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処方箋医薬品注)
本剤の使用にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。,,,
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療
成人及び小児には、ラニナミビルオクタン酸エステルとして160mgを日本薬局方生理食塩液2mLで懸濁し、ネブライザを用いて単回吸入投与する。
患者の状態を十分に観察しながら投与すること。インフルエンザウイルス感染症により気道過敏性が亢進することがあり、気管支攣縮や呼吸機能低下があらわれるおそれがある。
患者の状態を十分に観察しながら投与すること。使用経験が少ない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎盤通過性が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
患者の状態を十分に観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの効果が得られないおそれがある。
ワクチンウイルスの増殖が抑制され、経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの効果が減弱する可能性がある。
失神、呼吸困難、蕁麻疹、血圧低下、顔面蒼白、冷汗等があらわれることがある。本剤投与後に失神やショック症状があらわれた場合には、患者に仰臥位をとらせ安静を保つとともに、補液を行うなど適切な処置を行うこと。
因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)があらわれることがある。
0.5%未満
頻度不明注1)
過敏症
蕁麻疹、発疹、紅斑、そう痒
消化器
嘔吐
下痢、胃腸炎、悪心、腹痛、口内炎、腹部膨満、食欲減退、腹部不快感
精神神経系
めまい、頭痛
血液
白血球数増加
肝臓
ALT上昇、AST上昇、γ-GTP上昇、肝機能異常
泌尿器
尿蛋白
その他
CRP上昇、尿中ブドウ糖陽性
添付のネブライザ吸入器は再使用しないこと。
健康成人男性8例にラニナミビルオクタン酸エステルとして160mgをネブライザを用いて単回吸入投与したときの活性代謝物ラニナミビルの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった1)。
投与量
例数
Cmax(ng/mL)
Tmax注2)(hr)
AUClast(ng・hr/mL)
t1/2(hr)
160mg
8
26.6±1.6
6.0(6.0~6.0)
1040±217
115.6±46.1
平均値±標準偏差
4~12歳の小児のインフルエンザウイルス感染症患者19例に吸入粉末剤をラニナミビルオクタン酸エステルとして20mg又は40mg単回吸入投与したときの活性代謝物ラニナミビルの血漿中濃度は次のとおりであった。
投与1時間後
投与4時間後
投与24時間後
投与144時間後
20mg
12.0±8.1
17.6±10.0
5.3±2.7
0.5±0.8
40mg
11
21.7±7.7
32.7±10.0
9.6±3.0
2.0±1.1
単位:ng/mL
健康成人男性24例にラニナミビルオクタン酸エステルとして160mgをネブライザを用いて単回吸入投与したときの活性代謝物ラニナミビルの血漿、肺胞粘液及び肺胞マクロファージ中濃度推移並びに薬物動態パラメータの推定値は次のとおりであった1)。
各測定時点6例(ただし、0.5時間、2時間、3.5時間後の血漿中濃度は24例)
試料
Tmax(hr)
血漿
24.0
3.5
1180
86.5
肺胞粘液
1.46×103
4.0
128×103
219
肺胞マクロファージ
480×103
52.4×106
-
ラットに14C-ラニナミビルオクタン酸エステル水和物を単回経気管投与したところ、放射能は主な標的組織である気管や肺に高濃度に認められ、肺中放射能濃度は消失半減期23.2時間で推移した。放射能は中枢神経系(脳・脊髄)にはほとんど認められなかった。
ヒト血漿蛋白結合率は、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物では67~70%、活性代謝物ラニナミビルでは0.4%以下であった(in vitro)。
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物は、吸入投与後、気管及び肺において加水分解により活性代謝物ラニナミビルに変換されると推測される。
健康成人男性8例に吸入粉末剤をラニナミビルオクタン酸エステルとして40mg単回吸入投与したとき、活性代謝物ラニナミビルの投与144時間後までの累積尿中排泄率は投与量の23.1%であった。
クレアチニンクリアランス(CLcr)値により規定された腎機能低下者13例に吸入粉末剤をラニナミビルオクタン酸エステルとして20mgを単回吸入投与したところ、活性代謝物ラニナミビルのt1/2に変化は認めず、AUC0-infは、腎機能正常者と比較して、軽度(CLcr:50~80mL/min)、中等度(CLcr:30~50mL/min)及び重度(CLcr:30mL/min未満)の腎機能低下者でそれぞれ1.1倍、2.0倍、4.9倍であった2)。
健康な高齢者(65歳以上)6例に吸入粉末剤をラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを単回吸入投与したところ、非高齢者(20~45歳)と比較して、活性代謝物ラニナミビルのTmax及びt1/2に変化は認めず、Cmaxが0.5倍、AUC0-infが0.8倍であった。
注)本剤の承認された用法及び用量は、ネブライザによる160mg単回吸入投与である。
成人及び10歳以上の小児(534例)を対象にプラセボ対照無作為化単盲検並行群間比較試験を実施した。主要評価項目であるインフルエンザ罹病時間(全てのインフルエンザ症状が「なし」又は「軽度」に改善し、それらが21.5時間以上持続するまでの時間)についての結果は以下のとおりであり、プラセボに対するラニナミビルオクタン酸エステル160mgの優越性が検証された(層別一般化Wilcoxon検定:P=0.0024)。また、副作用発現頻度は、ラニナミビルオクタン酸エステル160mg群で2.2%(6/268例)であった。主な副作用は、下痢0.7%(2/268例)であった3)。
