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ファダプス錠10mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
16.6特定の背景を有する患者
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ファダプス錠10mg

添付文書番号

1290002F1028_1_02

企業コード

431095

作成又は改訂年月

2025年1月改訂(第2版)
2024年9月作成(第1版)

日本標準商品分類番号

87129

薬効分類名

ランバート・イートン筋無力症候群治療剤

承認等

ファダプス錠10mg

販売名コード

YJコード

1290002F1028

販売名英語表記

FIRDAPSE Tablets 10mg

販売名ひらがな

ふぁだぷすじょう10mg

承認番号等

承認番号

30600AMX00255000

販売開始年月

2025年1月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

アミファンプリジンリン酸塩

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 てんかん等の痙攣性疾患の患者[症状が悪化するおそれがある。]
  2. 2.2 本剤の成分(アミファンプリジン)又は他のアミノピリジン系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ファダプス錠10mg

有効成分1錠中にアミファンプリジンリン酸塩   18.98mg
(アミファンプリジンとして   10mg )
添加剤結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸カルシウム

3.2 製剤の性状

ファダプス錠10mg

剤形円形の素錠(割線付き)
色調白色~類白色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径10mm
厚さ3.3mm
質量250mg
識別コード211

4. 効能又は効果

ランバート・イートン筋無力症候群の筋力低下の改善

6. 用法及び用量

通常、成人にはアミファンプリジンとして初期用量1回5mgを1日3回経口投与する。患者の状態に応じて、1回投与量として5~30mgの範囲で適宜増減し、1日3~5回経口投与するが、増量は3日以上の間隔をあけて1日用量として5mgずつ行うこと。なお、1日用量は100mgを超えないこと。

7. 用法及び用量に関連する注意

本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら1回用量及び投与回数を調節すること。

8. 重要な基本的注意

浮動性めまい、疲労、霧視、痙攣発作等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分説明すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 痙攣発作の既往歴のある患者

9.2 腎機能障害患者

本剤の血中濃度が上昇することがある。

9.3 肝機能障害患者

本剤の血中濃度が上昇することがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で母体毒性による二次的な影響と考えられる死産の増加が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

  • 本剤は主にN-アセチル転移酵素(NAT)2により代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
  • 痙攣発作の閾値を低下させる薬剤
    • 三環系抗うつ薬
      • イミプラミン塩酸塩等
    • フェノチアジン系及びブチロフェノン系抗精神病薬
      • クロルプロマジン、ハロペリドール等
    • 非定型抗精神病薬
      • リスペリドン等

痙攣発作のリスクが高まる可能性がある。

本剤と併用することにより、痙攣発作の閾値を低下させる。

  • コリン作動薬
    • アセチルコリン塩化物等

本剤及びこれらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤と併用することにより、コリン作動性作用を増大させる可能性がある。

  • コリンエステラーゼ阻害薬
    • ピリドスチグミン、リバスチグミン等

本剤及びこれらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
中枢性のコリンエステラーゼ阻害薬では痙攣発作のリスクが高まる可能性があることに注意すること。

本剤と併用することにより、コリン作動性作用を増大させる可能性がある。
中枢性のコリンエステラーゼ阻害薬は痙攣発作の閾値を低下させる。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 痙攣発作(頻度不明)

    本剤は痙攣閾値を低下させ、痙攣発作を引き起こすおそれがある。特に痙攣発作の既往歴のある患者では注意深く観察を行うこと。痙攣発作を引き起こした場合には減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。

  2. 11.1.2 過敏症反応(頻度不明)

