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日本薬局方
メトプロロール酒石酸塩錠
劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人にはメトプロロール酒石酸塩として1日60~120mgを1日3回に分割経口投与する。効果不十分な場合は240mgまで増量することができる。なお、年齢、症状により適宜増減する。
通常、成人にはメトプロロール酒石酸塩として1日60~120mgを1日2~3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
*褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者では、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること。,
気管支拡張剤を併用するなど慎重に投与すること。喘息等の症状を誘発・悪化させるおそれがある。
観察を十分に行い、ジギタリス剤を併用するなど慎重に投与すること。心筋収縮力を抑制し、症状を誘発するおそれがある。
血糖値に注意すること。低血糖症状を起こしやすく、かつ低血糖の前駆症状である頻脈等の症状をマスクしやすい。
心機能に注意すること。心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。
症状を悪化させるおそれがある。
本剤の単独投与により急激に血圧が上昇することがある。,
排泄が遅延するおそれがある。
代謝が遅延するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討すること。母乳中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤
過剰の交感神経抑制を来し、徐脈、血圧低下等があらわれるおそれがあるので、用量に注意すること。
共に交感神経抑制作用を有するため。
血糖降下剤
血糖降下作用を増強することがある。また、低血糖症状(頻脈等)をマスクすることがあるので、血糖値に注意すること。
本剤のβ遮断作用により、低血糖からの回復が遅れることがあり、また、低血糖に伴う交感神経系の症状をマスクする。
カルシウム拮抗剤
相互に作用が増強され、過度の降圧又は心機能抑制があらわれることがあるので、用量に注意すること。
共に陰性変時・変力作用、降圧作用を有するため。
クロニジン
クロニジンの投与中止後のリバウンド現象(血圧上昇)を増強するおそれがある。クロニジンの投与を中止する場合には、本剤を数日前に中止し、経過を観察してから行うこと。
クロニジンの投与中止により血中ノルアドレナリンが増加した場合、本剤のβ遮断作用によりα刺激作用(血管収縮作用)が優位となるため。
ClassⅠ抗不整脈剤
ClassⅢ抗不整脈剤
過度の心機能抑制があらわれることがあるので、用量に注意すること。
共に心機能抑制作用を有するため。
抗不整脈剤
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強することがあるので、用量に注意すること。
これらの薬剤の肝代謝酵素阻害作用により本剤の代謝が抑制されると考えられる。
ミラベグロン
本剤のAUCが3.29倍上昇したとの報告があり、本剤の作用が増強するおそれがある。
ミラベグロンのCYP2D6阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
麻酔剤
過剰の交感神経の抑制を起こす可能性があるので心機能等に注意すること。
ジギタリス製剤
房室伝導時間が延長し、徐脈、房室ブロック等があらわれるおそれがあるので、心機能に注意すること。
共に刺激伝導速度の抑制作用を有するため。
非ステロイド性抗炎症剤
本剤の降圧作用が減弱することがあるので、用量に注意すること。
非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有する腎プロスタグランジンの合成・遊離を阻害し血圧を上昇させることがある。
降圧作用を有する他の薬剤
過度の降圧を来すおそれがあるので、用量に注意すること。
共に降圧作用を有するため。
シメチジン
選択的セロトニン再取込み阻害剤
抗ヒスタミン剤
ヒドララジン
ヒドララジンは肝血流量を増加させ、本剤の初回通過効果を減少させると考えられる。
リファンピシン
本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、用量に注意すること。
リファンピシンの肝代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
リドカイン
リドカインの血中濃度を上昇させることがあるので、用量に注意すること。
本剤による肝血流量の減少及び肝代謝酵素活性阻害によりリドカインの代謝を遅延させると考えられる。
フィンゴリモド
フィンゴリモドの投与開始時に本剤を併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められることがある。
共に徐脈や心ブロックを引き起こすおそれがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
眼
視覚障害(霧視等)
涙液分泌減少、結膜炎
過敏症
発疹(乾癬型等)
そう痒
光線過敏症
血液
血小板減少
循環器
動悸
末梢循環障害(四肢の冷え・しびれ等)
心室性期外収縮、起立性低血圧注)、低血圧
呼吸器
息切れ
鼻閉、鼻炎、気管支痙攣
精神神経系
めまい・ふらつき、頭痛、不眠、眠気、抑うつ
悪夢、不安
幻覚、感覚異常、注意力障害、神経過敏、健忘、錯乱
消化器
腹痛、食欲不振、便秘、下痢、胸やけ、口渇
悪心・嘔吐、腹部膨満感
肝臓
AST上昇、ALT上昇
その他
胸部圧迫感、浮腫、疲労感、耳鳴
性欲減退
倦怠感、トリグリセライドの上昇、発汗、CK(CPK)の上昇、筋痙直、勃起障害、味覚異常、脱毛、難聴、関節痛、体重増加、乾癬悪化
重度の低血圧、洞性徐脈、房室ブロック、心筋梗塞、心不全、心原性ショック、心停止、気管支痙攣、意識障害(又は昏睡)、痙攣、悪心、嘔吐、チアノーゼ等の症状が起こるおそれがある。
