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処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤は、血液凝固第VIII因子に対するインヒビターの有無によらず有効性が確認されている。,,,
通常、エミシズマブ(遺伝子組換え)として1回3mg/kg(体重)を1週間の間隔で4回皮下投与し、その1週間後(初回投与から4週間後)の5回目投与から以下のいずれかの用法・用量で皮下投与する。
通常、エミシズマブ(遺伝子組換え)として1日目に6mg/kg(体重)、2日目に3mg/kg(体重)を皮下投与し、8日目から1回1.5mg/kg(体重)を1週間の間隔で皮下投与する。
*妊娠する可能性のある⼥性には、本剤投与中及び最終投与後少なくとも6カ⽉間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。一般にヒトIgGは胎盤を通過することが知られている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行性については不明であるが、一般にヒトIgGは母乳に分泌されることが知られている。
低出生体重児、新生児及び乳児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤,,,,
血栓塞栓症又は血栓性微小血管症があらわれるおそれがある。本剤投与中及び投与中止後6カ月間は、活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤又は乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第VII因子製剤の投与は避けること。本剤投与中及び投与中止後6カ月間の出血に対してやむを得ず活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤又は乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第VII因子製剤を投与する場合は必ず血友病に対する十分な治療経験を有する医師のもと、必要な血液凝固系検査等が実施可能で血栓塞栓症及び血栓性微小血管症に対する適切な処置が可能な医療機関で投与すること。
先天性血液凝固第VIII因子欠乏ヒト血漿を用いたトロンビン生成試験(in vitro)において、本剤単独時に比べて本剤との併用時に顕著なトロンビン生成の促進が認められた1) 。活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤由来の活性型血液凝固第IX因子及び第X因子が本剤による凝固促進に影響を与える可能性が考えられ、凝固活性の増加につながるおそれがある。
乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第VII因子製剤,,,,
乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第VII因子製剤に含まれる血液凝固第X因子が本剤による凝固促進に影響を与える可能性が考えられ、凝固活性の増加につながるおそれがある。
本剤投与中の出血に対して活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤等のバイパス止血製剤を投与する際、または血栓塞栓症の危険因子を有する後天性血友病A患者に本剤を投与する際は、血栓塞栓症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤及びバイパス止血製剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。,,,
本剤投与中の出血に対して活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤等のバイパス止血製剤を投与する際は血栓性微小血管症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤及びバイパス止血製剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,,
5%以上
5%未満
頻度不明
消化器
悪心
皮膚
毛髪成長異常
発疹、蕁麻疹、血管性浮腫
その他
注射部位反応
頭痛、疲労、血液検査異常(ABO式血液型の凝集素検出能の低下)、血中クレアチンホスホキナーゼ増加
先天性血友病A患者を対象とした国際共同第III相臨床試験において、抗エミシズマブ抗体の産生が398例中14例(3.5%)に報告されている。また、先天性血友病A患者を対象とした国内第I/II相臨床試験において、抗エミシズマブ抗体の産生が18例中4例に報告されている。これらのうち、国際共同第III相臨床試験において、中和活性を有すると考えられる抗エミシズマブ抗体の産生が3例に認められ、効果の減弱(APTT延長、出血の発現)を認めた症例も報告されている。後天性血友病A患者を対象とした国内第III相臨床試験において、抗エミシズマブ抗体の産生が14例中2例に報告されている。このうち1例では、抗エミシズマブ抗体に起因すると考えられる血漿中エミシズマブ濃度の低下が認められた。
日本人の健康成人男性に本剤0.01、0.1、0.3又は1mg/kg(各6例)を単回皮下投与注1) した際の血漿中エミシズマブ濃度の薬物動態パラメータは下表のとおりであった2) 。
