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処方箋医薬品注)
パーキンソン病・パーキンソン症候群
レボドパ未投与例の場合:通常成人は初回1日量1~3錠を1~3回に分けて、食後に経口投与し、2~3日毎に1日量1~2錠ずつ漸増し、維持量として1日3~6錠を経口投与する。レボドパ投与例の場合:通常成人初回1日量は投与中のレボドパ量の約1/5に相当するレボドパ量(本剤1錠中レボドパ100mg含有)に切り換え、1~3回に分けて、食後に経口投与し、漸増もしくは漸減し、維持量として1日量3~6錠を経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
症状が悪化するおそれがある。
血糖値の上昇を誘発し、インスリン必要量を増大させるとの報告がある。
眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。
精神症状が悪化するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(ウサギ)で、胸骨核の癒合、過剰頸椎骨(120mg/kg/日)が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。乳汁分泌が抑制されるおそれがあり、また動物実験(ラット)でレボドパ及びベンセラジドの乳汁移行が知られている。
不安、不眠、幻覚、血圧低下等の副作用があらわれるおそれがあるので注意すること。一般に生理機能が低下している。
レセルピン製剤テトラベナジン
脳内ドパミンが減少し、本剤の作用が減弱するおそれがある。
脳内のドパミンを減少させてパーキンソン症状を悪化させる。
抗精神病薬
本剤の作用が減弱することがある。
これらの薬剤によりドパミン受容体が遮断される。
パパベリン塩酸塩
本剤の作用が減弱するおそれがある。
明確な機序は不明であるが、以下のような説がある。a. パパベリン塩酸塩が線条体でのドパミン受容体を遮断する。b. パパベリン塩酸塩がアドレナリン作動性神経小胞でレセルピン様作用を示す。
鉄剤
キレートを形成し、本剤の吸収が減少するとの報告がある。
イソニアジド
機序は不明であるが、イソニアジドによりドパ脱炭酸酵素が阻害されると考えられている。
血圧降下剤
血圧降下剤の作用を増強することがある。
レボドパに降圧作用があるため、相加作用により血圧降下剤の作用を増強する。
他の抗パーキンソン剤
精神神経系及び循環器系の副作用が増強することがある。
長期投与により、大脳皮質におけるアセチルコリン系感受性が亢進し、精神症状や心血管系の症状を呈しやすくなる。
NMDA受容体拮抗剤
本剤の作用を増強するおそれがある。
これらの薬剤により、ドパミン遊離が促進する可能性がある。
全身麻酔剤
不整脈を起こすおそれがある。
末梢でドパミンはβ1アドレナリン受容体に作用し強心作用を示し、ハロタンは心筋の被刺激性亢進作用を示す。
急激な減量又は投与中止により、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック状態等があらわれることがあるので、このような場合には、再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等適切な処置を行うこと。
前兆のない突発的睡眠があらわれることがある。
急激な眼圧上昇を伴う閉塞隅角緑内障を起こすことがあるので、霧視、眼痛、充血、頭痛、嘔気等が認められた場合には、投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
精神神経系
不眠、頭痛・頭重
焦燥感、精神高揚、せん妄、不安、めまい、眠気、筋緊張低下、突発性硬直、構音障害
不随意運動(顔面、頸部、口、四肢等)、傾眠、病的賭博、病的性欲亢進、ドパミン調節障害症候群
消化器
嘔気、食欲不振
口渇、嘔吐、便秘、腹痛、下痢、胸やけ、口内炎、腹部膨満感
胃部不快感、唾液分泌過多
泌尿器
排尿異常
血液
白血球減少
皮膚
発疹、蕁麻疹様湿疹、四肢色素沈着、口唇の水ぶくれ
脱毛
循環器
動悸、たちくらみ、不整脈
血圧低下
眼
視覚異常
肝臓注)
AST・ALT・Al-Pの上昇
その他
発汗、胸痛、脱力・倦怠感、浮腫、のぼせ感
唾液・痰・口腔内粘膜・汗・尿・便等の変色(黒色等)
ニトロプルシドナトリウム水和物の検尿テープによる尿検査では、ケトン体反応が偽陽性になる場合がある。
異常な不随意運動、混乱、不眠、まれに嘔気、嘔吐、不整脈等が起こるおそれがある。
アルカリ性薬剤との調剤(一包化)により、着色変化を起こすことがあるので注意すること。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
