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処方箋医薬品注)
下記患者における高リン血症の改善 透析中の慢性腎不全患者
本剤は血中リンの排泄を促進する薬剤ではないため、食事療法等によるリン摂取制限を考慮すること。
通常、成人には、セベラマー塩酸塩として1回1~2gを1日3回食直前に経口投与する。なお、年齢、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日9gとする。
血清リン濃度が8.0mg/dL未満の場合は1回1gから、8.0mg/dL以上の場合は1回2gから投与を開始し、その後血清リン濃度の程度により適宜増減する。
沈降炭酸カルシウムの投与量が1日3g未満の場合は1回1gから、1日3g以上の場合は1回2gから投与を開始し、その後血清リン濃度の程度により適宜増減する。
投与量は血清リン濃度が6.0mg/dL未満となるよう、以下の基準を目安に適宜増減する。
血清リン濃度
投与量増減方法
6.0mg/dL以上
1回0.25~0.5g(1~2錠)増量する
4.0~6.0mg/dL
投与量を維持する
4.0mg/dL未満
1回0.25~0.5g(1~2錠)減量する
本剤が腸管内で膨潤し、腸閉塞、腸管穿孔を起こすおそれがある。,,
腸管穿孔を起こした例が報告されている。,,
腸閉塞を起こした例が報告されている。,
本剤が腸管内で膨潤し、症状を悪化させるおそれがある。
本剤が腸管内で膨潤し、症状を悪化又は再発させるおそれがある。,,
本剤が腸管内で膨潤し、症状を悪化させるおそれがある。,
ビタミンKの吸収阻害により出血傾向を増強するおそれがある。
これらの患者は臨床試験では除外されている。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
消化器症状等の副作用に注意すること。高齢者において認められた副作用の種類及び副作用発現率は、非高齢者との間に差は認められていないが、一般に生理機能が低下している。
本剤は同時に経口投与された場合に、併用薬の吸収を遅延あるいは減少させるおそれがある。抗てんかん剤、不整脈用剤等安全性及び有効性に臨床上重大な影響を及ぼす可能性のある経口薬剤を併用する場合は、可能な限り間隔をあけて投与し、併用薬の作用の変化についても慎重に観察すること。
シプロフロキサシン
健康成人における本剤とシプロフロキサシンの同時経口投与試験の結果、シプロフロキサシンのバイオアベイラビリティが低下したとの報告がある。
機序は不明である。
本剤とレボチロキシンとの併用患者において、甲状腺刺激ホルモン(TSH)濃度が上昇したとの報告がある。
消化管内で左記薬剤と結合し、吸収を抑制すると考えられている。
腸管穿孔、腸閉塞の病態を疑わせる高度の便秘、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には、速やかに投与を中止し、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を実施し、適切な処置を行うこと。,,,,
憩室炎、虚血性腸炎の病態が進行し腸管穿孔等の重篤な状態に至らぬよう、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
吐血、下血及び胃、十二指腸、結腸、直腸等の潰瘍があらわれることがある。
AST、ALT、γ-GTPの著しい上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。
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1~5%未満
0.5~1%未満
0.5%未満
頻度不明
消化器
悪心、腹部不快感、下痢・軟便、消化不良、嘔吐
食欲不振
胃炎・胃炎増悪、おくび、嚥下障害、痔核
肝臓
肝機能異常(ALT、LDH、総胆汁酸の上昇)
代謝
Al-Pの上昇
血中重炭酸塩減少、ビタミンK上昇、ビタミンK減少、血中亜鉛減少、血中銅減少、血中カルシウム減少、ビタミンA上昇、低比重リポ蛋白減少、トリグリセリド上昇、血液pH低下、PO2上昇、鉄代謝障害
低カルシウム血症、水分過負荷
血液
貧血
皮膚
そう痒症、発疹
内分泌
上皮小体ホルモン上昇
骨格・筋
関節痛
ラットの24カ月間混餌投与がん原性試験において、膀胱移行上皮乳頭腫及び移行上皮癌の発現頻度が3.0g/kg/日群の雄で増加した。尿性状の変化及び尿中での結晶形成により本動物種に特異的に生じた腫瘍で、マウスの24カ月間混餌投与がん原性試験では、本剤による腫瘍発現頻度の増加は認められなかった。
高齢者を含む健康成人男女16名に14C-セベラマー塩酸塩を単回経口投与した結果、血液中に放射能は検出されず、投与7日後までに投与放射能の99%以上が糞中に検出された。これらのことからセベラマー塩酸塩は、消化管から吸収されないものと推察された1) (外国人データ)。
健康成人を対象として、セベラマー塩酸塩を併用した時のメトプロロール、エナラプリル、ワルファリン、ジゴキシン及び鉄剤の体内動態への影響を検討した。その結果、これら薬剤の吸収に対してセベラマー塩酸塩の影響は認められなかった2),3),4) (外国人データ)。
高リン血症を合併する血液透析患者230例(本剤115例、沈降炭酸カルシウム115例)を対象として本剤を1日3.0gあるいは6.0gから投与開始後、適宜増減した。その結果、本剤の血清リン濃度(Mean±S.E.)は、投与開始時7.96±0.14mg/dL、投与終了時5.62±0.09mg/dLと低下が認められ、投与開始後8週の目標血清リン濃度(4.0~6.0mg/dL)への累積達成率は92.4%(Kaplan-Meier推定量)であった。血清カルシウム濃度(Mean±S.E.)は、投与開始時9.08±0.06mg/dL、投与終了時9.13±0.06mg/dLと変化は認められなかった。また、血清カルシウム・リン積は、投与開始時72.35±1.40(mg/dL)2、投与終了時51.39±0.95(mg/dL)2と低下が認められ、本剤の臨床的有用性が確認された5) 。本剤投与群において副作用は70/115例(60.9%)に認められた。主な副作用は、便秘増悪27例(23.5%)、腹部膨満17例(14.8%)、上腹部痛16例(13.9%)、便秘13例(11.3%)等であった。
