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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人に対して1日1回、ペルツズマブ(遺伝子組換え)、トラスツズマブ(遺伝子組換え)及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として初回投与時にはそれぞれ1200mg、600mg及び30000Uを、2回目以降はそれぞれ600mg、600mg及び20000Uを、初回投与時には8分以上、2回目以降は5分以上かけて3週間間隔で皮下投与する。ただし、術前・術後薬物療法の場合には、投与期間は12カ月までとする。
通常、成人に対して1日1回、ペルツズマブ(遺伝子組換え)、トラスツズマブ(遺伝子組換え)及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として初回投与時にはそれぞれ1200mg、600mg及び30000Uを、2回目以降はそれぞれ600mg、600mg及び20000Uを、初回投与時には8分以上、2回目以降は5分以上かけて3週間間隔で皮下投与する。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。,,
心不全等の心機能障害があらわれるおそれがある。,,
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7カ月間において、避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ペルツズマブでは、動物試験(サル)にて、流産、胚・胎児死亡、羊水過少、胎児の腎形成不全等が認められている。また、胎児の血清中にペルツズマブが検出されている。また、トラスツズマブを投与した妊婦に羊水過少が起きたとの報告があり、羊水過少を発現した症例で、胎児・新生児の腎不全、胎児発育遅延、新生児呼吸窮迫症候群、胎児の肺形成不全等が認められ死亡に至った例も報告されている。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤の有効成分の乳汁への移行性については不明であるが、ヒトIgGは母乳中に移行することが報告されている。また、トラスツズマブでは、動物試験(サル)にて、乳汁への移行(25mg/kg反復投与)が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者では一般に生理機能が低下している。
アントラサイクリン系薬剤
心不全等の心機能障害があらわれるおそれがある。
心機能障害のリスクを増強させるおそれがある。
心不全、左室機能不全等があらわれることがある。異常が認められた場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与継続を検討し、適切な処置を行うこと。ただし、症状が重篤な場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,,
本剤投与中又は投与開始後24時間以内に発熱、悪寒、頭痛等を含むInfusion reactionがあらわれることがある。本剤投与中に異常が認められた場合には、本剤の投与速度を遅らせる、又は投与を中断し、適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。症状が重篤な場合には、本剤の投与を直ちに中止し、以降、本剤を再投与しないこと。
好中球減少症(6.1%)、貧血(4.4%)、白血球減少症(3.2%)、発熱性好中球減少症(0.4%)等があらわれることがある。
異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
5%以上
2%~5%未満
2%未満
頻度不明
精神神経系
末梢性ニューロパチー、錯感覚、味覚異常、不眠症
頭痛、めまい、不安、うつ病、嗜眠、神経毒性
運動失調、筋緊張亢進、感覚鈍麻、しびれ(感)、不全麻痺、傾眠、思考異常、振戦
眼
結膜炎、流涙増加、視力障害、眼乾燥
霧視、視力低下
消化器
下痢(30.7%)
口内炎、悪心、食欲減退、腹痛、便秘
嘔吐、消化不良、口内乾燥
腹部膨満、肛門直腸障害、口唇炎、嚥下障害、腸炎、鼓腸、胃炎、胃食道逆流性疾患、胃腸炎、口腔内潰瘍形成、肛門出血
循環器
ほてり、血腫、頻脈、動悸、潮紅、高血圧
低血圧、静脈炎、血管拡張
呼吸器
呼吸困難、鼻出血
上気道感染、咳嗽、鼻漏、鼻乾燥、胸水、鼻部不快感、口腔咽頭痛
