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劇薬
処方箋医薬品注)
ランバート・イートン筋無力症候群の筋力低下の改善
通常、成人にはアミファンプリジンとして初期用量1回5mgを1日3回経口投与する。患者の状態に応じて、1回投与量として5~30mgの範囲で適宜増減し、1日3~5回経口投与するが、増量は3日以上の間隔をあけて1日用量として5mgずつ行うこと。なお、1日用量は100mgを超えないこと。
本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら1回用量及び投与回数を調節すること。
浮動性めまい、疲労、霧視、痙攣発作等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分説明すること。
本剤の血中濃度が上昇することがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で母体毒性による二次的な影響と考えられる死産の増加が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
痙攣発作のリスクが高まる可能性がある。
本剤と併用することにより、痙攣発作の閾値を低下させる。
本剤及びこれらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
本剤と併用することにより、コリン作動性作用を増大させる可能性がある。
本剤及びこれらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。中枢性のコリンエステラーゼ阻害薬では痙攣発作のリスクが高まる可能性があることに注意すること。
本剤と併用することにより、コリン作動性作用を増大させる可能性がある。中枢性のコリンエステラーゼ阻害薬は痙攣発作の閾値を低下させる。
本剤は痙攣閾値を低下させ、痙攣発作を引き起こすおそれがある。特に痙攣発作の既往歴のある患者では注意深く観察を行うこと。痙攣発作を引き起こした場合には減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
アナフィラキシー等の過敏症反応があらわれることがある。
10%以上
3%以上10%未満
3%未満
頻度不明
血液およびリンパ系障害
貧血
心臓障害
動悸
心房細動、頻脈
耳および迷路障害
耳鳴
眼障害
眼瞼下垂
眼瞼痙攣、複視、眼痛、霧視
白内障、視力障害
胃腸障害
口の錯感覚
悪心、腹痛、便秘、上腹部痛、下痢、口の感覚鈍麻、嘔吐
腹部不快感、腹部膨満、口内乾燥、口腔内潰瘍形成、胃炎、排便回数増加
嚥下障害、消化不良、胃腸障害、胃食道逆流性疾患
一般・全身障害および投与部位の状態
無力症、疲労
冷感、口腔内痛
胸部不快感、胸痛、悪寒、状態悪化、異常感、歩行障害、歩行不能、全身健康状態悪化、倦怠感、末梢腫脹、発熱
代謝および栄養障害
食欲減退、脱水、低ナトリウム血症
傷害、中毒および処置合併症
転倒
挫傷、頭部損傷、関節損傷、肋骨骨折
筋骨格系および結合組織障害
筋痙縮、筋肉痛
四肢痛
関節痛、背部痛、四肢不快感、運動性低下、筋骨格硬直
神経系障害
錯感覚
浮動性めまい、頭痛、注意力障害、振戦、異常感覚
アカシジア、コリン作動性症候群、健忘、味覚異常、不随意性筋収縮、筋力低下、感覚障害
片頭痛、記憶障害、運動障害、感覚鈍麻、平衡障害、傾眠、会話障害、ブレインフォグ、構語障害、灼熱感、嗜眠、意識消失、失語症、末梢性ニューロパチー
精神障害
不眠症
不安、譫妄、うつ病、怠惰、気分変化
錯乱状態、睡眠障害、ストレス
腎および尿路障害
頻尿
急性腎障害、腎結石症
呼吸器、胸郭および縦隔障害
呼吸困難
鼻漏
咳嗽、発声障害、呼吸不全、口腔咽頭痛、胸水、肺腫瘤、咽喉刺激感、鼻閉、急性呼吸不全、息詰まり、慢性閉塞性肺疾患、肺塞栓症、湿性咳嗽
皮膚および皮下組織障害
多汗症
接触性皮膚炎、そう痒症、蕁麻疹
発疹
血管障害
末梢冷感
ほてり、高血圧、レイノー現象
低血圧
臨床検査
アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、肝酵素上昇
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、体重減少
血圧上昇、心拍数増加、血中カリウム減少、酸素飽和度低下、体重増加
アミファンプリジンを360mg/日投与したランバート・イートン筋無力症候群患者において全身脱力、錯感覚、悪心、嘔吐、動悸、全身痙攣、及び上室性頻脈が発現した1) (外国人データ)。
がん原性:アミファンプリジンリン酸塩はラットで神経鞘腫の増加及び子宮内膜腫瘍の発現率上昇が認められた。
健康成人に本剤5、10、20、30mgを食後に単回経口投与したときのNAT2遺伝子型別のアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであった2) (外国人データ)。
投与量(mg)
NAT2遺伝子型
例数
Cmax(ng/mL)
tmax(h)
t1/2(h)
AUC0-∞(ng・h/mL)
5
RA
6
3.98±1.71
0.63(0.50, 1.50)
0.603±0.304
3.57±0.585
SA
17.9±4.43
0.75(0.50, 1.50)
2.22±0.855
32.1±7.34
10
9.91±5.28
0.75(0.33, 1.50)
1.21±0.279
11.1±1.90
34.4±21.6
