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フルミスト点鼻液

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)
3.製法の概要及び組成・性状
3.1製法の概要
3.2組成
3.3製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する者に関する注意
9.1接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
9.2腎機能障害を有する者
9.3肝機能障害を有する者
9.4生殖能を有する者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
10.相互作用
10.1併用禁忌(併用しないこと)
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副反応
11.1重大な副反応
11.2その他の副反応
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
20.取扱い上の注意
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

フルミスト点鼻液

添付文書番号

631370AR1026_1_05

企業コード

430574

作成又は改訂年月

**2025年8月改訂(第5版)
2025年7月改訂(第4版)

日本標準商品分類番号

876313

薬効分類名

ウイルスワクチン類

承認等

フルミスト点鼻液

販売名コード

YJコード

631370AR1026

販売名英語表記

FLUMIST INTRANASAL SPRAY

販売名ひらがな

ふるみすとてんびえき

承認番号等

承認番号

30500AMX00102

販売開始年月

2024年10月

貯法・有効期間

貯法

凍結を避け2~8℃で保存

有効期間

15週間

基準名

生物学的製剤基準

経鼻弱毒生インフルエンザワクチン

規制区分

一般的名称

経鼻弱毒生インフルエンザワクチン

2. 接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)

  1. 2.1 明らかな発熱を呈している者
  2. 2.2 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
  3. 2.3 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
  4. 2.4 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療を受けている者
  5. 2.5 妊娠していることが明らかな者
  6. 2.6 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

3. 製法の概要及び組成・性状

3.1 製法の概要

**本剤は、下表の弱毒生インフルエンザウイルスをそれぞれ個別にSPF発育鶏卵の尿膜腔内に接種して培養し、増殖したウイルスを含む尿膜腔液をとり、ゾーナル遠心機を用いたショ糖密度勾配遠心法による精製濃縮・希釈・無菌ろ過を経て、濃縮ゼラチン-アルギニン-グルタミン酸緩衝液及びショ糖リン酸緩衝液を用いて各株ウイルスが規定量含まれるよう希釈調整した液剤である。
 
製造株
A型株:A/ノルウェー/31694/2022(H1N1)、A/パース/722/2024(H3N2)
B型株:B/オーストリア/1359417/2021(ビクトリア系統)

3.2 組成

フルミスト点鼻液

有効成分1容器(0.2mL)中
弱毒生インフルエンザウイルス(A型・B型) 1株当たり   7.0±0.5Log10FFU
添加剤精製ゼラチン、L-アルギニン塩酸塩、L-グルタミン酸ナトリウム、精製白糖、リン酸二カリウム、リン酸二水素カリウム、pH調節剤

3.3 製剤の性状

フルミスト点鼻液

pH6.9~7.5
性状無色~微黄色の澄明又は僅かに白濁した液で白色の粒子を含むことがある。
その他無菌製剤

4. 効能又は効果

インフルエンザの予防

6. 用法及び用量

2歳以上19歳未満の者に、0.2mLを1回(各鼻腔内に0.1mLを1噴霧)、鼻腔内に噴霧する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 同時接種

    医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
  2. 8.2 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
  3. 8.3 本剤は安定剤として精製ゼラチンを含有している。ゼラチン含有製剤の接種により、ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、血管性浮腫等)があらわれたとの報告があるので、問診を十分に行い、接種後は観察を十分に行うこと。
  4. 8.4 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、また、接種後の健康監視に留意し、体調の変化、さらに高熱等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
  5. 8.5 本剤は弱毒生インフルエンザワクチンであり、飛沫又は接触によりワクチンウイルスの水平伝播の可能性があるため、ワクチン接種後1~2週間は、重度の免疫不全者との密接な関係を可能な限り避けるなど、必要な措置を講じることを被接種者又はその保護者に説明すること。,

9. 特定の背景を有する者に関する注意

9.1 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)

被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。

  1. 9.1.1 ゼラチン含有製剤又はゼラチン含有の食品に対して、ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、血管性浮腫等)等の過敏症の既往のある者

  2. 9.1.2 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者

    ,

  3. 9.1.3 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
  4. 9.1.4 過去にけいれんの既往のある者
  5. 9.1.5 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
  6. 9.1.6 重度の喘息を有する者又は喘鳴の症状を呈する者
  7. 9.1.7 本剤の成分又は鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対してアレルギーを呈するおそれのある者

9.2 腎機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.3 肝機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.4 生殖能を有する者

妊娠可能な女性においては、あらかじめ約1か月間避妊した後接種すること、及びワクチン接種後約2か月間は妊娠しないように注意させること。

9.5 妊婦

妊娠していることが明らかな者には接種しないこと。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤は水平伝播の可能性があるため、ワクチン接種後1~2週間は乳児との接触を可能な限り控えること。,

9.7 小児等

2歳未満の小児等に対しては本剤を接種しないこと。本剤は2歳未満の小児等に対する適応はなく、海外での臨床試験において、本剤接種後に2歳未満での入院及び喘鳴のリスクが増大したとの報告がある。

10. 相互作用

    10.1 併用禁忌(併用しないこと)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    副腎皮質ホルモン剤(経口剤、注射剤)

    • プレドニゾロン等

    免疫抑制剤(経口剤、注射剤)