喘息、気管支炎、発声障害、鼻潰瘍、咽喉頭疼痛、副鼻腔炎
皮膚
発疹
爪の障害、皮膚乾燥、手掌・足底発赤知覚不全症候群、脱毛症
爪感染、皮膚炎、紅斑、ざ瘡、そう痒症、皮膚亀裂
発汗、皮膚色素過剰、蕁麻疹
筋骨格系
筋肉痛、筋骨格痛、関節痛
筋骨格硬直
筋痙縮、筋力低下、頚部痛
肝臓
ALT増加、AST増加
γ-GTP増加
腎臓
排尿困難
血液
リンパ球減少、血小板減少
プロトロンビン減少
代謝
高クロール血症、LDH増加、高カルシウム血症、高トリグリセリド血症、低カリウム血症
低マグネシウム血症
その他
注射部位反応(14.1%)、疲労
無力症、粘膜の炎症、浮腫
倦怠感、発熱、体重減少、蜂巣炎、悪寒、丹毒、インフルエンザ様疾患、粘膜乾燥、疼痛
乳房痛、胸部不快感、胸痛、膀胱炎、難聴、脱水、冷感、熱感、体液貯留、ヘルペスウイルス感染、帯状疱疹、インフルエンザ、月経障害、尿路感染、体重増加、カンジダ感染、感染症
国際共同第Ⅲ相試験(FeDeriCa試験)の本剤群では、抗ペルツズマブ抗体は、231例中11例(4.8%)、抗トラスツズマブ抗体は232例中2例(0.9%)、抗ボルヒアルロニダーゼ アルファ抗体は225例中2例(0.9%)に認められた。
健康成人男性にボルヒアルロニダーゼ アルファ注1)を含むペルツズマブ1200mg注2)及びトラスツズマブ600mg注2)を、それぞれ単独で又は混合調製して単回皮下投与注3)した時の薬物動態は以下のとおりであった1)。(外国人データ)注1)ボルヒアルロニダーゼ アルファ濃度:2000U/mL注2)本剤とは異なる製剤を使用注3)承認された用法及び用量は、初回にペルツズマブ1200mg、トラスツズマブ600mg、ボルヒアルロニダーゼ アルファ30000U、2回目(3週)以降はペルツズマブ600mg、トラスツズマブ600mg、ボルヒアルロニダーゼ アルファ20000Uを3週間間隔投与である。
ペルツズマブの用量(mg)
トラスツズマブの用量(mg)
測定対象
Cmax(μg/mL)
Tmax※(day)
AUCinf(μg・day/mL)
1200
-
ペルツズマブ
147(13.9)
7.01(2.00,14.0)
4930(16.2)
600
トラスツズマブ
65.6(15.7)
3.99(2.00,7.01)
1690(24.8)
151(14.9)
3.00(2.00,9.00)
4630(25.5)
68.5(17.6)
3.00(2.00,8.99)
1440(26.5)
平均値(変動係数%)、※:中央値(最小値,最大値)、6例
HER2陽性の早期乳癌患者に初回投与時はペルツズマブ1200mg、トラスツズマブ600mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ30000Uを皮下投与し、2回目以降はペルツズマブ600mg、トラスツズマブ600mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ20000Uを3週間間隔で皮下投与した際の薬物動態は以下のとおりであった2)。(日本人及び外国人データ)
測定時点
例数
ペルツズマブトラフ濃度(μg/mL)
トラスツズマブトラフ濃度(μg/mL)
1回目投与後
204
85.5±29.5
31.1±16.4
2回目投与後
203
88.5±32.8
49.6±21.8
3回目投与後
206
93.7±31.5
61.6±22.8
平均値±標準偏差
HER2陽性(IHC法3+又はISH法陽性)の周術期の乳癌患者注1)500例(国内41例を含む)を対象に、ペルツズマブ点滴静注製剤+トラスツズマブ点滴静注製剤(P+T IV)と化学療法注2)併用治療を対照群として、本剤を3週間間隔で化学療法注2)と併用投与した。術後薬物療法期には、本剤を3週間間隔で14回投与し合計18回となるように大腿に皮下投与又はP+T IVを3週間間隔で14回投与し合計18回となるように静脈内投与した。本剤は、ペルツズマブ、トラスツズマブ及びボルヒアルロニダーゼ アルファとして、初回はそれぞれ1200mg、600mg及び30000U、2回目以降はそれぞれ600mg、600mg及び20000Uを投与した。ホルモン受容体陽性(エストロゲン受容体又はプロゲステロン受容体が陽性)の患者では、術後薬物療法期に標準的な内分泌療法を併用することとされた。主要評価項目であるサイクル8投与前のペルツズマブ血清中トラフ濃度の幾何平均値の比は1.22(90%信頼区間:1.14,1.31)、副次評価項目であるサイクル8投与前のトラスツズマブ血清中トラフ濃度の幾何平均値の比は1.33(90%信頼区間;1.24,1.43)であり、共に信頼区間の下限が非劣性マージンである0.8を上回り、本剤群の対照群に対する非劣性が示された3)。