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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
*HER2陽性の乳癌にはトラスツズマブ(遺伝子組換え)と他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人に対して1日1回、ペルツズマブ(遺伝子組換え)として初回投与時には840mgを、2回目以降は420mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。ただし、術前・術後薬物療法の場合には、投与期間は12カ月間までとする。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌にはトラスツズマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人に対して1日1回、ペルツズマブ(遺伝子組換え)として初回投与時には840mgを、2回目以降は420mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
心不全等の心障害があらわれるおそれがある。
**妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後3カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物試験(サル)では、流産、胚・胎児死亡、羊水過少、胎児の腎形成不全等が認められている。また、胎児の血清中に本薬が検出されている。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本薬の乳汁への移行性については不明であるが、ヒトIgGは母乳中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者では一般に生理機能が低下している。
アントラサイクリン系薬剤
心障害のリスクを増強させるおそれがある。
発熱性好中球減少症(4.1%)、好中球減少症(16.9%)、白血球減少症(7.2%)があらわれることがあり、感染症により死亡に至った例も報告されている。
悪寒、発熱、疲労、悪心、紅斑、高血圧、呼吸困難等を含むInfusion reactionがあらわれることがあり、本剤投与中又は投与開始後24時間以内に多く報告されている。また、2回目以降の本剤投与時にもInfusion reactionがあらわれることがある。本剤投与中にこれらの異常が認められた場合には本剤の投与速度を遅らせる、又は投与を中断し、適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。重篤なInfusion reactionがあらわれた場合には本剤の投与を直ちに中止し、以降、本剤を再投与しないこと。
異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
5%以上
2~5%未満
2%未満
*精神神経系
末梢性ニューロパチー(末梢性感覚ニューロパチー等)、味覚異常
頭痛、浮動性めまい、錯感覚、不眠症
感覚鈍麻、神経毒性
眼
流涙増加
眼乾燥、結膜炎、霧視、視力障害、視力低下
*消化器
下痢(38.7%)、悪心(16.1%)、嘔吐、口内炎、食欲減退、腹痛
便秘、消化不良
口内乾燥、胃食道逆流性疾患、腹部膨満、肛門直腸障害(肛門の炎症、肛門周囲痛、肛門瘙痒症)、嚥下障害、胃腸炎、肛門出血、口唇炎
循環器
駆出率減少
ほてり、高血圧、動悸、心不全、左室機能不全、頻脈、静脈炎、うっ血性心不全
呼吸器
鼻出血、上気道感染(鼻咽頭炎等)、呼吸困難、咳嗽
鼻漏、口腔咽頭痛、鼻乾燥、胸水、発声障害
*皮膚
脱毛症(17.0%)、発疹(16.8%)、爪の障害(10.6%)、瘙痒症
皮膚乾燥、手掌・足底発赤知覚不全症候群、皮膚炎、爪感染(爪囲炎等)
紅斑、皮膚色素過剰、ざ瘡
肝臓
ALT増加
AST増加、γ-GTP増加
腎臓
排尿困難
血液
貧血
血小板減少症
ヘモグロビン減少、血小板数減少、リンパ球減少症
*その他
疲労(16.1%)、筋骨格痛(筋肉痛等)(10.3%)、無力症、粘膜障害(粘膜の炎症等)、浮腫(末梢性浮腫、顔面浮腫、全身性浮腫、限局性浮腫)、関節痛
発熱、筋痙縮、注入に伴う反応、四肢痛、悪寒、体重減少
背部痛、疼痛、低マグネシウム血症、低カリウム血症、尿路感染、脱水、倦怠感、胸痛、月経障害、カンジダ感染、インフルエンザ様疾患、胸部不快感、筋力低下、注射部位反応、体重増加、ヘルペスウイルス感染、蜂巣炎、体液貯留、熱感、リンパ浮腫
