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最適使用推進ガイドライン対象品目
劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
用法及び用量
切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。化学療法未治療のPD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。化学療法既治療の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
PD-L1陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法
通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。投与期間は12カ月間までとする。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
進展型小細胞肺癌
カルボプラチン及びエトポシドとの併用において、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
切除不能な肝細胞癌
ベバシズマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌
パクリタキセル(アルブミン懸濁型)との併用において、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回840mgを60分かけて2週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
*切除不能な胞巣状軟部肉腫
通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。通常、2歳以上の小児にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回15mg/kg(体重)(最大1200mg)を60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
副作用
程度
処置
間質性肺疾患等の呼吸器障害
Grade 2の場合
Grade 1以下に回復するまで、本剤を休薬する。12週間を超える休薬後もGrade 1以下まで回復しない場合は、本剤を中止する。
Grade 3以上又は再発性の場合
本剤を中止する。
肝機能障害(切除不能な肝細胞癌を除く)
Grade 2(AST若しくはALTが基準値上限の3倍超かつ5倍以下又は総ビリルビンが基準値上限の1.5倍超かつ3倍以下の増加)が5日を超えて継続する場合
Grade 3以上(AST若しくはALTが基準値上限の5倍超又は総ビリルビンが基準値上限の3倍超に増加)の場合
肝機能障害(切除不能な肝細胞癌の場合)
AST若しくはALTが基準値上限の10倍超又は総ビリルビンが基準値上限の3倍超に増加した場合
大腸炎/下痢
Grade 2又は3の場合
Grade 4の場合
*膵炎
Grade 4又は再発性の膵炎
*内分泌障害
空腹時血糖値が250mg/dL超
血糖値が安定するまで、本剤を休薬する。
左記の状態が回復するまで、本剤を休薬する。
Grade 2以上の副腎機能不全
脳炎、髄膜炎
全Grade
神経障害
Grade 3以上の場合
全Gradeのギラン・バレー症候群
重症筋無力症
皮膚障害
Grade 3の場合
*腎炎
血清クレアチニンが基準値上限又はベースラインの1.5倍超かつ3倍以下に増加した場合
血清クレアチニンが基準値上限又はベースラインの3倍超に増加した場合
筋炎
Grade 3の再発又はGrade 4の場合
心筋炎
Grade 2以上の場合
血球貪食症候群
眼障害
Infusionreaction
Grade 1の場合
投与速度を50%に減速する。なお、軽快した後30分間経過観察し、再発しない場合には投与速度を元に戻すことができる。
投与を中断し、軽快後に投与速度を50%に減速し再開する。
本剤を直ちに中止する。
GradeはNCI-CTCAE(National Cancer Institute-Common Terminology Criteria for Adverse Events)v5.0に準じる。
免疫関連の副作用が発現又は増悪するおそれがある。
間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。,,
