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日本薬局方
モサプリドクエン酸塩錠
塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム及び無水硫酸ナトリウム含有経口腸管洗浄剤(ニフレック配合内用剤)以外の経口腸管洗浄剤との併用による臨床試験は実施されていない。
通常、成人には、モサプリドクエン酸塩として1日15mgを3回に分けて食前または食後に経口投与する。
通常、成人には、経口腸管洗浄剤の投与開始時にモサプリドクエン酸塩として20mgを経口腸管洗浄剤(約180mL)で経口投与する。また、経口腸管洗浄剤投与終了後、モサプリドクエン酸塩として20mgを少量の水で経口投与する。
一定期間(通常2週間)投与後、消化器症状の改善について評価し、投与継続の必要性について検討すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁への移行が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に腎機能、肝機能等の生理機能が低下している。なお、慢性胃炎に伴う消化器症状に用いる際に、副作用が発現した場合には、減量(例えば1日7.5mg)するなど適切な処置を行うこと。
抗コリン作用を有する薬剤
本剤の作用が減弱する可能性があるので、抗コリン剤を服用する場合は、服用間隔をあけるなど注意すること。
本剤の消化管運動の促進作用は、コリン作動性神経の賦活により発現するため、抗コリン剤の併用により本剤の作用が抑制される。
劇症肝炎、著しいAST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う重篤な肝機能障害、黄疸があらわれることがあり、死亡に至った例もある。
1~2%未満
1%未満
頻度不明
過敏症
浮腫
発疹、じん麻疹
血液
好酸球増多
白血球減少
消化器
下痢・軟便
口渇、味覚異常、腹痛、嘔吐
嘔気、腹部膨満感、口内しびれ感(舌、口唇等を含む)
肝臓
AST、ALT、ALP、γ-GTP、ビリルビンの上昇
循環器
心悸亢進
精神神経系
めまい・ふらつき、頭痛
その他
中性脂肪の上昇
倦怠感
振戦
1~5%未満
腹部膨満感、嘔気、腹痛
胃部不快感、おくび
ビリルビンの上昇
頭痛
眠気
尿潜血、尿蛋白
胸部不快感、寒気、倦怠感、顔面腫脹、LDHの上昇
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
げっ歯類に臨床通常用量の100~330倍(30~100mg/kg/日)を長期間経口投与した試験(ラット104週間、マウス92週間)において、腫瘍(肝細胞腺腫及び甲状腺濾胞性腫瘍)の発生率の上昇が認められた。
Tmax(hr)
Cmax(ng/mL)
t1/2(hr)
AUC0-∞(ng・hr/mL)
0.8±0.1
30.7±2.7
2.0±0.2
67±8
mean±SE
投与時期
AUC(ng・hr/mL)
1回目(24例)
1.0±0.5
116.1±35.1
150.3±45.2(0-2)
2回目(23例)
2.5±0.2
272.6±80.9
848.8±301.4(0-24)
mean±SD
モサプリドクエン酸塩錠5mg「DSEP」とガスモチン錠5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(モサプリドクエン酸塩として5mg)健康成人男子に絶食後単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲であり、両剤の生物学的同等性が確認された3)。
AUC0-8hr(ng・hr/mL)
モサプリドクエン酸塩錠5mg「DSEP」
47.5±17.6
22.5±9.9
0.8±0.6
1.88±0.27
ガスモチン錠5mg
48.5±18.1
21.7±9.4
0.9±0.3
1.85±0.26
(mean±SD, n=23)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、血液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
99.0%(in vitro、ヒト血清、1μg/mL、限外ろ過法又は平衡透析法)4)
4-フルオロベンジル基脱離体1)
主として肝臓で4-フルオロベンジル基の脱離、これに続くモルホリン環5位の酸化及びベンゼン環3位の水酸化によって代謝される1),5)。
主としてCYP3A46)
尿中、糞便中6)
投与後48時間までの尿中排泄率は、未変化体として0.1%、主代謝物(4-フルオロベンジル基脱離体)として7.0%であった1)(健康成人、空腹時モサプリドクエン酸塩錠5mg1回投与)。
モサプリドクエン酸塩錠15mg/日にエリスロマイシン1,200mg/日を併用したところ、単独投与時に比べて、モサプリドの最高血漿中濃度は42.1ng/mLから65.7ng/mLに上昇し、半減期は1.6時間から2.4時間に延長し、AUC0-4は62ng・hr/mLから114ng・hr/mLに増加した7)(健康成人)。
