医療用医薬品 詳細表示

エディロール錠0.5μg/エディロール錠0.75μg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.4生殖能を有する者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
16.6特定の背景を有する患者
16.7薬物相互作用
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2薬理作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

エディロール錠0.5μg/エディロール錠0.75μg

添付文書番号

3112006F1023_1_03

企業コード

450045

作成又は改訂年月

2024年2月改訂(第3版)
2022年12月改訂

日本標準商品分類番号

873112

薬効分類名

骨粗鬆症治療剤(活性型ビタミンD3製剤)

承認等

エディロール錠0.5μg

販売名コード

YJコード

3112006F1023

販売名英語表記

EDIROL Tablets 0.5μg

販売名ひらがな

えでぃろーるじょう0.5μg

承認番号等

承認番号

30400AMX00336

販売開始年月

2022年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

36箇月

エディロール錠0.75μg

販売名コード

YJコード

3112006F2020

販売名英語表記

EDIROL Tablets 0.75μg

販売名ひらがな

えでぃろーるじょう0.75μg

承認番号等

承認番号

30400AMX00337

販売開始年月

2022年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

36箇月

一般的名称

エルデカルシトール

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

妊婦、妊娠している可能性のある女性又は授乳婦,

3. 組成・性状

3.1 組成

エディロール錠0.5μg

有効成分1錠中
エルデカルシトール0.5μg  
添加剤D-マンニトール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、クロスカルメロースナトリウム、ヒプロメロース、ステアリン酸カルシウム、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、酸化チタン、タルク、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄

エディロール錠0.75μg

有効成分1錠中
エルデカルシトール0.75μg  
添加剤D-マンニトール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、クロスカルメロースナトリウム、ヒプロメロース、ステアリン酸カルシウム、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、酸化チタン、タルク、三二酸化鉄

3.2 製剤の性状

エディロール錠0.5μg

剤形フィルムコーティング錠
色調薄い赤みの黄色
外形平面
側面
識別コードエディロール0.5
直径約7.2mm
厚さ約3.1mm
質量約129.6mg

エディロール錠0.75μg

剤形フィルムコーティング錠
色調明るい灰みの赤色
外形平面
側面
識別コードエディロール0.75
直径約7.2mm
厚さ約3.1mm
質量約129.6mg

4. 効能又は効果

骨粗鬆症

5. 効能又は効果に関連する注意

本剤の適用にあたっては、日本骨代謝学会の診断基準等を参考に、骨粗鬆症との診断が確定している患者を対象とすること。

6. 用法及び用量

通常、成人にはエルデカルシトールとして1日1回0.75μgを経口投与する。ただし、症状により適宜1日1回0.5μgに減量する。

7. 用法及び用量に関連する注意

血清カルシウム値を定期的に測定し、高カルシウム血症を起こした場合には、直ちに休薬すること。休薬後は、血清カルシウム値が正常域まで回復した後に、1日1回0.5μgで投与を再開すること。なお、本剤1日1回0.5μg投与による骨折予防効果は確立していないため、漫然と投与を継続せず、患者の状態に応じ、1日1回0.75μgへの増量又は他剤による治療への変更を考慮すること。,,,,,

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤投与中は血清カルシウム値を定期的(3~6カ月に1回程度)に測定し、異常が認められた場合には直ちに休薬し、適切な処置を行うこと。腎機能障害、悪性腫瘍、原発性副甲状腺機能亢進症等の高カルシウム血症のおそれのある患者では、投与初期に頻回に血清カルシウム値を測定するなど、特に注意すること。,,,,,
  2. 8.2 高カルシウム血症に関連する症状(倦怠感、いらいら感、嘔気、口渇感、食欲減退、意識レベルの低下等)の発現が認められた場合は、血清カルシウム値を測定するなどして慎重に経過観察を行うこと。,,,,,
  3. 8.3 尿路結石のある患者及びその既往歴のある患者等においては、高カルシウム尿症により病態が悪化するおそれがあるため、尿中カルシウム値を定期的に測定し、高カルシウム尿症が認められた場合は休薬あるいは減量するなど、適切な処置を行うこと。,

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 高カルシウム血症のおそれのある患者(悪性腫瘍のある患者、原発性副甲状腺機能亢進症の患者等)