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後5カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。本剤を投与すると、胎児に対する免疫寛容が妨害され、流産率又は死産率が増加する可能性がある。また、ヒトIgGは胎盤を通過することが知られており、本剤は母体から胎児へ移行する可能性がある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行性については不明であるが、ヒトIgGはヒト乳汁中に排出されることが知られている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
*低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
,,
AST増加(5.9%)、ALT増加(5.9%)、Al-P増加(2.0%)、γ-GTP増加(0.8%)、ビリルビン増加(1.4%)等を伴う肝機能障害、肝炎(0.8%)、硬化性胆管炎(頻度不明)があらわれることがある。
持続する下痢、腹痛、血便等の症状があらわれた場合には本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うこと。
1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシスに至るおそれがある。1型糖尿病が疑われた場合には本剤の投与を中止し、インスリン製剤を投与する等の適切な処置を行うこと。
甲状腺機能低下症(8.0%)、甲状腺機能亢進症(3.5%)、甲状腺炎(0.6%)等の甲状腺機能障害があらわれることがある。
副腎機能不全(0.5%)、急性副腎皮質機能不全(0.1%未満)等の副腎機能障害があらわれることがある。
下垂体炎(0.2%)、下垂体機能低下症(0.1%)等の下垂体機能障害があらわれることがある。
末梢性ニューロパチー(3.2%)、多発ニューロパチー(0.3%)、ギラン・バレー症候群(0.1%)等の神経障害があらわれることがある。
重症筋無力症によるクリーゼのため急速に呼吸不全が進行することがあるので、呼吸状態の悪化に十分注意すること。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、多形紅斑(0.2%)等の重度の皮膚障害があらわれることがある。
急性腎障害(0.4%)、腎不全(0.4%)、尿細管間質性腎炎(0.2%)、腎炎(0.2%)等の腎機能障害があらわれることがある。
アナフィラキシーを含むInfusion reactionがあらわれることがある。重度のInfusion reactionがあらわれた場合には本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
本剤とカルボプラチン、パクリタキセル及びベバシズマブ(遺伝子組換え)との併用において、発熱性好中球減少症があらわれることがある。
5%以上
1%以上~5%未満
1%未満
頻度不明
*精神神経系
頭痛、浮動性めまい、味覚異常、錯感覚、不眠症
意識レベルの低下、回転性めまい、感覚鈍麻、失神
顔面不全麻痺
眼
結膜炎、霧視、眼乾燥、流涙増加
*消化器
下痢(11.2%)、悪心(10.3%)、食欲減退、便秘
嘔吐、口内炎、腹痛、口内乾燥
腹部膨満、嚥下障害、消化不良、リパーゼ増加、アミラーゼ増加
循環器
高血圧
低血圧、頻脈、ほてり、潮紅
*呼吸器
呼吸困難、咳嗽、気道感染、肺炎、鼻出血
発声障害、鼻炎、口腔咽頭痛、胸水、しゃっくり、喀血、低酸素症、鼻閉
*皮膚
発疹、そう痒症
脱毛症、斑状丘疹状皮疹、皮膚乾燥、紅斑、ざ瘡様皮膚炎
蕁麻疹、皮膚炎、そう痒性皮疹、乾癬、紅斑性皮疹、寝汗
*筋骨格系
関節痛
筋肉痛、筋骨格痛
筋力低下、筋痙縮、関節炎、血中CK増加
泌尿器
高クレアチニン血症、蛋白尿
尿路感染
血液
貧血、血小板減少、好中球減少
白血球減少、リンパ球減少
*代謝
低マグネシウム血症、低ナトリウム血症、低カリウム血症、血中甲状腺刺激ホルモン増加、高血糖、低アルブミン血症、脱水
血中甲状腺刺激ホルモン減少、高カリウム血症、低リン血症、低カルシウム血症
*その他
疲労(14.8%)、無力症、発熱
浮腫、体重減少、倦怠感、悪寒、粘膜の炎症、インフルエンザ様疾患
腫脹、胸痛、過敏症、血中乳酸脱水素酵素増加、疼痛
