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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
ファリシマブ(遺伝子組換え)として6.0mg(0.05mL)を4週ごとに1回、通常、連続4回(導入期)硝子体内投与するが、症状により投与回数を適宜減じる。その後の維持期においては、通常、16週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、8週以上あけること。
ファリシマブ(遺伝子組換え)として6.0mg(0.05mL)を4週ごとに1回、通常、連続4回硝子体内投与するが、症状により投与回数を適宜減じる。その後は、投与間隔を徐々に延長し、通常、16週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、4週以上あけること。
ファリシマブ(遺伝子組換え)として1回あたり6.0mg(0.05mL)を硝子体内投与する。投与間隔は、4週以上あけること。
,
*妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後少なくとも3カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤は、そのVEGF阻害作用及びAng-2阻害作用から潜在的に催奇形性並びに胚・胎児毒性を有する可能性が否定できない。カニクイザルを用いた胚・胎児発生に関する試験(1又は3mg/kgを器官形成期に週1回、計5回、静脈内投与)において、母動物及び催奇形性を含む胚・胎児への毒性は認められなかった。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行は不明である。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
眼内炎症(ぶどう膜炎、硝子体炎等)(1.2%)、網膜色素上皮裂孔(0.2%)、眼内炎(頻度不明)、裂孔原性網膜剥離及び網膜裂孔(頻度不明)があらわれることがある。本剤投与により眼内炎症があらわれた患者に対して再投与した場合に、眼内炎症が再発した症例が報告されている。
1%未満
頻度不明
*眼障害
眼圧上昇、硝子体浮遊物、高眼圧症、角膜擦過傷、眼痛、眼部不快感、結膜出血、白内障、硝子体剥離、眼充血、霧視、視力低下
-
本剤の過量投与により、眼圧が上昇するおそれがある。
過量投与が起こった際には眼圧を測定し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
本剤投与により、全身のVEGF阻害に起因する動脈血栓塞栓事象が発現する可能性がある。新生血管を伴う加齢黄斑変性患者、糖尿病黄斑浮腫患者及び網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫患者を対象とした第Ⅲ相試験(各2試験の統合解析)における動脈血栓塞栓事象の発現率は本剤投与群全体で2.6%、5.2%及び3.8%であった1),2),3)。,
新生血管を伴う加齢黄斑変性患者を対象とした第Ⅲ相試験(TENAYA試験及びLUCERNE試験)において、本剤の52週間投与後までの薬剤誘発性の抗ファリシマブ抗体陽性患者の割合は11.0%(77/697例)であり、眼内炎症の発現割合は、抗ファリシマブ抗体陽性(投与前の陽性例を含む)患者では10.7%(9/84例)、抗体陰性患者では1.3%(8/613例)であった。糖尿病黄斑浮腫患者を対象とした第Ⅲ相試験(YOSEMITE試験及びRHINE試験)において、本剤の56週間投与後までの薬剤誘発性の抗ファリシマブ抗体陽性患者の割合は8.4%(105/1243例)であり、眼内炎症の発現割合は、抗ファリシマブ抗体陽性(投与前の陽性例を含む)患者では10.6%(12/113例)、抗体陰性患者では0.5%(6/1130例)であった。網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫患者を対象とした第Ⅲ相試験(BALATON試験及びCOMINO試験)において、本剤の72週時までの薬剤誘発性の抗ファリシマブ抗体陽性患者の割合は10.9%(136/1244例)であり、眼内炎症の発現割合は、抗ファリシマブ抗体陽性(投与前の陽性例を含む)患者では7.6%(11/145例)、抗体陰性患者では1.5%(16/1099例)であった4),5),6),7)。
外国人の新生血管を伴う加齢黄斑変性患者に本剤0.5、1.5、3.0及び6.0mg注1)を単回硝子体内投与したとき、血漿中ファリシマブの薬物動態パラメータは以下のとおりであった8)。
投与量
Cmax(μg/mL)
AUCinf(μg・day/mL)
t1/2(day)
0.5mg(n=3)
