当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
処方箋医薬品注)
肝疾患の診断、予後治癒の判定
心臓血管系疾患の診断
乳癌、悪性黒色腫
本剤を用いたセンチネルリンパ節生検は、本検査法に十分な知識と経験を有する医師のもとで、実施が適切と判断される症例において実施すること。なお、症例の選択にあたっては、最新の関連ガイドライン等を参照し、適応となる腫瘍径や部位等について十分な検討を行うこと。
効能又は効果
用法及び用量
肝機能検査
インドシアニングリーンとして体重1kg当たり0.5mgに相当する量を注射用水で5mg/mL程度に希釈し、肘静脈より30秒以内に症状に注意しながら徐々に静脈内投与する。
インドシアニングリーンとして25mgをできるだけ少量の注射用水に溶かした後、生理食塩液で2.5~5mg/mLの濃度に希釈し、インドシアニングリーンとして3mgに相当する上記溶液を静脈内投与する。その後引き続き0.27~0.49mg/分の割合で約50分間採血が終るまで一定速度で点滴静脈内投与する。
循環機能検査
目的に応じて心腔内より末梢静脈に至る種々の血管部位にインドシアニングリーンの溶液を注入するが通常前腕静脈から行う。成人1人当たり1回量はインドシアニングリーン5~10mg、すなわち1~2mL程度で、小児は体重に応じて減量する。
血管及び組織の血流評価
インドシアニングリーンとして25mgを5~10mLの注射用水で溶解し、使用目的に応じて、通常0.04~0.3mg/kgを静脈内投与する。なお、脳神経外科手術時における脳血管の造影の場合には、インドシアニングリーンとして25mgを5mLの注射用水で溶解し、通常0.1~0.3mg/kgを静脈内投与する。
センチネルリンパ節の同定
乳癌のセンチネルリンパ節の同定においては、インドシアニングリーンとして25mgを5mLの注射用水で溶解し、通常5mL以下を悪性腫瘍近傍又は乳輪部の皮下に適宜分割して投与する。悪性黒色腫のセンチネルリンパ節の同定においては、インドシアニングリーンとして25mgを5mLの注射用水で溶解し、通常1mLを悪性腫瘍近傍の皮内数箇所に適宜分割して投与する。
*肝外胆管の描出
インドシアニングリーンとして25mgを10mLの注射用水で溶解し、通常1mLを静脈内投与する。
,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
注入時、口のしびれ、嘔気、胸内苦悶、眼球結膜充血、眼瞼浮腫等があらわれた場合には、ショック、アナフィラキシーの前駆症状と考えられるため、直ちに注入を中止すること。症状に応じ、輸液、血圧上昇薬、強心薬、副腎皮質ホルモン剤等の投与、気道確保、人工呼吸、あるいは酸素吸入、心臓マッサージ、適切な体位をとらせるなどの救急処置を速やかに行うこと。,
0.1%未満
頻度不明
*過敏症
悪心、嘔吐、蕁麻疹、発熱
発疹
甲状腺放射性ヨード摂取率検査に影響を及ぼすことがあるので、必要な場合には1週間以上の間隔をおくこと。
次の場合、測定値に誤差を生じることがある。
胆嚢造影剤(イオトロクス酸メグルミン等)、利胆薬、リファンピシン又は抗痛風薬との併用により、本剤の肝細胞への取り込みが阻害されることがある。
食物による影響により肝血流量が増加する。また、食物中の脂肪摂取により脂質増加をもたらし、血清が白濁する。
健康成人にインドシアニングリーン0.25mg/kgを単回静脈内投与した場合、血漿中濃度推移は、投与後約15分までは指数関数的に減少し、その後は減少が緩徐となり、血漿中より速やかに消失する1)。健康成人における生物学的半減期t1/2は3~4分である2)。
35S-インドシアニングリーンを用いたマウス凍結全身オートラジオグラフィーでは、本剤の静脈内投与1分後及び5分後には全身血管系、特に肺、心、腎、肝に一様に分布した。15分後には肝内濃度がほぼ最高に達し、胆嚢への排泄、腸管への分布が認められた。また30分後には胃、60分後には腸管内分布が多くなり、24時間後には肝、腸管内に僅かに認められた3)。
健康成人の血清中インドシアニングリーンは80%がグロブリン分画に結合していることが認められている。グロブリン分画のうち、本剤と主に結合しているのはα1リポプロテインであると考えられ、この結合はアルブミンと色素との結合より親和性が強いといわれている4)。
インドシアニングリーンは体内において化学的変化をうけないといわれている2),5),6)。
本剤は血中から選択的に肝に取り込まれ、腸肝循環や腎からの排泄もなく、肝より遊離形で胆汁中に高率かつ速やかに排泄されることが確かめられている1),2),5)。
インドシアニングリーンによる肝機能検査は、肝疾患の診断をはじめ重症度判定、治癒・予後の判定等内科的診断のほかに、外科領域においても手術適応や術式の決定、切除範囲の決定、術後の経過予測等手術の患者管理面で肝機能予備力を定量的に反映する検査法である。本検査を実施した2,105例のアンケート調査結果から、肝疾患で5年以内に死亡した群と、5年以上生存した群とでは本検査値に有意差が認められることが報告されている7)。
