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生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人にはデノスマブ(遺伝子組換え)として120mgを4週間に1回、皮下投与する。
通常、デノスマブ(遺伝子組換え)として120mgを第1日、第8日、第15日、第29日、その後は4週間に1回、皮下投与する。
低カルシウム血症が発現又は増悪するおそれがある。
気胸が発現するおそれがある。
低カルシウム血症を起こすおそれがある。本剤の第Ⅲ相臨床試験では、クレアチニンクリアランス値が30mL/min未満の重度腎疾患患者及び透析の必要な末期腎不全患者は対象から除外されている。,
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び最終投与後一定期間は適切な避妊法を用いるよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験では、サルに妊娠20日から分娩時まで本剤(50mg/kg/4週)を皮下投与した結果、死産の増加、出生児の分娩後死亡の増加、骨・歯の異常、末梢リンパ節の欠損が認められた。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有用性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は不明であるが、ヒトIgGは乳汁中に移行することが報告されている。
一般に、生理機能が低下していることが多い。
QT延長、痙攣、テタニー、しびれ、失見当識等の症状を伴う低カルシウム血症があらわれることがあり、死亡に至った例が報告されている。低カルシウム血症が認められた場合には、カルシウム及びビタミンDの経口投与に加えて、緊急を要する場合には、カルシウムの点滴投与を併用するなど、適切な処置を速やかに行うこと。,,
重篤な蜂巣炎等の皮膚感染症があらわれることがあるので、発赤、腫脹、疼痛、発熱等の症状が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
1%以上
1%未満
頻度不明
血液
貧血
白血球減少、血小板減少
*皮膚
発疹、そう痒症、皮膚乾燥、脱毛症、多汗症、湿疹
扁平苔癬
代謝
低リン酸血症
高カルシウム血症、低マグネシウム血症
精神神経系
頭痛
めまい、不眠症、錯感覚、味覚異常、感覚鈍麻、嗜眠、末梢性感覚ニューロパチー、錯乱
循環器
高血圧、動悸、心不全、不整脈
呼吸器
呼吸困難、咳嗽、口腔咽頭痛、気胸
消化器
悪心、下痢、食欲減退、嘔吐、便秘、歯の障害(歯痛、歯膿瘍等)
腹痛、歯肉障害(歯肉痛、歯肉炎等)、消化不良、口内乾燥、鼓腸、口内炎
筋骨格系
関節痛、筋肉痛、骨痛、背部痛、顎痛、四肢痛
筋骨格痛、筋痙縮、頸部痛、脊椎痛
肝臓
ALT上昇、AST上昇、ALP上昇
腎臓
血中クレアチニン増加
腎機能障害
その他
疲労、無力症、発熱、注射部位反応(疼痛、そう痒感、血腫等)
インフルエンザ様疾患、疼痛、末梢性浮腫、体重減少、胸痛、ほてり、悪寒、上気道感染、倦怠感、尿路感染、視力障害、粘膜の炎症、体重増加、骨髄炎、流涙増加、白内障、薬物過敏症
冷蔵保存(2~8℃)下から室温に戻した後、使用すること。
臨床試験において、3,508例中15例(0.4%)で本剤に対する結合抗体が認められたが、中和抗体の産生は認められなかった。
投与量(mg)
n
Cmax(ng/mL)
Tmax注4)(日)
AUC0-t(μg・日/mL)
t1/2,β(日)
60
6
7,730±3,130
8(7〜28)
351±144
24.7±2.44注5)
180
31,100±14,900
10(4〜28)
1,320±640
29.1±7.15注5)
mean±SD
投与量(mg/kg)
Tmax注6)(日)
0.03
99.6±25.8
7.00(7〜10)
2.06±0.53
0.1
492±166
12.0(7〜21)
15.2±6.7
0.3
1,910±658
14.0(7〜21)
84.3±20.1
1.0
8,690±2,170
14.0(10〜21)
481±131
3.0
27,400±7,880
14.0(14〜42)
1,790±650
健康な成人、低骨密度又は骨粗鬆症の閉経後女性及びがん患者に本剤を皮下投与したときの絶対バイオアベイラビリティは約62%であった5)(日本人及び外国人データ)注8)。
