栓症、非致死性肺塞栓症、致死性肺塞栓症の複合エンドポイント)について、対照薬群に対するエドキサバン群の非劣性が検証された13)。
イベント発現例数/被験者数(発現率)
症候性VTE再発注28)
130/4,118(3.2%)
146/4,122(3.5%)
0.89注30)(0.70-1.13)
83/2,468(3.4%)
81/2,453(3.3%)
1.02(0.75-1.38)
47/1,650(2.8%)
65/1,669(3.9%)
0.73(0.50-1.06)
大出血又は臨床的に重要な出血注29)
349/4,118(8.5%)
423/4,122(10.3%)
0.81(0.71-0.94)
VTE:静脈血栓塞栓症、DVT:深部静脈血栓症、PE:肺塞栓症
副作用発現頻度は、エドキサバン群で25.0%(1,029/4,118例)であった。主な副作用は、鼻出血3.3%(134/4,118例)、月経過多2.1%(85/4,118例)であった。なお、日本人集団(有効性評価209例、安全性評価209例)では次に示す成績が得られた。
症候性VTE再発注31)
5/106(4.7%)
5/103(4.9%)
1.00(0.28-3.66)
大出血又は臨床的に重要な出血注32)
11/106(10.4%)
16/103(15.5%)
0.67(0.31-1.47)
VTE:静脈血栓塞栓症
副作用発現頻度は、エドキサバン群で49.1%(52/106例)であった。主な副作用は、肝酵素上昇7.5%(8/106例)であった。
国内で実施した第Ⅲ相単盲検医師主導治験において、慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者(有効性評価72例、安全性評価74例)に、エドキサバン60mg(減量基準注33)を満たす患者では30mg)又は対照薬としたワルファリンカリウムを1日1回、12ヵ月間経口投与した注34)。本試験は、ワルファリンによる抗凝固療法が安定して継続されている患者を対象とした注35)。主要評価項目としたベースラインに対する無作為割付1年後の安静時の肺血管抵抗比について、対照薬群に対するエドキサバン群の非劣性が検証された14)。大出血又は臨床的に重要な出血の発現率に、投与群間で明らかな違いは認められなかった。
ベースラインの平均値(標準偏差)(例数)
2.406(1.003)(36)
2.597(1.127)(36)
投与1年後の平均値(標準偏差)(例数)
2.274(0.932)(36)
2.582(0.941)(34)
安静時肺血管抵抗比(対数変換値)の最小二乗平均値注37)(例数)[95%信頼区間]
-0.069(36)[-0.149~0.010]
0.014(34)[-0.068~0.096]
安静時肺血管抵抗比(対数変換値)の最小二乗平均の群間差[95%信頼区間]
-0.083[-0.198~0.031]注36)
大出血又は臨床的に重要な出血注38)イベント発現例数/被験者数(発現率)
1/37(2.7%)
2/37(5.4%)
副作用発現頻度は、エドキサバン群で27.0%(10/37例)であった。主な副作用は、歯肉出血8.1%(3/37例)、鼻出血5.4%(2/37例)であった。
日本及び台湾で実施した第Ⅲ相二重盲検試験において、人工膝関節全置換術施行患者(有効性評価594例、安全性評価703例)に、エドキサバン30mgを1日1回、11~14日間経口投与、又は対照薬としたエノキサパリン2,000IUを1日2回、11~14日間皮下注射した。静脈血栓塞栓症の発現率について、対照薬群に対するエドキサバン群の非劣性が検証された。大出血又は臨床的に重要な出血の発現率には、投与群間の有意な差は認められなかった。エドキサバン群で大出血は4例に発現し、その内訳は、ヘモグロビン量が2g/dLを超えて低下した症例が3例、4単位を超える輸血を必要とし、かつ、ヘモグロビン量が2g/dLを超えて低下した症例が1例であった15)。
エノキサパリン群
全体集団
静脈血栓塞栓症発現率(例数)[95%信頼区間]
7.4%(22/299)[4.9~10.9]