    血清カルシウム値を更に上昇させるおそれがある。,,,,

  2. 9.1.2 尿路結石のある患者及びその既往歴のある患者

    ,

9.2 腎機能障害患者

血清カルシウム値を更に上昇させ、高カルシウム血症となるおそれがある。,,,,

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重度の肝機能障害患者

    重度の肝機能障害患者は臨床試験では除外されている。

9.4 生殖能を有する者

*妊娠する可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。やむを得ず投与する場合には、問診及び妊娠検査により妊娠していないことを確認すること。また、本剤投与中及び最終投与後2週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。本剤投与中に妊娠が認められた場合には、直ちに本剤の投与を中止すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラットでは胎児の骨格異常及び出生児の腎臓の変化が0.125μg/kg/日(曝露量は臨床推奨用量での曝露量の6.8倍相当)で、出生児の外形異常(四肢、手根の異常)が0.5μg/kg/日(27.0倍相当)で認められている。ウサギでは外形異常(頭蓋裂、口蓋裂、矮小児)が0.3μg/kg/日で認められている。,

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。ラットで、乳汁中へ移行することが報告されている。ラット出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験において、出生児の腎臓の変化等が認められている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    ジギタリス製剤

    • ジゴキシン 等

    高カルシウム血症に伴う不整脈があらわれるおそれがある。

    高カルシウム血症が発症した場合、ジギタリス製剤の作用が増強される。

    カルシウム製剤

    • 乳酸カルシウム
      炭酸カルシウム 等

    ,,,, ,

    高カルシウム血症があらわれるおそれがある。

    本剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる。

    ビタミンD及びその誘導体

    • アルファカルシドール
      カルシトリオール 等

    ,,,, ,

    高カルシウム血症があらわれるおそれがある。

    相加作用による。

    *PTH製剤

    • テリパラチド 等

    PTHrP製剤

    • アバロパラチド酢酸塩

    ,,,, ,

    高カルシウム血症があらわれるおそれがある。

    相加作用による。

    マグネシウムを含有する製剤

    • 酸化マグネシウム
      炭酸マグネシウム 等

    高マグネシウム血症があらわれるおそれがある。

    他のビタミンD誘導体と同様に腸管でのマグネシウムの吸収を促進させると考えられる。

    * マグネシウムを含有する製剤

    • 酸化マグネシウム
    • 炭酸マグネシウム 等

    ミルク・アルカリ症候群(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれるおそれがある。

    血中マグネシウムの増加により代謝性アルカローシスが持続するため、尿細管でのカルシウム再吸収が増加する。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと注1)

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 高カルシウム血症(1.5%注2)

      ,,,, ,

    2. 11.1.2 急性腎障害(頻度不明)

      血清カルシウム上昇を伴った急性腎障害があらわれることがある。

    3. 11.1.3 尿路結石(0.9%)

      ,

    11.2 その他の副作用

    2%以上

    2%未満

    頻度不明

    消化器

    便秘、胃不快感、口渇、胃炎

    嘔気、下痢、腹痛

    精神神経系

    浮動性めまい、味覚異常

    肝臓

    γ-GTP上昇、AST上昇、ALT上昇、LDH上昇

    腎臓

    クレアチニン上昇、BUN上昇、尿中血陽性、尿中蛋白陽性

    代謝

    尿中カルシウム増加(20.3%)、血中カルシウム増加(15.0%注3)

    血中尿酸増加、Al-P上昇

    血液

    ヘモグロビン減少、白血球数減少、貧血、ヘマトクリット減少、赤血球数減少

    皮膚

    発疹、そう痒症

    その他

    耳鳴

    浮腫

    注1)カプセルにおける発現頻度
    注2)補正血清カルシウム値が11.0mg/dLを超える場合を高カルシウム血症として集計
    注3)補正血清カルシウム値が10.4mg/dLを超え11.0mg/dL以下の場合を集計

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    1. 14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
    2. 14.1.2 瓶入り包装品を分包する場合、服用時以外薬袋から薬を出さないよう、及び直接光の当たる場所に薬を置かないよう指導すること。

    15. その他の注意

    15.2 非臨床試験に基づく情報

    ラット(SD)に2年間経口投与したがん原性試験において、副腎の褐色細胞腫、腎臓の尿細管腫瘍及び甲状腺のC細胞腫瘍の増加が、臨床推奨用量での曝露量の各々0.7、2.8及び7.0倍相当で認められている。これらの所見は血中カルシウム濃度の高値が長期間持続したことによると考えられた。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    • 〈健康成人〉
      1. 16.1.1 単回投与(錠)