国内外の臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。
カニクイザルに本剤50mg/kgを週1回、26週間反復投与した毒性試験において、雌動物に月経周期異常が認められたとの報告がある。
*日本人の進行固形癌患者3例ずつに本剤10又は20mg/kg注1)を90分(±15分)間点滴静注したときの血清中アテゾリズマブ濃度推移は以下のとおりであった。両用量群の全身クリアランスは同程度の値を示し、分布容積はほぼ血漿容量に相当した1)。注1)承認された用法及び用量:1200mg若しくは15mg/kgを3週間間隔又は840mgを2週間間隔で60分かけて点滴静注
投与量(mg/kg)
Cmax*(μg/mL)
AUCinf(μg・day/mL)
Vd,ss(L)
CL(L/day)
t1/2(day)
10
220±21.9
2290±101
3.72±1.14
0.236±0.0572
11.7±0.969
20
536±49.4
6630±668
3.82±0.718
0.213±0.0609
13.0±1.32
*Cmax:初回投与時(Cycle 1 Day 1)の投与後30分の採血
サイクル
採血時点
血清中濃度(μg/mL)
Cycle1 Day1
投与30分後
452±107 (N=56)
Cycle2 Day1
投与前
98.2±32.4(N=46)
Cycle3 Day1
162±40.8 (N=40)
Cycle4 Day1
188±55.6(N=35)
Cycle8 Day1
224±99.1 (N=18)
411±98.9 (N=34)
178±67.5(N=32)
264±95.0 (N=32)
293±116(N=29)
316±162 (N=17)
小児を含む進行悪性腫瘍患者を対象に、本剤15mg/kg(最大1200mg)を3週間間隔で60分(±15分、初回投与における忍容性が確認された場合、2回目以降30分(±10分)に短縮可能)間点滴静注したときの血清中アテゾリズマブ濃度は以下のとおりであった(外国人データ)。(1サイクル:21日)4)
2歳以上12歳未満
12歳以上18歳未満
312(28.7)(N=26)
337(26.8)(N=34)
59.3(31.4)(N=25)
56.5(50.4)(N=32)
58.9(234.4)(N=13)
85.0(47.4)(N=19)
99.2(36.4)(N=11)
113(41.1)(N=16)
382(16.4)(N=11)
373(78.9)(N=16)
166(19.8)(N=4)
145(21.9)(N=4)
プラチナ製剤を含む化学療法歴注1)のある切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者1225例(本剤群613例、ドセタキセル群612例)を対象に、本剤とドセタキセルとの有効性及び安全性を比較する第Ⅲ相試験を実施した。本剤1200mg又はドセタキセル75mg/m2を3週間間隔で点滴静注した。最初にランダム化された850例(日本人64例を含む)の全患者集団において、本剤群でドセタキセル群と比較して主要評価項目である全生存期間の有意な延長が認められ(ハザード比[95%信頼区間]:0.73[0.62, 0.87]、P=0.0003[層別log-rank検定])、中央値[95%信頼区間]は本剤群で13.8[11.8, 15.7]カ月、ドセタキセル群で9.6[8.6, 11.2]カ月であった5)。本剤が投与された609例(日本人56例を含む)において390例(64.0%)に副作用が認められた。主な副作用(5%以上)は、疲労87例(14.3%)、悪心53例(8.7%)、食欲減退52例(8.5%)、無力症51例(8.4%)、発熱49例(8.0%)、下痢47例(7.7%)、発疹42例(6.9%)、そう痒症38例(6.2%)等であった6)。注1)EGFR遺伝子変異陽性又はALK融合遺伝子陽性の患者では、プラチナ製剤を含む化学療法に加え、それぞれEGFR阻害作用又はALK阻害作用を有する抗悪性腫瘍剤による治療歴がある患者が組み入れられた。