0.0162
0.366,0.438
7.29,15.4
0.0215(81)[0.00746−0.0409]
0.401(12)[0.366−0.438]
11.3(51)[7.29−15.4]
1.5mg(n=3)
0.0600
0.746
6.02
0.0539(37)[0.0316−0.0701]
0.788(16)[0.683−0.929]
7.89(52)[5.06−12.6]
3.0mg(n=3)
0.160
2.13
7.41
0.135(40)[0.0725−0.171]
2.20(21)[1.78−2.71]
8.46(35)[6.16−11.8]
6.0mg(n=2)
0.126注2),0.248
1.82,2.70
6.76,7.71
0.187(46)[0.126−0.248]
2.26(28)[1.82−2.70]
7.24(9.3)[6.76−7.71]
n:例数 上段:中央値。ただし、個別データが記載されている場合は、n=2である。 下段:平均値(変動係数、%)[範囲]
注1)本剤の承認用量は6.0mgである。注2)投与後初回の測定時点について欠測であった。
日本人の新生血管を伴う加齢黄斑変性患者(2例)及び糖尿病黄斑浮腫患者(4例)に本剤1.5及び6.0mg注1)を4週ごとに3回硝子体内投与したとき、血漿中ファリシマブ濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。また、蓄積率の平均値は1.06~1.65であった9)。
AUC0-28d(μg・day/mL)
初回投与後
1.5mg
n=60.196(0.138)
n=61.94(0.823)
n=52.23(0.883)
n=56.40(2.48)
6.0mg
n=60.225(0.0745)
n=63.10(1.07)
n=43.53(0.944)
n=48.03(3.75)
3回目投与後
n=60.0830(0.0341)
n=61.03(0.341)
n=31.37(0.253)
n=39.92(2.42)
n=60.195(0.0462)
n=63.15(0.936)
n=44.68(1.17)
n=49.96(3.25)
n:例数 平均値(標準偏差)
新生血管を伴う加齢黄斑変性患者334例(日本部分集団26例を含む)に、本剤6.0mgを4週ごとに4回反復硝子体内投与したときの房水中ファリシマブ濃度(平均値±標準偏差)注3)は、4回目投与4週後において23.0±16.9μg/mL(31例)、8週後において2.04±2.30μg/mL(33例)、12週後において1.14±4.49μg/mL(29例)、16週後において0.0464±0.0497μg/mL(18例)であった10)。糖尿病黄斑浮腫患者628例(日本部分集団40例を含む)に、本剤6.0mgを4週ごとに4回反復硝子体内投与したときの房水中ファリシマブ濃度(平均値±標準偏差)注3)は、4回目投与4週後において12.2±10.4μg/mL(固定投与群、26例)及び15.7±12.4μg/mL[personalized treatment interval(PTI)投与群、29例]であり、4回目投与8週後において2.12±2.49μg/mL(PTI投与群、15例)であった11)。注3)房水サンプルは追加で同意を取得した患者から採取した。
新生血管を伴う加齢黄斑変性患者671例(日本部分集団52例を含む)を対象に、アフリベルセプトを対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤投与群は本剤6.0mgを導入期として4週ごとに4回投与し、その後維持期においては20週時・24週時の疾患活動性評価注1)に基づき本剤6.0mgを60週まで8週、12週もしくは16週ごとに投与した。アフリベルセプト投与群は4週ごとに3回投与し、その後8週ごとに投与した。主要評価項目である40、44、48週時の平均最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(95%信頼区間)は、下表のとおりであった。本剤投与群とアフリベルセプト投与群の群間差の95%信頼区間の下限が非劣性限界値(-4文字)を上回ったことから、本剤投与群のアフリベルセプト投与群に対する非劣性が示された。なお、本剤投与群では、45.7%の患者が16週ごと、34.0%の患者が12週ごと、20.3%の患者が8週ごとの投与を48週目まで継続した。
本剤投与群n=334
アフリベルセプト投与群n=337
調整平均
5.8(4.6, 7.1)
5.1(3.9, 6.4)
アフリベルセプト投与群との群間差
0.7(-1.1, 2.5)
