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シグマート錠2.5mg/シグマート錠5mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.1併用禁忌(併用しないこと)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2薬理作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

シグマート錠2.5mg/シグマート錠5mg

添付文書番号

2171017F1028_1_17

企業コード

450045

作成又は改訂年月

2022年1月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872171

薬効分類名

狭心症治療剤

承認等

シグマート錠2.5mg

販売名コード

YJコード

2171017F1028

販売名英語表記

SIGMART Tablets

販売名ひらがな

しぐまーとじょう2.5mg

承認番号等

承認番号

15800AMZ00627

販売開始年月

1984年4月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

5年

シグマート錠5mg

販売名コード

YJコード

2171017F2024

販売名英語表記

SIGMART Tablets

販売名ひらがな

しぐまーとじょう5mg

承認番号等

承認番号

15800AMZ00628

販売開始年月

1984年4月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

5年

一般的名称

ニコランジル錠

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者

3. 組成・性状

3.1 組成

シグマート錠2.5mg

有効成分1錠中
日局ニコランジル   2.5mg
添加剤カルメロースカルシウム、トウモロコシデンプン、ステアリン酸カルシウム、ステアリルアルコール、D-マンニトール

シグマート錠5mg

有効成分1錠中
日局ニコランジル   5mg
添加剤カルメロースカルシウム、トウモロコシデンプン、ステアリン酸カルシウム、ステアリルアルコール、D-マンニトール

3.2 製剤の性状

シグマート錠2.5mg

剤形素錠
色調白色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径5mm
厚さ2mm
質量約50mg
識別コードC-21F

シグマート錠5mg

剤形素錠(割線入り)
色調白色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径5mm
厚さ2mm
質量約50mg
識別コードC-21F・5

4. 効能又は効果

狭心症

6. 用法及び用量

ニコランジルとして、通常、成人1日量15mgを3回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の投与開始時には、硝酸・亜硝酸エステル系薬剤と同様に血管拡張作用による拍動性の頭痛を起こすことがあるので、このような場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 緑内障の患者

    眼圧を上昇させるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重篤な肝障害のある患者

    本剤投与中に肝機能検査値異常があらわれることがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)でニコランジル及び/又はその代謝物の乳汁移行が認められている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

本剤投与の際には少量から投与するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下し、副作用が発現しやすいことが推定される。

10. 相互作用

    10.1 併用禁忌(併用しないこと)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
    シルデナフィルクエン酸塩
    (バイアグラ、レバチオ)
    バルデナフィル塩酸塩水和物
    (レビトラ)
    タダラフィル
    (シアリス、アドシルカ、ザルティア)

    併用により、降圧作用が増強することがある。
    本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。

    本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。

    グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
    リオシグアト
    (アデムパス)

    併用により、降圧作用が増強することがある。
    本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。

    本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

      AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

    2. 11.1.2 血小板減少(頻度不明)
    3. 11.1.3 口内潰瘍、舌潰瘍、肛門潰瘍、消化管潰瘍(いずれも頻度不明)

    11.2 その他の副作用

    3%以上

    0.1~3%未満

    0.1%未満

    頻度不明

    循環器

    動悸、顔面紅潮

    全身倦怠感、気分不良、胸痛、下肢のむくみ、のぼせ感等

    精神神経系

    頭痛

    めまい

    耳鳴、不眠、眠気、舌のしびれ、肩こり等

    第3脳神経麻痺、第6脳神経麻痺

    過敏症

    発疹等

    消化器

    悪心、嘔吐、食欲不振

    下痢、便秘、胃もたれ、胃部不快感、胃痛、腹痛、腹部膨満感、口角炎、口渇等

    口内炎

    肝臓

    ビリルビンの上昇、ASTの上昇、ALTの上昇、Al-Pの上昇等

    血液

    血小板減少

    複視

    角膜潰瘍、眼筋麻痺

    生殖器

    性器潰瘍

    皮膚

    皮膚潰瘍

    その他

    頸部痛

    血中カリウム増加

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    1. 14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
    2. 14.1.2 湿気を避けて涼しいところに保管するよう指導すること。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    健康成人5例にシグマート錠5mg 2錠(ニコランジルとして10mg)を単回投与1) したとき、以下のような薬物動態パラメータが得られた1)

    AUC0-4h(ng・hr/mL)

    Cmax(ng/mL)

    Tmax(hr)

    t1/2(hr)

    平均

    262.5±43.1

    152.3±29.2

    0.55±0.12

    0.75

    (mean±SE)

    1) 承認された用法及び用量は、ニコランジルとして、1日量15mgを3回に分割経口投与である。

    16.3 分布

    1. 16.3.1 血清蛋白結合率

      ヒト血清を用いたin vitro試験によると、血清蛋白結合率は34.2~41.5%(ニコランジル濃度1~100μg/mL)であった2)

