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劇薬
処方箋医薬品注)
非オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患における鎮痛
原因となる器質的病変、心理的・社会的要因、依存リスクを含めた包括的な診断を行い、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。
通常、成人には、1回1錠、1日4回経口投与する。投与間隔は4時間以上空けること。なお、症状に応じて適宜増減するが、1回2錠、1日8錠を超えて投与しないこと。また、空腹時の投与は避けることが望ましい。
通常、成人には、1回2錠を経口投与する。なお、追加投与する場合には、投与間隔を4時間以上空け、1回2錠、1日8錠を超えて投与しないこと。また、空腹時の投与は避けることが望ましい。
本剤投与開始後4週間を経過してもなお期待する効果が得られない場合は、他の適切な治療への変更を検討すること。また、定期的に症状及び効果を確認し、投与の継続の必要性について検討すること。
本剤の投与を必要としなくなった場合は、退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること。
本剤投与中は観察を十分に行うこと。痙攣発作を誘発することがある。
呼吸抑制を増強するおそれがある。
呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を来すおそれがある。
厳重な医師の管理下に、短期間に限って投与すること。依存性を生じやすい。
循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。
症状が悪化又は再発を促すおそれがある。
血小板機能異常が起こることがある。
症状が悪化又は心不全が増悪するおそれがある。
症状が悪化するおそれがある。
肝障害があらわれやすくなる。
投与しないこと。重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがある。
本剤を用いず、個別のアセトアミノフェン製剤を用いた用量調節を考慮すること。アスピリン喘息又はその既往歴のある患者では、アセトアミノフェンの1回あたりの最大用量は300mg以下とすることとされているが、本剤は1錠中にアセトアミノフェンを325mg含有している。アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられ、症状が悪化又は再発を促すおそれがある。
投与量の減量、投与間隔の延長を考慮すること。症状が悪化又は再発を促すおそれがある。また、高い血中濃度が持続し、作用及び副作用が増強するおそれがある。
投与しないこと。重篤な転帰をとるおそれがある。
肝機能が悪化するおそれがある。また、高い血中濃度が持続し、作用及び副作用が増強するおそれがある。
授乳を避けさせること。トラマドールは、乳汁中へ移行することが報告されている。
投与しないこと。海外において、12歳未満の小児で死亡を含む重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告がある。
12歳以上の小児に対する有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、代謝・排泄が遅延し副作用があらわれやすい。
MAO阻害剤セレギリン塩酸塩
ラサギリンメシル酸塩
サフィナミドメシル酸塩
外国において、セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)を含む中枢神経系(攻撃的行動、固縮、痙攣、昏睡、頭痛)、呼吸器系(呼吸抑制)及び心血管系(低血圧、高血圧)の重篤な副作用が報告されている。MAO阻害剤を投与中の患者又は投与中止後14日以内の患者には投与しないこと。また、本剤投与中止後にMAO阻害剤の投与を開始する場合には、2~3日間の間隔を空けることが望ましい。
相加的に作用が増強され、また、中枢神経のセロトニンが蓄積すると考えられる。
ナルメフェン塩酸塩
セリンクロ
離脱症状を起こすおそれがある。また、鎮痛作用が減弱するおそれがある。ナルメフェン塩酸塩を投与中の患者又は投与中止後1週間以内の患者には投与しないこと。
μオピオイド受容体への競合的阻害による。
オピオイド鎮痛剤中枢神経抑制剤
痙攣閾値の低下や呼吸抑制の増強を来すおそれがある。
中枢神経抑制作用が相加的に増強されると考えられる。
三環系抗うつ剤セロトニン作用薬
セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)があらわれるおそれがある。また、痙攣発作の危険性を増大させるおそれがある。