安全性は、日本延長コホートの追加症例を含む52週までのデータで評価した。本剤投与群における眼内炎症(ぶどう膜炎、硝子体炎等)の副作用の発現頻度は1.3%(5/373例)であった。本剤投与群において0.5%以上の頻度で認められた試験眼の副作用は、網膜色素上皮裂孔5例(1.3%)、ぶどう膜炎2例(0.5%)、虹彩炎2例(0.5%)であった12),13),14),15),16),17)。注1)疾患活動性は、視力及び中心領域網膜厚の変化、黄斑出血の有無に基づき評価された。注2)mixed-effect models for repeated measures(MMRM)による解析(モデルの因子:投与群、時点、投与群と時点の交互作用、ベースラインの最高矯正視力(連続量)、ベースラインの最高矯正視力(≤54文字、73–55文字、≥74文字)、低輝度条件下での視力低下(<33文字、≥33文字)、及び地域)
新生血管を伴う加齢黄斑変性患者658例を対象に、アフリベルセプトを対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤投与群は本剤6.0mgを導入期として4週ごとに4回投与し、その後維持期においては20週時、24週時の疾患活動性評価注1)に基づき本剤6.0mgを60週まで8週、12週もしくは16週ごとに投与した。アフリベルセプト投与群は4週ごとに3回投与し、その後8週ごとに投与した。主要評価項目である40、44、48週時の平均最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(95%信頼区間)は、下表のとおりであった。本剤投与群とアフリベルセプト投与群の群間差の95%信頼区間の下限が非劣性限界値(-4文字)を上回ったことから、本剤投与群のアフリベルセプト投与群に対する非劣性が示された。なお、本剤投与群では、44.9%の患者が16週ごと、32.9%の患者が12週ごと、22.2%の患者が8週ごとの投与を48週目まで継続した。
本剤投与群n=331
アフリベルセプト投与群n=327
6.6(5.3, 7.8)
0.0(-1.7, 1.8)
安全性は、52週までのデータで評価した。本剤投与群における眼内炎症(ぶどう膜炎、硝子体炎等)の副作用の発現頻度は1.5%(5/331例)であった。本剤投与群において0.5%以上の頻度で認められた試験眼の副作用は、網膜色素上皮裂孔3例(0.9%)、ぶどう膜炎2例(0.6%)、硝子体炎2例(0.6%)、虹彩毛様体炎2例(0.6%)であった12),13),14),15),16),18)。
糖尿病黄斑浮腫患者940例(日本部分集団60例を含む)を対象に、アフリベルセプトを対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤投与群は本剤6.0mgを4週ごとに6回投与後、8週ごとに投与する固定投与群、もしくは本剤6.0mgを4週ごとに4回投与後、PTI注3)投与するPTI投与群の2群であった。アフリベルセプト投与群は4週ごとに5回投与し、その後8週ごとに投与した。主要評価項目である48、52、56週時の平均最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(97.5%信頼区間)は、下表のとおりであった。本剤の固定投与群及びPTI投与群のアフリベルセプト投与群との群間差の97.5%信頼区間の下限が非劣性限界値(-4文字)を上回ったことから、本剤の固定投与群及びPTI投与群のアフリベルセプト投与群に対する非劣性が示された。なお、本剤PTI投与群では、52週時点で52.8%の患者が16週ごと、21.0%の患者が12週ごと、15.4%の患者が8週ごと、10.8%の患者が4週ごとの投与間隔であった。
固定投与群n=315
PTI投与群n=313
アフリベルセプト投与群n=312
10.7(9.4, 12.0)
11.6(10.3, 12.9)
10.9(9.6, 12.2)
-0.2(-2.0, 1.6)
本剤統合群における眼内炎症(ぶどう膜炎、硝子体炎等)の副作用の発現頻度は1.3%(8/626例)であった。0.5%以上の頻度で認められた試験眼の副作用は、眼圧上昇6例(1.0%)、ぶどう膜炎4例(0.6%)であった12),13),19),20),21),22)。注3)視力及び中心領域網膜厚の変化に基づき最短4週間隔、最長16週間隔で投与間隔を調整した。注4)mixed-effect models for repeated measures(MMRM)による解析(モデルの因子:投与群、時点、投与群と時点の交互作用、ベースラインの最高矯正視力(連続量)、ベースラインの最高矯正視力(<64文字、≥64文字)、抗VEGF薬の硝子体内投与歴、及び地域)