化学療法歴のない注2)、PD-L1陽性(腫瘍細胞又は腫瘍浸潤免疫細胞におけるPD-L1発現率が1%以上)の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者572例(日本人51例を含む)を対象に、本剤1200 mg(本剤群)の有効性及び安全性を、プラチナ製剤(シスプラチン又はカルボプラチン)及びペメトレキセド又はゲムシタビンの併用投与(化学療法群)と比較する第Ⅲ相試験を実施した。中間解析の結果、EGFR遺伝子変異陽性又はALK融合遺伝子陽性の患者を除く554例のITT-WT集団のうちTC3/IC3-WT注3)集団205例(日本人24例を含む)において、本剤群(107例)で化学療法群(98例)と比較して主要評価項目である全生存期間の有意な延長が認められ(ハザード比[95%信頼区間]0.595[0.398, 0.890]、P = 0.0106[層別log-rank検定]、有意水準両側0.0413)、中央値[95%信頼区間]は本剤群で20.2[16.5, 推定不能]カ月、化学療法群で13.1[7.4, 16.5]カ月であった7)。本剤が投与された286例(日本人28例を含む)において173例(60.5%)に副作用が認められた。主な副作用(5%以上)は、疲労22例(7.7%)、無力症21例(7.3%)、悪心20例(7.0%)、食欲減退20例(7.0%)、甲状腺機能低下症19例(6.6%)、発疹19例(6.6%)、ALT増加18例(6.3%)、下痢17例(5.9%)等であった8)。注2)EGFR遺伝子変異陽性又はALK融合遺伝子陽性の患者では、それぞれEGFR阻害作用又はALK阻害作用を有する抗悪性腫瘍剤による治療歴がある患者が組み入れられた。注3)腫瘍細胞又は腫瘍浸潤免疫細胞におけるPD-L1発現率がそれぞれ50%以上又は10%以上と判定された患者。
化学療法歴のない注4)、扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者1202例(日本人93例を含む)を対象に、本剤1200mgと他の抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン+パクリタキセル[A群、402例]、又はカルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ(遺伝子組換え)[B群、400例])の併用投与の有効性及び安全性を、併用化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ(遺伝子組換え)[C群、400例])と比較する第Ⅲ相試験を実施した注5)。2018年1月22日の中間解析の結果、EGFR遺伝子変異陽性又はALK融合遺伝子陽性の患者を除く1045例(日本人67例を含む)のITT-WT集団において、本剤併用群(B群359例)で対照群(C群337例)と比較して主要評価項目である全生存期間の有意な延長が認められ(ハザード比[95%信頼区間]:0.780[0.636, 0.956]、P=0.0164[層別log-rank検定]、有意水準両側0.0184)、中央値[95%信頼区間]は本剤併用群B群で19.2[17.0, 23.8]カ月、対照群C群で14.7[13.3, 16.9]カ月であった。なお、本剤併用群(A群349例)は対照群C群と比較して全生存期間において有意な延長は認められなかった9)。また、日本人患者におけるITT-WT集団の全生存期間の中央値[95%信頼区間]は、本剤併用群(B群32例)で19.8[14.1, 24.2]カ月、対照群(C群14例)で推定不能[13.2, 推定不能]であった(ハザード比[95%信頼区間]:1.311[0.498, 3.446])10)。本剤と抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ(遺伝子組換え))が投与されたB群393例(日本人36例を含む)において370例(94.1%)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、脱毛症185例(47.1%)、悪心135例(34.4%)、疲労104例(26.5%)、貧血97例(24.7%)、食欲減退89例(22.6%)、末梢性ニューロパチー88例(22.4%)、下痢84例(21.4%)等であった。また、B群の日本人36例において7例(19.4%)に発熱性好中球減少症が認められた10)。注4)EGFR遺伝子変異陽性又はALK融合遺伝子陽性の患者では、それぞれEGFR阻害作用又はALK阻害作用を有する抗悪性腫瘍剤による治療歴がある患者が組み入れられた。注5)本剤1200mg、カルボプラチンAUC6、パクリタキセル200mg/m2、ベバシズマブ(遺伝子組換え)15mg/kgを3週間間隔で4又は6サイクル投与後、本剤及びベバシズマブ(遺伝子組換え)を3週間間隔で投与した。
