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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与及び放射線照射に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)
通常、成人にはグラニセトロンとして1回2mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
抗悪性腫瘍剤投与後、本剤の効果が不十分で悪心、嘔吐が発現した場合には、他の制吐療法(注射剤の投与等)を考慮すること。
細粒剤はアスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)を含有する。
本剤投与後観察を十分に行うこと。本剤の投与により消化管運動の低下があらわれることがある。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠前及び妊娠初期投与(ラット、0.25~100mg/kg経口)試験では、100mg/kg投与群で胎児の骨格異常の軽度増加及び雌で協調運動機能低下がみられたが、親動物の生殖能、次世代児の発育・生殖能及び第二世代児に対する影響はみられなかった。胎児の器官形成期投与(ラット、0.25~125mg/kg経口)、周産期及び授乳期投与(ラット、0.25~100mg/kg経口)の各試験において、雌雄の生殖能、次世代児の発育・生殖能に影響はなく、催奇性もみられなかった。1)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。授乳中のラットに14C標識グラニセトロン塩酸塩3mg/kgを静脈内投与し、乳児に哺乳させた際の乳児の胃(乳汁を含む内容物)中の放射能を測定したところ、投与量の0.5%以下であった。2)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に、高齢者には副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。なお、国内で実施された第Ⅱ相及び第Ⅲ相臨床試験において、65才以上の高齢者での副作用発現は112例中3例(発熱1例、頭痛2例)であった。
セロトニン作用薬
セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、錯乱、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクローヌス等)があらわれるおそれがある。
セロトニン作用が増強するおそれがある。
ショック、アナフィラキシー(瘙痒感、発赤、胸部苦悶感、呼吸困難、血圧低下等)があらわれるとの報告がある。
1%未満
頻度不明
過敏症
発疹
精神神経系
頭痛
消化器
便秘
肝臓
AST(GOT)、ALT(GPT)上昇等の肝機能検査値異常
その他
発熱
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
マウス及びラットに1、5、50mg/kgを2年間経口投与し対照群と比較した。マウスでは50mg/kg群の雄で肝細胞がん、50mg/kg群の雌で肝細胞腺腫の増加がみられた。また、ラットでは5mg/kg以上群の雄及び50mg/kg群の雌で肝細胞腫瘍の増加がみられた。しかし、1mg/kg群(臨床用量の25倍に相当する)では、マウス及びラットとも肝細胞腫瘍の増加は認められなかった。
健康成人男子20例にグラニセトロンとして2mg(錠1mgを2錠あるいは錠2mgを1錠)を単回経口投与したときの血漿中濃度は以下のとおりであった。3)
投与量
Tmax(hr)
Cmax(ng/mL)
t1/2(hr)
AUC(ng・hr/mL)
1mg×2
1.85±0.59
9.91±3.33
5.05±2.11
79.48±48.83
2mg×1
2.05±0.69
9.05±3.52
5.29±3.34
79.61±50.00
mean±SD
主な代謝は、芳香環7位の水酸化(代謝物D)及びN-脱メチル化(代謝物A)であった。本剤0.1mg/kg投与時の血漿中濃度は、投与後0.5時間において遊離型及び抱合型を含め、グラニセトロン約49%、代謝物D約8%、代謝物A約5%、投与後24時間ではそれぞれ約16%、13%、6%であった。代謝物Bも認められたが、24時間時に約4%であった。ヒト肝ミクロゾームを用いて行なったin vitro試験の結果では、グラニセトロンの芳香環7位の水酸化及びN-脱メチル化の代謝にはP450(CYP3A)の関与が報告されている。