本剤による循環機能検査領域の臨床試験報告症例2,901例(短絡835例、心拍出量750例、循環機能357例等)について、疾患の診断と病態の判定に有効であることが認められている。
インドシアニングリーンは静注後、2~3分で血中に均等に混和し、その後約20分までは血中濃度が指数関数的に下降する。したがって注入後5~15分の間に2回以上採血して、血漿分離後インドシアニングリーン濃度を測定し、インドシアニングリーン血漿消失率を求める。血漿消失率は肝における血中色素の摂取、排泄機能を示し、各種肝疾患(肝硬変、肝癌、黄疸、肝炎、胆石、胆嚢炎、バンチ症候群、門脈障害など)の場合は、正常者に比べ低値を示す1),2),8),9)。
血漿消失率にかわる簡易法で、日常検査では本法で十分である。インドシアニングリーンを静注し、15分後採血し、その停滞率を求める。この停滞率は、各種肝疾患の場合、正常値より高値を示す8),9),10)。
インドシアニングリーンは血中から肝臓によってのみ摂取され、胆汁排泄が高率であって、他の組織での除去は無視できる。また、インドシアニングリーンは腸肝循環がないという特徴を持ち、肝血流量測定に好適である。インドシアニングリーンを一定速度で点滴静注後、肝カテーテルから肝静脈血、同時に動脈から動脈血を採血して、各々の血漿中インドシアニングリーン濃度を求め、肝血流量を測定する。
インドシアニングリーンは、血清蛋白(リポ蛋白、アルブミン等)と結合し、血中から選択的に肝に取り込まれ、腸肝循環や腎からの排泄もなく、肝より胆汁中に排泄されることが確かめられており、血中停滞率、血漿消失率あるいは肝血流量の測定による肝機能検査及び指示薬希釈法による循環機能検査に適している。
インドシアニングリーン(Indocianine Green)
2-[7-[1,1-dimethyl-3-(4-sulfobutyl)benz[e]indolin-2-ylidene]-1,3,5-heptatrienyl]-1,1-dimethyl-3-(4-sulfobutyl)-1H-benz[e]indolium hydroxide,inner salt,sodium salt
C43H47N2NaO6S2
774.96
暗緑青色の粉末で、においはない。水又はメタノールにやや溶けやすく、アセトンにほとんど溶けない。
約230℃(分解)
ICG
血清蛋白と急速に結合し光化学的に安定化され、最大吸収波長は水溶液の785nmから直ちに805nmに移行する。この805nmは血中酸化型ヘモグロビン、還元型ヘモグロビンの吸収曲線が交叉する等吸光点(isosbestic point)にあるため、この波長で測定する限り、血中のO2飽和度の影響を受けない16)。
外箱開封後は遮光して保存すること。
10バイアル(溶解液:日本薬局方注射用水10mL 10アンプル添付)
1) 上田英雄ほか:日本医事新報 1962;No. 2015:7-12
2) Cherrick GR, et al.:J Clin Invest. 1960;39(4):592-600
3) 大屋敬彦ほか:肝臓 1974;15(2):135
4) Barker KJ:Proc Soc Exp Biol Med. 1966;122(4):957-963
5) 浪久利彦ほか:肝臓 1963;5(2):114-120
6) Caesar J, et al.:Clin Sci. 1961;21:43-57
7) 南部勝司ほか:日本消化器病学会雑誌 1978;75(2):198-204
8) 市田文弘ほか:総合臨床 1968;17(11):2071-2082
9) 浪久利彦ほか:日本臨床 1980;38(春季増刊):701-715
10) 前田耕治ほか:臨床検査 1965;9(11):1008-1010
11) 中村 隆ほか:内科 1964;14(7):1361-1366
12) Raabe A, et al.:Neurosurgery 2003;52(1):132-139
13) Raabe A, et al.:Zentralbl Neurochir. 2005;66(1):1-6
14) 三輪光春:外科 2009;71(9):913-917
15) Weiler M, et al.:J Biomed Opt. 2012;17(6):066019
16) Fox IJ, et al.:Proc Staff Meeting Mayo Clin. 1960;35(25):732-744
第一三共株式会社 製品情報センター
〒103-8426 東京都中央区日本橋本町3-5-1
TEL:0120-189-132
第一三共株式会社
東京都中央区日本橋本町3-5-1
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.