化学療法歴のない、扁平上皮癌を除く、EGFR遺伝子変異陰性及びALK融合遺伝子陰性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者578例(日本人101例を含む)を対象に、本剤1200mgと他の抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン又はシスプラチン+ペメトレキセド[本剤併用群292例])の併用投与の有効性及び安全性を、併用化学療法(カルボプラチン又はシスプラチン+ペメトレキセド[対照群286例])と比較する第Ⅲ相試験を実施した注6)。全患者集団において、本剤併用群で対照群と比較して主要評価項目である無増悪生存期間の有意な延長が認められ(ハザード比[95%信頼区間]:0.596[0.494, 0.719]、P<0.0001[層別log-rank検定]、有意水準両側0.004)、中央値[95%信頼区間]は本剤併用群で7.6[6.6, 8.5]カ月、対照群で5.2[4.3, 5.6]カ月であった。本剤と抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン又はシスプラチン+ペメトレキセド)が投与された291例(日本人48例を含む)において267例(91.8%)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、貧血113例(38.8%)、悪心96例(33.0%)、無力症59例(20.3%)等であった11)。注6)本剤1200mg、カルボプラチンAUC6又はシスプラチン75mg/m2、ペメトレキセド500mg/m2を3週間間隔で4又は6サイクル投与後、本剤及びペメトレキセドを3週間間隔で投与した。
化学療法歴のない注7)、扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者724例を対象に、本剤1200mgと他の抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン+パクリタキセル(アルブミン懸濁型)(以下、nab-パクリタキセル)[本剤併用群484例])の併用投与の有効性及び安全性を、併用化学療法(カルボプラチン+nab-パクリタキセル[対照群240例])と比較する第Ⅲ相試験を実施した注8)。中間解析の結果、EGFR遺伝子変異陽性又はALK融合遺伝子陽性の患者を除く679例のITT-WT集団において、本剤併用群(451例)で対照群(228例)と比較して主要評価項目である全生存期間の有意な延長が認められ(ハザード比[95%信頼区間]0.791[0.637, 0.982]、P=0.0331[層別log-rank検定]、有意水準両側0.0425)、中央値[95%信頼区間]は本剤併用群で18.6[16.0, 21.2]カ月、対照群で13.9[12.0, 18.7]カ月であった12)。本剤と抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン+nab-パクリタキセル)が投与された473例において455例(96.2%)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、貧血248例(52.4%)、好中球減少症218例(46.1%)、悪心207例(43.8%)、疲労185例(39.1%)、下痢150例(31.7%)、脱毛症145例(30.7%)、血小板減少症127例(26.8%)、食欲減退107例(22.6%)、血小板数減少105例(22.2%)、嘔吐99例(20.9%)等であった13)。注7)EGFR遺伝子変異陽性又はALK融合遺伝子陽性の患者では、それぞれEGFR阻害作用又はALK阻害作用を有する抗悪性腫瘍剤による治療歴がある患者が組み入れられた。注8)本剤1200mg及びカルボプラチンAUC6を各サイクルの1日目に、nab-パクリタキセル100mg/m2を各サイクルの1、8、15日目に3週間間隔で4又は6サイクル投与後、本剤を3週間間隔で投与した。