副次評価項目であるサイクル8の術前薬物療法後のpCR率は対照群で59.5%、本剤群で59.7%であり、pCR率の差は0.15%(90%信頼区間:−7.28,7.59)であった4)。本剤が投与された248例(日本人20例を含む)において、副作用が164例(66.1%)に認められた。主な副作用は、下痢76例(30.6%)、注射部位反応32例(12.9%)、疲労14例(5.6%)等であった。注1)術前薬物療法施行前の時点において、TNM分類(AJCC第8版)による臨床病期Ⅱ~ⅢCの患者が対象とされた。注2)術前薬物療法期において、以下の2つのいずれかを選択することとした。1つは2週間を1サイクルとして、dose-dense AC療法(ドキソルビシン60mg/m2、シクロホスファミド600mg/m2[各地域のガイドラインに従い、必要に応じて顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)支持療法を追加])を4サイクル投与した後、パクリタキセル80mg/m2注3)併用下で本剤を3週間間隔で皮下投与、又はP+T IVを3週間間隔で静脈内投与した。パクリタキセルは1週間間隔で12週間投与した。もう1つは3週間を1サイクルとして、AC療法(ドキソルビシン60mg/m2、シクロホスファミド600mg/m2)を4サイクル投与した後、ドセタキセル75mg/m2注4)併用下で本剤を3週間間隔で皮下投与、又はP+T IVを3週間間隔で静脈内投与した。ドセタキセルは3週間を1サイクルとして4サイクル投与した。注3)国内において承認されている用量は210mg/m2(A法、少なくとも3週間休薬)又は100mg/m2(B法、週1回投与を6週連続し、少なくとも2週間休薬)である。注4)初回投与における忍容性が確認できれば100mg/m2に増量可能。国内において承認されているドセタキセルの乳癌における用量は60mg/m2(ただし、75mg/m2まで増量可能)である。
転移・再発乳癌に対する前治療歴のないHER2陽性(IHC法3+又はFISH法陽性)転移・再発乳癌患者808例(国内53例を含む)を対象に、プラセボ+トラスツズマブ点滴静注製剤+ドセタキセル(プラセボ+T+D群)とペルツズマブ点滴静注製剤+トラスツズマブ点滴静注製剤+ドセタキセル(P+T+D群)を比較する第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験を実施した。プラセボ又はペルツズマブは初回投与量840mg、2回目以降、維持投与量420mgを3週間間隔で、トラスツズマブは初回投与量8mg/kg(体重)、2回目以降、維持投与量6mg/kgを3週間間隔で投与した。有害事象又はその他の理由によるドセタキセル中止後はペルツズマブ及びトラスツズマブは同一の用法及び用量で病勢進行まで投与継続した。ドセタキセルは75mg/m2を3週間間隔で投与した注4)。ペルツズマブ及びトラスツズマブの投与が予定された投与から遅れた場合、前回投与日から6週間未満のときには維持投与量を投与し、6週間以上のときには改めて初回投与量を投与し、次回以降は維持投与量を3週間間隔で投与した。主要評価項目である独立判定機関による無増悪生存期間において、プラセボ+T+D群に比べてP+T+D群で有意な延長が認められた5)。また、安全性についてはドセタキセル、トラスツズマブ及びペルツズマブが併用投与された407例(日本人26例を含む)において、副作用が396例(97.3%)に認められた。主な副作用は、下痢236例(58.0%)、脱毛症232例(57.0%)、倦怠感212例(52.1%)、好中球減少症207例(50.9%)、悪心149例(36.6%)、爪の異常145例(35.6%)、ニューロパチー126例(31.0%)、発疹125例(30.7%)等であった。
HER2陽性(IHC法3+又はFISH/CISH法陽性)の早期乳癌の術後患者(①TNM分類でT0を除くリンパ節転移を有する患者、②原発巣の腫瘍径が1cm超でリンパ節転移を有しない患者、及び③(ⅰ)組織学的/核グレードがGrade3、(ⅱ)HR陰性、(ⅲ)35歳未満のうち、少なくとも1つを満たす原発巣の腫瘍径が0.5cm超で1cm以下のリンパ節転移を有しない患者)4804例(国内302例を含む)を対象に、術後薬物療法としてプラセボ+トラスツズマブ点滴静注製剤+化学療法注5)(プラセボ群)とペルツズマブ点滴静注製剤+トラスツズマブ点滴静注製剤+化学療法注5)(ペルツズマブ群)を比較する第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験を実施した。