当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
日本薬局方
精製ヒアルロン酸ナトリウム注射液
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
通常、成人1回2.5mLを1週間毎に連続5回膝関節腔内に投与する。その後、症状の維持を目的とする場合は、2~4週間隔で投与する。
通常、成人1回2.5mLを1週間毎に連続5回肩関節(肩関節腔、肩峰下滑液包又は上腕二頭筋長頭腱腱鞘)内に投与する。
通常、成人1回2.5mLを1週間毎に連続5回膝関節腔内に投与する。
本剤は関節内に投与するため。
肝障害を悪化させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラットi.v.)で乳汁中へわずかに移行することが認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
ショック症状があらわれることがある。
0.1~2%未満
0.1%未満
過敏症
発疹
発熱、そう痒症、蕁麻疹、紅斑
投与部位
疼痛、腫脹、関節液貯留、熱感
関節周囲のしびれ感
肝臓
AST上昇、ALT上昇、AL-P上昇、LDH上昇
腎臓
尿沈渣異常、BUN上昇
尿中蛋白陽性
血液
白血球数増加
好酸球数増加、ヘマトクリット減少
その他
総蛋白減少、倦怠感、動悸、ほてり
健康成人の膝関節腔内へヒアルロン酸ナトリウムとして15~50mgを単回投与注1) したときの血清中ヒアルロン酸濃度は、投与前から投与168時間後を通じて約50~150ng/mLの範囲内で変動し、対照のプラセボ(生理食塩液)投与群の約30~110ng/mLの範囲内の変動とほぼ同様の推移を示していた1) 。ウサギ及びイヌの膝関節腔内へ粘度平均分子量約190万の14C-ヒアルロン酸ナトリウムを単回投与(1mg/0.1mL/kg)した際の血中放射能濃度は、投与48時間後に最高濃度に達し、その後緩徐に消失した2) 。ウサギの膝関節腔内へ粘度平均分子量約190万の14C-ヒアルロン酸ナトリウムを7回反復投与(1mg/0.1mL/kg)した際の血中放射能濃度は、投与6回目でほぼ定常状態に達し、最終回投与以降は緩徐に消失した3) 。
ウサギの膝関節腔内へ粘度平均分子量約190万のヒアルロン酸ナトリウムを単回投与(1mg/0.1mL/kg)したとき、関節腔内における貯留は投与後約5日間認められた4) 。ウサギの膝関節腔内へ粘度平均分子量約190万の14C-ヒアルロン酸ナトリウムを単回投与(1mg/0.1mL/kg)したとき、軟骨表層、滑膜及び関節液中における放射能の残存は投与後216時間(9日間)まで認められた2) 。
ウサギの膝関節腔内へ粘度平均分子量約190万の14C-ヒアルロン酸ナトリウムを単回投与(1mg/0.1mL/kg)した際の組織内放射能濃度は投与24及び48時間後に肝、脾、下顎腺で高く、脊髄、副腎、骨格筋、皮膚、精巣及び精巣上体は投与72時間後に、また、他の組織は投与48時間後に最高濃度を示した2) 。ウサギの膝関節腔内へ粘度平均分子量約190万の14C-ヒアルロン酸ナトリウムを週2回、7回反復投与(1mg/0.1mL/kg)した際、軟骨、半月板、骨髄、副腎、リンパ節、皮膚は投与72時間後に、骨格筋、脊髄、甲状腺、脂肪は投与後120時間後に最高濃度を示し、他の組織は48時間後に最高濃度を示した3) 。妊娠ラットの静脈内へ粘度平均分子量約190万の14C-ヒアルロン酸ナトリウムを単回投与(1mg/2mL/kg)した際の胎児のオートラジオグラムの放射能分布は、投与10分後では認められず、投与6時間後では母体血漿より高い放射能濃度が認められた。なお、本現象はヒアルロン酸ナトリウムの代謝分解物を生体が再利用したことによるものと考えられる3) 。
ウサギの膝関節腔内へ粘度平均分子量約190万の14C-ヒアルロン酸ナトリウムを単回投与(1mg/0.1mL/kg)したとき、投与後24時間では軟骨組織、滑膜組織及び関節液中の分子量の低下はほとんどみられなかった5) 。
ウサギ及びイヌの膝関節腔内へ粘度平均分子量約190万の14C-ヒアルロン酸ナトリウムを単回投与(1mg/0.1mL/kg)した際の投与後216時間までの呼気中、尿中及び糞中への排泄率は、それぞれ74.7%及び75.6%、7.3%及び7.1%、0.3%及び1.1%であった2) 。分娩後13日目の哺育中ラットの静脈内へ粘度平均分子量約190万の14C-ヒアルロン酸ナトリウムを単回投与(1mg/2mL/kg)した際の乳汁中放射能濃度は、投与1時間後までは血漿中濃度より低く、投与4時間後に最高濃度を示したのち、投与24時間後には検出限界以下まで減少した3) 。
第III相比較臨床試験における本剤群の最終全般改善度評価対象例95例の成績は次のとおりである6) 。
疾患名
改善率(中等度改善以上)
変形性膝関節症
69/95(72.6%)
本剤群の安全性評価対象例100例中2例(2.0%)に副作用が発現し、膝関節周囲の痛み・しびれ、肝機能異常各1例であった。