モサプリドクエン酸塩錠2.5mg「DSEP」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成18年11月24日 薬食審査発第1124004号)」に基づき、モサプリドクエン酸塩錠5mg「DSEP」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた8)。
二重盲検比較試験111例についての臨床成績は次のとおりである9)。
対象疾患/症状
改善率
慢性胃炎
胸やけ
68.5%(37/54)
悪心
72.7%(32/44)
嘔吐
62.5%(5/8)
バリウム注腸X線造影検査の前処置におけるブラウン変法との比較試験は、計99例を対象として実施された。その結果、モサプリドクエン酸塩錠と経口腸管洗浄剤(ニフレック配合内用剤)併用群の「右大腸バリウムの付着性スコア」及び「右大腸便残渣の量スコア」について、ブラウン変法群に劣らないことが確認された。
群
ブラウン変法群
モサプリドクエン酸塩錠とニフレック配合内用剤との併用群
右大腸バリウムの付着性スコア
9.4±1.0
9.3±1.5
右大腸便残渣の量スコア
9.2±1.5
10.8±1.6
平均値±標準偏差、各群46例スコア:右大腸(横行結腸、上行結腸、盲腸)の「バリウムの付着性」及び「便残渣の量」について、部位毎に5段階評価し、3部位の点数を合計したもの(最高:15点、最低:3点)。
安全性評価対象48例(モサプリドクエン酸塩錠とニフレック配合内用剤との併用群)中8例(16.7%)に副作用がみられた。発現頻度が5%以上であった副作用は、腹部膨満3例(6.3%)であった10)。
本剤は選択的なセロトニン5-HT4受容体アゴニストであり、消化管内在神経叢に存在する5-HT4受容体を刺激し、アセチルコリン遊離の増大を介して上部及び下部消化管運動促進作用を示すと考えられている11),12),13)。
用量依存的に、食後期の胃、十二指腸運動促進作用を示す11)(イヌ)。
用量依存的に結腸運動及び内容物輸送促進作用を示す13),17)(モルモット)。
経口腸管洗浄剤(ニフレック配合内用剤)投与による結腸内の洗浄効果を増強し、さらに結腸内の水分重量を減少する17)(モルモット)。
モサプリドクエン酸塩水和物(Mosapride Citrate Hydrate)
4-Amino-5-chloro-2-ethoxy-N-{[(2RS)-4-(4-fluorobenzyl)morpholin-2-yl]methyl}benzamide monocitrate dihydrate
C21H25ClFN3O3・C6H8O7・2H2O
650.05
白色~帯黄白色の結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミド又は酢酸(100)に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。N,N-ジメチルホルムアミド溶液(1→20)は旋光性を示さない。
開封後は湿気を避けて保存すること。
1) Sakashita M, et al.:Arzneim-Forsch/Drug Res. 1993;43:867-872
2) 降旗謙一ほか:診療と新薬 2009;46:262-271
3) 社内資料:生物学的同等性に関する資料
4) Matsumoto S, et al.:Arzneim-Forsch/Drug Res. 1993;43:1084-1094
5) Matsumoto S, et al.:Arzneim-Forsch/Drug Res. 1993;43:1095-1102
6) 非臨床薬物動態試験(ガスモチン錠・散:2009年4月22日承認、CTD2.6.4.1)
7) 加藤貴雄ほか:臨床医薬 1999;15:753-763
8) 社内資料:溶出性に関する資料
9) 三好秋馬ほか:臨床医薬 1998;14:1037-1053
10) 杉野吉則ほか:日本大腸検査学会雑誌 2008;25:99-114
11) Yoshida N, et al.:J Pharmacol Exp Ther. 1991;257:781-787
12) 薬理試験(ガスモチン錠・散:2009年4月22日承認、CTD2.6.2.2)
13) Inui A, et al.:Jpn J Pharmacol. 2002;90:313-320
14) 金泉年郁ほか:日本平滑筋学会雑誌 1990;26:161-174
15) 須山哲次ほか:内科宝函 1993;40:175-183
16) 日本薬剤師研修センター編:医薬品服薬指導情報集〔薬効別〕追補版2. 2005:437-446
17) Mine Y, et al.:J Pharmacol Sci. 2009;110:415-423
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