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処方箋医薬品注)
生物由来製品
嚢胞性線維症における肺機能の改善
通常、ドルナーゼ アルファ(遺伝子組換え)として2.5mgを1日1回ネブライザーを用いて吸入投与する。なお、患者の状態に応じて1回2.5mgを1日2回まで吸入投与することができる。
特に注意深く患者の状態を観察すること。重度の肺機能低下を伴う嚢胞性線維症患者を対象とした海外臨床試験において、本剤投与群ではプラセボ群と比較し呼吸困難の発現率が高い傾向が認められている。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒトにおける乳汁中への移行は不明であるが、動物実験(サルへの静脈内投与)で乳汁中へ移行することが報告されている。
5歳未満の幼児等を対象とした有効性を指標とした臨床試験は実施していない。また、低出生体重児、新生児、3カ月未満の乳児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
副作用の発現に注意すること。一般に生理機能が低下している。
5%以上
5%未満
頻度不明
呼吸器
咽頭炎(非感染性)(14.5%)、発声障害(非感染性)、鼻炎(非感染性)、呼吸困難(非感染性)
喉頭炎(非感染性)、肺機能検査値低下
消化器
消化不良
皮膚
発疹
蕁麻疹
眼
結膜炎
全身
胸痛(胸膜炎性・非心臓性)、発熱
健康成人男性24例にプラセボあるいは本剤2.5mg、5mg又は7.5mg注)をネブライザーを用いて単回吸入投与したときの血清中濃度のAUC0-24hr及びCmaxは、以下のとおりであった。血清中濃度のAUC0-24hr及びCmaxに吸入投与量間での有意な差は認められなかった1)。
吸入量(mg)
AUC0-24hr(ng・hr/mL)
Cmax(ng/mL)
プラセボ
62.01±12.54
3.4±0.9
2.5
65.38±19.45
3.6±1.1
5
96.07±35.87
5.3±1.7
7.5
74.94±23.08
4.0±1.2
(n=6、mean±SD)
健康成人、嚢胞性線維症患者等を対象に本剤最大20mg注)(1回吸入投与量)を1日2回、最大6日間反復吸入投与したときの血清中濃度は12ng/mL以下であった2)(外国人データ)。また、嚢胞性線維症患者を対象に本剤1回2mg、6mg又は10mg注)を1日3回、5日間吸入投与したときの最終投与前の喀痰中濃度(2mg群:174.4±64.3ng/mL、6mg群:435.5±119.8ng/mL、10mg群:1431.3±317.3ng/mL)は、ほぼ吸入量に依存した濃度を示した。これらの値は血清中濃度の100から400倍を示した3)(外国人データ)。注)承認された用法・用量は、「通常、ドルナーゼ アルファ(遺伝子組換え)として2.5mgを1日1回ネブライザーを用いて吸入投与する。なお、患者の状態に応じて1回2.5mgを1日2回まで吸入投与することができる。」である。
軽度から中等度の肺機能低下(努力肺活量(FVC)が予測値の40%以上)を伴う5歳以上の嚢胞性線維症患者968例(プラセボ群325例、本剤2.5mg1日1回群322例、本剤2.5mg1日2回群321例)を対象とした二重盲検比較試験において、投与後6カ月間の「非経口抗生物質の投与を必要としたすべての気道感染の発症率」及び「非経口抗生物質の投与を必要とした治験実施計画書で定義注1)された気道感染の発症率」は、それぞれ以下のとおりであった4)(外国人データ)。
プラセボ群n=325
1日1回群n=322
1日2回群n=321
気道感染を1回以上発現した患者の全体の割合(発現例数/全例数)
43%(140/325)
34%(109/322)
33%(105/321)
群間比較(v.s.プラセボ)
ハザード比
-
0.73
0.71
95%信頼区間
0.57-0.94
0.55-0.91
P値注2)
0.015
0.007
気道感染を1回以上発現した患者の年齢別の割合(発現例数/全例数)
5~20歳
42%(85/201)
25%(50/199)
28%(51/184)
21歳以上
44%(55/124)
48%(59/123)
39%(54/137)
27%(89/325)
22%(71/322)
19%(61/321)
0.78
0.66
0.57-1.06
0.48-0.91
0.110
0.012
25%(51/201)
17%(34/199)