    アナフィラキシー等の過敏症反応があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

10%以上

3%以上10%未満

3%未満

頻度不明

血液およびリンパ系障害

貧血

心臓障害

動悸

心房細動、頻脈

耳および迷路障害

耳鳴

眼障害

眼瞼下垂

眼瞼痙攣、複視、眼痛、霧視

白内障、視力障害

胃腸障害

口の錯感覚

悪心、腹痛、便秘、上腹部痛、下痢、口の感覚鈍麻、嘔吐

腹部不快感、腹部膨満、口内乾燥、口腔内潰瘍形成、胃炎、排便回数増加

嚥下障害、消化不良、胃腸障害、胃食道逆流性疾患

一般・全身障害および投与部位の状態

無力症、疲労

冷感、口腔内痛

胸部不快感、胸痛、悪寒、状態悪化、異常感、歩行障害、歩行不能、全身健康状態悪化、倦怠感、末梢腫脹、発熱

代謝および栄養障害

食欲減退、脱水、低ナトリウム血症

傷害、中毒および処置合併症

転倒

挫傷、頭部損傷、関節損傷、肋骨骨折

筋骨格系および結合組織障害

筋痙縮、筋肉痛

四肢痛

関節痛、背部痛、四肢不快感、運動性低下、筋骨格硬直

神経系障害

錯感覚

浮動性めまい、頭痛、注意力障害、振戦、異常感覚

アカシジア、コリン作動性症候群、健忘、味覚異常、不随意性筋収縮、筋力低下、感覚障害

片頭痛、記憶障害、運動障害、感覚鈍麻、平衡障害、傾眠、会話障害、ブレインフォグ、構語障害、灼熱感、嗜眠、意識消失、失語症、末梢性ニューロパチー

精神障害

不眠症

不安、譫妄、うつ病、怠惰、気分変化

錯乱状態、睡眠障害、ストレス

腎および尿路障害

頻尿

急性腎障害、腎結石症

呼吸器、胸郭および縦隔障害

呼吸困難

鼻漏

咳嗽、発声障害、呼吸不全、口腔咽頭痛、胸水、肺腫瘤、咽喉刺激感、鼻閉、急性呼吸不全、息詰まり、慢性閉塞性肺疾患、肺塞栓症、湿性咳嗽

皮膚および皮下組織障害

多汗症

接触性皮膚炎、そう痒症、蕁麻疹

発疹

血管障害

末梢冷感

ほてり、高血圧、レイノー現象

低血圧

臨床検査

アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、肝酵素上昇

アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、体重減少

血圧上昇、心拍数増加、血中カリウム減少、酸素飽和度低下、体重増加

13. 過量投与

アミファンプリジンを360mg/日投与したランバート・イートン筋無力症候群患者において全身脱力、錯感覚、悪心、嘔吐、動悸、全身痙攣、及び上室性頻脈が発現した1) (外国人データ)。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  1. 14.1.1 ボトル包装の薬剤はボトル開封後、使用の都度、レーヨンコイル(緩衝材)をボトル内に入れた状態でキャップをしっかり締めて保存するよう指導すること。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報

がん原性:アミファンプリジンリン酸塩はラットで神経鞘腫の増加及び子宮内膜腫瘍の発現率上昇が認められた。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

    健康成人に本剤5、10、20、30mgを食後に単回経口投与したときのNAT2遺伝子型別のアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであった2) (外国人データ)。

    表1 健康成人に本剤を単回経口投与したときのアミファンプリジンの薬物動態パラメータ

    投与量
    (mg)

    NAT2
    遺伝子型

    例数

    Cmax
    (ng/mL)

    tmax
    (h)

    t1/2
    (h)

    AUC0-∞
    (ng・h/mL)

    5

    RA

    6

    3.98±1.71

    0.63
    (0.50, 1.50)

    0.603±0.304

    3.57±0.585

    SA

    6

    17.9±4.43

    0.75
    (0.50, 1.50)

    2.22±0.855

    32.1±7.34

    10

    RA

    6

    9.91±5.28

    0.75
    (0.33, 1.50)

    1.21±0.279

    11.1±1.90

    SA

    6

    34.4±21.6

    1.38
    (0.33, 1.50)

    2.60±0.688

    68.9±12.8

    20

    RA

    6

    16.2±4.56

    0.88
    (0.75, 1.50)

    1.23±0.309

    26.2±2.62

    SA

    6

    56.7±16.1

    1.25
    (0.17, 1.50)