用量(mg/kg)
Cmax(μg/mL)
Tmax(day)
AUCinf(μg・day/mL)
t1/2(day)
0.01
0.0675±0.0120
14.1(5.00-28.0)
算出せず
0.1
0.655±0.0837
12.0(7.00-14.1)
30.2±9.28
28.3±4.77
0.3
1.72±0.377
10.1(7.00-11.1)
86.5±17.9
30.3±4.12
1
5.92±1.24
10.1(4.00-14.2)
266±50.0
29.0±3.26
各6例、平均値±標準偏差[Tmaxのみ中央値(範囲)]
12歳以上のインヒビター保有先天性血友病A患者112例、12歳未満(体重40kg未満の12~17歳を含む)のインヒビター保有先天性血友病A患者63例、又は12歳以上のインヒビター非保有先天性血友病A患者99例に本剤を3mg/kgの用量で1週間隔にて4週間反復皮下投与し、その後1.5mg/kgの用量で1週間隔にて反復皮下投与した際、投与開始4週後に血漿中エミシズマブ濃度トラフ値が定常状態に到達し、その後50μg/mL程度又はそれをやや上回る平均値を維持した。血漿中エミシズマブ濃度トラフ値推移はこれら3つの集団間で同様であった3),4),5) (日本人及び外国人データ)。
12歳以上のインヒビター非保有先天性血友病A患者49例に本剤を3mg/kgの用量で1週間隔にて4週間反復皮下投与し、その後3mg/kgの用量で2週間隔にて反復皮下投与した際、投与開始4週後までの血漿中エミシズマブ濃度トラフ値推移は「(1) 1週間隔」と同様であり、その後45μg/mLをやや上回る平均値を維持した5) (日本人及び外国人データ)。
12歳以上のインヒビター保有及び非保有先天性血友病A患者41例に本剤を3mg/kgの用量で1週間隔にて4週間反復皮下投与し、その後6mg/kgの用量で4週間隔にて反復皮下投与した際、投与開始4週後までの血漿中エミシズマブ濃度トラフ値推移は「(1) 1週間隔」と同様であり、その後40μg/mLをやや上回る平均値を維持した6) (日本人及び外国人データ)。
18歳以上の後天性血友病A患者12例に本剤を1日目に6mg/kg、2日目に3mg/kgの用量で皮下投与し、8日目から1.5mg/kgの用量で1週間隔にて反復皮下投与した際、投与開始1週後に血漿中エミシズマブ濃度トラフ値が定常状態に到達し、その後35μg/mLをやや上回る平均値を維持した7) 。
日本人の健康成人男性に本剤1mg/kgを腹部、上腕部又は大腿部(各12例)に単回皮下投与注1) した際、血漿中エミシズマブ濃度のCmax及びAUCinfを基に推定された腹部に対する上腕部及び大腿部の相対的バイオアベイラビリティは、82.3%~116.8%の範囲であった。なお、腹部、上腕部及び大腿部への皮下投与時の絶対的バイオアベイラビリティは、80.4%~93.1%の範囲であった8) 。
日本人の健康成人男性12例に本剤0.25mg/kgを単回静脈内投与注1) した際、エミシズマブのVssの平均値は106mL/kgであった8) 。
成人/青年(12歳以上)のインヒビター保有先天性血友病A患者を対象とし、バイパス止血製剤による出血時の止血療法を実施していた患者53例(日本人6例を含む)を、本剤を3mg/kgの用量で週1回4週間反復皮下投与した後1.5mg/kgの用量で週1回反復皮下投与する群(A群:本剤定期投与群)又は出血時の止血療法を継続する群(B群:本剤定期投与非実施群)にランダムに2:1の比で割り付け、割り付けられた最終の患者が24週の観察期間を完了した時点又は試験を中止した時点で両群の年間出血率を比較した。主要評価項目である治療を要した出血の年間出血率の成績は下表のとおりであった。
A群:本剤週1回定期投与群(35例)
B群:本剤定期投与非実施群(18例)
年間出血率の中央値(範囲)(回/年)
0.0(0.00, 33.72)
18.8(0.00, 77.80)
年間出血率[95%信頼区間](回/年)注2)
2.9[1.69, 5.02]
23.3[12.33, 43.89]
群間比(A群/B群)[95%信頼区間]、P値注2)
0.13[0.057, 0.277]、<0.0001
また、試験登録前にバイパス止血製剤の定期輸注を受けていた患者に、A群と同様の用法・用量で本剤を定期的に投与する群(C群)での患者内比較[24例(日本人6例を含む)]では、副次的評価項目とした治療を要した出血の年間出血率[95%信頼区間]は、本剤投与前のバイパス止血製剤定期輸注時[観察期間の中央値(範囲):32.1週(8.1~49.3週)]には15.7[11.08, 22.29]回/年であったのに対し、その後の本剤定期投与時[観察期間の中央値(範囲):30.1週(6.9~45.3週)]には3.3[1.33, 8.08]回/年であった(初回承認時)。本試験で本剤を投与された全患者での副作用発現頻度は29.5%(33/112例)であった。主な副作用は、注射部位反応15.2%(17/112例)であった3) (承認事項一部変更承認時)。
小児(12歳未満)のインヒビター保有先天性血友病A患者60例[2歳以下の10例(1歳が5例、2歳が5例)を含む](日本人8例を含む)に本剤を3mg/kgの用量で週1回4週間反復皮下投与し、その後1.5mg/kgの用量で週1回反復皮下投与した。その内、12週間以上投与された59例(日本人8例を含む)の観察期間の中央値(範囲)は29.6週(18.4~63.0週)であった。同59例での治療を要した出血の年間出血率[95%信頼区間]は0.3[0.13, 0.52]回/年であった。本試験で本剤を投与された全患者での副作用発現頻度は19.0%(12/63例)であった。主な副作用は、注射部位反応17.5%(11/63例)であった4) (承認事項一部変更承認時)。