リネゾリド
リネゾリドの非選択的、可逆的MAO阻害作用により、相加的に作用が増強され、また、中枢神経のセロトニンが蓄積すると考えられる。
**メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)
セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)があらわれるおそれがある。
メチルチオニニウム塩化物水和物のモノアミン酸化酵素阻害作用によりセロトニン作用が増強される。
カルバマゼピンフェノバルビタールフェニトインプリミドンリファンピシンイソニアジド
トラマドールの血中濃度が低下し作用が減弱する可能性がある。また、これらの薬剤の長期連用者では肝代謝酵素が誘導され、アセトアミノフェン代謝物による肝障害を生じやすくなるとの報告がある。
これらの薬剤の肝代謝酵素誘導作用により、トラマドールの代謝が促進される。また、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。
アルコール(飲酒)
呼吸抑制が生じるおそれがある。また、アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。
相加的に作用が増強されると考えられる。アルコール常飲によるCYP2E1の誘導により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。
キニジン
相互に作用が増強するおそれがある。
機序不明
クマリン系抗凝血剤
出血を伴うプロトロンビン時間の延長等のクマリン系抗凝血剤の作用を増強することがある。
ジゴキシン
ジゴキシン中毒が発現したとの報告がある。
オンダンセトロン塩酸塩水和物
本剤の鎮痛作用を減弱させるおそれがある。
本剤の中枢におけるセロトニン作用が抑制されると考えられる。
ブプレノルフィンペンタゾシン等
本剤の鎮痛作用を減弱させるおそれがある。また、退薬症候を起こすおそれがある。
本剤が作用するμ-オピオイド受容体の部分アゴニストであるため。
エチニルエストラジオール含有製剤
アセトアミノフェンの血中濃度が低下するおそれがある。
エチニルエストラジオールは肝におけるアセトアミノフェンのグルクロン酸抱合を促進すると考えられる。
エチニルエストラジオールの血中濃度が上昇するおそれがある。
アセトアミノフェンはエチニルエストラジオールの硫酸抱合を阻害すると考えられる。
呼吸困難、喘鳴、血管浮腫、蕁麻疹等があらわれることがある。
長期使用時に、耐性、精神的依存及び身体的依存が生じることがある。本剤の中止又は減量時において、激越、不安、神経過敏、不眠症、運動過多、振戦、胃腸症状、パニック発作、幻覚、錯感覚、耳鳴等の退薬症候が生じることがある。
咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
劇症肝炎、AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
5%以上
1%以上5%未満
1%未満
頻度不明
感染症及び寄生虫症
腎盂腎炎
血液及びリンパ系障害
貧血
代謝及び栄養障害
食欲不振
高脂血症、低血糖症
精神障害
不眠症
不安、幻覚
錯乱、多幸症、神経過敏、健忘、離人症、うつ病、薬物乱用、インポテンス、悪夢、異常思考、せん妄
神経系障害
傾眠(25.9%)、浮動性めまい(18.9%)、頭痛
味覚異常
筋緊張亢進、感覚鈍麻、錯感覚、注意力障害、振戦、筋不随意運動、第4脳神経麻痺、片頭痛
運動失調、昏迷、会話障害、運動障害
眼障害
視覚異常
縮瞳、散瞳
耳及び迷路障害
耳不快感、耳鳴、回転性めまい
心臓障害
動悸
不整脈、頻脈
血管障害
高血圧、ほてり
低血圧、起立性低血圧
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
呼吸困難、嗄声
胃腸障害
悪心(41.4%)、嘔吐(26.2%)、便秘(21.2%)、胃不快感
腹痛、下痢、口内炎、口内乾燥、消化不良、胃炎
逆流性食道炎、口唇炎、胃腸障害、腹部膨満、胃潰瘍、鼓腸、メレナ、上部消化管出血
嚥下障害、舌浮腫
肝胆道系障害
肝機能検査異常
皮膚及び皮下組織障害
そう痒症
発疹、多汗症、冷汗
腎及び尿路障害
排尿困難
アルブミン尿、尿閉
乏尿
全身障害及び投与局所様態
異常感
口渇、倦怠感、発熱、浮腫
胸部不快感、無力症、悪寒
疲労、胸痛、失神、離脱症候群
臨床検査
体重減少、血中CPK増加、血中尿素増加、血中トリグリセリド増加、血中ビリルビン増加、尿中血陽性、尿中ブドウ糖陽性
好酸球数増加、白血球数増加、ヘモグロビン減少、尿中蛋白陽性、血中クレアチニン増加、血中ブドウ糖増加、血小板数増加、血中クレアチニン減少、血中尿酸増加、好中球百分率増加
傷害、中毒及び処置合併症
転倒・転落