プラチナ製剤を含む術後補助療法後の術後病理病期IB(腫瘍径≥4cm)~ⅢA(UICC/AJCC病期分類第7版)の非小細胞肺癌患者1005例(日本人117例を含む)を対象に、本剤1200mgの有効性及び安全性を支持療法(BSC)注9)と比較する第Ⅲ相試験を実施した注10)。中間解析の結果、PD-L1陽性(腫瘍細胞におけるPD-L1発現率(TC)が1%以上)のⅡ又はⅢA期集団において、本剤群(248例)でBSC群(228例)と比較して主要評価項目である無病生存期間の有意な延長が認められ(ハザード比[95%信頼区間]0.659[0.495, 0.877]、P=0.0039[層別log-rank検定]、有意水準両側0.0370)、中央値[95%信頼区間]は本剤群で中央値未達[36.1, 推定不能]、BSC群で35.3[29.0, 推定不能]カ月であった14)。本剤が投与された495例(日本人56例を含む)において335例(67.7%)に副作用が認められた。主な副作用(5%以上)は、甲状腺機能低下症53例(10.7%)、そう痒症43例(8.7%)、発疹40例(8.1%)、AST増加37例(7.5%)、ALT増加36例(7.3%)、甲状腺機能亢進症29例(5.9%)、発熱27例(5.5%)、関節痛26例(5.3%)等であった15)。注9)プラチナ製剤を含む術後補助療法後に治験薬の投与はされず、観察のみ行った。注10)本剤1200mgを3週間間隔で最大16回投与した。
なお、副次的又は探索的解析のPD-L1発現状況別の無病生存期間及び全生存期間の結果は以下のとおりであった15)。
PD-L1発現
投与群
例数
中央値[95%CI](月)
ハザード比[95%CI]
1≦TC<50%
本剤BSC
133114
32.8[29.4, NE]31.4[24.0, NE]
0.868*2[0.600, 1.256]
TC≧50%
115114
NE[42.3, NE]35.7[29.7, NE]
0.432*2[0.272, 0.684]
*1:中間解析時のデータ:2021年1月21日カットオフ*2:非層別Cox比例ハザードモデルCI:信頼区間、NE:未達又は推定不能
TC≧1%
248228
NE[NE, NE]NE[NE, NE]
0.772*2[0.509, 1.170]
1.218*3[0.705, 2.104]
0.366*3[0.181, 0.742]
*1:中間解析時のデータ:2021年1月21日カットオフ*2:層別Cox比例ハザードモデル*3:非層別Cox比例ハザードモデルCI:信頼区間、NE:未達又は推定不能
化学療法歴のない進展型小細胞肺癌患者注11)403例(日本人42例を含む)を対象に、本剤1200mgとカルボプラチン+エトポシドの併用療法(本剤群、201例)の3週間間隔投与の有効性及び安全性をプラセボとカルボプラチン+エトポシドの併用療法(プラセボ群、202例)と比較する第Ⅰ/Ⅲ相ランダム化試験を実施した注12)。中間解析の結果、全患者集団において、本剤群でプラセボ群と比較して主要評価項目である全生存期間の有意な延長が認められ(ハザード比[95%信頼区間]:0.701[0.541, 0.909]、P=0.0069[層別log-rank検定]、有意水準両側0.0193)、中央値[95%信頼区間]は本剤群で12.3[10.8, 15.9]カ月、プラセボ群で10.3[9.3, 11.3]カ月であった16)。本剤とカルボプラチン+エトポシドが投与された198例(日本人20例を含む)において188例(94.9%)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、貧血77例(38.9%)、好中球減少症72例(36.4%)、脱毛症69例(34.8%)、悪心63例(31.8%)、疲労42例(21.2%)、食欲減退41例(20.7%)等であった17)。注11)進展型の基準はVeterans Administration Lung Study Group(VALG)staging system for SCLCに基づいて判断された。また、限局型小細胞肺癌に対する根治的化学放射線療法(CRT)を施行し、かつ直近の化学療法、放射線療法又はCRTから6カ月以上経過した後に進展型小細胞肺癌と診断された患者も組み入れられた。注12)本剤1200mg(又はプラセボ)及びカルボプラチンAUC5を各サイクルの1日目に、エトポシド100mg/m2を各サイクルの1、2、3日目に3週間間隔で4サイクル投与後、本剤1200mg(又はプラセボ)を3週間間隔で投与した。