糖尿病黄斑浮腫患者951例を対象に、アフリベルセプトを対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤投与群は本剤6.0mgを4週ごとに6回投与後、8週ごとに投与する固定投与群、もしくは本剤6.0mgを4週ごとに4回投与後、PTI注3)投与するPTI投与群の2群であった。アフリベルセプト投与群は4週ごとに5回投与し、その後8週ごとに投与した。主要評価項目である48、52、56週時の平均最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(97.5%信頼区間)は、下表のとおりであった。本剤の固定投与群及びPTI投与群のアフリベルセプト投与群との群間差の97.5%信頼区間の下限が非劣性限界値(-4文字)を上回ったことから、本剤の固定投与群及びPTI投与群のアフリベルセプト投与群に対する非劣性が示された。なお、本剤PTI投与群では、52週時点で51.0%の患者が16週ごと、20.1%の患者が12週ごと、15.6%の患者が8週ごと、13.3%の患者が4週ごとの投与間隔であった。
固定投与群n=317
PTI投与群n=319
アフリベルセプト投与群n=315
11.8(10.6, 13.0)
10.8(9.6, 11.9)
10.3(9.1, 11.4)
1.5(-0.1, 3.2)
0.5(-1.1, 2.1)
本剤統合群における眼内炎症(ぶどう膜炎、硝子体炎等)の副作用の発現頻度は0.2%(1/636例)であった。0.5%以上の頻度で認められた試験眼の副作用は、硝子体浮遊物5例(0.8%)、眼圧上昇4例(0.6%)であった12),13),19),20),21),23)。
網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫患者553例(日本部分集団34例を含む)を対象に、アフリベルセプトを対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤投与群は本剤6.0mgを4週ごとに6回投与後、PTI注5)投与した。アフリベルセプト投与群は4週ごとに6回投与後、本剤6.0mgをPTI投与した。主要評価項目である24週時の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(95%信頼区間)は、下表のとおりであった。本剤投与群とアフリベルセプト投与群の群間差の95%信頼区間の下限が非劣性限界値(-4文字)を上回ったことから、本剤投与群のアフリベルセプト投与群に対する非劣性が示された。
本剤投与群n=276
アフリベルセプト投与群n=277
16.9(15.7, 18.1)
17.5(16.3, 18.6)
-0.6(-2.2, 1.1)
主要評価時点である24週までのデータにおいて、本剤投与群における眼内炎症(ぶどう膜炎、硝子体炎等)の副作用は認められなかった(0/276例)。0.5%以上の頻度で認められた試験眼の副作用はなく、0.5%未満の頻度で眼圧上昇1例(0.4%)が認められた24),25),26)。24週時以降は、本剤投与群は本剤PTI投与へ移行し(F-F群)、アフリベルセプト投与群は本剤PTI投与へ移行した(A-F群)。72週時までの最終解析結果において、64、68、72週時の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(95%信頼区間)は、下表のとおりであった。
本剤投与群(F-F群)n=276
アフリベルセプト投与群(A-F群)n=277
18.1(16.9, 19.4)
18.8(17.5, 20.0)
24週時から72週時までの最終解析結果において、眼内炎症(ぶどう膜炎、硝子体炎等)の副作用の発現頻度は、F-F群において0.4%(1/270例)、A-F群には認められなかった(0/267例)。0.5%以上の頻度で認められた試験眼の副作用は、F-F群において眼圧上昇5例(1.9%)、A-F群において眼圧上昇4例(1.5%)、硝子体浮遊物3例(1.1%)、霧視2例(0.7%)であった24),25),26),27)。注5)視力及び中心領域網膜厚の変化に基づき最短4週間隔、最長16週間隔で投与間隔を調整した。なお、疾患の悪化により投与間隔を短縮した被験者は、4週間隔まで短縮された被験者を除き、投与間隔を再度延長しないこととした。4週間隔まで短縮された被験者は、短縮前の最長の投与間隔よりも4週短い投与間隔を超えた投与間隔に延長しないこととした。注6)mixed-effect models for repeated measures(MMRM)による解析(モデルの因子:投与群、時点、投与群と時点の交互作用、ベースラインの最高矯正視力(連続量)、ベースラインの最高矯正視力(≤54文字、≥55文字)、及び地域)