トラマドールの過量投与による重篤な症状は、呼吸抑制、嗜眠、昏睡、痙攣発作、心停止である。アセトアミノフェンの大量投与により、肝毒性のおそれがある。また、アセトアミノフェンの過量投与時に肝臓・腎臓・心筋の壊死が起こったとの報告がある。過量投与による主な症状は、胃腸過敏症、食欲不振、悪心、嘔吐、倦怠感、蒼白、発汗等である。
緊急処置として、気道を確保し、症状に応じた呼吸管理と循環の管理を行うこと。トラマドールの過量投与による呼吸抑制等の症状が疑われる場合には、ナロキソンが有効な場合があるが、痙攣発作を誘発するおそれがある。また、トラマドールは透析によりほとんど除去されない。アセトアミノフェンの過量投与による症状が疑われる場合には、アセチルシステインの投与を考慮すること。
健康成人男性にトラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠1~3錠注1)(トラマドール塩酸塩として37.5、75及び112.5mg、アセトアミノフェンとして325、650及び975mg)を単回経口投与したとき、投与量にかかわらず、トラマドール【(±)-TRAM】及びアセトアミノフェンは速やかに吸収され、(±)-TRAM及びアセトアミノフェンの血漿中濃度はそれぞれ投与後約1~2時間及び約1時間にCmaxに達した後、それぞれ約5~5.5時間及び約3時間のt1/2で低下した。両薬物の薬物動態は用量比例性を示した。また、(±)-TRAMは速やかに活性代謝物O-脱メチルトラマドール【(±)-M1】に代謝され、(±)-M1の血漿中濃度は投与後約2時間にCmaxに達した後、約6.5時間のt1/2で低下した。血漿中(±)-TRAM及び(±)-M1の各鏡像異性体【(+)-体及び(-)-体】の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは類似していた1)。
対象
トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠
Cmax(ng/mL)
tmax(h)
AUC∞(ng・h/mL)
t1/2(h)
(±)-TRAM
1錠
119.8(34.3)
1.8(0.5~3.0)
938.2(360.7)
5.1(0.8)
2錠
263.8(45.6)
1.0(0.5~1.5)
2004.3(580.5)
5.6(1.0)
3錠注1)
424.5(146.1)
1.3(1.0~3.0)
3274.3(1070.4)
5.6(1.1)
(±)-M1
34.2(10.6)
359.4(63.7)
6.4(0.9)
65.6(24.4)
1.8(1.0~4.0)
680.9(142.2)
6.3(0.9)
95.7(26.3)
1.8(1.0~3.0)
1083.8(224.3)
アセトアミノフェン
5.0(2.0)注2)
0.8(0.5~1.5)
17.1(4.8)注3)
2.8(0.6)
9.2(2.3)注2)
38.9(12.4)注3)
3.3(0.9)
15.1(4.3)注2)
62.3(18.1)注3)
3.3(1.0)
(N=8, 平均値(S.D.), tmax;中央値(範囲))
健康成人男性にトラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠1回1又は2錠(トラマドール塩酸塩として37.5又は75mg、アセトアミノフェンとして325又は650mg)を1日4回(6時間ごと)反復経口投与(トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠1錠:5日間、トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠2錠:3日間)したとき、血漿中(±)-TRAM及び(±)-M1濃度は反復経口投与開始後48時間までに、また血漿中アセトアミノフェン濃度は反復経口投与開始後24時間までに定常状態に達しており、蓄積性は認められなかった1)。
AUCτ(ng・h/mL)
RA
290.6(72.9)
1141.2(265.8)
1.3(0.5)
6.6(1.0)
542.6(114.4)
1.3(1.0~2.0)
2355.8(533.3)
1.3(0.3)
6.5(0.6)
78.5(18.7)
1.3(0.5~6.0)
325.2(88.0)
0.9(0.1)
7.4(1.4)
142.0(29.3)
1.3(0.5~2.0)
666.6(103.8)
0.9(0.2)
6.7(0.9)
6.7(1.6)注4)
0.5(0.5~1.0)
17.4(2.8)注5)
1.0(0.1)
4.3(2.7)
11.0(2.9)注4)
30.4(4.9)注5)
3.3(1.1)
RA:蓄積率(最終投与後のAUCτ/初回投与時のAUC∞)