1.38(0.33, 1.50)
2.60±0.688
68.9±12.8
20
16.2±4.56
0.88(0.75, 1.50)
1.23±0.309
26.2±2.62
56.7±16.1
1.25(0.17, 1.50)
2.93±0.588
146±31.4
30
25.5±7.17
1.65±0.634
45.2±6.44
89.6±9.05
1.25(0.75, 2.00)
3.11±0.572
234±44.7
平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(最小値, 最大値)RA:rapid acetylator、SA:slow acetylator
健康成人に本剤20mgを1日4回4時間間隔で食後に反復経口投与したときの投与4日目の1回目投与後のNAT2遺伝子型別のアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであった2) (外国人データ)。
13.6±6.6
1.95±0.723
31.9±10.1
72.5±43.9
1.25(0.50, 2.00)
3.24±1.03
190±33.4
平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(最小値, 最大値)
ランバート・イートン筋無力症候群患者に本剤20mgを1日3又は4回食事とともに反復経口投与したときのNAT2遺伝子型別のアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであった3) (外国人データ)。
AUC0-4h(ng・h/mL)
3
26.6±19.3
0.50(0.50, 1.50)
58.2±43.6
IM
7
54.5±29.6
0.50(0.25, 4.00)
92.7±71.1
18
108±67.1
1.50(0.25, 4.00)
197±69.4
平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(最小値, 最大値)IM:intermediate acetylator
健康成人47例に本剤20mgを高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、絶食下投与時と比較して、Cmaxは43.7%低下し、tmaxは約0.5時間遅延し、AUC0-∞は17.7%低下した4) (外国人データ)。
血漿タンパク結合率(in vitro、ヒト血漿、アミファンプリジン濃度0.3~10μmol/L)は8~12%であった5) 。
アミファンプリジンは主にNAT2により、N-(4-aminopyridin-3-yl)acetamide(3-N-アセチル体)に代謝される6) 。なお、NAT2には遺伝子多型(rapid acetylator(RA)、intermediate acetylator(IM)又はslow acetylator(SA))が存在し、日本人でのSAの割合は10%程度である7) 。
健康な被験者に本剤を経口投与したとき、24時間以内に投与量の93~100%がアミファンプリジン又は3-N-アセチル体として尿中に排泄された4) (外国人データ)。
腎機能障害を有する被験者(軽度(CLcr50~80mL/min)、中等度(CLcr30~50mL/min)及び重度(CLcr30mL/min未満)、各群8例)に本剤10mgを単回経口投与したときのアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであり、軽度、中等度及び重度の腎機能障害を有する被験者におけるAUC0-∞は、腎機能が正常な被験者(CLcrが80mL/min超)と比較してSAの被験者ではそれぞれ1.3、2.1及び1.9倍、RAの被験者ではそれぞれ1.5、1.4及び3.0倍に上昇した8) (外国人データ)。
腎機能
正常
4
7.65±3.23
1.63±0.75
10.73±0.20a)
軽度
11.08±4.69
1.86±0.25
16.05±3.46a)
中等度
8.33±2.74
1.72±0.63
14.34±6.80a)
重度
9.48±5.30
1.64±1.17a)
11.9, 53.6b)
38.63±9.16
2.71±1.26
59.07±10.28
33.48±13.10
2.95±0.32
81.29±33.37
52.53±5.16
3.89±0.32
126.06±17.51
44.05±12.88
3.17±1.07
118.60±37.12
平均値±標準偏差a)3例、b)個別値
中等度の肝機能障害を有する被験者(Child-Pugh分類B)に本剤10mgを単回経口投与したときのアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであり、肝機能が正常な被験者と比較して、中等度の肝機能障害を有するIMの被験者では、Cmaxは1.4倍、AUC0-∞は1.7倍に上昇した9) (外国人データ)。
肝機能
19.72±9.34
1.97±0.53
33.63±24.20
29.92±18.94
1.78±0.85
51.46±29.59
33.43±12.11
2.78±1.12
61.66±21.20
37.96±18.43
3.05±0.87a)
67.85±28.68a)
平均値±標準偏差a)3例