全身化学療法歴のないChild-Pugh分類Aの切除不能な肝細胞癌患者注13)501例(日本人61例を含む)を対象に、本剤1200mgとベバシズマブ(遺伝子組換え)(本剤併用群、336例)の併用投与の有効性及び安全性を、ソラフェニブ(対照群、165例)と比較する第Ⅲ相ランダム化試験を実施した注14)。中間解析の結果、501例(日本人61例を含む)のITT集団において、本剤併用群で対照群と比較して、主要評価項目の一つである全生存期間の有意な延長が認められ(ハザード比[95%信頼区間]0.58[0.42, 0.79]、P=0.0006[層別log-rank検定]、有意水準両側0.0033)、中央値[95%信頼区間]は本剤併用群で中央値未達[推定不能]、対照群で13.2[10.4, 推定不能]カ月であった。もう一つの主要評価項目である無増悪生存期間の有意な延長が認められ(ハザード比[95%信頼区間]0.59[0.47, 0.76]、P<0.0001[層別log-rank検定]、有意水準両側0.002)、中央値[95%信頼区間]は本剤併用群で6.8[5.7, 8.3]カ月、対照群で4.3[4.0, 5.6]カ月であった18)。また、日本人患者(本剤併用群35例、対照群26例)におけるITT集団の全生存期間の中央値[95%信頼区間]は、本剤併用群で中央値未達[推定不能]、対照群で14.9[推定不能]カ月であり(ハザード比[95%信頼区間]:1.71[0.50, 5.84])、無増悪生存期間の中央値[95%信頼区間]は、本剤併用群で中央値未達[6.4, 推定不能]カ月、対照群で7.7[4.2, 12.7]カ月であった(ハザード比[95%信頼区間]:0.85[0.39, 1.86])。本剤とベバシズマブ(遺伝子組換え)が投与された329例(日本人35例を含む)において276例(83.9%)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、高血圧78例(23.7%)、蛋白尿62例(18.8%)、疲労50例(15.2%)、AST増加46例(14.0%)、そう痒症43例(13.1%)、注入に伴う反応36例(10.9%)、下痢34例(10.3%)、ALT増加34例(10.3%)、食欲減退33例(10.0%)等であった18)。注13)局所療法(経皮的エタノール注入療法、ラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法、肝動脈塞栓療法/肝動脈化学塞栓療法、放射線療法等)の適応となる患者は除外された。注14)本剤併用群では本剤1200mg及びベバシズマブ(遺伝子組換え)15mg/kgを3週間間隔で投与し、対照群ではソラフェニブ400mgを1日2回投与した。
転移・再発乳癌に対する全身性の前治療歴のない転移・再発又は局所進行性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の乳癌患者902例(日本人65例を含む)を対象に、本剤+nab-パクリタキセル併用療法(本剤群451例)とプラセボ+nab-パクリタキセル併用療法(プラセボ群451例)の有効性及び安全性を比較する第Ⅲ相試験を実施した。本剤840mgは2週間間隔、nab-パクリタキセル100mg/m2は週1回(28日を1サイクルとし、第1、8、15日目に投与)で点滴静注した。なお、本剤群では、有害事象又はその他の理由によりどちらかの薬剤を中止した後は、本剤又はnab-パクリタキセルを同一の用法及び用量で病勢進行まで投与継続した。ランダム化された患者のうち、PD-L1陽性患者集団369例(日本人25例を含む)において、本剤群(185例)でプラセボ群(184例)と比較して主要評価項目注15)の一つである無増悪生存期間の有意な延長が認められ(ハザード比[95%信頼区間]:0.62[0.49, 0.78]、P<0.0001[層別log-rank検定])、中央値[95%信頼区間]は本剤群で7.46[6.70, 9.23]カ月、プラセボ群で4.96[3.81, 5.55]カ月であった19)。PD-L1陽性患者集団のうち、本剤とnab-パクリタキセルが投与された185例(日本人12例を含む)において180例(97.3%)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、脱毛症109例(58.9%)、疲労85例(45.9%)、悪心83例(44.9%)、貧血49例(26.5%)、下痢41例(22.2%)、好中球減少症41例(22.2%)、末梢性ニューロパチー39例(21.1%)等であった20)。注15)主要評価項目はランダム化されたすべての患者集団及びPD-L1陽性患者集団における無増悪生存期間及び全生存期間とした。
2歳以上の切除不能な胞巣状軟部肉腫患者49例を対象に、18歳以上の患者には本剤1200mgを3週間間隔投与、2歳以上18歳未満の患者には本剤15mg/kg(最大1200mg)を3週間間隔投与したときの有効性及び安全性を評価する第Ⅱ相試験を実施した。独立評価機関判定による奏効率は24.5%[95%信頼区間:13.3~38.9%]であった。本剤が投与された49例において副作用は47例(95.9%)に認められた。主な副作用(15%以上)は、疲労18例(36.7%)、リンパ球数減少10例(20.4%)、発疹10例(20.4%)、白血球数減少9例(18.4%)、血中アルカリホスファターゼ増加9例(18.4%)、悪心8例(16.3%)、貧血8例(16.3%)等であった21)。