本剤の代謝物について、5-HT3受容体に対する作用の有無をin vitro及びin vivoで検討したところ、代謝物D及びBは、本剤とほぼ同等の5-HT3受容体拮抗作用を示し、抗悪性腫瘍剤誘発嘔吐に対しても制吐作用を示したが、他の代謝物では認められなかった。これらの代謝物は、ヒト血中での濃度が低いことから、本剤の制吐作用にはほとんど影響しないと考えられた。
主な排泄経路は腎臓。
健康成人に、グラニセトロンとして2mgを単回経口投与した際の尿中排泄を検討した。その結果、24時間後の累積排泄率(平均値)は、33.7%であった。4)
健康成人(西欧人)に14C標識グラニセトロン塩酸塩0.1mg/kgを経口投与した際、168時間後の尿中及び糞中の累積排泄率は、それぞれ投与量の59%及び38%であった。
二重盲検比較試験5)を含む臨床試験成績の概要は次のとおりである。6),7),8),9),10),11),12)抗悪性腫瘍剤投与1時間前にグラニセトロンとして2mgを投与した場合、有効率(有効以上)は83.7%(288/344例)であった。特に、シスプラチン投与前に投与した場合の有効率は81.3%(217/267例)、シスプラチン以外の抗悪性腫瘍剤投与前に投与した場合は92.2%(71/77例)であった。剤形別では、錠2mg(1mg2錠及び2mg1錠)を投与したときの有効率は82.6%(251/304例)、細粒2mgを投与したときの有効率は92.5%(37/40例)であった。
ラット又はモルモット脳標本を用いて、各種受容体に対するグラニセトロン塩酸塩の親和性を検討したところ、本剤は5-HT3受容体に対しては極めて高い親和性を示したが(Ki値=0.26nM)、5-HT1(5-HT1A、5-HT1B/C、5-HT1C)、5-HT2、ドパミンD2、アドレナリンα1、α2及びβ、ベンゾジアゼピン、ピクロトキシン並びにヒスタミンH1、オピオイドμ、κ及びδの各受容体に対する親和性はほとんど認められなかった(5-HT1C受容体以外の受容体:Ki値>1000nM、5-HT1C受容体:IC50値>10000nM)。
5-HTによる5-HT3受容体を介した一過性の徐脈(von Bezold-Jarischreflex)に対する作用を麻酔ラットで検討したところ、グラニセトロン塩酸塩はこの反射を用量依存的に抑制した。
フェレットにグラニセトロン塩酸塩を経口投与し、15分後にシスプラチン10mg/kgを静脈内投与したところ、グラニセトロン塩酸塩0.005mg/kg以上で嘔吐回数の有意な減少及び嘔吐潜伏時間の有意な延長が認められた。
フェレットにドキソルビシン6mg/kgとシクロホスファミド80mg/kgを静脈内投与する15分前にグラニセトロン塩酸塩0.5mg/kgを経口投与したところ、嘔吐回数の有意な減少及び嘔吐潜伏時間の有意な延長が認められた。
グラニセトロン塩酸塩(Granisetron Hydrochloride)(JAN)
1-Methyl-N-(endo-9-methyl-9-azabicyclo[3.3.1]non-3-yl)-1H-indazole-3-carboxamide hydrochloride
C18H24N4O・HCl
348.87
白色の粉末又は塊のある粉末である。水に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
約291℃(分解)
20錠(PTP)
10錠(PTP)
0.5g[10包]
1) Baldwin,J.A.,et al.:薬理と治療.1993;21:1753-1769
2) Haddock, R. E., et al.:基礎と臨床.1990;24:6821‐6843
3) 工藤 忍,他:薬理と治療.1996;24:1529-1535
4) 岡田秀樹,他:薬理と治療.1993;21:1771-1787
5) 住永雅司,他:癌と化学療法.1993;20:1211-1219
6) 住永雅司,他:臨床医薬.1993;9:1615-1628
7) 松石英城,他:癌と化学療法.1993;20:1339-1348
8) 平岡 諦,他:癌と化学療法.1993;20:1835-1841
9) 加藤政和,他:臨床医薬.1993;9:1925-1932
10) 高橋康雄,他:臨床医薬.1993;9:1401-1407
11) 高田 実,他:癌と化学療法.1997;24:987-994
12) 吉谷徳夫,他:癌と化学療法.1997;24:1141-1147
13) Blower,P.R.:Eur.J.Cancer,1990;26(Suppl.1):8-11
14) Sanger,G.J.,et al.:Eur.J.Pharmacol. 1989;159:113-124
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