パーキンソン病患者9例にレボドパ200mgとベンセラジド50mg(本剤2錠に相当)を単回経口投与したとき、血漿中レボドパ濃度は、ほぼ1時間後に最高約1μg/mLに達し、レボドパ1gを単回経口投与したパーキンソン病患者5例と比較して、レボドパ投与量が1/5であるにも拘わらず、約2倍の値を示した1)。
ラット(Wistar系)に、14C-レボドパ50mg/kgとベンセラジド12.5mg/kgを単回経口投与したとき、14C-レボドパの血漿中濃度は1時間後に最高17.7μg/mLに達し、14C-レボドパ50mg/kg単回経口投与時の約3~5倍、また脳内濃度は約10倍の値を示した2)。
パーキンソン病患者7例にレボドパ200mgとベンセラジド50mg(本剤2錠に相当)を単回経口投与したとき、投与後3時間までのレボドパ及び代謝物の尿中総排泄率は9.5~16.1%で、レボドパ1gを単回経口投与したパーキンソン病患者3例に比べてレボドパ排泄量が4~10倍に増加し、脱炭酸代謝物はいずれも減少し、血漿中濃度を反映した排泄パターンが認められた。尿中主代謝物は、脱炭酸代謝物としてドパミン、3, 4-ジヒドロキシフェニル酢酸、ホモバニリン酸が認められた1)。また、ラット(Wistar系)に、14C-レボドパ50mg/kgとベンセラジド12.5mg/kgを単回経口投与したとき、放射性物質の総排泄率は、投与後8時間で尿中32%、糞中約1%、投与後48時間では尿中72%、糞中約10%であった2)。
239例の臨床試験(一般臨床試験)におけるパーキンソン病・パーキンソン症候群の有効率は79.1%(189例)であった。主症状の有効率は、筋強剛42.1%(82/195例)、振戦40.9%(63/154例)、無動~寡動32.6%(62/190例)、日常生活動作障害29.7%(47/158例)であった3)。また、パーキンソン病患者を対象とした二重盲検比較試験において、本剤の有用性が認められた4)。
レボドパは、血液脳関門を通過して脳内に入り、ドパ脱炭酸酵素により脱炭酸されてドパミンとなり、パーキンソニズムに対する治療効果を発揮する。脱炭酸酵素阻害作用をもつベンセラジド塩酸塩は、通常用量において脳内へ移行しない。このため脳内におけるレボドパのドパミンへの代謝は抑制されず、選択的に脳外においてドパ脱炭酸酵素の作用を阻害する。したがってレボドパにベンセラジド塩酸塩を配合することにより、血液中のカテコールアミン(ドパミン、ノルアドレナリン等)は減少し、レボドパ濃度は上昇するため、脳内へのレボドパ移行量が高まり、脳内ドパミン量は増大する5),6)。
レボドパ(Levodopa)
3-Hydroxy-L-tyrosine
C9H11NO4
197.19
白色又はわずかに灰色を帯びた白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。ギ酸に溶けやすく、水に溶けにくく、エタノール(95)にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。飽和水溶液のpHは5.0~6.5である。
約275℃(分解)
L-ドパ(L-DOPA)
〔α〕20D:-11.5~-13.0°(乾燥後、2.5g、1mol/L塩酸試液、50mL、100mm)
ベンセラジド塩酸塩(Benserazide Hydrochloride)
(2RS)-2-Amino-3-hydroxy-N ′-(2,3,4-trihydroxybenzyl)propanoylhydrazide monohydrochloride
C10H15N3O5・HCl
293.70
白色~灰白色の結晶性の粉末である。水又はギ酸に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。水溶液(1→100)のpHは4.0~5.0である。吸湿性である。光によって徐々に着色する。水溶液(1→100)は旋光性を示さない。
開封後は湿気を避けて保存すること。
マドパー配合錠:100錠(PTP10錠×10)、1,000錠(PTP10錠×100)
1) 横地正之,他:脳と神経.1979;31:339-348
2) 兼田瑞穂,他:薬理と治療.1977;5(S1):269-297
3) 社内資料: 特発性パーキンソン病患者を主とした一般臨床試験(承認年月日:1979年8月27日)
4) 水野美邦,他:神経進歩.1977;21:807-834
5) Pletscher,A.,et al.:Schweiz.Med.Wochenschr.1970;100:797-804
6) 兼田瑞穂,他:薬理と治療.1977;5(S1):243-253
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