プラセボ又はペルツズマブは初回投与量840mg、2回目以降、維持投与量420mgを3週間間隔で、トラスツズマブは初回投与量8mg/kg(体重)、2回目以降、維持投与量6mg/kgを3週間間隔で投与した。ペルツズマブ及びトラスツズマブの投与が予定された投与から遅れた場合、前回投与日から6週間未満のときには維持投与量を投与し、6週間以上のときには改めて初回投与量を投与し、次回以降は維持投与量を3週間間隔で投与した。ペルツズマブ及びトラスツズマブは1年間投与した。主要評価項目である乳癌以外の続発性原発癌をイベントとして含まない浸潤性疾患のない生存期間(IDFS)において、プラセボ群に比べてペルツズマブ群で有意な延長が認められた。リンパ節転移陽性及び陰性の部分集団におけるハザード比の推定値は、それぞれ0.77(95%信頼区間:0.62,0.96)及び1.13(95%信頼区間:0.68,1.86)であった6)。,また、安全性については、ペルツズマブ及びトラスツズマブが投与された2364例(日本人147例を含む)において、副作用が1538例(65.1%)に認められた。主な副作用は、下痢780例(33.0%)、発疹346例(14.6%)、疲労280例(11.8%)、悪心206例(8.7%)、筋骨格痛166例(7.0%)、爪の障害165例(7.0%)、好中球減少症157例(6.6%)、口内炎141例(6.0%)等であった。注5)アントラサイクリン系薬剤を含む場合は、3週間を1サイクルとして、FEC療法(5-FU500~600mg/m2、エピルビシン90~120mg/m2注6)、シクロホスファミド500~600mg/m2)、FAC療法(5-FU500~600mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2、シクロホスファミド500~600mg/m2)、EC療法(エピルビシン90~120mg/m2注6))、シクロホスファミド500~600mg/m2)又はAC療法(ドキソルビシン60mg/m2、シクロホスファミド500~600mg/m2)のいずれかを3~4サイクル投与した後、ペルツズマブ(又はプラセボ)+タキサン系薬剤(ドセタキセル75mg/m2注4)又はパクリタキセル80mg/m2注3))+トラスツズマブを逐次投与した。ドセタキセルは3週間を1サイクルとして3~4サイクル投与した。パクリタキセルは1週間間隔で12週間投与した注3)。アントラサイクリン系薬剤を含まない場合は、3週間を1サイクルとして、ペルツズマブ(又はプラセボ)+トラスツズマブ+ドセタキセル75mg/m2注4)+カルボプラチンAUC 6mg・min/mL相当量(最大 900mg/bodyまで注7))を6サイクル同時併用投与した。注6)国内において承認されている用量は100mg/m2である。注7)国内において承認されている用量は300~400mg/m2である。
ペルツズマブ群
プラセボ群
IDFS注8)
イベント発現例数(発現率)
171(7.1%)
210(8.7%)
3年IDFS[95% 信頼区間]
94.1%[93.1-95.0]
93.2%[92.2-94.3]
ハザード比[95% 信頼区間]
0.81[0.66-1.00]
P値注9)
0.0446
注8)乳癌以外の続発性原発癌をイベントとして含まない浸潤性疾患のない生存期間注9)層別Log-rank検定(両側有意水準5%)
HER2陽性(IHC法3+又はIHC法2+かつFISH/CISH法陽性)の早期乳癌の術前患者(原発巣の腫瘍径が2cm超で遠隔転移を有しない患者)417例を対象に、術前薬物療法としてトラスツズマブ点滴静注製剤+ドセタキセル(T+D群)、ペルツズマブ点滴静注製剤+トラスツズマブ点滴静注製剤+ドセタキセル(P+T+D群)、ペルツズマブ点滴静注製剤+トラスツズマブ点滴静注製剤(P+T群)注10)、ペルツズマブ点滴静注製剤+ドセタキセル(P+D群)注10)を比較する第Ⅱ相非盲検無作為化4群比較試験を実施した。ペルツズマブは初回投与量840mg、2回目以降、維持投与量420mgを3週間間隔で、トラスツズマブは初回投与量8mg/kg(体重)、2回目以降、維持投与量6mg/kgを3週間間隔で投与した。ドセタキセルは75mg/m2注4)を3週間間隔で投与した。いずれの薬剤も3週間を1サイクルとして、術前薬物療法として4サイクル投与した。トラスツズマブは術前薬物療法と術後薬物療法を合わせて1年間投与した。主要評価項目である病理学的完全奏効(pCR)率において、T+D群に比べてP+T+D群で有意に高かった。また、安全性については、術前薬物療法期間の副作用はT+D群で104/107例(97.2%)、P+T+D群で102/107例(95.3%)であった。