        健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μgを単回経口投与したとき、血清中エルデカルシトール濃度は投与後2.24±0.56hにCmax109±13.4pg/mLに達した後、t1/260.4±12.0hで消失した。AUClastは4,070±689pg・h/mLであった(Mean±SD,n=49)。なお、同カプセルとは生物学的に同等であった1)

        0.75μg単回経口投与時の健康成人男性における薬物濃度推移
      2. 16.1.2 反復投与(カプセル)

        健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μgを1日1回14日間経口投与したとき、14回目投与時の血清中エルデカルシトール濃度は投与後6.0±2.8hにCmax243.5±28.2pg/mLに達した後、t1/248.7±4.9hで消失した。AUC24hは4,964±597pg・h/mLであった(Mean±SD,n=10)2)
        また、健康成人男性にエルデカルシトールとして0.1~1.0μgを1日1回15日間経口投与注1)したとき、血清中エルデカルシトール濃度は、いずれの投与量においても投与13日後には定常状態に達していた。定常状態における薬物動態パラメータは、Cmax、Cmin、AUC24hともに投与量に比例して増加し、t1/2は投与量によらず一定であり、エルデカルシトールの薬物動態は0.1~1.0μgの投与量の範囲内で線形であった3)
        反復投与により薬物動態パラメータに変化は認められなかった。
        注1)承認された用法及び用量は、「通常、成人にはエルデカルシトールとして1日1回0.75μgを経口投与する。ただし、症状により適宜1日1回0.5μgに減量する。」である。(カプセル)

    • 〈原発性骨粗鬆症患者〉
      1. 16.1.3 反復投与(カプセル)

        原発性骨粗鬆症患者にエルデカルシトールとして0.5、0.75、1.0μgを1日1回48週間経口投与後注1)の定常状態における血清中エルデカルシトール濃度は、投与量の増加に伴い比例的に増加した4)

        定常状態時の血清中エルデカルシトール濃度

        投与群

        12週後

        24週後

        48週後

        合計注2)

        0.5μg

        238.1±80.9
        (n=49)

        249.7±64.4
        (n=48)

        246.0±136.3
        (n=44)

        244.5±96.8
        (N=141)

        0.75μg

        339.7±108.8
        (n=54)

        351.5±95.3
        (n=52)

        306.2±150.1
        (n=47)

        333.4±119.8
        (N=153)

        1.0μg

        514.3±674.5
        (n=53)

        469.9±135.2
        (n=51)

        401.3±140.2
        (n=45)

        465.0±417.1
        (N=149)

        (Mean±SD)
        血清中エルデカルシトール濃度の単位:pg/mL
        n:例数、N:集計に用いた測定ポイント数
        注2)投与12週後、24週後、48週後の集計

    16.2 吸収

    1. 16.2.1 食事の影響(カプセル)

      健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μgを単回経口投与したとき、薬物動態に食事の影響は認められなかった5)

      食事の有無における単回経口投与時の薬物動態パラメータ

      Cmax
      (pg/mL)

      AUClast
      (pg・h/mL)

      空腹時投与注3)

      100.42±11.02

      4,094±445

      食後投与注4)

      95.37±8.89

      3,879±577

      (Mean±SD,n=15)
      注3)10時間以上絶食後投与
      注4)食事摂取30分後投与

    16.3 分布

    1. 16.3.1 母集団薬物動態解析

      健康成人男性、閉経後女性及び原発性骨粗鬆症患者の計882例において母集団薬物動態解析を実施した。見かけの分布容積は10.5Lであった6)

    2. 16.3.2 蛋白結合

      ヒト血清に1~100ng/mLの濃度範囲でエルデカルシトールを添加したときの蛋白結合率は94.2~96.2%であり濃度によらず一定であった7) 。また、蛋白結合率に性差は認められなかった(in vitro8)

    16.4 代謝

    エルデカルシトールをラットに投与したとき、血漿中には主に未変化体が認められ、2位の3-hydroxypropyloxy基の脱離体及び24位の水酸化体も認められた9) 。ラット、イヌ、サル及びヒトの肝ミクロソームを用いた試験におけるエルデカルシトールの主代謝物は2位の3-hydroxypropyloxy基の脱離体及び3-hydroxypropyloxy基のアルコールの酸化体であり、種差は認められず10) 、エルデカルシトール主代謝酵素はヒト肝臓のCYPではなかった(in vitro11)