    2.93±0.588

    146±31.4

    30

    RA

    6

    25.5±7.17

    0.75
    (0.33, 1.50)

    1.65±0.634

    45.2±6.44

    SA

    6

    89.6±9.05

    1.25
    (0.75, 2.00)

    3.11±0.572

    234±44.7

    平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(最小値, 最大値)
    RA:rapid acetylator、SA:slow acetylator

    図1 健康成人に本剤20mgを単回経口投与したときのアミファンプリジンの血漿中濃度推移
  2. 16.1.2 反復投与
    1. (1) 健康成人

      健康成人に本剤20mgを1日4回4時間間隔で食後に反復経口投与したときの投与4日目の1回目投与後のNAT2遺伝子型別のアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであった2) (外国人データ)。

      表2 健康成人に本剤を反復経口投与したときのアミファンプリジンの薬物動態パラメータ

      NAT2
      遺伝子型

      例数

      Cmax
      (ng/mL)

      tmax
      (h)

      t1/2
      (h)

      AUC0-∞
      (ng・h/mL)

      RA

      5

      13.6±6.6

      0.75
      (0.50, 1.50)

      1.95±0.723

      31.9±10.1

      SA

      5

      72.5±43.9

      1.25
      (0.50, 2.00)

      3.24±1.03

      190±33.4

      平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(最小値, 最大値)

    2. (2) ランバート・イートン筋無力症候群患者

      ランバート・イートン筋無力症候群患者に本剤20mgを1日3又は4回食事とともに反復経口投与したときのNAT2遺伝子型別のアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであった3) (外国人データ)。

      表3 ランバート・イートン筋無力症候群患者に本剤を反復経口投与したときのアミファンプリジンの薬物動態パラメータ

      NAT2
      遺伝子型

      例数

      Cmax
      (ng/mL)

      tmax
      (h)

      AUC0-4h
      (ng・h/mL)

      RA

      3

      26.6±19.3

      0.50
      (0.50, 1.50)

      58.2±43.6

      IM

      7

      54.5±29.6

      0.50
      (0.25, 4.00)

      92.7±71.1

      SA

      18

      108±67.1

      1.50
      (0.25, 4.00)

      197±69.4

      平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(最小値, 最大値)
      IM:intermediate acetylator

16.2 吸収

  1. 16.2.1 食事の影響

    健康成人47例に本剤20mgを高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、絶食下投与時と比較して、Cmaxは43.7%低下し、tmaxは約0.5時間遅延し、AUC0-∞は17.7%低下した4) (外国人データ)。

16.3 分布

  1. 16.3.1 血漿タンパク結合率

    血漿タンパク結合率(in vitro、ヒト血漿、アミファンプリジン濃度0.3~10μmol/L)は8~12%であった5)

16.4 代謝

アミファンプリジンは主にNAT2により、N-(4-aminopyridin-3-yl)acetamide(3-N-アセチル体)に代謝される6) 。なお、NAT2には遺伝子多型(rapid acetylator(RA)、intermediate acetylator(IM)又はslow acetylator(SA))が存在し、日本人でのSAの割合は10%程度である7)

16.5 排泄

健康な被験者に本剤を経口投与したとき、24時間以内に投与量の93~100%がアミファンプリジン又は3-N-アセチル体として尿中に排泄された4) (外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎機能障害患者

    腎機能障害を有する被験者(軽度(CLcr50~80mL/min)、中等度(CLcr30~50mL/min)及び重度(CLcr30mL/min未満)、各群8例)に本剤10mgを単回経口投与したときのアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであり、軽度、中等度及び重度の腎機能障害を有する被験者におけるAUC0-∞は、腎機能が正常な被験者(CLcrが80mL/min超)と比較してSAの被験者ではそれぞれ1.3、2.1及び1.9倍、RAの被験者ではそれぞれ1.5、1.4及び3.0倍に上昇した8) (外国人データ)。