16歳以上の切除不能な胞巣状軟部肉腫患者20例を対象に、18歳以上の患者には本剤1200mgを3週間間隔投与、16歳以上18歳未満の患者には本剤15mg/kg(最大1200mg)を3週間間隔投与したときの有効性及び安全性を評価する第Ⅱ相試験を実施した。主要評価項目である独立評価機関判定による奏効率は10.0%[95%信頼区間:1.2~31.7%]であり、95%信頼区間の下限は事前に設定した閾値奏効率(5%)を下回った。本剤が投与された20例において副作用は16例(80.0%)に認められた。主な副作用(10%以上)は、AST増加5例(25.0%)、ALT増加4例(20.0%)、リンパ球数減少4例(20.0%)、好中球数減少4例(20.0%)、血小板数減少3例(15.0%)、白血球数減少3例(15.0%)、貧血3例(15.0%)、発熱3例(15.0%)、筋肉痛2例(10.0%)等であった22)。
アテゾリズマブは、ヒトPD-L1に対するヒト化モノクローナル抗体であり、PD-L1とその受容体であるPD-1との結合を阻害すること等により、がん抗原特異的なT細胞の細胞傷害活性を増強し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられる23)。
アテゾリズマブ(遺伝子組換え)(Atezolizumab (Genetical Recombination))(JAN)
H鎖(C2191H3362N580O665S15)L鎖(C1032H1593N273O334S6)
144,610.56
アミノ酸214個のL鎖2本とアミノ酸448個のH鎖2本からなるタンパク質
外箱開封後は遮光して保存すること。
14mL×1バイアル
20mL×1バイアル
1) Mizugaki H, et al. Invest New Drugs. 2016;34(5):596-603
2) 国際共同第Ⅲ相臨床試験(OAK試験)(2018年1月19日承認、申請資料概要 2.7.2.2.3.4)
3) 社内資料:薬物動態解析報告書(IMpassion130試験)
4) *社内資料:海外第Ⅰ/Ⅱ相試験(GO29664試験)
5) Rittmeyer A, et al. Lancet. 2017;389(10066):255-265
6) 国際共同第Ⅲ相臨床試験(OAK試験)(2018年1月19日承認、申請資料概要 2.7.6.2.1.3)
7) Herbst R, et al. N Engl J Med. 2020;383(14):1328-1339
8) 社内資料:国際共同第Ⅲ相臨床試験(IMpower110試験)
9) Socinski MA, et al. N Engl J Med. 2018;378(24):2288-2301
10) 社内資料:国際共同第Ⅲ相臨床試験(IMpower150試験)
11) 社内資料:国際共同第Ⅲ相臨床試験(IMpower132試験)
12) West H, et al. Lancet Oncol. 2019;20(7):924-937
13) 社内資料:海外第Ⅲ相臨床試験(IMpower130試験)
14) Felip E, et al. Lancet. 2021;398(10308):1344-1357
15) 社内資料:国際共同第Ⅲ相臨床試験(IMpower010試験)
16) Horn L, et al. N Engl J Med. 2018;379(23):2220-2229
17) 国際共同第Ⅰ/Ⅲ相臨床試験(IMpower133試験)(2019年8月22日承認、申請資料概要 2.7.4.2.1.1)
18) 社内資料:国際共同第Ⅲ相臨床試験(IMbrave150試験)
19) Schmid P, et al. N Engl J Med. 2018;379(22):2108-2121
20) 社内資料:国際共同第Ⅲ相臨床試験(IMpassion130試験)
21) *社内資料:海外第Ⅱ相臨床試験(ML39345試験)
22) *社内資料:国内第Ⅱ相臨床試験(ALBERT試験)
23) 効力を裏付ける試験(2018年1月19日承認、申請資料概要2.6.2.2)
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