主な副作用は、脱毛症(T+D群:65.4%、P+T+D群:63.6%、以下同順)、好中球減少症(62.6%、50.5%)、下痢(26.2%、43.0%)、悪心(31.8%、34.6%)、疲労(26.2%、18.7%)等であった。術後薬物療法期間の副作用はT+D群で90/103例(87.4%)、P+T+D群で85/102例(83.3%)であった。主な副作用は、悪心(T+D群:42.7%、P+T+D群:45.1%、以下同順)、好中球減少症(39.8%、37.3%)等であった7)。注10)ペルツズマブ点滴静注製剤の承認された用法及び用量は、トラスツズマブ(遺伝子組換え)と他の抗悪性腫瘍剤との併用投与である。
T+D群n=107
P+T+D群n=107
P+T群n=107
P+D群n=96
pCR[95% 信頼区間]
29.0%[20.6-38.5]
45.8%[36.1-55.7]
16.8%[10.3 -25.3]
24.0%[15.8-33.7]
P値注11)
‐
0.0141 (vs.T+D群)
0.0198 (vs.T+D群)
0.0030(vs.P+T+D群)
注11)Cochran Mantel-Haenszel検定(Simes法による多重性調整P値を算出、有意水準を両側20%とした)
HER2陽性(IHC法3+又はIHC法2+かつFISH/CISH法陽性)の早期乳癌の術前患者(原発巣の腫瘍径が2cm超で遠隔転移を有しない患者)225例を対象に、術前薬物療法としてペルツズマブ点滴静注製剤+トラスツズマブ点滴静注製剤+化学療法注12)を比較する第Ⅱ相非盲検無作為化3群(A群、B群、C群)比較試験を実施した。ペルツズマブは初回投与量840mg、2回目以降、維持投与量420mgを3週間間隔で、トラスツズマブは初回投与量8mg/kg(体重)、2回目以降、維持投与量6mg/kgを3週間間隔で投与した。トラスツズマブは術前薬物療法と術後薬物療法を合わせて1年間投与した。主要評価項目である術前薬物療法における忍容性に問題は認められなかった。副次評価項目であるpCR率は、A群が61.6%、B群が57.3%、C群が66.2%であった。また、安全性については、術前薬物療法期間の副作用はA群72/72例(100.0%)、B群71/75例(94.7%)、C群76/76例(100.0%)であった。主な副作用は、下痢(A群:61.1%、B群:57.3%、C群:67.1%、以下同順)、脱毛症(48.6%、52.0%、53.9%)、悪心(52.8%、52.0%、44.7%)、好中球減少症(51.4%、46.7%、48.7%)、嘔吐(40.3%、33.3%、38.2%)、疲労(33.3%、33.3%、38.2%)、貧血(18.1%、8.0%、35.5%)、血小板減少症(6.9%、1.3%、30.3%)等であった。術後薬物療法期間の副作用はA群30/68例(44.1%)、B群30/65例(46.2%)及びC群21/67例(31.3%)であった。主な副作用は、関節痛(A群:5.9%、B群:3.1%、C群:4.5%、以下同順)、下痢(7.4%、3.1%、4.5%)等であった8)。注12)A群:3週間を1サイクルとして、ペルツズマブ+トラスツズマブ+FEC療法(5-FU500mg/m2、エピルビシン100mg/m2、シクロホスファミド600mg/m2)を3サイクル投与した後、ペルツズマブ+トラスツズマブ+ドセタキセル75mg/m2注4)を3サイクル投与した。B群:3週間を1サイクルとして、FEC療法を3サイクル投与した後、ペルツズマブ+トラスツズマブ+ドセタキセル75mg/m2注4)を3サイクル投与した。C群:3週間を1サイクルとして、ペルツズマブ+トラスツズマブ+ドセタキセル75mg/m2注4)+カルボプラチンAUC 6mg・min/mL相当量を6サイクル投与した。
化学療法歴のある注13)HER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者注14)30例を対象に、ペルツズマブ点滴静注製剤とトラスツズマブ点滴静注製剤を併用で投与した。ペルツズマブは初回840mg、2回目以降420mg、トラスツズマブは初回8mg/kg(体重)、2回目以降6mg/kgを3週間間隔で投与し、疾患進行又は治験中止基準に該当するまで継続した。主要評価項目であるRECIST ver.1.1に基づく治験担当医師判定による奏効率[95%信頼区間]は、腫瘍組織を用いた検査でHER2陽性の患者集団では29.6%[13.8,50.2](8/27例)、血液検体を用いた検査でHER2陽性の患者集団では28.0%[12.1,49.4](7/25例)であった。