アトロピンを静注する。効果不十分な場合にはβ1刺激剤(ドブタミン等)を投与する。又は一時的にペースメーカーを使用する。
低血圧には昇圧剤(アドレナリン、ドパミン、ドブタミン等)を投与する。
利尿剤、ジギタリス製剤を投与する。
β2刺激剤又はアミノフィリンを静注する。これらの処置の間は患者を常に観察下におくこと。また、過度の徐脈、過度の低血圧、心不全の処置には、グルカゴンが有効な場合もある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
β遮断剤服用中の患者では、他の薬剤によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療に抵抗するとの報告がある。
健康人にメトプロロール40mgを単回経口投与した場合の薬物動態パラメータはつぎのとおりである。血漿中未変化体濃度は、投与後1.9時間に最高濃度に達し、2.8時間の半減期で消失した1)。
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
AUC0-∞(ng・hr/mL)
41.8
1.9
2.8
241.9
メトプロロールは主として肝において代謝され、腎から排泄される。3H-メトプロロールを経口投与した場合、胃腸管から速やかにかつほぼ完全に吸収されるが、投与量の約60%が肝での初回通過効果を受けるため、約40%が体循環に到達する2)。なお、メトプロロールの主な代謝酵素はCYP2D6(70~80%)とされている3)(外国人のデータ)。
3H-メトプロロールを経口投与した場合の尿中総排泄率は24時間後で投与量の90%以上である。3~5%が未変化体として排泄される4)。
メトプロロールは健康人の運動負荷による心拍数、収縮期血圧の上昇をプロプラノロールと同程度に抑制する。その最大効果は投与後1~2時間にみられ、6~8時間後においても有意な抑制効果が認められている12),13)。一方、イソプレナリン負荷による頻脈を抑制する作用はプロプラノロールより弱い14)。健康人に1回経口投与すると、安静時の心拍数、心拍出量は投与1時間後をピークとして、有意に減少するが、血圧はほとんど変化を示さない15)。高血圧症患者に連続経口投与した場合には、心拍数、心拍出量の減少とともに血圧の有意な下降が認められている16)。なお、メトプロロールには、内因性β受容体刺激作用は認められていない(ネコ)17)。
通常、臨床投与量のメトプロロールは、主として気管支平滑筋、血管平滑筋に分布するβ2受容体にはほとんど影響を与えないことが下記の如く確認されている。
自然発症高血圧ラット(SHR)、副腎再生性ラットにおいて、メトプロロールの連続投与により明らかな抗高血圧作用が認められている。また、血漿レニン活性の有意な低下が認められている(健康人)15)。
労作性狭心症患者で、アドレナリン負荷により誘発された狭心痛あるいは心電図上のST低下を明らかに抑制する24)。
活動電位に対する作用(ヒツジ)及び膜安定化作用は極めて弱い(カエル、モルモット)が、ウワバイン誘発不整脈(モルモット)及びアドレナリン誘発不整脈(モルモット)等の実験的不整脈に対し、明らかな抑制作用が認められている。
メトプロロール酒石酸塩(Metoprolol Tartrate)(JAN)(日局)
(2RS)-1-Isopropylamino-3-[4-(2-methoxyethyl)phenoxy]propan-2-ol hemi-(2R,3R)-tartrate
(C15H25NO3)2・C4H6O6
684.81
本品は白色の結晶性の粉末である。本品は水に極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすい。旋光度〔α〕20D:+7.0~+10.0°(乾燥後、1g、水、50mL、100mm)。本品は結晶多形が認められる。
120~124℃
0.18[1-オクタノール/水(pH7.0)、25℃]
100錠[10錠(PTP)×10]500錠[10錠(PTP)×50]1000錠[10錠(PTP)×100]
1) 岸本千晴 他:薬理と治療, 1984;12(10):4451-4463
2) Regårdh,C.G.,et al.:J.Pharmacokinet.Biopharm., 1974;2(4):347-364
3) Bertz,R.J.,et al.:Clin.Pharmacokinet., 1997; 32(3):210-258
4) Borg,K.O.,et al.:Acta Pharmacol.Toxicol., 1975;36(Suppl.V):125-135
5) 吉利 和 他:臨床と研究, 1979;56(2):574-583
6) 山下秀光 他:臨床と研究, 1980;57(3):907-914
7) 海老原昭夫 他:薬理と治療, 1978;6(7):2101-2108
8) 大塚啓子 他:臨床薬理, 1980;11(1):71-82
9) 木下康民 他:医学のあゆみ, 1978;105(11):964-979
10) 宮原光夫 他:薬理と治療, 1979;7(5):1443-1462
11) 前田如矢 他:臨床と研究, 1978;55(4):1278-1288
12) 榊原 博 他:薬理と治療, 1979;7(5):1334-1340
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15) 松下 哲 他:心臓, 1978;10(7):676-680
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17) Åblad,B.,et al.:Life Sci., 1973;12/I(3):107-119
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22) 滝島 任 他:薬理と治療, 1980;8(7):2451-2457
23) Johnsson,G.:Acta Pharmacol.Toxicol., 1975;36(Suppl.V):59-68
24) 宮原光夫 他:臨床薬理, 1978;9(2):191-203
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