    表4 腎機能障害を有する被験者に本剤を単回経口投与したときのアミファンプリジンの薬物動態パラメータ

    NAT2
    遺伝子型

    腎機能

    例数

    Cmax
    (ng/mL)

    t1/2
    (h)

    AUC0-∞
    (ng・h/mL)

    RA

    正常

    4

    7.65±3.23

    1.63±0.75

    10.73±0.20a)

    軽度

    4

    11.08±4.69

    1.86±0.25

    16.05±3.46a)

    中等度

    4

    8.33±2.74

    1.72±0.63

    14.34±6.80a)

    重度

    4

    9.48±5.30

    1.64±1.17a)

    11.9, 53.6b)

    SA

    正常

    4

    38.63±9.16

    2.71±1.26

    59.07±10.28

    軽度

    4

    33.48±13.10

    2.95±0.32

    81.29±33.37

    中等度

    4

    52.53±5.16

    3.89±0.32

    126.06±17.51

    重度

    4

    44.05±12.88

    3.17±1.07

    118.60±37.12

    平均値±標準偏差
    a)3例、b)個別値

  2. 16.6.2 肝機能障害患者

    中等度の肝機能障害を有する被験者(Child-Pugh分類B)に本剤10mgを単回経口投与したときのアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであり、肝機能が正常な被験者と比較して、中等度の肝機能障害を有するIMの被験者では、Cmaxは1.4倍、AUC0-∞は1.7倍に上昇した9) (外国人データ)。

    表5 肝機能障害を有する被験者に本剤を単回経口投与したときのアミファンプリジンの薬物動態パラメータ

    NAT2
    遺伝子型

    肝機能

    例数

    Cmax
    (ng/mL)

    t1/2
    (h)

    AUC0-∞
    (ng・h/mL)

    IM

    正常

    4

    19.72±9.34

    1.97±0.53

    33.63±24.20

    中等度

    3

    29.92±18.94

    1.78±0.85

    51.46±29.59

    SA

    正常

    5

    33.43±12.11

    2.78±1.12

    61.66±21.20

    中等度

    4

    37.96±18.43

    3.05±0.87a)

    67.85±28.68a)

    平均値±標準偏差
    a)3例

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内第III相試験(LMS-005試験)

    17歳以上の日本人ランバート・イートン筋無力症候群患者12例を対象とした用量調節期(約10週間)、治療期(7日間)及び継続治療期(51週間)により構成される非対照試験が実施された。用量調節期において本剤15mg/日(5mgを1日3回)から投与開始し、増量する場合には原則として3又は4日ごとに1日用量5mgずつ増量することとし、被験者ごとに本剤15~100mg/日(本剤5~30mg/回を1日3~5回)の範囲で至適用量を決定した。その後、治療期において、本剤の至適用量を7日間投与した。その結果、有効性の主要評価項目である治療期での本剤投与7日目における定量的重症筋無力症(QMG)総スコアのベースライン(用量調節期における本剤投与1日目(本剤投与前))からの変化量は表6のとおりであった。

    表6 治療期での本剤投与7日目におけるQMG総スコアのベースラインからの変化量

    評価例数

    ベースラインa)

    治療期7日目

    変化量

    10

    13.2±3.1

    8.0±2.7

    -5.2±2.8

    13.5(8, 18)

    8.0(4, 14)

    -5.5(-10, -1)

    上段:平均値±標準偏差、下段:中央値(最小値, 最大値)
    主要評価項目において統計学的な検定は計画されなかった
    a)用量調節期における本剤投与1日目(本剤投与前)

    副作用は、用量調節期、治療期及び継続治療期全体で41.7%(5/12例)に認められ、異常感覚16.7%(2/12例)、錯感覚、感覚障害、腹痛、上腹部痛、便秘、排便回数増加、多汗症及び頻尿がそれぞれ8.3%(1/12例)であった10)

  2. 17.1.2 海外第III相試験(LMS-002試験)