健康成人男性にトラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠2錠(トラマドール塩酸塩として75mg、アセトアミノフェンとして650mg)、トラマドール塩酸塩2カプセル(75mg)又はアセトアミノフェン2カプセル(650mg)をそれぞれ単回経口投与したとき、トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠を投与したときの(±)-TRAM、(±)-M1及びアセトアミノフェンの薬物動態パラメータは、トラマドール塩酸塩及びアセトアミノフェンをそれぞれ単独で投与したときと同様の値を示し、(±)-TRAM、(±)-M1及びアセトアミノフェンの薬物動態にトラマドール塩酸塩及びアセトアミノフェンの配合による影響は認められなかった1)。
トアラセット配合錠「DSEP」とトラムセット配合錠を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(トラマドール塩酸塩として37.5mg及びアセトアミノフェンとして325mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中(トラマドール及びアセトアミノフェン)濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、トラマドール濃度及びアセトアミノフェン濃度はいずれもlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された2)。
AUC0-24(ng・hr/mL)
Tmax(hr)
t1/2(hr)
トアラセット配合錠「DSEP」
918.7±317.7
112.1±29.7
1.72±0.82
5.7±1.1
トラムセット配合錠
934.9±309.4
114.7±26.0
1.79±0.89
5.9±1.4
(mean±SD, n=23)
AUC0-12(ng・hr/mL)
14972±2893
4552±1512
1.11±0.79
2.9±0.3
14814±2752
4360±1431
1.18±0.72
2.8±0.4
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、血液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
健康成人にトラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠3錠注1)(トラマドール塩酸塩として112.5mg、アセトアミノフェンとして975mg)を高脂肪食後及び空腹時にそれぞれ単回経口投与したとき、(+)及び(-)-TRAM、(+)及び(-)-M1及びアセトアミノフェンの薬物動態に食事による顕著な影響は認められなかった3)(外国人データ)。
ヒト血漿蛋白結合率:TRAM(0.2~10μg/mL)及びアセトアミノフェン(280μg/mL)約20%(in vitro)4)
(±)-TRAMは主に肝臓でCYP2D6により活性代謝物(±)-M1に代謝される。また、その他の主な代謝経路は、肝臓でのCYP3A4によるN-脱メチル化、グルクロン酸抱合及び硫酸抱合である。アセトアミノフェンの主な代謝経路は、肝臓でのグルクロン酸抱合、硫酸抱合並びにCYP1A2、CYP2E1及びCYP3A4によるN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの酸化及びそのグルタチオン抱合である5),6),7),8)。
健康成人男性にトラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠1~3錠注1)を単回経口投与及びトラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠1回1又は2錠を1日4回(6時間ごと)反復経口投与したとき、(±)-TRAM、(±)-M1及びアセトアミノフェンの累積尿中排泄率(単回:投与後48時間、反復:最終投与後48時間)は、それぞれ投与量の18.2~20.3%、9.4~14.8%及び2.6~3.3%であり、投与量及び反復投与による影響は認められなかった1)。
肝硬変患者にトラマドール塩酸塩カプセル50mgを経口投与したとき、健康成人と比較して血清中トラマドールのAUC∞は顕著に増加し、t1/2は約2.6倍に延長した9)(外国人データ)。
肝機能障害患者(軽度~中等度:9例、高度:5例)にアセトアミノフェン1000mgを経口投与したとき、健康成人と比較して血漿中アセトアミノフェンのAUC6hは約1.7倍増加し、t1/2は約2時間延長した10)(外国人データ)。
腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス:80mL/min以下)21例にトラマドール塩酸塩100mgを静脈内投与したとき、血清中トラマドールのt1/2及びAUC∞は健康成人のそれぞれ最大で1.5倍及び2倍であった9)(外国人データ)。
腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス:30mL/min以下)13例にアセトアミノフェン1000mgを経口投与したとき、投与8~24時間後の血漿中アセトアミノフェンのt1/2は健康成人(4.9時間)と比較して11.7時間に延長し、AUC8-24hも約1.9倍増加した11)(外国人データ)。
腰痛症又は変形性関節症と診断され、非ステロイド性消炎鎮痛剤の経口投与により十分な鎮痛効果が得られない慢性疼痛患者187例(トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠群94例、プラセボ群93例)を対象に、非盲検下でトラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠1回1~2錠を1日4回2週間投与した後、二重盲検期への移行規準を満たした患者に、トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠又はプラセボをランダムに割り付けて4週間投与したとき、二重盲検下での鎮痛効果不十分をイベントとしたイベント発生までの期間はプラセボ群と比較しトラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠群で有意に長かった(ログランク検定、p=0.0001)12)。
各種疾患(腰痛症、変形性関節症、関節リウマチ、頸肩腕症候群、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害性疼痛など)に伴う慢性疼痛を有し、非ステロイド性消炎鎮痛剤の経口投与により十分な鎮痛効果が得られない患者190例を対象に、トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠1回1~2錠を1日4回、適宜増減して非盲検下で最長52週間投与したときのVAS値の平均値は、前観察期の65.80mmに対して、治療期28週には29.93mmに低下し、その後、治療期52週までほぼ一定の値で推移した。副作用発現率は、96.3%(183/190例)であった。主な副作用は、悪心102例(53.7%)、便秘74例(38.9%)、嘔吐71例(37.4%)、浮動性めまい51例(26.8%)、傾眠38例(20.0%)であった13)。
骨削除及び歯冠分割を必要とする下顎埋伏智歯抜歯術を施行し、抜歯後疼痛を認めた患者328例(トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠群132例、トラマドール塩酸塩群66例、アセトアミノフェン群130例)を対象に、二重盲検下でトラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠2錠、トラマドール塩酸塩75mg又はアセトアミノフェン650mgを単回投与したとき、投与後8時間までの痛みの改善度の総和(投与後の痛みの改善度を「改善なし」~「完全改善」の5段階で、0.5~8時間まで経時的に評価したときの累積値)の平均値は、トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠群17.7、トラマドール塩酸塩群12.4、アセトアミノフェン群13.3であり、トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠群と各単剤群の間に有意差が認められた(FisherのLSD法、いずれもp<0.0001)。また、トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠投与後に奏効するまでの時間(痛みの程度が「なし」又は「軽度」に改善するまでの時間)の中央値は約30分であり、その後に疼痛が再発した患者における効果持続時間(奏効後に痛みの程度が「中等度」又は「高度」に悪化するまでの時間)の中央値は約270分であった14)。副作用発現率は、57.6%(76/132例)であった。主な副作用は、傾眠39例(29.5%)、悪心18例(13.6%)、浮動性めまい12例(9.1%)、嘔吐9例(6.8%)であった15)。
薬剤群
解析例数
投与後8時間までの痛みの改善度の総和
平均値±標準偏差
中央値(最小;最大)
FisherのLSD法
トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠2錠
132
17.7±7.91