抗ペルツズマブ抗体は、国際共同第Ⅲ相試験(CLEOPATRA試験)の本剤群386例中11例(2.8%)、プラセボ群372例中23例(6.2%)に検出されたが、抗ペルツズマブ抗体発現と明らかに関連したアナフィラキシー/過敏症は認められていない。第Ⅰ相及び第Ⅱ相試験では366例中2例(0.5%)で抗ペルツズマブ抗体が検出され、共に過敏症が発現した。なお、使用された抗ペルツズマブ抗体測定法では、検体中のペルツズマブ及び抗トラスツズマブ抗体が測定結果に影響を及ぼした可能性は否定できない。
進行固形癌患者に本剤5~25mg/kgを90分間注1)で点滴静注したとき、ペルツズマブの薬物動態は以下のとおりであった。AUCinf及びCmaxは5~25mg/kgの用量域で用量比例性を示した。全身クリアランス及び定常状態の分布容積は、投与量によらず同様の値を示した1)。注1) 本剤の承認された用法・用量は、初回投与時840mg、2回目以降420mg、投与時間60分、3週間間隔投与である。
投与量(mg/kg)
Cmax(μg/mL)
AUCinf(μg・day/mL)
t1/2(days)
CL(mL/day/kg)
Vd,ss(mL/kg)
5(n=3)
105±32.4
902±121
11.1±0.5
5.62±0.82
90.2±12.8
10(n=3)
181±32.6
2230±773
14.4±2.7
4.82±1.53
93.7±18.7
15(n=3)
320±73.2
3970±1740
16.8±4.0
4.25±1.66
94.1±40.9
20(n=3)
340±51.3
4150±507
15.0±2.6
4.87±0.58
99.6±10.8
25(n=6)
498±108
6060±1900
16.3±5.9
4.54±1.66
94.7±12.3
(平均値±標準偏差)
前治療歴のないHER2陽性転移・再発乳癌患者に本剤(初回投与時840mg、2回目以降420mg)、トラスツズマブ(初回投与時8mg/kg、2回目以降6mg/kg)及びドセタキセル(75mg/m2)注2)を3週間間隔で併用したとき、ペルツズマブの血清中濃度推移は、以下のとおりであった2)(日本人データ)。注2)初回投与における忍容性が確認できれば100mg/m2に増量可能。国内において承認されているドセタキセルの乳癌における用量は60mg/m2(ただし、75mg/m2まで増量可能)である。
サイクル
ペルツズマブの血清中濃度(μg/mL)
トラフ濃度
ピーク濃度
1
-
272±94.8(n=4)
3
53.9±7.67(n=4)
195±40.7(n=4)
6
52.8±11.4(n=3)
214±21.5(n=3)
9
62.3±16.5(n=4)
212±29.4(n=4)
12
60.9±26.7(n=4)
219±41.8(n=4)
15
59.2±19.0(n=3)
228±31.6(n=3)
HER2陽性転移・再発乳癌患者を含む各種固形癌患者440例(日本人22例を含む)の薬物動態データを用いて母集団薬物動態解析を実施したところ、CLは血清アルブミンが高値の患者で低下、除脂肪体重が高値の患者で上昇し、また、Vc、Vpは除脂肪体重が高値の患者で上昇したが、その程度は大きくなく除脂肪体重及び血清アルブミンに基づく用量調節の必要はないと考えられた。最終モデルにおける母集団薬物動態パラメータの推定値は以下のとおりであった3)。
CL(L/day)
Vc(L)
Vp(L)
t1/2(day)
0.235
3.11
2.46
18.0
転移・再発乳癌に対する前治療歴のないHER2陽性(IHC法3+又はFISH法陽性)転移・再発乳癌患者808例(国内53例を含む)を対象に、プラセボ+トラスツズマブ+ドセタキセル(プラセボ+T+D群)と本剤+トラスツズマブ+ドセタキセル(本剤+T+D群)を比較する第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験を実施した。プラセボ又は本剤は初回投与量840mg、2回目以降、維持投与量420mgを3週間間隔で、トラスツズマブは初回投与量8mg/kg(体重)、2回目以降、維持投与量6mg/kgを3週間間隔で投与した。有害事象又はその他の理由によるドセタキセル中止後は本剤及びトラスツズマブは同一の用法・用量で病勢進行まで投与継続した。ドセタキセルは75mg/m2を3週間間隔で投与した注1)。本剤及びトラスツズマブの投与が予定された投与から遅れた場合、前回投与日から6週間未満のときには維持投与量を投与し、6週間以上のときには改めて初回投与量を投与し、次回以降は維持投与量を3週間間隔で投与した。主要評価項目である独立判定機関による無増悪生存期間において、プラセボ+T+D群に比べて本剤+T+D群で有意な延長が認められた4)。また、安全性についてはドセタキセル、トラスツズマブ及び本剤が併用投与された407例(日本人26例を含む)において、副作用が396例(97.3%)に認められた。主な副作用は、下痢236例(58.0%)、脱毛症232例(57.0%)、倦怠感212例(52.1%)、好中球減少症207例(50.9%)、悪心149例(36.6%)、爪の異常145例(35.6%)、ニューロパチー126例(31.0%)、発疹125例(30.7%)等であった。注1)初回投与における忍容性が確認できれば100mg/m2に増量可能。国内において承認されているドセタキセルの乳癌における用量は60mg/m2(ただし、75mg/m2まで増量可能)である。