高リン血症を合併する腹膜透析患者35例を対象として本剤を1日3.0gあるいは6.0gから投与開始後、適宜増減した結果、血清カルシウム濃度を上昇させることなく血清リン濃度は目標値まで低下し、投与開始後8週の累積目標達成率は72.7%(Kaplan-Meier推定量)であった6) 。副作用は16/35例(45.7%)に認められた。主な副作用は、便秘増悪6例(17.1%)、腹部膨満3例(8.6%)、消化不良2例(5.7%)、便秘2例(5.7%)等であった。
高リン血症を合併する血液透析患者157例を対象として本剤を1日3.0~6.0gから投与開始後、適宜増減を行い48週間投与した結果、血清カルシウム濃度を上昇させることなく血清リン濃度は目標値まで低下し維持された。投与開始後48週の累積目標達成率は94.4%(Kaplan-Meier推定量)であった7) 。副作用は113/157例(72.0%)に認められた。主な副作用は、便秘増悪41例(26.1%)、便秘31例(19.7%)、上腹部痛27例(17.2%)、腹部膨満25例(15.9%)等であった。
セベラマー塩酸塩はポリカチオンポリマーであり、消化管内でリンと結合して糞中リン排泄を促進することにより、消化管からのリン吸収を抑制し血中リン濃度を低下させる8),9) 。
正常ラット、ハムスターにおいて、セベラマー塩酸塩の混餌投与により血清リン濃度の低下が認められた。また、部分腎摘ラット、アドリアマイシン惹起及びアデニン誘発腎不全ラットにおいて、血清リン濃度及び血清カルシウム・リン積の上昇が抑制された。さらに、片腎摘出Thy1腎不全ラットにおいて、高値を示した血清リン濃度及び血清カルシウム・リン積の低下が認められた8),9),10),11),12),13),14) 。
アデニン誘発腎不全ラットにおいて、胸部大動脈の石灰化が病態対照群では10例中、高度が7例、中等度が1例、軽微が1例に認められたが、2%セベラマー塩酸塩の混餌投与により、10例中1例に高度の石灰化はみられたものの、9例に病変は認められず、本剤の異所性石灰化進展抑制効果が示された13) 。
部分腎摘ラットにおいて、血清PTH濃度は高値(平均789.4pg/mL)を示したが、1及び3%セベラマー塩酸塩の混餌投与により、それぞれ平均192.1及び68.7pg/mLと偽手術群値(平均43.6pg/mL)付近まで低下した。また、同様の血清PTH上昇抑制あるいは低下作用が、アドリアマイシン惹起、アデニン誘発及び片腎摘出Thy1腎不全ラットで認められた9),11),12),13),14) 。
アデニン誘発腎不全ラットにおいて、類骨量、線維量及び多孔率は高値を示し、血清PTHの上昇に伴う高代謝回転型骨障害を呈したが、1及び2%セベラマー塩酸塩の混餌投与により、これらすべてのパラメーターが有意に抑制された13) 。
セベラマー塩酸塩(Sevelamer Hydrochloride)(JAN)
白色~微黄白色の粉末である。水、アセトニトリル、2-プロパノール、0.1mol/L塩酸溶液及び0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液にほとんど溶けない。極めて吸湿性である。
〔英名〕Hydrochloride of prop-2-en-1-amine polymer with 1-chloro-2,3-epoxypropane〔日本名〕プロプ-2-エン-1-アミンと1-クロロ-2,3-エポキシプロパンの重合物の塩酸塩
アルミピロー包装開封後は湿気を避けて保存すること。
100錠(PTP10錠×10、乾燥剤入り)1000錠(PTP10錠×100、乾燥剤入り)
1) Plone M, et al. Clin Pharmacokinet. 2002;41(7):517-23.
2) Burke S, et al. J Clin Pharmacol. 2001;41:199-205.
3) Burke S, et al. J Clin Pharmacol. 2001;41:193-8.
4) Pruchnicki MC, et al. J Clin Pharmacol. 2002;42:1171-6.
5) 鈴木正司, 他. 腎と透析. 2003;55(2):383-400.
6) 平松信, 他. 腎と透析. 2003;55(4):653-63.
7) 大森浩之, 他. 腎と透析. 2003;55(3):513-31.
8) 永野伸郎, 他. 日本透析医学会雑誌. 2003;36(1):47-54.
9) アデニン誘発腎不全ラットにおける薬理作用(2003年1月31日承認、申請資料概要ホ-2)
10) Nagano N, et al. Nephron. 2001;89(3):321-8.
11) Nagano N, et al. Nephrol Dial Transplant. 2003;18(Suppl 3):iii81-5.
12) Nagano N, et al. Nephrol Dial Transplant. 2001;16(9):1870-8.
13) Katsumata K, et al. Kidney Int. 2003;64(2):441-50.
14) 草野健一郎, 他. 薬理と治療. 2003;31(3):203-7.
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