サルに125I標識した本剤1mg/kgを単回皮下投与したとき、組織中の放射活性は、投与部位と腋窩リンパ節を除き、血清中より低かった。血清に次いで鼠径リンパ節、脾臓、卵巣及び肺に高い放射活性が認められた6)。分布に関する明らかな性差は認められなかった7)。
本剤はヒトIgG2サブクラスに属するモノクローナル抗体であることから、他の免疫グロブリンと同様に生体内での異化により消失すると推察される6)。
サルに125I標識した本剤1mg/kgを単回皮下投与したとき、投与された放射能は投与後56日までに77.9%が尿中に排泄された6)。
骨転移を有する進行乳癌患者対象試験(日本が参加した国際共同試験)10)において、主要評価項目であるSRE(骨関連事象:病的骨折、骨への放射線治療、骨に対する外科的処置又は脊髄圧迫)の初回発現までの期間についてゾレドロン酸に対する本剤の非劣性の検証を主目的として検討した結果は次表のとおりであり、非劣性が検証された。このうち、国内症例は136例(デノスマブ群69例、ゾレドロン酸群67例)であった。なお、全ての患者に対して、治験期間中に高カルシウム血症が認められない限り、毎日少なくとも500mgのカルシウム及び400IUの天然型ビタミンDの補充が強く推奨された。
初回SREの発現
初回SRE発現までの期間
n/N(%)
中央値(日)
ハザード比(95%信頼区間)
p値
非劣性検定
優越性検定注12)
デノスマブ群注10)
315/1,026(30.7)
NE
0.82(0.71, 0.95)
<0.0001
0.0101
ゾレドロン酸群注11)
372/1,020(36.5)
806
n:発現例数、N:解析対象例数、NE:推定できず
副作用発現頻度は、デノスマブ群で32.3%(329/1,020例)であった。主な副作用は、関節痛4.3%、疲労3.7%、低カルシウム血症2.9%、悪心2.7%、下痢2.2%であった。低カルシウム血症の有害事象の発現頻度は、デノスマブ群で5.6%(57/1,020例)、ゾレドロン酸群で3.5%(35/1,013例)であり、うち重篤な低カルシウム血症の発現頻度は、デノスマブ群で0.5%(5/1,020例)、ゾレドロン酸群で0.2%(2/1,013例)であった。
骨転移を有するホルモン不応性(去勢抵抗性)前立腺癌患者対象試験11)において、主要評価項目であるSREの初回発現までの期間についてゾレドロン酸に対する本剤の非劣性の検証を主目的として検討した結果は次表のとおりであり、非劣性が検証された。なお、全ての患者に対して、治験期間中に高カルシウム血症が認められない限り、毎日少なくとも500mgのカルシウム及び400IUの天然型ビタミンDの補充が強く推奨された。
優越性検定注15)
デノスマブ群注13)
341/950(35.9)
629
0.0002
0.0085
ゾレドロン酸群注14)
386/951(40.6)
521
n:発現例数、N:解析対象例数
副作用発現頻度は、デノスマブ群32.0%(302/943例)であった。主な副作用は、低カルシウム血症7.3%、悪心3.2%、疲労3.1%、食欲減退2.9%、無力症2.2%であった。低カルシウム血症の有害事象の発現頻度は、デノスマブ群で12.8%(121/943例)、ゾレドロン酸群で5.8%(55/945例)であり、うち重篤な低カルシウム血症の発現頻度は、デノスマブ群で2.5%(24/943例)、ゾレドロン酸群で0.7%(7/945例)であった。
多発性骨髄腫又は骨転移を有する進行固形癌(乳癌及び前立腺癌を除く)患者対象試験12)において、主要評価項目であるSREの初回発現までの期間についてゾレドロン酸に対する本剤の非劣性の検証を主目的として検討した結果は次表のとおりであり、非劣性が検証された。なお、全ての患者に対して、治験期間中に高カルシウム血症が認められない限り、毎日少なくとも500mgのカルシウム及び400IUの天然型ビタミンDの補充が強く推奨された。
優越性検定注18)
デノスマブ群注16)
278/886(31.4)
625
0.84(0.71, 0.98)
0.0007
0.0619
ゾレドロン酸群注17)
323/890(36.3)
496
副作用発現頻度は、デノスマブ群22.3%(196/878例)であった。主な副作用は、低カルシウム血症7.2%、悪心1.9%、発熱0.9%であった。低カルシウム血症の有害事象の発現頻度は、デノスマブ群で10.8%(95/878例)、ゾレドロン酸群で5.8%(51/878例)であり、うち重篤な低カルシウム血症の発現頻度は、デノスマブ群で1.4%(12/878例)、ゾレドロン酸群で0.9%(8/878例)であった。