13.9%(41/295)[10.4~18.3]
静脈血栓塞栓症発現率の群間差[95%信頼区間]
-6.5%[-11.6~-1.6]
大出血又は臨床的に重要な出血の発現率(例数)[95%信頼区間]
6.2%(22/354)[4.1~9.2]
3.7%(13/349)[2.2~6.3]
日本人集団
7.3%(20/273)[4.8~11.0]
12.2%(33/270)[8.8~16.7]
-4.9%[-10.0~0.1]
6.2%(20/323)[4.0~9.4]
4.0%(13/323)[2.4~6.8]
非劣性の許容限界値は5%と設定した。
副作用発現頻度は、エドキサバン群で38.1%(135/354例)であった。主な副作用は、γ-GTP上昇8.8%(31/354例)、皮下出血6.2%(22/354例)であった。
国内で実施した第Ⅲ相二重盲検試験において、人工股関節全置換術施行患者(有効性評価503例、安全性評価604例)に、エドキサバン30mgを1日1回、11~14日間経口投与、又は対照薬としたエノキサパリン2,000IUを1日2回、11~14日間皮下注射した。静脈血栓塞栓症の発現率について、対照薬群に対するエドキサバン群の非劣性が検証された。大出血又は臨床的に重要な出血の発現率には、投与群間の有意な差は認められなかった。エドキサバン群で大出血は2例に発現し、いずれもヘモグロビン量が2g/dLを超えて低下した症例であった16)。
2.4%(6/255)[1.1~5.0]
6.9%(17/248)[4.3~10.7]
-4.5%[-8.6~-0.9]
2.6%(8/303)[1.3~5.1]
3.7%(11/301)[2.1~6.4]
非劣性の許容限界値は8%と設定した。
副作用発現頻度は、エドキサバン群で39.9%(121/303例)であった。主な副作用は、γ-GTP上昇12.5%(38/303例)、ALT上昇8.3%(25/303例)であった。
国内で実施した第Ⅲ相試験において、股関節骨折手術施行患者(有効性評価73例、安全性評価88例)に、オープンラベルでエドキサバン30mgを1日1回、11~14日間経口投与、もしくはエノキサパリン2,000IUを1日2回、11~14日間皮下注射した。静脈血栓塞栓症の発現率と、大出血又は臨床的に重要な出血の発現率は、次のとおりであった。エドキサバン群で大出血は1例に発現し、ヘモグロビン量が2g/dLを超えて低下した症例であった17)。
エノキサパリン群注39)
6.5%(3/46)[2.2~17.5]
3.7%(1/27)[0.7~18.3]
3.4%(2/59)[0.9~11.5]
6.9%(2/29)[1.9~22.0]
副作用発現頻度は、エドキサバン群で37.3%(22/59例)であった。主な副作用は、尿中血陽性6.8%(4/59例)であった。
エドキサバンはin vitroでヒトの活性化血液凝固第X因子(FXa)を競合的かつ選択的に阻害した。トロンビンなど、他の凝固関連因子のセリンプロテアーゼに対する阻害活性は弱かった18)。
エドキサバンはin vitroでヒト血漿におけるPT、APTT及びトロンビン時間(TT)を延長した。その凝固時間延長作用の強さはPT>APTT>TTの順であった18)。
ラットの静脈血栓モデル、静脈うっ血血栓モデル、動静脈シャントモデル及び組織因子誘発DICモデルにおいて、エドキサバンは単回経口投与により用量依存的に血栓形成を抑制した。ラット静脈血栓モデルにおいて、エドキサバンは抗血栓作用を示す用量でAPTTに影響せずにPTを延長した19)。
ラット尾出血モデルにおいて、抗血栓用量よりも高い用量のエドキサバン、ワルファリン及びエノキサパリンは出血時間を有意に延長した。出血時間2倍延長用量(BT2)とラットの静脈血栓モデルにおける血栓形成50%抑制用量(ED50)との比(BT2/ED50)は、エドキサバンが10.5より大きく、エノキサパリンは3.4であった20)。
ヒト血漿でのエドキサバンによるin vitro PT延長作用は、遺伝子組換え活性化血液凝固第Ⅶ因子、血液凝固因子抗体迂回活性複合体及び血液凝固第Ⅸ因子複合体により抑制された21)。