副作用は24/30例(80.0%)に発現した。主な副作用は、注入に伴う反応14例(46.7%)、下痢11例(36.7%)、口内炎4例(13.3%)、倦怠感3例(10.0%)等であった9)。注13)フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、オキサリプラチン、イリノテカン塩酸塩水和物及び抗上皮増殖因子受容体(EGFR)抗体医薬品(セツキシマブ又はパニツムマブ)に不応又は不耐の患者が組み入れられた。注14)腫瘍組織検体においてRAS遺伝子野生型であることが確認されており、かつ腫瘍組織又は血液検体を用いた検査により以下のいずれかを満たす患者が対象とされた。なお、腫瘍組織を用いた検査結果に基づき組み入れられた27例全例がFISH法陽性であり、うち、IHC法3+及び2+はそれぞれ23例及び4例であった。腫瘍組織を用いた検査:HER2についてIHC法3+又はFISH法陽性血液検体を用いた検査:次世代シークエンサー法でHER2遺伝子増幅(遺伝子コピー数が2.4以上)かつRAS遺伝子野生型(cell-free DNAにおいて、検出された最も頻度の高い遺伝子変異に対するRAS遺伝子変異の割合が30%以下)
本剤は、ペルツズマブ、トラスツズマブ及びボルヒアルロニダーゼ アルファを含有する配合剤である。ペルツズマブは、HER2の細胞外領域のドメインⅡに結合し、HER2の二量体形成を阻害し、下流のシグナル伝達経路の活性化を阻害することに加え、抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)活性を誘導することにより、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。トラスツズマブは、HER2の細胞膜近接部位のドメインⅣに結合し、ADCC活性を誘導すること等により腫瘍の増殖を抑制すると考えられている10),11)。ボルヒアルロニダーゼ アルファは、結合組織におけるヒアルロン酸を加水分解する酵素である12)。本剤は、ボルヒアルロニダーゼ アルファによりヒアルロン酸が加水分解され、皮下組織における浸透性が増加することで、拡散吸収されたペルツズマブ及びトラスツズマブが腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。
ペルツズマブ(遺伝子組換え)(Pertuzumab(Genetical Recombination))(JAN)
軽鎖(C1043H1604N272O336S6)重鎖(C2195H3387N583O672S16)
約148,000
アミノ酸214個の軽鎖2分子とアミノ酸449個の重鎖2分子からなる糖タンパク質
トラスツズマブ(遺伝子組換え)(Trastuzumab(Genetical Recombination))(JAN)
軽鎖(C1032H1603N277O335S6)重鎖(C2192H3387N583O671S16)
ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)(Vorhyaluronidase Alfa(Genetical Recombination))(JAN)
C2327H3553N589O667S20
60,000~65,000
アミノ酸447個からなる糖タンパク質
外箱開封後は遮光して保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
10mL×1バイアル
15mL×1バイアル
1) 社内資料:臨床成績BO30185試験
2) 社内資料:臨床成績FeDeriCa試験
3) 臨床成績FeDeriCa試験(2023年9月25日承認、申請資料概要2.5.3.3.2)
4) 臨床成績FeDeriCa試験(2023年9月25日承認、申請資料概要2.5.4.2.1.2)
5) 臨床成績CLEOPATRA試験(2013年6月28日承認、ペルツズマブ申請資料概要2.5.4.1.2.2)
6) 社内資料:臨床成績APHINITY試験
7) 社内資料:臨床成績NEOSPHERE試験
8) 社内資料:臨床成績TRYPHAENA試験
9) 社内資料:臨床成績TRIUMPH試験
10) 緒言(2013年6月28日承認、ペルツズマブ申請資料概要2.4.1)
11) ADCC活性(2013年6月28日承認、ペルツズマブ申請資料概要2.6.2.2.1.5)
12) rHuPH20の作用機序(2023年9月25日承認、申請資料概要2.6.2.2.2)
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