骨巨細胞腫患者を対象とした国内第Ⅱ相試験13)(デノスマブ120mgの皮下投与を、第1日、第8日、第15日、第29日、その後は4週間に1回、皮下投与)において認められた客観的奏効率(完全奏効又は部分奏効が認められた被験者の割合)は次表のとおりであった。なお、骨格が成熟した12歳以上かつ体重45kg以上の未成年の患者[放射線撮影で1つ以上の成熟した(閉鎖した骨端成長板を持つ)長骨が確認されている]が含まれていた。また、全ての患者に対して、治験期間中に高カルシウム血症が認められない限り、毎日少なくとも600mgのカルシウム及び400IUの天然型ビタミンDが補充された。,,
客観的奏効率注20)(完全奏効又は部分奏効が認められた被験者の割合)
n/N
%(95%信頼区間)
いずれかの評価基準による最良効果
15/17
88.2(63.6, 98.5)
6/17
35.3(14.2, 61.7)
14/17
82.4(56.6, 96.2)
12/17
70.6(44.0, 89.7)
・modified RECIST基準:CT/MRIをもとに腫瘍組織量を評価・modified EORTC基準:FDG-PETを用い代謝活性を評価・density/size基準:CT/MRIをもとに腫瘍サイズとHounsfield単位による密度を評価
n:客観的奏効が認められた例数、N:解析対象例数
副作用発現頻度は70.6%(12/17例)であった。主な副作用は、注射部位反応23.5%、発熱17.6%、倦怠感11.8%、歯周炎11.8%であった。低カルシウム血症の有害事象の発現頻度は5.9%(1/17例)であり、重篤な低カルシウム血症は認められなかった。
骨巨細胞腫患者を対象とした2つの海外第Ⅱ相試験14)(いずれもデノスマブ120mgの皮下投与を、第1日、第8日、第15日、第29日、その後は4週間に1回、皮下投与)において認められた客観的奏効率(完全奏効又は部分奏効が認められた被験者の割合)は次表のとおりであった。なお、骨格が成熟した12歳以上かつ体重45kg以上の未成年の患者[放射線撮影で1つ以上の成熟した(閉鎖した骨端成長板を持つ)長骨が確認されている]が含まれていた。また、全ての患者に対して、治験期間中に高カルシウム血症が認められない限り、毎日少なくとも500mgのカルシウム及び400IUの天然型ビタミンDの補充が強く推奨された。,,
客観的奏効率注22)(完全奏効又は部分奏効が認められた被験者の割合)
136/190
71.6(64.6, 77.9)
47/187
25.1(19.1, 32.0)
25/26
96.2(80.4, 99.9)
134/176
76.1(69.1, 82.2)
副作用発現頻度は49.0%(149/304例)であった。主な副作用は、疲労9.9%、頭痛9.9%、悪心7.6%、低リン酸血症4.6%等であった。低カルシウム血症の有害事象の発現頻度は4.9%(15/304例)であり、重篤な低カルシウム血症は認められなかった。
デノスマブは特異的かつ高い親和性でヒトRANKLに結合するヒト型IgG2モノクローナル抗体である。RANKLは膜結合型あるいは可溶型として存在し、骨吸収を司る破骨細胞及びその前駆細胞の表面に発現する受容体であるRANK注24)を介して破骨細胞の形成、機能及び生存を調節する必須の蛋白質である16)。多発性骨髄腫及び骨転移を有する固形癌の骨病変においては、RANKLによって活性化された破骨細胞が骨破壊の主要な因子である17)。デノスマブはRANK/RANKL経路を阻害し、破骨細胞の活性化を抑制することで骨吸収を抑制し18),19),20)、がんによる骨病変の進展を抑制すると考えられる。骨巨細胞腫においては、腫瘍中の間質細胞にRANKLが、破骨細胞様巨細胞にRANKが発現している21)。デノスマブはRANKLに結合し、破骨細胞様巨細胞による骨破壊を抑制し、骨巨細胞腫の進行を抑制すると考えられる22)。
カニクイザルにデノスマブを単回皮下投与すると、骨吸収マーカーである尿中Ⅰ型コラーゲン架橋N-テロペプチドが低下した。また、月1回の反復皮下投与により、投与期間中、尿中Ⅰ型コラーゲン架橋N-テロペプチドの低下が持続した23)。
デノスマブはマウスのRANKLに結合しないため、マウス骨転移モデルではマウスのRANKLに結合して阻害するOPG-Fc注25)をデノスマブの代替18),19)として使用した。乳癌24),25),26)(溶骨性又は溶骨性と造骨性の混合型)、前立腺癌27)及び非小細胞肺癌28)(いずれも溶骨性)のマウス骨転移モデルにOPG-Fcを投与したところ、がんによる骨病変の進展が抑制された。
デノスマブ(遺伝子組換え)Denosumab(Genetical Recombination)