エドキサバントシル酸塩水和物(Edoxaban Tosilate Hydrate)
N-(5-Chloropyridin-2-yl)-N'-[(1S,2R,4S)-4-(dimethylcarbamoyl)-2-(5-methyl-4,5,6,7-tetrahydro[1,3]thiazolo[5,4-c]pyridine-2-carboxamido)cyclohexyl]oxamide mono(4-methylbenzenesulfonate)monohydrate
C24H30ClN7O4S・C7H8O3S・H2O
738.27
白色~微黄白色の粉末である。
約249℃(分解)
1-オクタノール/Britton-Robinson緩衝液(pH4.0);-0.911-オクタノール/Britton-Robinson緩衝液(pH8.0);1.72
1) Brodsky S, et al.:J Am Soc Nephrol. 2018;29(12):2787-2793
2) Zakrocka I, et al.:Adv Clin Exp Med. 2022;31(2):165-173
3) 社内資料:血液透析患者における薬物動態(リクシアナ錠 2014年9月26日承認、CTD2.7.6.3)
4) Pengo V, et al.:Blood 2018;132(13):1365-1371
5) 社内資料:エドキサバンOD錠とエドキサバン錠の生物学的同等性試験
6) 社内資料:健康成人男性を対象とした単回投与試験(リクシアナ錠 2011年4月22日承認、CTD2.7.6.1)
7) 社内資料:健康成人男性を対象とした反復投与試験(リクシアナ錠 2011年4月22日承認、CTD2.7.6.5)
8) 社内資料:腎機能障害患者における薬物動態(リクシアナ錠 2011年4月22日承認、CTD2.7.6.10)
9) 社内資料:高度腎機能障害を有する非弁膜症性心房細動患者を対象とした第Ⅲ相試験成績(リクシアナ錠 2014年9月26日承認、CTD2.7.6.15)
10) 社内資料:肝機能障害患者における薬物動態(リクシアナ錠 2011年4月22日承認、CTD2.7.6.38)
11) 社内資料:心房細動患者を対象とした第Ⅲ相国際共同試験成績(ENGAGE AF-TIMI 48)(リクシアナ錠 2014年9月26日承認、CTD2.7.6.11)
12) 社内資料:出血リスクが高い高齢心房細動患者を対象とした第Ⅲ相試験成績(ELDERCARE-AF)
13) 社内資料:急性症候性静脈血栓塞栓症患者を対象とした第Ⅲ相国際共同試験成績(Hokusai-VTE)(リクシアナ錠 2014年9月26日承認、CTD2.7.6.16)
14) **社内資料:慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者における第Ⅲ相試験成績(KABUKI)
15) 社内資料:人工膝関節全置換術施行患者における第Ⅲ相試験成績(リクシアナ錠 2011年4月22日承認、CTD2.7.6.26)
16) 社内資料:人工股関節全置換術施行患者における第Ⅲ相試験成績(リクシアナ錠 2011年4月22日承認、CTD2.7.6.27)
17) 社内資料:股関節骨折手術施行患者における第Ⅲ相試験成績(リクシアナ錠 2011年4月22日承認、CTD2.7.6.30)
18) 社内資料:エドキサバンのXa酵素阻害作用(リクシアナ錠 2011年4月22日承認、CTD2.6.2.2)
19) 社内資料:ラット各種血栓モデルにおける抗血栓作用(リクシアナ錠 2011年4月22日承認、CTD2.6.2.2)
20) 社内資料:出血時間に及ぼす影響(リクシアナ錠 2011年4月22日承認、CTD2.6.2.3)
21) 社内資料:血液凝固因子製剤による抗凝固活性のリバース(リクシアナ錠 2011年4月22日承認、CTD2.6.2.3)
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