17歳以上の日本人ランバート・イートン筋無力症候群患者12例を対象とした用量調節期(約10週間)、治療期(7日間)及び継続治療期(51週間)により構成される非対照試験が実施された。用量調節期において本剤15mg/日(5mgを1日3回)から投与開始し、増量する場合には原則として3又は4日ごとに1日用量5mgずつ増量することとし、被験者ごとに本剤15~100mg/日(本剤5~30mg/回を1日3~5回)の範囲で至適用量を決定した。その後、治療期において、本剤の至適用量を7日間投与した。その結果、有効性の主要評価項目である治療期での本剤投与7日目における定量的重症筋無力症(QMG)総スコアのベースライン(用量調節期における本剤投与1日目(本剤投与前))からの変化量は表6のとおりであった。
評価例数
ベースラインa)
治療期7日目
変化量
13.2±3.1
8.0±2.7
-5.2±2.8
13.5(8, 18)
8.0(4, 14)
-5.5(-10, -1)
上段:平均値±標準偏差、下段:中央値(最小値, 最大値)主要評価項目において統計学的な検定は計画されなかったa)用量調節期における本剤投与1日目(本剤投与前)
副作用は、用量調節期、治療期及び継続治療期全体で41.7%(5/12例)に認められ、異常感覚16.7%(2/12例)、錯感覚、感覚障害、腹痛、上腹部痛、便秘、排便回数増加、多汗症及び頻尿がそれぞれ8.3%(1/12例)であった10) 。
18歳以上のランバート・イートン筋無力症候群患者53例を対象とした非盲検導入期(7~91日間)、二重盲検投与中止期(7日間)、二重盲検投与期(7日間)、非盲検長期投与期(2年間)から構成されるプラセボ対照二重盲検無作為化治療中止試験が実施された。非盲検導入期では非盲検導入期前にアミファンプリジン製剤が投与されている場合には当該用量以下の用量で投与を開始することとされ、アミファンプリジン製剤が投与されていない場合には本剤15mg/日(5mgを1日3回)から投与開始することとされた。増量する場合には4又は5日ごとに1日用量5~10mgずつ増量することとし、被験者ごとに本剤30~80mg/日(本剤5~20mg/回を1日3~4回)の範囲で至適用量を決定した。その後、二重盲検投与中止期においてプラセボ群と本剤群に割付けされ、プラセボ群では本剤が漸減され、本剤群では二重盲検投与中止期及び二重盲検投与期において非盲検導入期で決定された至適用量が投与された。その結果、有効性の主要評価項目(co-primary endpoints)である二重盲検投与中止期及び二重盲検投与期の治験薬投与14日目におけるQMG総スコア及び主観的全般印象度(Subject Global Impression:SGI)スコアのベースラインからの変化量は表7のとおりであった。
本剤群
プラセボ群
16
21
QMG総スコア
6.4±3.2
5.6±4.0
0.4
2.2
-1.7[-3.4, -0.0]
0.0452
SGIスコア
5.6±1.3
5.9±1.2
-0.8
-2.6
1.8[0.7, 3.0]
0.0028
a)反復測定混合効果モデルにより算出b)permutation testによる対比較により算出。なお、両方の主要評価項目で優越性を示すことが試験の成功基準とされたため、多重性の調整は行われていない。
本剤投与時の副作用は、非盲検導入期62.3%(33/53例)、二重盲検投与中止期及び二重盲検投与期0%、非盲検長期投与期27.5%(11/40例)に認められ、主な副作用は口の錯感覚39.6%(21/53例)、錯感覚30.2%(16/53例)が非盲検導入期に認められた11) 。
アミファンプリジンは電位依存性K+チャネルを遮断することで、神経筋接合部におけるシナプス前終末の脱分極時間を延長し、シナプス間隙へのアセチルコリン放出の亢進を介して神経筋伝達を増強することにより、ランバート・イートン筋無力症候群患者における筋力低下を改善すると考えられている12),13) 。
アミファンプリジンリン酸塩(Amifampridine Phosphate)
Pyridine-3,4-diamine monophosphate
C5H7N3・H3PO4
207.12
白色の結晶性の粉末で、水に溶けやすく、エタノールに極めて溶けにくく、メタノール又は酢酸に溶けにくい。アミファンプリジンリン酸塩1%水溶液のpHは4.4である。
225~231℃
ボトル包装の薬剤はボトル開封後もレーヨンコイル(緩衝材)をボトル内に入れた状態でキャップをしっかり締めて保存すること。
240錠(ポリエチレンボトル、バラ)
1) Boerma CE, et al.:J Toxicol Clin Toxicol. 1995;33(3):249-51
2) 社内資料:CTDM2.7.6.3
3) 社内資料:CTDM2.7.6.7
4) 社内資料:CTDM2.7.6.2
5) 社内資料:CTDM2.6.4.4.1
6) 社内資料:CTDM2.6.4.5.4
7) 生物薬剤学. 朝倉書店;2011.p66
8) 社内資料:CTDM2.7.6.4
9) 社内資料:CTDM2.7.6.5
10) 社内資料:CTDM2.7.6.9
11) Oh SJ, et al.:Muscle Nerve. 2016;53(5):717-25
12) Thomsen RH, Wilson DF:J Pharmacol Exp Ther. 1983;227(1):260-5
13) Vohra MM, Pradhan SN:Arch Int Pharmacodyn Ther. 1964;150(3-4):413-24
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