    • シクロスポリン
      • サンディミュン
      • ネオーラル
    • タクロリムス
      • プログラフ
    • アザチオプリン
      • イムラン

    インフルエンザ様症状があらわれるおそれがある。

    特に長期あるいは大量投与を受けている者、又は投与中止後6か月以内の者は、免疫機能抑制下にあるため、ワクチンウイルスの感染を増強あるいは持続させる可能性がある。

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    抗インフルエンザウイルス剤

    • オセルタミビルリン酸塩
    • ザナミビル水和物
    • ラニナミビルオクタン酸エステル水和物等

    本剤の効果が得られないおそれがある。

    ワクチンウイルスの増殖が抑制され、本剤の効果が減弱する可能性がある。

    サリチル酸系医薬品

    • アスピリン
    • サリチル酸ナトリウム等

    ジクロフェナクナトリウム

    メフェナム酸

    ライ症候群があらわれるおそれがある。

    作用機序は不明であるが、サリチル酸系医薬品、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸においては、ライ症候群やインフルエンザ脳炎・脳症の重症化との関連性を示す報告がある1),2)

    11. 副反応

    次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副反応

    1. 11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)

      蕁麻疹、呼吸困難、血管性浮腫等があらわれることがある。

    11.2 その他の副反応

    10%以上

    1~10%未満

    1%未満

    頻度不明

    過敏症

    発疹

    顔面浮腫、蕁麻疹

    呼吸器

    鼻閉・鼻漏(59.2%)、咳嗽、口腔咽頭痛

    鼻咽頭炎

    鼻出血

    精神神経系

    頭痛

    消化器

    食欲減退、下痢、腹痛

    胃腸炎

    *その他

    発熱、活動性低下・疲労・無力症、筋肉痛、インフルエンザ

    中耳炎

    ミトコンドリア脳筋症の症状悪化、倦怠感

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤接種時の注意

    1. 14.1.1 接種時

      フルミスト点鼻液の使用方法】に従い接種すること。

    2. 14.1.2 接種部位

      本剤は鼻腔内噴霧用であり、絶対に注射しないこと。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    1. 15.1.1 神経系障害(ベル麻痺を含む脳神経障害、脳炎、けいれん(熱性けいれんを含む)及びギラン・バレー症候群)及び血管炎が海外で市販後に報告されている。
    2. 15.1.2 海外で実施された経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの臨床試験において、接種25日後にもワクチンウイルスが検出された3)ことから、本剤接種4週間以内はワクチンウイルスが残存している可能性がある。,,
    3. 15.1.3 本剤接種後一定期間は、本剤由来のワクチンウイルスがインフルエンザの迅速検査で陽性反応を示す可能性がある。

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国内第Ⅲ相試験

      2歳以上19歳未満の健康小児910例を対象に、本剤又はプラセボ0.2mL(各鼻腔に0.1mL)を1回接種した無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験の結果は次のとおりであった。本剤のプラセボ群に対する相対リスク減少率は、28.8(95%信頼区間:12.5~42.0)%であった4)

      インフルエンザ発症被験者数(発症率)

      相対リスク減少率1)(95%信頼区間)

      本剤(N=595)

      プラセボ(N=290)

      すべての分離株

      152(25.5%)

      104(35.9%)

      28.8(12.5~42.0)%

      • A/H1N1

      2(0.3%)

      2(0.7%)

      51.3(-244.3~93.1)%

      • A/H3N2

      127(21.3%)

      86(29.7%)

      28.0(9.0~43.1)%

      • B/Yamagata

      16(2.7%)

      9(3.1%)

      13.4(-93.7~61.2)%

      • B/Victoria

      4(0.7%)

      3(1.0%)

      35.0(-188.5~85.4)%

      1) 相対リスク減少率は、(1-相対リスク)×100で算出される値と定義し、相対リスクは本剤群及びプラセボ群のインフルエンザウイルス野生株によるインフルエンザ疾患の発症率の比(本剤群の発症率÷プラセボ群の発症率)として算出した。

      本剤群において副反応の発現頻度は67.9%(413/608例)であった。主な副反応は、鼻閉・鼻漏59.2%(360/608例)、咳嗽27.8%(169/608例)、口腔咽頭痛17.9%(109/608例)、頭痛11.2%(68/608例)であった。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    季節性インフルエンザは、インフルエンザA型(H1N1亜型及びH3N2亜型)及びインフルエンザB型(Yamagata系統及びVictoria系統)ウイルスを原因ウイルスとする呼吸器感染症である5)。季節性インフルエンザウイルスの主な侵入経路は気道の粘膜表面であり5)、ウイルスは気道上皮細胞に感染した後に増殖し、感染から1~2日後に発症する5),6)。このワクチンの接種は、抗原特異的血清中抗体及び粘膜抗体応答、並びに抗原特異的T細胞応答を誘導し7),8),9)、インフルエンザの予防に寄与すると考えられる。

    20. 取扱い上の注意

    外箱開封後は遮光して保存すること。

    21. 承認条件

    医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

    22. 包装

    0.2mL 10本

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    第一三共株式会社 製品情報センター

    〒103-8426 東京都中央区日本橋本町3-5-1

    TEL:0120-189-132

    25. 保険給付上の注意

    本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    第一三共株式会社

    東京都中央区日本橋本町3-5-1



    • フルミスト点鼻液の使用方法】

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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