ラニナミビルオクタン酸エステル群(268例)
プラセボ群(266例)
中央値[95%信頼区間](hr)
55.3[48.9, 68.8]
73.6[67.8, 84.3]
P値注3)
0.0024
10歳未満の小児(173例;0歳1例、1~6歳117例、7~9歳55例)を対象に非対照非盲検試験を実施した。主要評価項目であるインフルエンザ罹病時間(咳及び鼻症状の2症状が「なし」又は「軽度」に改善し、かつ体温が37.4℃以下となって、それらが21.5時間以上持続するまでの時間)の中央値[95%信頼区間]は49.0[43.0, 61.0]時間であった。また、副作用発現頻度は、1.7%(3/173例)であった。認められた副作用は、便秘、悪心及び嘔吐が各0.6%(1/173例)であった4)。
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物はプロドラッグであり、加水分解により活性代謝物ラニナミビルに変換された後、抗ウイルス作用を示す。ラニナミビルは、A型及びB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを選択的に阻害し、新しく形成されたウイルスの感染細胞からの遊離を阻害することにより、ウイルスの増殖を抑制する。
ラニナミビルはA型及びB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを低濃度(実験室株IC50:2.32~38.8nM、臨床分離株IC50:1.29~26.5nM)で阻害した5)。また、ラニナミビルは、オセルタミビルリン酸塩耐性株(IC50:5.62~48.9nM)や、インフルエンザA型(H1N1)pdm09ウイルス(IC50:0.41nM)及び高病原性鳥インフルエンザA型(H5N1)ウイルス(IC50:0.28~2.1nM)に対しても抗ウイルス作用(ノイラミニダーゼ阻害活性)を示した5),6),7)。
A型インフルエンザウイルスのマウス感染モデルでは、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物の単回経鼻投与により、6.6~660μg/kgで有意な肺中ウイルス力価の減少、21~190μg/kgで有意な生存数の増加といった治療効果が認められた8)。B型インフルエンザウイルスのフェレット感染モデルでは、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物の単回経鼻投与(24μg/kg及び240μg/kg)は、鼻腔洗浄液中のウイルス力価を低下させた8),9)。また、インフルエンザA型(H1N1)pdm09ウイルスのマウス感染モデルにおいて、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物700μg/kgの単回経鼻投与で有意な肺中ウイルス力価の減少が認められた6)。高病原性鳥インフルエンザA型(H5N1)ウイルスのマウス感染モデルにおいても、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物の単回経鼻投与は、75μg/kg以上の投与量で感染3日後の、750μg/kg以上の投与量で感染6日後までの肺中ウイルス力価を減少させた7)。
インフルエンザウイルス感染症に対するラニナミビルオクタン酸エステル水和物の効果を検討した国内臨床試験8試験(国際共同試験の1試験含む)で、1,917例の患者から分離したインフルエンザウイルス株において活性代謝物ラニナミビルに対する感受性が低下した株は認められなかった。
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(Laninamivir Octanoate Hydrate)
(2R,3R,4S)-3-Acetamido-4-guanidino-2-[(1R,2R)-2-hydroxy-1-methoxy-3-(octanoyloxy)propyl]-3,4-dihydro-2H-pyran-6-carboxylic acid monohydrate(2R,3R,4S)-3-Acetamido-4-guanidino-2-[(1S,2R)-3-hydroxy-1-methoxy-2-(octanoyloxy)propyl]-3,4-dihydro-2H-pyran-6-carboxylic acid monohydrate
C21H36N4O8・H2O
490.55
白色の粉末である。
約235℃(分解)
log Pow=0.0(pH7.0、オクタノール/水系)
1) Toyama K, et al.:Antimicrob Agents Chemother. 2018;62(1):e01722-17
2) Ishizuka H, et al.:J Clin Pharmacol. 2011;51(2):243-251
3) 社内資料:成人及び10歳以上の小児のインフルエンザウイルス感染症患者を対象としたプラセボ対照無作為化単盲検比較試験(2019年6月18日承認、CTD2.7.6.2)
4) 社内資料:10歳未満の小児のインフルエンザウイルス感染症患者を対象とした非対照非盲験試験(2019年6月18日承認、CTD2.7.6.3)
5) Yamashita M, et al.:Antimicrob Agents Chemother. 2009;53(1):186-192
6) Itoh Y, et al.:Nature. 2009;460(7258):1021-1025
7) Kiso M, et al.:PLoS Pathog. 2010;6(2):e1000786
8) Kubo S, et al.:Antimicrob Agents Chemother. 2010;54(3):1256-1264
9) 社内資料:フェレット感染モデルにおける抗ウイルス作用(イナビル吸入粉末剤 2010年9月10日承認、CTD2.6.2.2)
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