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日本薬局方
ジゴキシン注射液
劇薬
処方箋医薬品注)
飽和療法は過量になりやすいので、緊急を要さない患者には治療開始初期から維持療法による投与も考慮すること。
心筋収縮力増強により心筋虚血を悪化させるおそれがある。
中毒が発現した場合鑑別ができないおそれがある。
少量で中毒を起こすおそれがある。,
副伝導路の伝導速度を速め、不整脈が悪化するおそれがある。
本剤の血中濃度が高くなり、作用が増強し、中毒を起こすおそれがある。,
本剤の血中濃度が低くなり、作用が減弱し、大量投与を要することがある。
本剤の排泄が遅延し、中毒を起こすおそれがある。,
本剤の排泄が遅延する。また、透析により、血清カリウム値が低下する可能性があるため、中毒を起こすおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ジゴキシンはヒトで乳汁中へ微量ながら移行する。
少量から投与を開始し、血中濃度や心電図等を監視するなど、観察を十分に行い、慎重に投与すること。ジギタリス中毒があらわれやすい。,
外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99~234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している。
少量から投与を開始し、血中濃度等を監視するなど、観察を十分に行い、慎重に投与すること。ジギタリス中毒があらわれやすい。,
ジスルフィラム
シアナミド
顔面紅潮、血圧低下、胸部圧迫感、心悸亢進、呼吸困難、失神、頭痛、悪心、嘔吐、めまい、痙攣等があらわれることがある。
本剤はエタノールを含有しているため、ジスルフィラム・シアナミド-アルコール反応を起こすことがある。
解熱・鎮痛・消炎剤
本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。
本剤の腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある。
トラゾドン
機序は不明であるが、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。
スキサメトニウム塩化物水和物
併用により重篤な不整脈を起こすおそれがある。治療上やむを得ないと判断される場合を除き、スキサメトニウム塩化物を投与しないこと。
スキサメトニウム塩化物水和物の血中カリウム増加作用又はカテコールアミン放出が原因と考えられている。
不整脈用剤
機序不明なものも含まれるが、本剤の腎排泄が抑制されることによる血中濃度上昇、あるいは、薬力学的相互作用による刺激伝導抑制等があらわれることがある。
β遮断剤
薬力学的相互作用により、伝導抑制増強、徐脈の誘発があらわれることがある。また、カルベジロールでは本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。
利尿剤カリウム排泄型利尿剤
アセタゾラミド
過度の利尿により、血中カリウム値が低下しやすくなるとの報告がある。
利尿剤スピロノラクトン
利尿剤トルバプタン
P糖蛋白質を介した本剤の排泄の抑制により、血中濃度が上昇するとの報告がある。
血圧降下剤
薬力学的相互作用により、伝導抑制の増強、徐脈の誘発があらわれることがある。
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤
カルシウム拮抗剤
HMGCoA還元酵素阻害剤フルバスタチン
機序は不明であるが、本剤の最高血中濃度の上昇が認められたとの報告がある。
HMGCoA還元酵素阻害剤アトルバスタチン
P糖蛋白質を介した本剤の排泄の抑制により血中濃度の上昇が示唆されている。
ポリスチレンスルホン酸塩
腸内のカリウムイオンとのイオン交換により、血中カリウム値が低下するとの報告がある。
交感神経刺激剤
薬力学的相互作用により不整脈があらわれることがある。
副腎皮質ホルモン剤
副腎皮質ホルモンにより低カリウム血症が起こるためと考えられている。
ビタミンD製剤
ビタミンD製剤により血中カルシウム値が上昇するためと考えられている。
カルシウム(注射剤)(カルシウム値の補正に用いる場合を除く)
静注により急激に血中カルシウム濃度が上昇するとジゴキシンの毒性が急激に出現することがある。治療上やむを得ないと判断される場合を除き、カルシウム注射剤を投与しないこと。やむを得ず投与する場合には、急激にカルシウム濃度を上昇させるような使用法は避けること。
本剤の催不整脈作用は、心筋細胞内カルシウム濃度に依存すると考えられている。
カルシウム(経口剤)カルシウム含有製剤
これらの薬剤により血中カルシウム値が上昇するためと考えられている。
シクロスポリン
抗生物質製剤クラリスロマイシン
抗生物質製剤アムホテリシンBエンビオマイシン
これらの薬剤により血中カリウム値が低下するためと考えられている。
HIVプロテアーゼ阻害剤リトナビル
エトラビリン
P糖蛋白質阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。
C型肝炎治療剤
レジパスビルのP糖蛋白質阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。
化学療法剤
抗甲状腺剤チアマゾールプロピルチオウラシル