HER2陽性(IHC法3+又はFISH/CISH法陽性)の早期乳癌の術後患者(①TNM分類でT0を除くリンパ節転移を有する患者、②原発巣の腫瘍径が1cm超でリンパ節転移を有しない患者、及び③(ⅰ)組織学的/核グレードがGrade3、(ⅱ)HR陰性、(ⅲ)35歳未満のうち、少なくとも1つを満たす原発巣の腫瘍径が0.5cm超で1cm以下のリンパ節転移を有しない患者)4,804例(国内302例を含む)を対象に、術後薬物療法としてプラセボ+トラスツズマブ+化学療法注2)(プラセボ群)と本剤+トラスツズマブ+化学療法注2)(本剤群)を比較する第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験を実施した。プラセボ又は本剤は初回投与量840mg、2回目以降、維持投与量420mgを3週間間隔で、トラスツズマブは初回投与量8mg/kg(体重)、2回目以降、維持投与量6mg/kgを3週間間隔で投与した。本剤及びトラスツズマブの投与が予定された投与から遅れた場合、前回投与日から6週間未満のときには維持投与量を投与し、6週間以上のときには改めて初回投与量を投与し、次回以降は維持投与量を3週間間隔で投与した。本剤及びトラスツズマブは1年間投与した。主要評価項目である乳癌以外の続発性原発癌をイベントとして含まない浸潤性疾患のない生存期間(IDFS)において、プラセボ群に比べて本剤群で有意な延長が認められた。リンパ節転移陽性及び陰性の部分集団におけるハザード比の推定値は、それぞれ0.77(95%信頼区間:0.62~0.96)及び1.13(95%信頼区間:0.68~1.86)であった5)。,また、安全性については、本剤及びトラスツズマブが投与された2,364例(日本人147例を含む)において、副作用が1,538例(65.1%)に認められた。主な副作用は、下痢780例(33.0%)、発疹346例(14.6%)、疲労280例(11.8%)、悪心206例(8.7%)、筋骨格痛166例(7.0%)、爪の障害165例(7.0%)、好中球減少症157例(6.6%)、口内炎141例(6.0%)等であった。注2)アントラサイクリン系薬剤を含む場合は、3週間を1サイクルとして、FEC療法(5-FU500~600mg/m2、エピルビシン90~120mg/m2注3)、シクロホスファミド500~600mg/m2)、FAC療法(5-FU500~600mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2、シクロホスファミド500~600mg/m2)、EC療法(エピルビシン90~120mg/m2注3)、シクロホスファミド500~600mg/m2)又はAC療法(ドキソルビシン60mg/m2、シクロホスファミド500~600mg/m2)のいずれかを3~4サイクル投与した後、本剤(又はプラセボ)+タキサン系薬剤(ドセタキセル75mg/m2注1)又はパクリタキセル80mg/m2注4))+トラスツズマブを逐次投与した。ドセタキセルは3週間を1サイクルとして3~4サイクル投与した。パクリタキセルは1週間間隔で12週間投与した注4)。アントラサイクリン系薬剤を含まない場合は、3週間を1サイクルとして、本剤(又はプラセボ)+トラスツズマブ+ドセタキセル75mg/m2注1)+カルボプラチンAUC 6mg・min/mL相当量(最大900mg/bodyまで注5))を6サイクル同時併用投与した。注3)国内において承認されている用量は100mg/m2である。注4)国内において承認されている用量は210mg/m2(A法、少なくとも3週間休薬)又は100mg/m2(B法、週1回投与を6週連続し、少なくとも2週間休薬)である。注5)国内において承認されている用量は300~400mg/m2である。
本剤群
プラセボ群
IDFS注6)
イベント発現例数(発現率)
171(7.1%)
210(8.7%)
3年IDFS[95% 信頼区間]
94.1%[93.1-95.0]
93.2%[92.2-94.3]
ハザード比[95% 信頼区間]
0.81[0.66-1.00]
P値注7)
0.0446
注6)乳癌以外の続発性原発癌をイベントとして含まない浸潤性疾患のない生存期間注7)層別Log-rank検定(両側有意水準5%)