第III相比較臨床試験における本剤群の最終全般改善度評価対象例99例の成績は次のとおりである7) 。
肩関節周囲炎
65/99(65.7%)
本剤群の安全性評価対象例109例中1例(0.9%)に副作用が発現し、肩関節の熱感・疼痛増強であった。
第III相比較臨床試験での、関節リウマチにおける膝関節痛に対する使用基準に適合した、本剤群の最終全般改善度評価対象例68例の成績は次のとおりである8) 。
関節リウマチにおける膝関節痛
44/68(64.7%)
関節リウマチにおける膝関節痛に対する使用基準に適合した、本剤群の安全性評価対象例72例中1例(1.4%)に副作用が発現し、瘙痒感であった。
本剤は、軟骨組織表面を被覆することによる粘弾性9) 及び潤滑作用10) 、軟骨基質の安定化による関節軟骨保護作用(変性抑制作用11) 、修復作用12),13),14) )、発痛増強物質の産生抑制等による鎮痛作用15),16),17) 、及び炎症性細胞における遊走活性抑制及び貪食活性抑制を示す18) 。
ウシの関節軟骨から抽出されたプロテオグリカン及びコンドロイチン硫酸に本薬を添加することにより、相互干渉に基づく比粘度の上昇が認められた25) (in vitro)。
ヒトの関節軟骨とガラス板との間の摩擦係数を、分子量依存的に減少させるとともに、液体膜の厚さを維持した10) (in vitro)。
貯蔵弾性率(弾性)、損失弾性率(粘性)からなる粘弾性が分子量依存的に上昇することが認められた9) (in vitro)。
精製ヒアルロン酸ナトリウム(Purified Sodium Hyaluronate)(JAN)
(C14H20NNaO11)n
平均分子量 150万~390万
白色の粉末、粒又は繊維状の塊である。水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。吸湿性である。
2.5mL×10シリンジ
1) 岩田久, 他. 薬理と治療. 1994;22(6):2755-70.
2) 堀勝行, 他. 薬理と治療. 1994;22(Suppl.3):717-44.
3) 堀勝行, 他. 薬理と治療. 1994;22(Suppl.3):745-64.
4) 梅田俊彦, 他. 薬理と治療. 1994;22(Suppl.3):779-85.
5) 石崎正男, 他. 薬理と治療. 1994;22(Suppl.3):765-78.
6) 山本真, 他. 薬理と治療. 1994;22(9):4059-87.
7) 山本龍二, 他. 薬理と治療. 1994;22(9):4029-57.
8) 田中清介, 他. 臨床リウマチ. 2000;12(2):179-204.
9) Kobayashi Y, et al. Biorheology. 1994;31(3):235-44.
10) 岡正典, 他. 日本リウマチ・関節外科学会雑誌. 1993;12(3):259-66.
11) Kikuchi T, et al. Osteoarthritis Cartilage. 1996;4(2):99-110.
12) 伊勢亀冨士朗, 他. 関節外科. 1994;13(7):761-71.
13) Kikuchi T, et al. Jpn.J.Rheumatol. 1994;5(3):207-15.
14) 中村茂夫, 他. 関節外科. 1994;13(3):275-81.
15) Tamoto K, et al. Jpn.J.Rheumatol. 1994;5(3):227-36.
16) 鵜狩善一, 他. 日本リウマチ・関節外科学会雑誌. 1993;12(4):351-66.
17) 金強中, 他. 関節外科. 1998;17(2):247-57.
18) 炎症性細胞に及ぼす影響(2000年3月10日承認、申請資料概要ホ.2-3)
19) 並木脩, 他. Prog.Med. 1994;14(2):189-210.
20) 池上博泰, 他. Prog.Med. 1994;14(2):211-8.
21) Ikeya H, et al. Connect.Tissue. 1994;25(4):243-9.
22) 松原司, 他. 臨床リウマチ. 1994;5(4):247-50.
23) 小田康弘, 他. Prog.Med. 1996;16(1):84-91.
24) ラットのコラーゲン関節炎に対する疼痛抑制作用(2000年3月10日承認、申請資料概要ホ.1-3)
25) 椋代義樹, 他. 関節外科. 1994;13(6):619-25.
中外製薬株式会社 メディカルインフォメーション部
〒103-8324 東京都中央区日本橋室町2-1-1
電話:0120-189706Fax:0120-189705https://www.chugai-pharm.co.jp/
中外製薬株式会社
東京都中央区日本橋室町2-1-1
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.