約150,000
遺伝子組換え抗NF-κB活性化受容体リガンド(抗RANKL)ヒトIgG2モノクローナル抗体であり、その軽鎖及び重鎖をコードするcDNAを導入したCHO細胞により産生される。448個のアミノ酸残基からなる重鎖(γ2鎖)2分子及び215個のアミノ酸残基からなる軽鎖(κ鎖)2分子で構成される糖蛋白質である。
外箱開封後は遮光して保存すること。
1.7mL 1バイアル
1) Yonemori K, et al.:Cancer Sci. 2008;99(6):1237-1242
2) Kumagai Y, et al.:Bone. 2011;49(5):1101-1107
3) 社内資料:骨転移を有する乳癌患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験における日本人被験者の薬物動態(2012年1月18日承認、CTD2.7.2.2)
4) 社内資料:骨巨細胞腫患者を対象とした国内第Ⅱ相臨床試験における薬物動態(2014年5月23日承認、CTD2.7.6.4)
5) 社内資料:健康被験者、低骨密度又は骨粗鬆症の閉経後女性及びがん患者におけるデノスマブの母集団薬物動態解析(2012年1月18日承認、CTD2.7.2.3)
6) 社内資料:125I標識デノスマブを単回皮下投与したカニクイザルにおける分布及び排泄(2012年1月18日承認、CTD2.6.4)
7) 社内資料:125I標識デノスマブを単回皮下投与したカニクイザルにおけるQWBA試験(2012年1月18日承認、CTD2.6.4.4)
8) Block GA, et al.:J Bone Miner Res. 2012;27(7):1471-1479
9) 社内資料:重度腎疾患患者及び透析の必要な末期腎不全患者を対象とした第Ⅰ相臨床試験結果(2014年5月23日承認、CTD2.7.4.5)
10) Stopeck AT, et al.:J Clin Oncol. 2010;28(35):5132-5139
11) Fizazi K, et al.:Lancet. 2011;377(9768):813-822
12) Henry DH, et al.:J Clin Oncol. 2011;29(9):1125-1132
13) Ueda T, et al.:Ann Oncol. 2015;26(10):2149-2154
14) 社内資料:骨巨細胞腫患者を対象とした外国第Ⅱ相臨床試験における客観的奏効率(2014年5月23日承認、CTD2.7.3.3)
15) 社内資料:腎機能の程度が異なる被験者を対象とした薬物動態試験における低カルシウム血症の発現状況(2012年1月18日承認、CTD2.7.6.10)
16) Lacey DL, et al.:Cell. 1998;93(2):165-176
17) Roodman GD, et al.:Cancer Treat Rev. 2008;34(1):92-101
18) 社内資料:デノスマブのRANKLに対する結合試験(2012年1月18日承認、CTD2.6.2.2)
19) Kostenuik PJ, et al.:J Bone Miner Res. 2009;24(2):182-195
20) 社内資料:デノスマブの骨吸収抑制作用(2012年1月18日承認、CTD2.6.2.2)
21) Roux S, et al.:Am J Clin Pathol. 2002;117(2):210-216
22) Branstetter DG, et al.:Clin Cancer Res. 2012;18(16):4415-4424
23) 社内資料:カニクイザルにおけるデノスマブ投与試験(2012年1月18日承認、CTD2.6.2.2)
24) 社内資料:乳癌のマウス骨転移モデルにおけるOPG-Fcの効果(2012年1月18日承認、CTD2.6.2.2)
25) Morony S, et al.:Cancer Res. 2001;61(11):4432-4436
26) Canon JR, et al.:Clin Exp Metastasis. 2008;25(2):119-129
27) 社内資料:前立腺癌のマウス骨転移モデルにおけるOPG-Fcの効果(2012年1月18日承認、CTD2.6.2.2)
28) 社内資料:肺癌のマウス骨転移モデルにおけるOPG-Fcの効果(2012年1月18日承認、CTD2.6.2.2)
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