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劇薬
処方箋医薬品注)
中毒性メトヘモグロビン血症
通常、生後3ヵ月を過ぎた乳幼児、小児及び成人には、メチルチオニニウム塩化物水和物として1回1~2mg/kgを5分以上かけて静脈内投与する。投与1時間以内に症状が改善しない場合は、必要に応じ、同量を繰り返し投与できるが、累積投与量は最大7mg/kgまでとする。通常、新生児及び生後3ヵ月以下の乳児には、メチルチオニニウム塩化物水和物として1回0.3~0.5mg/kgを5分以上かけて静脈内投与する。投与1時間以内に症状が改善しない場合は、必要に応じ、同量を繰り返し投与できる。
生後3ヵ月を過ぎた乳幼児、小児及び成人におけるアニリン又はジアフェニルスルホンによるメトヘモグロビン血症の場合の累積投与量は最大4mg/kgまでとする。,
本剤による効果が認められない場合、チトクロームb5還元酵素欠損症又はスルフヘモグロビン血症等の可能性が考えられるため、他の治療法への切り替えを考慮すること。
溶血を起こしやすい。,
低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。本剤の主たる排泄経路は腎臓であるため、腎機能障害の悪化又は本剤の排泄遅延による副作用発現のおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。適応外であるが、羊膜内投与で胎児の小腸閉鎖症、死亡が報告されている1),2)。また、動物実験(マウス)で催奇形性及び胎児の死亡増加が報告されている3)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
繰り返し投与を行う場合は、特に注意すること。本剤によりメトヘモグロビン血症の増悪や溶血を起こしやすい。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤
セロトニン作動薬との併用により、セロトニン症候群があらわれるおそれがある。本剤の低用量からの投与開始を考慮すること。
本剤のモノアミン酸化酵素阻害作用によりセロトニン作用が増強される。
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
三環系抗うつ剤
ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ剤
オピオイド系薬剤
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
これらの薬剤との併用により、セロトニン症候群があらわれるおそれがある。本剤の低用量からの投与開始を考慮すること。
グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症もしくはNADPH還元酵素欠損症である可能性又は投与量が過剰となっているおそれがある。,
腎機能障害があらわれることがある。
頻度不明
精神神経系
錯乱状態、激越、浮動性めまい、頭痛、不安、振戦、失語症
過敏症
蕁麻疹
消化器
腹痛、悪心、嘔吐、変色便(青緑色)
循環器
胸痛、不整脈、頻脈、高血圧、低血圧
呼吸器
呼吸困難、頻呼吸、低酸素症
腎臓・泌尿器
排尿困難、腎機能障害、着色尿(青緑色)
肝臓
高ビリルビン血症
血液
ヘモグロビン減少
眼
散瞳
投与部位(適用部位)
注射部位の局所組織壊死
その他
発熱、発汗、皮膚変色(青色)
本剤の投与により、パルスオキシメーターによる血中酸素飽和度の測定において、血中酸素飽和度が見かけ上低値を示すことがあるので注意すること。
メトヘモグロビン血症を誘発し、チアノーゼ、呼吸困難、溶血性貧血等の症状があらわれることがある。
酸素吸入、輸血等の適切な処置を行うこと。なお、重度の溶血性貧血の場合は血液透析等を考慮すること。
血管外に本剤が漏出した場合に、注射部位に皮膚壊死等が起こる可能性があるため、薬液が血管外に漏れないよう慎重に投与すること。
健康成人12名にメチルチオニニウム塩化物水和物を1mg/kgの用量で約5分間かけて単回静脈内注射した場合の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは、次のとおりであった9)(外国人データ)。
投与量
n
t1/2(hr)
AUC0-∞(ng・hr/mL)
1mg/kg
12
17.5
3069.4
ヒト血漿蛋白結合率は平衡透析法で94%であった10)(in vitro)。
ラットにメチルチオニニウム塩化物水和物10mg/kgを単回静脈内投与したとき、投与1時間後における組織中メチルチオニニウム塩化物濃度は胆汁、脳、肝臓で高く、いずれも血液中よりも高かった11)。