HER2陽性(IHC法3+又はIHC法2+かつFISH/CISH法陽性)の早期乳癌の術前患者(原発巣の腫瘍径が2cm超で遠隔転移を有しない患者)417例を対象に、術前薬物療法としてトラスツズマブ+ドセタキセル(T+D群)、本剤+トラスツズマブ+ドセタキセル(本剤+T+D群)、本剤+トラスツズマブ(本剤+T群)注8)、本剤+ドセタキセル(本剤+D群)注8)を比較する第Ⅱ相非盲検無作為化4群比較試験を実施した。本剤は初回投与量840mg、2回目以降、維持投与量420mgを3週間間隔で、トラスツズマブは初回投与量8mg/kg(体重)、2回目以降、維持投与量6mg/kgを3週間間隔で投与した。ドセタキセルは75mg/m2注1)を3週間間隔で投与した。いずれの薬剤も3週間を1サイクルとして、術前薬物療法として4サイクル投与した。トラスツズマブは術前薬物療法と術後薬物療法を合わせて1年間投与した。主要評価項目である病理学的完全奏効(pCR)率において、T+D群に比べて本剤+T+D群で有意に高かった。また、安全性については、術前薬物療法期間の副作用はT+D群で104/107例(97.2%)、本剤+T+D群で102/107例(95.3%)であった。主な副作用は、脱毛症(T+D群:65.4%、本剤+T+D群:63.6%、以下同順)、好中球減少症(62.6%、50.5%)、下痢(26.2%、43.0%)、悪心(31.8%、34.6%)、疲労(26.2%、18.7%)等であった。術後薬物療法期間の副作用はT+D群で90/103例(87.4%)、本剤+T+D群で85/102例(83.3%)であった。主な副作用は、悪心(T+D群:42.7%、本剤+T+D群:45.1%、以下同順)、好中球減少症(39.8%、37.3%)等であった6)。注8)本剤の承認された用法・用量は、トラスツズマブ(遺伝子組換え)と他の抗悪性腫瘍剤との併用投与である。
T+D群n=107
本剤+T+D群n=107
本剤+T群n=107
本剤+D群n=96
pCR[95% 信頼区間]
29.0%[20.6-38.5]
45.8%[36.1-55.7]
16.8%[10.3 -25.3]
24.0%[15.8-33.7]
P値注9)
‐
0.0141 (vs.T+D群)
0.0198 (vs.T+D群)
0.0030(vs.本剤+T+D群)
注9)Cochran Mantel-Haenszel検定(Simes法による多重性調整P値を算出、有意水準を両側20%とした)
HER2陽性(IHC法3+又はIHC法2+かつFISH/CISH法陽性)の早期乳癌の術前患者(原発巣の腫瘍径が2cm超で遠隔転移を有しない患者)225例を対象に、術前薬物療法として本剤+トラスツズマブ+化学療法注10)を比較する第Ⅱ相非盲検無作為化3群(A群、B群、C群)比較試験を実施した。本剤は初回投与量840mg、2回目以降、維持投与量420mgを3週間間隔で、トラスツズマブは初回投与量8mg/kg(体重)、2回目以降、維持投与量6mg/kgを3週間間隔で投与した。トラスツズマブは術前薬物療法と術後薬物療法を合わせて1年間投与した。主要評価項目である術前薬物療法における忍容性に問題は認められなかった。副次評価項目であるpCR率は、A群が61.6%、B群が57.3%、C群が66.2%であった。また、安全性については、術前薬物療法期間の副作用はA群72/72例(100.0%)、B群71/75例(94.7%)、C群76/76例(100.0%)であった。主な副作用は、下痢(A群:61.1%、B群:57.3%、C群:67.1%、以下同順)、脱毛症(48.6%、52.0%、53.9%)、悪心(52.8%、52.0%、44.7%)、好中球減少症(51.4%、46.7%、48.7%)、嘔吐(40.3%、33.3%、38.2%)、疲労(33.3%、33.3%、38.2%)、貧血(18.1%、8.0%、35.5%)、血小板減少症(6.9%、1.3%、30.3%)等であった。術後薬物療法期間の副作用はA群30/68例(44.1%)、B群30/65例(46.2%)及びC群21/67例(31.3%)であった。主な副作用は、関節痛(A群:5.9%、B群:3.1%、C群:4.5%、以下同順)、下痢(7.4%、3.1%、4.5%)等であった7)。注10)A群:3週間を1サイクルとして、本剤+トラスツズマブ+FEC療法(5-FU500mg/m2、エピルビシン100mg/m2、シクロホスファミド600mg/m2)を3サイクル投与した後、本剤+トラスツズマブ+ドセタキセル75mg/m2注1)を3サイクル投与した。B群:3週間を1サイクルとして、FEC療法を3サイクル投与した後、本剤+トラスツズマブ+ドセタキセル75mg/m2注1)を3サイクル投与した。C群:3週間を1サイクルとして、本剤+トラスツズマブ+ドセタキセル75mg/m2注1)+カルボプラチンAUC 6mg・min/mL相当量を6サイクル投与した。