網膜中心静脈閉塞症又は半側網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫患者729例(日本部分集団49例を含む)を対象に、アフリベルセプトを対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤投与群は本剤6.0mgを4週ごとに6回投与後、PTI注5)投与した。アフリベルセプト投与群は4週ごとに6回投与後、本剤6.0mgをPTI投与した。主要評価項目である24週時の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(95%信頼区間)は、下表のとおりであった。本剤投与群とアフリベルセプト投与群の群間差の95%信頼区間の下限が非劣性限界値(-4文字)を上回ったことから、本剤投与群のアフリベルセプト投与群に対する非劣性が示された。
本剤投与群n=366
アフリベルセプト投与群n=363
16.9(15.4, 18.3)
17.3(15.9, 18.8)
-0.4(-2.5, 1.6)
主要評価時点である24週までのデータにおいて、本剤投与群における眼内炎症(ぶどう膜炎、硝子体炎等)の副作用の発現頻度は1.9%(7/365例)であった。0.5%以上の頻度で認められた試験眼の副作用は、硝子体炎3例(0.8%)、白内障2例(0.5%)、ぶどう膜炎2例(0.5%)、硝子体浮遊物2例(0.5%)であった24),25),26)。24週時以降は、本剤投与群は本剤PTI投与へ移行し(F-F群)、アフリベルセプト投与群は本剤PTI投与へ移行した(A-F群)。72週時までの最終解析結果において、64、68、72週時の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(95%信頼区間)は、下表のとおりであった。
本剤投与群(F-F群)n=366
アフリベルセプト投与群(A-F群)n=363
16.9(15.2, 18.6)
17.1(15.4, 18.8)
24週時から72週時までの最終解析結果において、眼内炎症(ぶどう膜炎、硝子体炎等)の副作用の発現頻度は、F-F群において2.8%(10/359例)、A-F群において0.9%(3/342例)であった。0.5%以上の頻度で認められた試験眼の副作用は、F-F群において硝子体炎4例(1.1%)、虹彩毛様体炎3例(0.8%)、眼圧上昇2例(0.6%)、虹彩炎2例(0.6%)、A-F群において虹彩毛様体炎2例(0.6%)、緑内障2例(0.6%)であった24),25),26),27)。注7)mixed-effect models for repeated measures(MMRM)による解析(モデルの因子:投与群、時点、投与群と時点の交互作用、ベースラインの最高矯正視力(連続量)、ベースラインの最高矯正視力(≤34文字、35-54文字、≥55文字)、及び地域)
ファリシマブは、VEGF-A及びAng-2に対するヒト化二重特異性モノクローナルIgG1抗体であり、眼疾患における血管新生や血管漏出に重要な役割を果たすVEGF-A及びAng-2を同時に阻害することで、新生血管を伴う加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫及び網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対して治療効果を発揮すると考えられている。
ファリシマブは、in vitroにおいて、VEGF-A及びAng-2に対して特異的に結合し、解離定数がそれぞれ3及び22nmol/Lの高親和性を示した28)。また、細胞アッセイにおいて、組換えヒトVEGF-165によるヒト臍帯静脈内皮細胞増殖及びAng-2によるTie-2受容体リン酸化を、それぞれ濃度依存的に抑制したことから、VEGF-A及びAng-2を中和することが確認された29)。
ファリシマブは、カニクイザルのレーザー誘発脈絡膜新生血管モデルを用いたin vivo試験において、血管新生及び血管透過性の亢進を抑制した30)。
ファリシマブ(遺伝子組換え)(Faricimab (Genetical Recombination))(JAN)
ファリシマブは、遺伝子組換えヒト化二重特異性モノクローナル抗体であり、マウス抗ヒト血管内皮増殖因子A(VEGF-A)抗体及びヒト抗ヒトアンジオポエチン2(Ang2)抗体の相補性決定部、ヒトフレームワーク部並びに抗Ang2-L鎖のCLドメインとH鎖のCH1ドメインが交換されたヒトIgG1の定常部からなる。抗VEGF-A-H鎖の240、241、259、316、335、360、372及び441番目のアミノ酸残基はそれぞれAla、Ala、Ala、Ala、Gly、Cys、Trp及びAlaに置換されている。抗Ang2-H鎖の250、251、269、326、345、365、382、384、423及び451番目のアミノ酸残基はそれぞれAla、Ala、Ala、Ala、Gly、Cys、Ser、Ala、Val及びAlaに置換されている。ファリシマブは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。ファリシマブは453個のアミノ酸残基からなる抗VEGF-A-H鎖(γ1鎖)1本、214個のアミノ酸残基からなる抗VEGF-A-L鎖(κ鎖)1本、463個のアミノ酸残基からなる抗Ang2-H鎖(γ1-κ鎖)1本及び213個のアミノ酸残基からなる抗Ang2-L鎖(λ-γ鎖)1本で構成される糖タンパク質(分子量約149,000)である。
