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処方箋医薬品注)
生物由来製品
効能又は効果
用法及び用量(レノグラスチム(遺伝子組換え)として)
投与開始時期(投与時期)・経路及び用量
投与中止時期
造血幹細胞の末梢血中への動員
がん化学療法終了後の動員
成人小児
通常、がん化学療法剤投与終了後(翌日以降)から、1日量5μg/kgを1日1回又は2回に分けてアフェレーシスが終了する時点まで皮下投与する。十分な動員効果が期待できないと考えられる場合には1日量の上限を10μg/kgとする。なお、状態に応じて適宜減量する。
アフェレーシス終了前に白血球数が50,000/mm3以上に増加した場合は減量し、減量後、白血球数が75,000/mm3に達した場合は投与を中止する。
自家末梢血幹細胞移植を目的とした本剤単独による動員
通常、1日量10μg/kgを1日1回又は2回に分けて4~6日間、アフェレーシスが終了する時点まで皮下投与する。なお、状態に応じて適宜減量する。
末梢血幹細胞移植ドナーに対する本剤単独での動員
通常、成人には1日量10μg/kgを1日1回又は2回に分けて4~6日間、アフェレーシスが終了する時点まで皮下投与する。なお、状態に応じて適宜減量する。
投与開始時期
経路及び用量
造血幹細胞移植時の好中球数の増加促進
成人
通常、造血幹細胞移植施行翌日ないし5日後より
点滴静注5μg/kg1日1回
好中球数が5,000/mm3以上に増加した場合は症状を観察しながら投与を中止する。
小児
造血幹細胞移植施行翌日ないし5日後より
なお、本剤投与の中止時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には、白血球数の半数を好中球数として推定する。
なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減する。
がん化学療法による好中球減少症
急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病
通常、がん化学療法剤投与終了後(翌日以降)で骨髄中の芽球が十分減少し末梢血液中に芽球が認められない時点から
静脈内投与(点滴静注を含む)5μg/kg1日1回出血傾向等の問題がない場合皮下投与2μg/kg1日1回
好中球数が最低値を示す時期を経過後5,000/mm3に達した場合は投与を中止する。
悪性リンパ腫、小細胞肺癌、胚細胞腫瘍(睾丸腫瘍、卵巣腫瘍など)、神経芽細胞腫、小児がん
通常、がん化学療法剤投与終了後(翌日以降)から
皮下投与2μg/kg1日1回出血傾向等により皮下投与が困難な場合静脈内投与(点滴静注を含む)5μg/kg1日1回
その他のがん腫
通常、がん化学療法により好中球数1,000/mm3未満で発熱(原則として38℃以上)あるいは好中球数500/mm3未満が観察された時点からまた、がん化学療法により好中球数1,000/mm3未満で発熱(原則として38℃以上)あるいは好中球数500/mm3未満が観察され、引き続き同一のがん化学療法を施行する症例に対しては、次回以降のがん化学療法施行時には好中球数1,000/mm3未満が観察された時点から
なお、本剤投与の開始時期及び中止時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には、白血球数の半数を好中球数として推定する。
骨髄異形成症候群に伴う好中球減少症
通常、好中球数1,000/mm3未満の状態を示した時点より
静脈内投与5μg/kg1日1回
好中球数が5,000/mm3以上に増加した場合は症状を観察しながら減量、あるいは投与を中止する。
再生不良性貧血に伴う好中球減少症
好中球数1,000/mm3未満の状態を示した時点より
皮下投与又は静脈内投与5μg/kg1日1回
先天性・特発性好中球減少症
皮下投与又は静脈内投与2μg/kg1日1回
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の治療に支障を来す好中球減少症
投与期間は2週間を目安とするが、好中球数が3,000/mm3以上に増加した場合は症状を観察しながら減量、あるいは投与を中止する。
免疫抑制療法(腎移植)に伴う好中球減少症
通常、好中球数1,500/mm3(白血球数3,000/mm3)未満の状態を示した時点より
皮下投与2μg/kg1日1回
好中球数1,500/mm3(白血球数3,000/mm3)未満の状態を示した時点より
投与時期
再発又は難治性の急性骨髄性白血病に対する抗悪性腫瘍剤との併用療法
通常、フルダラビン、シタラビン等の抗悪性腫瘍剤併用化学療法の開始前日から併用化学療法終了日まで(通常5〜6日間)連日
皮下投与又は静脈内投与(点滴静注を含む)5μg/kg1日1回
なお、状態に応じて適宜減量する。
,
有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
本剤の投与に際しては、好中球数(白血球数)の測定を頻回に行い、過剰の増加(目安として好中球数5,000/mm3以上)を避けるよう必要により投与期間を適宜調節するなど、慎重に行うこと。一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い。
間質性肺炎が発現又は増悪することがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難及び胸部X線検査異常等が認められた場合には、本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
急性骨髄性白血病及び骨髄異形成症候群患者において、芽球の増加を促進させることがある。,,,,
急速に進行する呼吸困難、低酸素血症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には本剤の投与を中止し、呼吸管理等の適切な処置を行うこと。
