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日本薬局方
ドキシフルリジンカプセル
劇薬
処方箋医薬品注)
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤との併用により、重篤な血液障害等の副作用が発現するおそれがあるので、併用を行わないこと。,
通常、1日量としてドキシフルリジン800~1200mgを3~4回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
骨髄機能抑制が増強するおそれがある。,
骨髄機能抑制により、感染症が悪化するおそれがある。,
症状が悪化するおそれがある。
致命的な全身障害があらわれるおそれがある。
副作用が強くあらわれるおそれがある。
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ラットで、胎児に骨格変異、化骨遅延等(50mg/kg/日以上)が報告されている。
授乳を避けさせること。ラットで乳汁中への移行が報告されている。
副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤
早期に重篤な血液障害や下痢、口内炎等の消化管障害等が発現するおそれがあるので、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中及び投与中止後少なくとも7日以内は本剤を投与しないこと。
ギメラシルがフルオロウラシルの異化代謝を阻害し、血中フルオロウラシル濃度が著しく上昇する。
他の抗悪性腫瘍剤
血液障害、消化管障害等の副作用が増強することがあるので、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
副作用が相互に増強される。
フェニトイン
めまい、眼振、運動失調等のフェニトイン中毒があらわれることがある。
機序は不明であるが、フェニトインの血中濃度が上昇する。
ワルファリンカリウム
ワルファリンカリウムの作用を増強し出血傾向があらわれることがあるので、凝固能の変動に注意すること。
機序は不明である。
トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤
副作用が増強するおそれがある。
フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤の代謝に影響を及ぼす可能性がある。
激しい下痢(初期症状:腹痛、頻回の軟便等)があらわれ、脱水症状まで至ることがある。このような症状があらわれた場合には投与を中止し、補液等の適切な処置を行うこと。
激しい下痢、脱水等が原因の循環不全により、虚血性急性腎不全を起こすことがある。激しい下痢、脱水等があらわれた時は投与を中止し、輸液投与等適切な処置をすること。
汎血球減少、白血球減少、血小板減少、貧血等の骨髄機能抑制、溶血性貧血があらわれることがある。,,
出血性腸炎、虚血性腸炎、壊死性腸炎等(初期症状:腹痛、頻回の軟便、下痢等)があらわれることがある。激しい腹痛・下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
健忘、歩行障害、知覚障害、錐体外路症状、口のもつれ、舌のもつれ、意識障害、麻痺、尿失禁(いずれも頻度不明)が、指南力低下、構音障害(いずれも0.1%未満)等があらわれることがある。また、上記の症状が白質脳症の初期症状としてあらわれることがある。
間質性肺炎(初期症状:咳嗽、息切れ、呼吸困難、発熱等)があらわれることがある。
劇症肝炎等の重篤な肝障害、黄疸があらわれることがある。
血清アミラーゼ上昇、腹痛等の異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
嗅覚障害があらわれ、嗅覚脱失まで至ることがある。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
肝臓
ビリルビンの上昇
AST、ALT、ALPの上昇
腎臓
BUN上昇、血尿、蛋白尿
頻尿
消化器
下痢(25.3%)、食欲不振(11.4%)、悪心・嘔吐(12.6%)
腹痛
麻痺性イレウス、口内炎、腹部膨満感、心窩部痛、口渇、口唇炎、便秘
消化管出血、舌炎、口角炎、胃潰瘍、胸やけ
精神神経系
倦怠感、ふらつき
眠気、頭痛、味覚異常、舌しびれ、耳鳴
皮膚
色素沈着
掻痒感、脱毛
皮膚炎、光線過敏症、紅斑、爪異常
過敏症
発疹
湿疹、蕁麻疹
循環器
胸部圧迫感
心悸亢進、不整脈、心電図異常(ST上昇、QT延長、T波逆転)
その他
発熱、咽頭異和感、眼精疲労
女性化乳房、浮腫
悪性腫瘍患者4例にドキシフルリジンとして800mgを単回経口投与※したとき、未変化体の血清中濃度は1~2時間後に最高値約1μg/mLに達し、以後速やかに低下した。また、5-FU濃度も1時間後に最高値に達したが、その濃度は未変化体の約1/10と低値であった1)。※承認された用法・用量は1日800~1200mg、分3~4である。