18.5(0.0;32.0)
トラマドール塩酸塩75mg
66
12.4±8.36
12.5(0.0;29.5)
p<0.0001
アセトアミノフェン650mg
130
13.3±8.07
14.0(0.0;30.5)
ラット脳を用いたin vitro試験の結果から、トラマドールは中枢神経系で作用し、トラマドール及び活性代謝物M1のμ-オピオイド受容体への結合、並びにトラマドールによるノルアドレナリン及びセロトニンの再取り込み阻害作用が、鎮痛作用に関与すると考えられる16),17)。
ラットを用いたin vivo試験の結果から、アセトアミノフェンは主に中枢神経系で作用し、N-メチル-D-アスパラギン酸受容体及びサブスタンスP受容体を介した一酸化窒素経路の阻害作用、脊髄のセロトニン受容体を介した間接的な作用などが、鎮痛作用に関与すると考えられる18),19)。
トラマドール塩酸塩(Tramadol Hydrochloride)
(1RS,2RS)-2-[(Dimethylamino)methyl]-1-(3-methoxyphenyl)cyclohexanol monohydrochloride
C16H25NO2・HCl
299.84
白色の結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすい。
180~184℃
アセトアミノフェン(Acetaminophen)
N-(4-Hydroxyphenyl)acetamide
C8H9NO2
151.16
白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく、水にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくい。水酸化ナトリウム試液に溶ける。
169~172℃
(PTP)100錠(10錠×10) 500錠(10錠×50)(プラスチックボトル:バラ)300錠
1) 国内第Ⅰ相臨床試験(トラムセット配合錠:2011年4月22日承認、CTD2.7.6.3)
2) 社内資料:生物学的同等性に関する資料
3) 海外第Ⅰ相臨床試験(トラムセット配合錠:2011年4月22日承認、CTD2.7.6.2)
4) トラマドールの蛋白結合率の検討(トラムセット配合錠:2011年4月22日承認、CTD2.7.2.2)
5) トラマドールの代謝の検討(トラムセット配合錠:2011年4月22日承認、CTD2.7.2.2)
6) Thummel KE, et al.:Biochem Pharmacol. 1993;45(8):1563-1569
7) Raucy JL, et al.:Arch Biochem Biophys. 1989;271(2):270-283
8) Goodman & Gilman's the pharmacological basis of therapeutics. 11th ed., The McGraw-Hill Companies 2006;693-695
9) 国内第Ⅲ相試験(トラムセット配合錠:2011年4月22日承認、CTD2.7.2.3)
10) Zapater P, et al.:Ailment Pharmacol Ther. 2004;20(1):29-36
11) Prescott LF, et al.:Eur J Clin Pharmacol. 1989;36(3):291-297
12) 国内第Ⅲ相試験(トラムセット配合錠:2011年4月22日承認、CTD2.7.6.6)
13) 国内第Ⅲ相試験(トラムセット配合錠:2011年4月22日承認、CTD2.7.6.17)
14) 抜歯後疼痛に対する検討(トラムセット配合錠:2011年4月22日承認、 CTD2.5.4.6)
15) 国内第Ⅱ/Ⅲ相試験(トラムセット配合錠:2011年4月22日承認、CTD2.7.6.19)
16) Raffa RB, et al.:J Pharmacol Exp Ther. 1992;260(1):275-285
17) Raffa RB.:Am J Med. 1996;101(suppl 1A):40S-46S
18) Björkman R, et al.:Pain. 1994;57(3):259-264
19) Pelissier T, et al.:J Pharmacol Exp Ther. 1996;278(1):8-14
20) Tallarida RJ, et al.:Life Sciences. 1996;58(2):PL-23-PL-28
21) アジュバント関節炎ラットにおけるトラマドール塩酸塩及びアセトアミノフェン併用投与による鎮痛作用(トラムセット配合錠:2011年4月22日承認、CTD2.6.2.2)
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