    18歳以上のランバート・イートン筋無力症候群患者53例を対象とした非盲検導入期(7~91日間)、二重盲検投与中止期(7日間)、二重盲検投与期(7日間)、非盲検長期投与期(2年間)から構成されるプラセボ対照二重盲検無作為化治療中止試験が実施された。非盲検導入期では非盲検導入期前にアミファンプリジン製剤が投与されている場合には当該用量以下の用量で投与を開始することとされ、アミファンプリジン製剤が投与されていない場合には本剤15mg/日(5mgを1日3回)から投与開始することとされた。増量する場合には4又は5日ごとに1日用量5~10mgずつ増量することとし、被験者ごとに本剤30~80mg/日(本剤5~20mg/回を1日3~4回)の範囲で至適用量を決定した。その後、二重盲検投与中止期においてプラセボ群と本剤群に割付けされ、プラセボ群では本剤が漸減され、本剤群では二重盲検投与中止期及び二重盲検投与期において非盲検導入期で決定された至適用量が投与された。その結果、有効性の主要評価項目(co-primary endpoints)である二重盲検投与中止期及び二重盲検投与期の治験薬投与14日目におけるQMG総スコア及び主観的全般印象度(Subject Global Impression:SGI)スコアのベースラインからの変化量は表7のとおりであった。

    表7 二重盲検投与中止期及び二重盲検投与期の治験薬投与14日目におけるQMG総スコア及びSGIスコアのベースラインからの変化量

    本剤群

    プラセボ群

    評価例数

    16

    21

    QMG総スコア

    • ベースライン値(平均値±標準偏差)

    6.4±3.2

    5.6±4.0

    • 変化量(最小二乗平均値)a)

    0.4

    2.2

    • 変化量の群間差[95%信頼区間]a)

    -1.7[-3.4, -0.0]

    • p値b)

    0.0452

    SGIスコア

    • ベースライン値(平均値±標準偏差)

    5.6±1.3

    5.9±1.2

    • 変化量(最小二乗平均値)a)

    -0.8

    -2.6

    • 変化量の群間差[95%信頼区間]a)

    1.8[0.7, 3.0]

    • p値b)

    0.0028

    a)反復測定混合効果モデルにより算出
    b)permutation testによる対比較により算出。なお、両方の主要評価項目で優越性を示すことが試験の成功基準とされたため、多重性の調整は行われていない。

    本剤投与時の副作用は、非盲検導入期62.3%(33/53例)、二重盲検投与中止期及び二重盲検投与期0%、非盲検長期投与期27.5%(11/40例)に認められ、主な副作用は口の錯感覚39.6%(21/53例)、錯感覚30.2%(16/53例)が非盲検導入期に認められた11)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

アミファンプリジンは電位依存性K+チャネルを遮断することで、神経筋接合部におけるシナプス前終末の脱分極時間を延長し、シナプス間隙へのアセチルコリン放出の亢進を介して神経筋伝達を増強することにより、ランバート・イートン筋無力症候群患者における筋力低下を改善すると考えられている12),13)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

アミファンプリジンリン酸塩
(Amifampridine Phosphate)

化学名

Pyridine-3,4-diamine monophosphate

分子式

C5H7N3・H3PO4

分子量

207.12

性状

白色の結晶性の粉末で、水に溶けやすく、エタノールに極めて溶けにくく、メタノール又は酢酸に溶けにくい。アミファンプリジンリン酸塩1%水溶液のpHは4.4である。

化学構造式

融点

225~231℃

20. 取扱い上の注意

ボトル包装の薬剤はボトル開封後もレーヨンコイル(緩衝材)をボトル内に入れた状態でキャップをしっかり締めて保存すること。

21. 承認条件

  1. 21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
  2. 21.2 製造販売後、一定数の症例に係るデータが蓄積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施すること。

22. 包装

240錠(ポリエチレンボトル、バラ)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

ダイドーファーマ株式会社 くすり相談窓口

〒530-0005 大阪市北区中之島二丁目2番7号

TEL 0120-671-611

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元(輸入)

ダイドーファーマ株式会社

大阪市北区中之島二丁目2番7号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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