外箱開封後は遮光して保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
0.24mL×1バイアル(専用フィルター付き採液針1本添付)
0.175mL×1キット(専用フィルター付き30ゲージ眼科用針1本添付)
1) VEGF阻害作用に関連する全身性の有害事象の追加解析(2022年3月28日承認、CTD2.7.4.2.6.4.7)
2) GR40306試験及びGR40844試験の52週時までの有害事象(2022年3月28日承認、CTD2.7.4.2.9)
3) *社内資料:VEGF阻害作用に関連する全身性の有害事象の追加解析(GR41984試験[BALATON試験]、GR41986試験[COMINO試験])
4) 免疫原性(2022年3月28日承認、CTD2.7.2.3.11)
5) ADAが安全性に及ぼす影響(2022年3月28日承認、CTD2.7.4.4.1.2)
6) *社内資料:免疫原性(Week 72 update)(GR41984試験[BALATON試験]、GR41986試験[COMINO試験])
7) *社内資料:抗薬物抗体が安全性に及ぼす影響(GR41984試験[BALATON試験]、GR41986試験[COMINO試験])
8) 血漿中薬物動態(BP28936試験)(2022年3月28日承認、CTD2.7.2.2.3.1.1)
9) 血漿中薬物動態(JP39844試験)(2022年3月28日承認、CTD2.7.2.2.3.2.1)
10) 房水中薬物動態(GR40306試験[TENAYA試験])(2022年3月28日承認、CTD2.7.2.2.4.3.1)
11) 房水中薬物動態(GR40349試験[YOSEMITE試験])(2022年3月28日承認、CTD2.7.2.2.5.2.1)
12) 有効性の概括評価(2022年3月28日承認、CTD2.5.4.1-4)
13) 全有効性試験結果の比較検討(2022年3月28日承認、CTD2.7.3.3)
14) nAMDを対象とした第Ⅲ相臨床試験の有害事象(2022年3月28日承認、CTD2.7.4.2.9)
15) 社内資料:nAMDを対象とした第Ⅲ相臨床試験の52週時までに試験眼に発現した副作用
16) nAMDを対象とした第Ⅲ相臨床試験の52週時までに試験眼に発現した有害事象(2022年3月28日承認、CTD 表2.7.4.7-46)
17) 国際共同第Ⅲ相試験(GR40306試験[TENAYA試験])(2022年3月28日承認、CTD2.7.6.1.5)
18) 海外第Ⅲ相試験(GR40844試験[LUCERNE試験])(2022年3月28日承認、CTD2.7.6.1.6)
19) DMEを対象とした第Ⅲ相臨床試験の有害事象(2022年3月28日承認、CTD2.7.4.2.6.2.2)
20) DMEを対象とした第Ⅲ相臨床試験の56週時までに試験眼に発現した副作用(2022年3月28日承認、CTD 表2.7.4.2.2.1.2-2)
21) DMEを対象とした第Ⅲ相臨床試験の56週時までに試験眼に発現した有害事象(2022年3月28日承認、CTD 表2.7.4.7-50)
22) 国際共同第Ⅲ相試験(GR40349試験[YOSEMITE試験])(2022年3月28日承認、CTD2.7.6.1.8)
23) 海外第Ⅲ相試験(GR40398試験[RHINE試験])(2022年3月28日承認、CTD2.7.6.1.9)
24) *社内資料:有効性の概括評価(GR41984試験[BALATON試験]、GR41986試験[COMINO試験])
25) *社内資料:全試験を通しての結果の比較と解析(GR41984試験[BALATON試験]、GR41986試験[COMINO試験])
26) *社内資料:有害事象(GR41984試験[BALATON試験]、GR41986試験[COMINO試験])
27) *社内資料:24週時以降72週時までに試験眼に発現した眼内炎症の概要(併合、GR41984試験及びGR41986試験、安全性解析)
28) ファリシマブの標的に対する結合親和性(2022年3月28日承認、CTD2.6.2.2.1.1)
29) 細胞アッセイによる標的に対する中和活性(2022年3月28日承認、CTD2.6.2.2.1.3)
30) レーザー誘発脈絡膜新生血管モデルにおけるファリシマブの効果(2022年3月28日承認、CTD2.6.2.2.2.1)
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