    16.5 排泄

    健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μgを1日1回14日間経口投与したとき、エルデカルシトール及びその代謝物の尿中への排泄は認められなかった2) (カプセル)。雄性ラットに3Hで標識したエルデカルシトールを単回経口投与したとき、投与7日後までに投与放射能の2.63%が尿中に、55.89%が糞中に排泄された12)

    16.6 特定の背景を有する患者

    1. 16.6.1 肝機能障害患者における薬物動態(カプセル)

      肝機能障害患者10例(Child-Pugh分類 分類A:8例、分類B:2例)にエルデカルシトールとして0.75μgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータは、以下のとおりであった13)

      肝機能障害患者と健康成人男性における単回経口投与時の薬物動態パラメータ

      Cmax
      (pg/mL)

      AUClast
      (pg・h/mL)

      肝機能障害患者
      (Child-Pugh分類 分類A)

      99.7±19.1

      3,622±731

      肝機能障害患者
      (Child-Pugh分類 分類B)

      73.9
      (63.1,84.6)

      2,936
      (2,622, 3,250)

      健康成人男性5)

      99.8±12.7

      3,947±580

      Child-Pugh分類 分類A:n=8、健康成人男性:n=31(Mean±SD)
      Child-Pugh分類 分類B:n=2〔Mean(Min,Max)〕

    2. 16.6.2 腎機能及びその他の因子が薬物動態に及ぼす影響

      臨床試験から得られたクレアチニンクリアランス(CLcr)14) 、年齢14) 及び性別3),15),16),17) ごとの血清中エルデカルシトールトラフ濃度を以下に示す。
      「16.3.1 母集団薬物動態解析」に示した母集団薬物動態解析6) の結果、CLcr、体重、年齢及び性別は見かけの全身クリアランスに影響を与える因子ではなかった。

      臨床試験から得られたCLcr、年齢、性別の各分類の血清中エルデカルシトールトラフ濃度

      因子

      エルデカルシトール
      投与量、投与期間

      血清中エルデカルシトール
      トラフ濃度(pg/mL)
      (n=例数、N=測定ポイント数)

      CLcr(mL/min)注5)

      0.75μg
      144週間

      • 10以上30未満

      384.3±145.7(N=17)

      • 30以上60未満

      322.9±114.8(N=331)

      • 60以上70未満

      304.8±89.4(N=19)

      • 70以上

      254.2±81.6(N=15)

      年齢

      0.75μg
      144週間

      • 75歳未満

      302.3±101.0(N=232)

      • 75歳以上

      352.5±129.1(N=150)

      性別

      • 男性

      1.0μg注1)、15日間

      316.1±96.3注6)(n=6)

      • 男性

      1.0μg注1)、14日間

      289.6±114.1注7)(n=22)

      • 女性

      1.0μg注1)、12週間

      260.4±55.6注8)(N=80)

      (Mean±SD)
      注5)血清クレアチニン値を用いCockcroft-Gault法により算出
      注6)投与13、14、15日目及び15日目の投与後24時間の血清中エルデカルシトールトラフ濃度から算出
      注7)投与13、14日目及び14日目の投与後24時間の血清中エルデカルシトールトラフ濃度から算出
      注8)投与2、4、8、12週後の血清中エルデカルシトールトラフ濃度から算出

    16.7 薬物相互作用

    • (カプセル)

      健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μg又はプラセボを1日1回14日間経口投与したとき、CYP3A4の基質であるシンバスタチン及びその代謝物の薬物動態パラメータの幾何平均の比(反復投与後/反復投与前)及び90%信頼区間は、以下のとおりであった2)

      エルデカルシトールがシンバスタチン及びその代謝物の薬物動態に及ぼす影響

      指標薬

      投与群

      幾何平均の比(反復投与後/反復投与前)
      [90%信頼区間]

      AUClast

      Cmax

      シンバスタチン

      プラセボ

      0.964
      [0.6903−1.3468]

      1.158
      [0.8766−1.5306]

      エルデカルシトール

      0.848
      [0.6743−1.0654]

      0.809
      [0.6669−0.9826]

      シンバスタチン代謝物(オープンアシド体)

      プラセボ

      0.874
      [0.7535−1.0136]

      0.958
      [0.7526−1.2185]

      エルデカルシトール

      0.929
      [0.7178−1.2029]

      0.894
      [0.6302−1.2684]

      (n=10)

      ヒト肝細胞ならびにヒト肝ミクロソームを用いた検討において、エルデカルシトールによる臨床上薬物相互作用を惹起するCYPの誘導及び阻害は認められなかった(in vitro18),19)