胃癌、大腸癌、乳癌、子宮頸癌、膀胱癌患者にドキシフルリジンとして1200mgを1日3回に分けて3~7日間連日経口投与し、腫瘍組織、隣接正常組織及び血中の5-FU濃度を測定した。腫瘍組織内5-FU濃度は、隣接正常組織及び血中に比べ、高い値を示した2),3),4),5)。
ドキシフルリジンは腫瘍組織で高い活性を有する酵素、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼにより5-FUと5-デオキシ-D-リボース-1-リン酸に分解される6)。
悪性腫瘍患者6例にドキシフルリジンとして800mgを単回経口投与※したとき、投与後12時間までの主な尿中排泄物は、未変化体、5-FU及びその代謝物、5-デオキシ-D-リビトールであった7)。※承認された用法・用量は1日800~1200mg、分3~4である。
国内で実施された多施設共同研究において、固形がん化学療法直接効果判定基準による奏効率は、胃癌14.3%(20/140例)8)、結腸・直腸癌9.2%(7/76例)8)、乳癌35.9%(37/103例)8)であった。子宮頸癌については国内26施設において共同研究が行われ、婦人科がん化学慮法の直接効果判定基準により、子宮頸癌20.6%(7/34例)9)の奏効率であった。膀胱癌については2報の試験が行われ、それぞれ、31.7%(13/41例)5)、23.1%(3/13例)10)の奏効率であった。
本薬は腫瘍組織で高い活性を有する酵素、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ(PyNPase)により5-FUに変換され、抗腫瘍効果を発揮する。5-FUはFdUMPに代謝され、ウラシル由来のdUMPと拮抗し、チミジル酸合成酵素によるDNA合成経路を阻害する。また、5-FUはFUTPに変換され、ウラシルと同じくRNAにも取り込まれてF-RNAを生成し、RNAの機能を障害すると考えられている6),11),12),13),14)。
マウス可移植性腫瘍(Sarcoma180、Ehrlich癌、Lewis肺癌、結腸癌26等)、及びヌードマウス移植ヒト腫瘍(胃癌、結腸・直腸癌、乳癌、子宮頸癌、膀胱癌)に対し抗腫瘍効果が認められた6),15),16),17),18)。
体液性免疫能、細胞性免疫能、及び骨髄機能に対する影響を検討したところ、本薬は他のフッ化ピリミジン誘導体よりも、免疫抑制作用は少ないと考えられた19),20)。
ドキシフルリジン(Doxifluridine)(JAN)
5′-Deoxy-5-fluorouridine
C9H11FN2O5
246.19
白色の結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、水又はメタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくい。0.1mol/L塩酸試液又は0.01mol/L水酸化ナトリウム試液に溶ける。
約191℃(分解)
5′-DFUR
フルツロンカプセル200:100カプセル(PTP10カプセル×10)500カプセル(PTP10カプセル×50)
1) 原 泰寛,et al.:癌と化学療法.1984;11:2261-2266
2) 中尾 功,et al.:癌と化学療法.1985;12:2037-2043
3) 前田治伸,et al.:癌と化学療法.1991;18:965-969
4) 野田起一郎,et al.:癌と化学療法.1991;18:2551-2555
5) 大森弘之,et al.:癌と化学療法.1991;18:2307-2314
6) Ishitsuka,H.,et al.:Gann.1980;71:112-123
7) 小田切脩,et al.:薬理と治療.1987;15:3257-3261
8) 仁井谷久暢,et al.:癌と化学療法.1985;12:2044-2051
9) 野田起一郎,et al.:癌と化学療法.1991;18:2557-2565
10) 窪田吉信,et al.:癌と化学療法.1991;18:2301-2306
11) 三輪昌敬,et al.:癌と化学療法.1987;14:2924-2929
12) Kono,A.,et al.:Chem.Pharm.Bull.1983;31:175-178
13) Bosch,L.,et al.:Cancer Res.1958;18:335-343
14) Spiegelman,S.,et al.:Cancer.1980;45:1129-1134
15) Uehara,N.,et al.:Jap.J.Cancer Res.1985;76:1034-1041
16) 三輪昌敬,et al.:癌と化学療法.1988;15:1755-1763
17) 藤田史子,et al.:癌と化学療法.1984;11:1635-1643
18) 三輪昌敬,et al.:癌と化学療法.1991:18:1579-1586
19) 二宮康行,et al.:癌と化学療法.1988;15:1747-1754
20) Bollag,W.,et al.:Eur.J.Cancer.1980;16:427-432
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