18%(33/184)
31%(38/124)
30%(37/123)
20%(28/137)
投与後6カ月間において、「非経口抗生物質の投与を必要としたすべての気道感染」及び「非経口抗生物質の投与を必要とした治験実施計画書で定義注1)された気道感染」に最初に罹患するまでの期間の Kaplan-Meier曲線は、それぞれ以下のとおりであった。
また、投与後6カ月間の「一秒量(FEV1)のベースラインからの平均変化率」は、本剤1日1回群が5.8%の増加、本剤1日2回群が5.6%の増加であり、それぞれプラセボ群に対する優越性が示された(それぞれP<0.001、FisherのLSD法)。注1)①喀痰産生の変化(量・色調又は粘度)②新たな喀血(又はその増加)③咳の増加④呼吸困難の増悪⑤倦怠感・疲労又は嗜眠⑥38℃超の発熱⑦食欲不振又は体重減少⑧副鼻腔の疼痛又は圧痛⑨副鼻腔分泌物の変化⑩FEV1又はFVCの前回記録値から10%の低下⑪肺感染を示唆するX線像の変化⑫胸部聴診音の変化のいずれか4つ以上。注2)log-rank検定本剤が投与された643例中306例(47.6%)に副作用が認められ、本剤1日1回群では322例中149例(46.3%)に、本剤1日2回群では321例中157例(48.9%)に認められた。主な副作用は、咽頭炎、発声障害、鼻炎、呼吸困難、発熱、胸痛等であった(発現頻度は以下に示したとおり)。
副作用の種類
副作用の発現例数(%)
1日1回投与群
1日2回投与群
咽頭炎
37 (11.5)
56 (17.4)
発声障害
22 (6.8)
31 (9.7)
鼻炎
30 (9.3)
呼吸困難
23 (7.1)
27 (8.4)
発熱
10 (3.1)
13 (4.0)
胸痛
9 (2.8)
12 (3.7)
重度の肺機能低下(FVCが予測値の40%未満)を伴う5歳以上の嚢胞性線維症患者70例(プラセボ群35例、本剤2.5mg1日2回群35例)を対象とした二重盲検比較試験において、投与14日後のFEV1のベースラインからの変化率は、プラセボ群が4.2%の増加、本剤2.5mg1日2回群が1.4%の増加であり、プラセボ群に対する本剤群の優越性は示されなかった5)(外国人データ)。
重度の肺機能低下(FVCが予測値の40%未満)を伴う7歳以上の嚢胞性線維症患者320例(プラセボ群162例、本剤2.5mg1日1回群158例)を対象とした二重盲検比較試験において、投与12週間後の FEV1のベースラインからの変化率は、プラセボ群が2.1%の増加、本剤2.5mg1日1回群が9.4%の増加であり、プラセボ群に対する本剤群の優越性が示された(P<0.001、Student's t検定)。気道感染の悪化リスクについてはプラセボ群に対する本剤群の優越性は示されなかった6)(外国人データ)。
本剤はDNAを選択的に加水分解する酵素であり、DNAを多量に含む膿性分泌物の粘稠性を低下させる作用を有する7)。
ドルナーゼ アルファ(遺伝子組換え)(Dornase Alfa(Genetical Recombination))(JAN)
約37,000
遺伝子組換えヒトデオキシリボヌクレアーゼIであり、チャイニーズハムスター卵巣細胞で産生される。260個のアミノ酸残基(分子式:C1321H1995N339O396S9)からなる糖タンパク質である。
アルミピロー包装開封後は遮光して保存すること。
2.5mL×30アンプル(アルミピロー包装1袋6アンプル入り×5袋)
1) 健康成人における薬物動態(国内第Ⅰ相試験J3027-01)(2012年3月30日承認,申請資料概要2.7.2.2.1)
2) 健康成人・嚢胞性線維症患者における薬物動態(海外第Ⅰ相試験Z0197g)(2012年3月30日承認,申請資料概要2.7.2.2.4)
3) 嚢胞性線維症患者における薬物動態(海外第Ⅰ相試験Z0196g)(2012年3月30日承認,申請資料概要2.7.2.2.3)
4) 海外第Ⅲ相試験Z0342g/Z0343g(2012年3月30日承認,申請資料概要2.7.3.3.2.2)
5) Shah PI, et al. Eur Respir J. 1995; 8: 954-8.
6) McCoy K, et al. Chest. 1996; 110: 889-95.
7) Shak S, et al. Proc Natl Acad Sci USA. 1990; 87: 9188-92.
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