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国内第III相試験(カプセル)

      原発性骨粗鬆症患者1,054例(エルデカルシトール群528例うち男性9例、アルファカルシドール群526例うち男性15例)における無作為割付二重盲検群間比較試験において、主要評価項目である3年間の非外傷性新規椎体骨折発生頻度は、エルデカルシトール群(1日1回0.75μg)で13.4%、アルファカルシドール群(1日1回1.0μg)で17.5%であり(相対リスク減少率26%)、アルファカルシドールに対するエルデカルシトールの優越性が検証された[層化log-rank検定:P=0.0460(片側)]。また、3年間の非外傷性前腕骨骨折発生頻度は、エルデカルシトール群で1.1%、アルファカルシドール群で3.6%であり(相対リスク減少率71%)、有意差が認められた[層化log-rank検定:P=0.0048(片側)]。3年後の腰椎骨密度平均変化率は、エルデカルシトール群(1日1回0.75μg)で3.4%、アルファカルシドール群(1日1回1.0μg)で0.1%であり、アルファカルシドール群に比較して有意な骨密度増加効果を示した[Student t検定:P<0.001(両側)]。また、3年後の大腿骨骨密度平均変化率においても、エルデカルシトール群で0.4%、アルファカルシドール群で-2.3%であり、有意な骨密度増加効果を示した[Student t検定:P<0.001(両側)] 。

      骨折発生頻度と相対リスク減少率

      骨折発生頻度(3年間)注1)
      (n=有効性評価症例数)

      相対リスク
      減少率
      (P値注2)

      エルデカルシトール群
      (n=526)

      アルファカルシドール群
      (n=523)

      新規椎体骨折

      13.4%

      17.5%

      26%
      (P=0.0460)

      前腕骨骨折

      1.1%

      3.6%

      71%
      (P=0.0048)

      注1)Kaplan-Meier法による推定値
      注2)層化log-rank検定(片側)

      安全性評価対象例数であるエルデカルシトール群528例、アルファカルシドール群526例のうち、副作用は、エルデカルシトール群で227例(43.0%)、アルファカルシドール群で170例(32.3%)に認められた。発現率が5%以上であった副作用は血中又は尿中カルシウム増加であり、血中カルシウム増加はエルデカルシトール群で111例(21.0%)、アルファカルシドール群で69例(13.1%)、尿中カルシウム増加はエルデカルシトール群で134例(25.4%)、アルファカルシドール群で81例(15.4%)にみられた14)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    エルデカルシトールは活性型ビタミンD3(カルシトリオール)の誘導体であり、以下のカルシトリオールとしての薬理学的特性を有する。

    • ヒト破骨前駆細胞に作用し破骨細胞の形成を抑制した(in vitro20)
    • ラットにおいて、小腸でのカルシウム吸収促進(ex vivo21) 及び血清カルシウム濃度の増加22) が認められた。
    • クル病モデルラットにおいて、骨端軟骨幅指数の低下が認められた23)
    • 卵巣摘出ラットにおいて、骨代謝回転パラメータ値の低下が認められた24)

    これらのことから、エルデカルシトールは、主に骨代謝回転を抑制して、骨密度及び骨強度を改善すると考えられる。

    18.2 薬理作用

    1. 18.2.1 骨密度及び骨強度に対する作用
      1. (1) 卵巣摘出ラットにエルデカルシトールを12カ月間反復経口投与した試験において、エルデカルシトール0.03μg/kg/日の投与は、卵巣摘出による腰椎及び大腿骨の骨密度減少並びに骨強度低下を有意に抑制した24)
      2. (2) 卵巣摘出サルにエルデカルシトールを16カ月間反復経口投与した試験において、エルデカルシトール0.07μg/kg/日投与群の腰椎及び大腿骨骨密度は、卵巣摘出コントロール群を下回らなかった。また、骨強度を低下させるなどの悪影響は認められなかった25)
      3. (3) 卵巣摘出ラット及びサルの骨密度と骨強度の間には正の相関が認められた。
    2. 18.2.2 骨組織像に及ぼす影響
      1. (1) 卵巣摘出ラットにエルデカルシトール0.0075、0.015、0.03μg/kg/日を12カ月間反復経口投与した試験において、骨組織像に異常は認められなかった24)
      2. (2) 卵巣摘出サルにエルデカルシトール0.0175、0.035、0.07μg/kg/日を16カ月間反復経口投与した試験において、骨組織像に異常は認められなかった25)
    3. 18.2.3 骨折治癒に及ぼす影響