健康成人(19~53歳)7例にメチルチオニニウム塩化物水和物100mgを単回静脈内注射した結果、投与後24時間までのメチルチオニニウム塩化物(還元型を含む)の累積尿中排泄率は28.6%であった12)(外国人データ)。
本剤はヒト肝臓由来MAO(モノアミン酸化酵素)Aに対する阻害作用を有し、Ki値は27nMであった13)(in vitro)。
有効性評価対象症例41例におけるメトヘモグロビン濃度は、以下のとおりであった。安全性評価対象症例46例における副作用発現割合は10.9%(5/46例)で、その内訳は溶血性貧血6.5%(3/46例)、発疹及び前立腺炎各2.2%(1/46例)であった14)。
本剤投与前
本剤投与後注2)
変化量
中央値
26.00
1.20
-22.70
平均値±標準偏差
32.44±23.870
1.97±2.967
-30.48±23.985
赤血球において、NADPH還元酵素存在下でメチルチオニニウム塩化物(メチレンブルー)より生成したロイコメチレンブルーが、メトヘモグロビンをヘモグロビンに還元して、メトヘモグロビン血症を改善する15),16)。
メトヘモグロビン血症を誘発させたイヌにメチルチオニニウム塩化物を静脈内注射すると、血中メトヘモグロビン濃度の低下、あるいは正常化が認められた17),18),19),20)。
メチルチオニニウム塩化物水和物(Methylthioninium Chloride Hydrate)
3,7-Bis(dimethylamino)phenothiazin-5-ium chloride hydrate
C16H18ClN3S・xH2O
319.85(脱水物として)
金属光沢のある暗青色又は暗緑色の結晶性の粉末である。水又はエタノールに溶けにくい。
0.06(pH7.4、1-オクタノール/リン酸緩衝生理食塩水)
注)本剤はメチルチオニニウム塩化物水和物を三水和物として50.0mg含む。
10mL 1アンプル
1) Kidd SA, et al.:Prenat Diagn. 1996;16(1):39-47
2) van der Pol JG, et al.:Br J Obstet Gynaecol. 1992;99(2):141-143
3) Tiboni GM, et al.:Teratology 2001;64(4):213-220
4) 社内資料:本剤の細菌を用いた復帰突然変異試験(2014年12月26日承認、CTD2.6.6.4)
5) 社内資料:メチレンブルー試薬(Methylene Blue Cooper Officinal)の細菌を用いた復帰突然変異試験(2014年12月26日承認、CTD2.6.6.4)
6) 社内資料:メチレンブルー試薬(Methylene Blue Alfa Aesar)の細菌を用いた復帰突然変異試験(2014年12月26日承認、CTD2.6.6.4)
7) National Toxicology Program.:2008 May. Report No.:NTP TR540. NIH Publication No.:08-4429
8) Coddington CC, et al.:Fertil Steril. 1989;51(3):480-485
9) 社内資料:メチレンブルー注射剤USP品を健康成人に単回静脈内投与したときの安全性、忍容性及び薬物動態を評価する第Ⅰ相試験
10) 社内資料:本剤とメチレンブルー注射剤USP品のヒト血漿蛋白結合試験
11) 社内資料:ラット単回静脈内投与後の組織分布(2014年12月26日承認、CTD2.6.4.4)
12) Peter C, et al.:Eur J Clin Pharmacol. 2000;56(3):247-250
13) 社内資料:ヒトのモノアミン酸化酵素に対する阻害作用(2014年12月26日承認、CTD2.7.2.2)
14) **社内資料:使用成績調査(2024年9月25日通知、再審査申請資料概要1.4.2、1.5.1)
15) 田勢長一郎:救急医学 1993;17:74-75
16) Umbreit J.:Am J Hematol. 2007;82(2):134-144
17) Marrs TC, et al.:Hum Toxicol. 1989;8(5):359-364
18) Kiese M, et al.:Eur J Clin Pharmacol. 1972;4(2):115-118
19) Toothill C.:Br J Anaesth. 1967;39(5):405-412
20) Wray JD.:J Small Anim Pract. 2008;49(4):211-215
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