甲状腺機能亢進の改善に伴いクリアランスが正常になるため、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。
ベムラフェニブ
カルバマゼピン
本剤の作用を減弱することがある。
併用後、本剤の血中濃度の低下が認められたとの報告がある。
抗生物質製剤リファンピシン
肝薬物代謝酵素誘導により、本剤の血中濃度が低下するとの報告がある。
甲状腺製剤
甲状腺機能低下の改善に伴いクリアランスが正常になるため、本剤の血中濃度が低下するとの報告がある。
アカルボースミグリトール
併用により本剤の血中濃度の低下が認められたとの報告がある。
セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の排泄が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。
ブピバカイン塩酸塩水和物
ブピバカイン塩酸塩水和物の副作用を増強したとの報告がある。
薬力学的相互作用によると考えられている。
ヘパリン
ヘパリンの作用を減弱するおそれがある。
抗凝血作用に拮抗すると考えられている。
制吐作用を有する薬剤
ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、食欲不振等)を不顕化するおそれがある。
これらの薬剤の制吐作用のため本剤の中毒症状が判別しにくくなる。
高度の徐脈、二段脈、多源性心室性期外収縮、発作性心房性頻拍等の不整脈があらわれることがある。また、さらに重篤な房室ブロック、心室性頻拍症あるいは心室細動に移行することがある。初期症状として消化器、眼、精神神経系症状があらわれることが多いが、それらの症状に先行して不整脈が出現することもある。,,,,,,,,,,
腸管壊死に至った例も報告されている。激しい腹痛、血便等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
頻度不明
消化器注)
食欲不振、悪心・嘔吐、下痢等
眼注)
視覚異常(光がないのにちらちら見える、黄視、緑視、複視等)
精神神経系注)
めまい、頭痛、失見当識、錯乱、譫妄等
肝臓
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇
血液
血小板数減少
過敏症
発疹、蕁麻疹、紫斑、浮腫等
その他
女性型乳房、筋力低下
ジギタリス中毒が起こることがある。
次のような処置を行う。
筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため以下の点に注意すること。
本剤は一部代謝される。主な代謝物は薬理活性のないdihydrodigoxinとdihydrodigoxigenin、薬理活性を持つdigoxigenin-bis-digitoxiside及びdigoxigenin-mono-digitoxisideである1)。主な代謝酵素は肝薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP)3Aが考えられている2)。
本剤は大部分が未変化体で尿中排泄される。腎排泄を主経路とし、糸球体濾過とP糖蛋白質を介する尿細管分泌により尿中に排泄される3),4)。
筋細胞膜のNa+,K+-ATPase阻害作用に基づく心筋収縮力増大作用が主体となる。
Ca2+利用効率低下状態にある心不全はジゴキシンによって正常レベルまで効率が高められた結果、強心作用が発揮される5)。迷走神経刺激作用、頸動脈洞を介する迷走神経反射等のほかに抗交感神経作用により徐脈をもたらす(イヌ)6)。刺激伝導速度の抑制、不応期の延長(イヌ)等の作用によって抗不整脈作用を示すものと考えられる6)。
ジゴキシン(Digoxin)(JAN)
3β-[2,6-Dideoxy-β-D-ribo-hexopyranosyl-(1→4)-2,6-dideoxy-β-D-ribo-hexopyranosyl-(1→4)-2,6-dideoxy-β-D-ribo-hexopyranosyloxy]-12β,14-dihydroxy-5β,14β-card-20(22)-enolide
C41H64O14
780.94
無色~白色の結晶又は白色の結晶性の粉末である。ピリジンに溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、酢酸(100)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
1mL[10アンプル]
1) Doherty,J.E.et al.:Prog.Cardiovasc.Dis.1978;21(2):141-158
2) Salphati,L.et al.:Xenobiotica., 1999:29(2):171-185
3) Tanigawara,Y.et al.:J.Pharmacol.Exp.Ther..1992;263:840-845
4) Woodland,C.et al.:Ther.Drug Monit.,1998;20:134-138
5) Lee,K.S.et al.:Pharmacol.Rev.,1971;23(3):193-261
6) Schaal,S.F.et al.:Cardiovasc. Res.1968;2(4):356-359
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