      骨折モデルラットにおいて、エルデカルシトール0.015、0.05μg/kg/日の骨折手術前4週間、骨折手術後16週間の反復経口投与は骨折部位の形状及び力学的強度に影響を与えなかった26)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    エルデカルシトール(Eldecalcitol)(JAN)

    化学名

    (1R,2R,3R,5Z,7E)-2-(3-Hydroxypropyloxy)-9,10-secocholesta-5,7,10(19)-triene-1,3,25-triol

    分子式

    C30H50O5

    分子量

    490.72

    性状

    白色~淡黄色の粉末である。
    N,N-ジメチルホルムアミド及びエタノール(99.5)に溶けやすく、クロロホルムにやや溶けやすく、アセトニトリルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。

    化学構造式

    融点

    約132℃

    20. 取扱い上の注意

    1. 20.1 アルミピロー包装開封後又はバラ包装外箱開封後は遮光して保存すること。
    2. 20.2 製品の品質保持のため脱酸素剤入り包装としている。

    22. 包装

    • 〈エディロール錠0.5μg〉

      100錠(PTP10錠×10、脱酸素剤入り)
      140錠(PTP14錠×10、脱酸素剤入り)

    • 〈エディロール錠0.75μg〉

      100錠(PTP10錠×10、脱酸素剤入り)
      140錠(PTP14錠×10、脱酸素剤入り)
      500錠(PTP10錠×50、脱酸素剤入り)
      500錠(バラ、脱酸素剤入り)
      700錠(PTP14錠×50、脱酸素剤入り)

    23. 主要文献

    1) 社内資料:製剤間及び錠剤含量間の生物学的同等性試験(ED-318JP試験)

    2) 薬物相互作用試験(ED-111JP)(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.7.2.2.2.7)

    3) 第Ⅰ相反復投与試験(ED-71T-103)(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.7.2.2.2.2)

    4) 後期第Ⅱ相試験(ED007JP)(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.7.2.2.2.4)

    5) 製剤間のBE試験(ED-112JP)(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.7.1.2.4)

    6) 統合母集団薬物動態解析(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.7.2.2.2.9)

    7) 血漿(血清)蛋白結合性(in vitro)(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.6.4.4.4)

    8) 血漿(血清)蛋白結合の性差(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.6.4.4.5)

    9) in vivo代謝(ラット)(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.6.4.5.3)

    10) in vitro代謝(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.6.4.5.2)

    11) 代謝関与酵素(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.6.4.5.4)

    12) 尿・糞中排泄(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.6.4.6.1)

    13) 肝機能障害患者での薬物動態試験(ED-301JP)(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.7.2.2.2.8)

    14) *第Ⅲ相試験(ED-209JP)(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.5.4.3, 2.7.4.2.1及び2.7.6.14)

    15) 反復投与でのBA試験(ED006JP)(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.7.1.2.3)

    16) 臨床薬理試験(ED008JP)(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.7.2.2.2.5)

    17) 反復投与時の薬物動態(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.7.2.3.2.2)

    18) 薬物代謝酵素誘導能(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.6.4.5.5)

    19) CYP酵素に対する阻害作用(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.6.4.5.6)

    20) 薬理試験〈破骨細胞形成抑制活性(in vitro)〉(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.6.2.2.1.3)

    21) 薬理試験〈腸管からのカルシウム吸収促進作用(ラット)〉(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.6.2.2.1.4)

    22) 薬理試験〈血中カルシウム濃度及び尿中カルシウム排泄量に及ぼす影響(ラット)〉(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.6.2.2.1.5)

    23) 薬理試験〈抗クル病作用(ラット)〉(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.6.2.2.1.6)

    24) 薬理試験〈骨粗鬆症モデリング動物(OVXラット)の骨量減少に対する効果〉(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.6.2.2.4)

    25) 薬理試験〈骨粗鬆症リモデリング動物(OVXサル)の骨量減少に対する効果〉(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.6.2.2.5)

    26) 薬理試験〈骨折モデルラットの骨折治癒過程に及ぼす影響〉(2011年1月21日承認、エディロールカプセル0.5μg・同0.75μg CTD 2.6.2.2.6)

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    東和薬品株式会社 学術部DIセンター

    〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号

    フリーコール 0120-108-932 FAX 06-7177-7379

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

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    東京都中央区日本橋室町2-1-1

    26.2 発売

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    大阪府門真市新橋町2番11号

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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