化学療法歴のある注11)HER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者注12)30例を対象に、本剤をトラスツズマブと併用で投与した。本剤は初回840mg、2回目以降420mg、トラスツズマブは初回8mg/kg(体重)、2回目以降6mg/kgを3週間間隔で投与し、疾患進行又は治験中止基準に該当するまで継続した。主要評価項目であるRECIST ver.1.1に基づく治験担当医師判定による奏効率[95%信頼区間]は、腫瘍組織を用いた検査でHER2陽性の患者集団では29.6%[13.8,50.2](8/27例)、血液検体を用いた検査でHER2陽性の患者集団では28.0%[12.1,49.4](7/25例)であった。副作用は24/30例(80.0%)に発現した。主な副作用は、注入に伴う反応14例(46.7%)、下痢11例(36.7%)、口内炎4例(13.3%)、倦怠感3例(10.0%)等であった8)。注11)フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、オキサリプラチン、イリノテカン塩酸塩水和物及び抗上皮増殖因子受容体(EGFR)抗体医薬品(セツキシマブ又はパニツムマブ)に不応又は不耐の患者が組み入れられた。注12)腫瘍組織検体においてRAS遺伝子野生型であることが確認されており、かつ腫瘍組織又は血液検体を用いた検査により以下のいずれかを満たす患者が対象とされた。なお、腫瘍組織を用いた検査結果に基づき組み入れられた27例全例がFISH法陽性であり、うち、IHC法3+及び2+はそれぞれ23例及び4例であった。腫瘍組織を用いた検査:HER2についてIHC法3+又はFISH法陽性血液検体を用いた検査:次世代シークエンサー法でHER2遺伝子増幅(遺伝子コピー数が2.4以上)かつRAS遺伝子野生型(cell-free DNAにおいて、検出された最も頻度の高い遺伝子変異に対するRAS遺伝子変異の割合が30%以下)
本薬は、HER2のダイマー形成に必須な領域である細胞外領域のドメインⅡに特異的に結合し、リガンド刺激によるHER2/HER3のダイマー形成を阻害する。その結果として、リガンド刺激によるHER2のリン酸化、その下流に位置するPI3K-Akt及びMAPKの両キナーゼの活性化を阻害することで、細胞の増殖を抑制すると考えられる9),10)。標的細胞としてKPL-4細胞、エフェクター細胞としてヒト末梢血単核球を用いた試験系では、本薬による抗体依存性細胞障害活性が認められた11)。
本薬はHER2を高発現するヒト乳癌由来BT474JB細胞株を皮下移植したマウスに対して、腫瘍増殖抑制作用を示した12)。また、HER2を高発現するヒト乳癌由来KPL-4細胞株を同所移植したマウスにおいて、トラスツズマブとの併用で腫瘍増殖抑制作用の増強が認められた11)。
ペルツズマブ(遺伝子組換え)(Pertuzumab(Genetical Recombination))(JAN)
軽鎖(C1043H1604N272O336S6)重鎖(C2195H3387N583O672S16)
約148,000
アミノ酸214個の軽鎖2分子とアミノ酸449個の重鎖2分子からなる糖たん白質
外箱開封後は遮光して保存すること。
14mL×1バイアル
1) 単回投与時の薬物動態(国内第Ⅰ相臨床試験JO17076)(2013年6月28日承認、申請資料概要2.7.2.2.1)
2) 反復投与時の薬物動態(国際共同第Ⅲ相臨床試験CLEOPATRA試験サブスタディ)(2013年6月28日承認、申請資料概要2.7.2.3.2.2)
3) 母集団薬物動態解析(2013年6月28日承認、申請資料概要2.7.2.3.1)
4) 臨床成績CLEOPATRA試験(2013年6月28日承認、申請資料概要2.5.4.1.2.2)
5) 臨床成績APHINITY試験
6) 臨床成績NEOSPHERE試験
7) 臨床成績TRYPHAENA試験
8) *臨床成績TRIUMPH試験
9) Franklin MC, et al. Cancer Cell. 2004;5:317-28.
10) Agus DB, et al. Cancer Cell. 2002;2:127-37.
11) Scheuer W, et al. Cancer Res. 2009;69:9330-6.
12) 薬理試験(HER2高発現ヒト乳癌株BT474JB移植モデルにおける抗腫瘍効果)(2013年6月28日承認、 申請資料概要2.6.2.2.2.1)
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