低血圧、低アルブミン血症、浮腫、肺水腫、胸水、腹水、血液濃縮等が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
発熱、CRP上昇、大動脈壁の肥厚等が認められた場合には、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
脾臓の腫大が認められた場合は、必要に応じて本剤の減量、中止等の適切な処置を行うこと。
2%以上注3)
2%未満注3)
頻度不明
皮膚
皮疹・発疹、蕁麻疹、そう痒感
好中球浸潤・有痛性紅斑・発熱を伴う皮膚障害(Sweet症候群等)
肝臓
肝機能異常、ALT上昇、AST上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇
消化器
嘔気・嘔吐、食欲不振、下痢、腹痛注4)
筋・骨格系
背部痛、骨痛、関節痛、胸痛
筋肉痛、四肢痛
呼吸器
肺水腫、呼吸困難、低酸素血症
胸水
腎臓
糸球体腎炎
血液
血小板減少
その他
LDH上昇、Al-P上昇
発熱、CRPの上昇、尿酸上昇、頭痛、倦怠感、浮腫
動悸
顆粒球コロニー形成刺激因子が、数種のヒト膀胱癌細胞株及びヒト骨肉腫細胞株に対しin vitroあるいはin vivoで増殖促進傾向を示したとの報告がある。
健康成人男子に本剤を静脈内(レノグラスチムとして1、10、20、40μg/body)注5) 及び皮下(レノグラスチムとして10、20、40μg/body)注5) に単回投与し、血清中濃度を測定したところ、皮下投与では、投与4~6時間後まで上昇し以後穏やかな減少を示したが、静脈内投与では、投与後速やかに消失し4~8時間後には同一用量の皮下投与群の値以下となり、投与24時間後にはほとんど検出されなくなった3) 。
薬物動態パラメータを下記に示す。
投与経路
用量μg/body注5)
例数
t1/2h
AUC0~72hpg・h/mL
Cmaxpg/mL
静脈内
1
4
0.43±0.03
476±236
――
10
3
0.53±0.04
2436±321
20
1.02±0.07
9088±484
40
1.00±0.05
23325±811
皮下
5.44±1.89
824±293
89.9±19.7
4.49±0.81
1802±610注6)
151.9±36.9
4.39±0.42
6085±890注6)
478.0±66.1
健康成人男子各4例に本剤をレノグラスチムとして20μg/body注5) を連日5日間静脈内及び皮下投与したとき、いずれの投与経路においても第1日目と第5日目の血清中濃度はほぼ同様な消失パターンを示し、蓄積性を示唆する所見は得られなかった3) 。
健康成人男子に本剤を静脈内(レノグラスチムとして1、10、20、40μg/body)注5) 及び皮下(レノグラスチムとして10、20、40μg/body)注5) に単回投与したとき、また両経路に反復投与(レノグラスチムとして20μg/body)注5) したとき、いずれの用法、用量においても尿中濃度は検出限界以下であった3) 。
悪性リンパ腫4) 、乳癌5),6) 、慢性骨髄性白血病患者7),8) 、健康人9),10),11) を対象とした種々の試験において、がん化学療法施行後の本剤投与、並びに本剤単独の投与のどちらにおいても、末梢血幹細胞移植に必要と考えられる造血幹細胞を末梢血中へ動員する効果が認められた。
骨髄移植施行例を対象とした二重盲検比較試験において、本剤投与群は、対照群に比較して有意な好中球減少期間の短縮を認めた12) 。
悪性リンパ腫13),14) 、肺癌15) 、急性リンパ性白血病16),17),18) 、急性骨髄性白血病19),20),21),22) 、尿路上皮癌23) 、頭頸部癌24) 、乳癌25) 患者等を対象とした種々の試験において、がん化学療法施行後の好中球数減少の回復促進が認められた。
再生不良性貧血26) 、骨髄異形成症候群27) 等の各種好中球減少症患者を対象とした種々の試験において、好中球数は速やかに増加し、本剤投与期間中高いレベルで好中球数が維持された。
後天性免疫不全症候群(エイズ)患者等を対象とした種々の試験において、HIV感染症治療における好中球減少症に対して好中球数を速やかに回復・維持させ抗HIV剤等の計画的投与を可能とした28) 。
腎移植後の免疫抑制療法施行例を対象とした二重盲検比較試験において、免疫抑制療法時の好中球(白血球)数減少に対し好中球(白血球)数を速やかに回復・維持させ、免疫抑制剤の使用計画を完遂させ得た29) 。
CPAmg/kg i.p.
本剤μg/kg s.c.
接種量(cfu/マウス)
104
105
106
107
0
5/5
0/5
200
3/5
NT
2/5
4/5
1/5
100
AMPH-Bmg/kg i.v.
接種量cfu/マウス
接種後の日数
2
5.1×106
0/8
0.5
10/10
9/10
0/10
CPA:シクロホスファミド AMPH-B:アムホテリシンB
レノグラスチム(遺伝子組換え)(Lenograstim(Genetical Recombination))(JAN)
約20000
遺伝子組換えヒト顆粒球コロニー刺激因子であり、チャイニーズハムスター卵巣細胞で産生される。174個のアミノ酸残基(C840H1330N222O242S8)からなる糖タンパク質である。
*1バイアル10バイアル
1) **Danese MD, et al. Adv Ther. 2022;39:2778-95.
2) 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:フィルグラスチム(遺伝子組換え)及びレノグラスチム(遺伝子組換え)(再発又は難治性の急性骨髄性白血病に対する抗悪性腫瘍剤との併用療法)
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