    16.4 代謝

    健康成人4例にニコランジルの重水素標識体20mgを単回投与1) して代謝を調べたところ、ニコランジルのほとんどは脱ニトロ化されてN-(2-ヒドロキシエチル)ニコチンアミドへ代謝された。この代謝物はニコランジル投与後0.5時間ですでに血漿中に認められ、2時間後に最高濃度へ到達し、8時間後にはほとんどが消失した3)

    16.5 排泄

    健康成人4例にニコランジルの重水素標識体20mgを単回投与1) して排泄を調べたところ、投与量に対する24時間後の累積尿中排泄率は、ニコランジル0.7~1.2%、代謝物N-(2-ヒドロキシエチル)ニコチンアミド6.8~17.3%であった3)

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国内臨床試験

      各種狭心症患者を対象とした二種の二重盲検比較試験において、本剤の有用性が認められた4),5)

    2. 17.1.2 国内臨床試験

      各種狭心症患者を対象とした一般臨床試験(21報)における本剤の有効率は次のとおりであった。

      疾患名

      有効率(有効以上)

      合計

      72.2%(369/511)

      労作狭心症

      69.8%(185/265)

      労作兼安静狭心症

      69.1%(96/139)

      安静狭心症

      94.3%(50/53)

      異型狭心症

      73.0%(27/37)

      梗塞後狭心症

      64.7%(11/17)

      うち、不安定狭心症

      82.4%(14/17)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    冠血管拡張作用では、亜硝酸薬と同様に冠血管平滑筋のグアニル酸サイクラーゼ活性化によるcyclic-GMP産生量の増大が考えられている(in vitro)。これに加えて、冠血流増加作用及び冠血管攣縮抑制作用では膜部位の過分極などが検討されている。

    18.2 薬理作用

    1. 18.2.1 冠血管拡張作用

      イヌ・ランゲンドルフ標本において正常灌流圧時には比較的細い冠動脈を拡張するが、低灌流圧による虚血時にはむしろ太い冠動脈血管を拡張した。また、無麻酔犬に静注すると血流量に依存しないで、太い冠動脈を用量依存的に拡張させた6),7)

    2. 18.2.2 冠血流量に対する作用
      1. (1) ニコランジルを、麻酔開胸犬に静注あるいは十二指腸内投与すると冠血流量の増加とその持続が用量依存的に認められた。同様の成績は覚醒犬、イヌ心肺標本、イヌ・ランゲンドルフ標本においても得られた7),8),9),10),11)
      2. (2) 左冠動脈狭窄及び左室収縮異常がない狭心症患者6例にシグマート錠をニコランジルとして5mg単回投与し、心拍数120/分まで増加の右心房ペーシング実施及び非実施下において冠静脈洞血流量を測定(持続熱希釈法)したところ、冠血流量はいずれの心拍数下でも有意な増加を示した12)
    3. 18.2.3 冠血管攣縮緩解作用

      ニコランジルは、イヌ冠動脈の部分狭窄による周期的な冠血流量の減少及び心電図のST上昇を抑制し、更にミニブタの冠動脈内にメサコリンあるいはノルアドレナリンを投与して生じる冠血管の攣縮を抑制した13),14)

    4. 18.2.4 心・血行動態に対する作用
      1. (1) ニコランジルを麻酔開胸犬に静注すると、用量依存的に血圧を低下させるが、その程度は軽微であり、冠血管抵抗を有意に低下させる用量において、心拍数、心筋収縮力、心筋酸素消費量、房室伝導時間に影響を及ぼさなかった8),9),15)
      2. (2) 左冠動脈狭窄及び左室収縮異常がない狭心症患者6例にシグマート錠をニコランジルとして5mg単回投与したところ、大動脈圧、Pressure Rate Productは有意な変化を示さなかった12)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    ニコランジル(Nicorandil)(JAN)

    化学名

    N-[2-(Nitrooxy)ethyl]pyridine-3-carboxamide

    分子式

    C8H9N3O4

    分子量

    211.17

    性状

    白色の結晶である。
    メタノール、エタノール(99.5)、酢酸(100)に溶けやすく、無水酢酸にやや溶けやすく、水にやや溶けにくい。

    化学構造式

    融点

    約92℃(分解)

    20. 取扱い上の注意

    アルミピロー包装開封後又はバラ包装開封後は、湿気を避けて保存すること。

    22. 包装

    • 〈シグマート錠2.5mg〉

      100錠(PTP10錠×10、乾燥剤入り)
      420錠(PTP21錠×20、乾燥剤入り)
      500錠(PTP10錠×50、乾燥剤入り)
      1000錠(バラ、乾燥剤入り)

    • 〈シグマート錠5mg〉

      100錠(PTP10錠×10、乾燥剤入り)
      420錠(PTP21錠×20、乾燥剤入り)
      1000錠(PTP10錠×100、乾燥剤入り)
      1000錠(バラ、乾燥剤入り)

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    中外製薬株式会社 メディカルインフォメーション部

    〒103-8324 東京都中央区日本橋室町2-1-1

    電話:0120-189706
    Fax:0120-189705
    https://www.chugai-pharm.co.jp/

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    中外製薬株式会社

    東京都中央区日本橋室町2-1-1

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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