成人/青年(12歳以上)のインヒビター非保有重症先天性血友病A患者を対象とし、血液凝固第VIII因子製剤による出血時の止血療法を実施していた患者89例(日本人10例を含む)を対象に、本剤を3mg/kgの用量で週1回4週間反復皮下投与した後1.5mg/kgの用量で週1回反復皮下投与する群(A群:本剤週1回定期投与群)、本剤を3mg/kgの用量で週1回4週間反復皮下投与した後3mg/kgの用量で2週に1回反復皮下投与する群(B群:本剤2週に1回定期投与群)又は出血時の止血療法を継続する群(C群:本剤定期投与非実施群)にランダムに2:2:1の比で割り付け、割り付けられた最終の患者が24週の観察期間を完了した時点又は試験を中止した時点でA群及びB群とC群の年間出血率を比較した。主要評価項目である治療を要した年間出血率の成績は下表のとおりであった。
A群:本剤週1回定期投与群(36例)
B群:本剤2週に1回定期投与群(35例)
C群:本剤定期投与非実施群(18例)
0.0(0.0, 10.8)
0.0(0.0, 26.8)
40.4(4.3, 98.7)
年間出血率[95%信頼区間](回/年)注3)
1.5[0.9, 2.5]
1.3[0.8, 2.3]
38.2[22.9, 63.8]
群間比(A群/C群又はB群/C群)[95%信頼区間]、P値注3)
0.04[0.020, 0.075]<0.0001
0.03[0.017, 0.066]<0.0001
また、試験登録前に血液凝固第VIII因子製剤の定期補充を受けていた患者に、A群と同様の用法・用量で本剤を定期的に投与する群(D群)での患者内比較[48例(日本人9例を含む)]では、副次的評価項目とした治療を要した出血の年間出血率[95%信頼区間]は、本剤投与前の血液凝固第VIII因子製剤の定期補充時[観察期間の中央値(範囲):30.1週(5.0~45.1週)]には4.8[3.22, 7.09]回/年であったのに対し、その後の本剤の定期投与時[観察期間の中央値(範囲):33.7週(20.1~48.6週)]には1.5[0.98, 2.33]回/年であった。本試験で本剤を投与された全患者での副作用発現頻度は30.7%(46/150例)であった。主な副作用は、注射部位反応25.3%(38/150例)であった5) (承認事項一部変更承認時)。
成人/青年(12歳以上)のインヒビター保有及び非保有先天性血友病A患者41例(日本人6例を含む)に本剤を3mg/kgの用量で週1回4週間反復皮下投与し、その後6mg/kgの用量で4週に1回反復皮下投与した。観察期間の中央値(範囲)は25.6週(24.1~29.4週)であった。治療を要した出血の年間出血率[95%信頼区間]は2.4[1.38, 4.28]回/年であった。本試験で本剤を投与された全患者での副作用発現頻度は27.1%(13/48例)であった。主な副作用は、注射部位反応20.8%(10/48例)であった6) (承認事項一部変更承認時)。
成人(18歳以上)の後天性血友病A患者を対象とし、治験登録時点で免疫抑制療法を直ちに開始予定又は実施中の患者12例を対象に、本剤を1日目に6mg/kg、2日目に3mg/kgの用量で皮下投与し、8日目から1.5mg/kgの用量で週1回反復皮下投与した。第VIII因子活性が50IU/dL超であることが確認され、かつ直近の治療を要した出血に対する最後の血液凝固因子製剤投与から72時間超が経過していた場合に本剤の投与を終了した(投与終了基準)。本剤投与開始から投与終了基準を満たすまで(又はデータカットオフ日のいずれか早い方)の評価期間[中央値(範囲):44.5日(8~208日)]では、12例中2例(16.7%)で治療を要した出血が発現し、治療を要した大出血は発現しなかった。診断日又は初回出血日のいずれか早い方(最大本剤投与開始から24週間前)から本剤投与開始日までの評価期間[中央値(範囲):68.0日(17~168日)]では、12例中6例(50.0%)で治療を要した出血が発現し、その6例全例で治療を要した大出血が発現した。治療を要した出血の年間出血率において、本剤投与開始前と比較して本剤投与開始後で減少或いは0を維持したのは、12例中11例(91.7%)であった。本試験で本剤を投与された全患者での副作用発現頻度は25%(3/12例)であった。その内訳は、深部静脈血栓症、プロトロンビンフラグメント1・2増加、血小板減少症が各1例(8.3%)であった7) 。,
本剤は、活性型血液凝固第IX因子及び血液凝固第X因子に結合するヒト化二重特異性モノクローナル抗体であり、血液凝固第VIII因子の機能代替作用を有する。
本剤は、プラズモン共鳴法によるin vitroタンパク質結合測定系において活性型血液凝固第IX因子及び血液凝固第X因子に結合し9) 、合成発色基質法によるin vitro酵素反応測定系において活性型血液凝固第IX因子による血液凝固第X因子の活性化を促進した10) 。
本剤は、インヒビター含有血液凝固第VIII因子欠乏血漿及びインヒビター非含有血液凝固第VIII因子欠乏血漿のいずれにおいても、in vitro添加によりAPTTの短縮及びトロンビン生成の増加を示し、血液凝固反応を促進した10),11) 。また本剤は、後天性血友病A患者血漿においても、in vitro添加によりインヒビターのエピトープの違いによらずトロンビン生成の増加を示した12) 。
抗血液凝固第VIII因子抗体を投与することにより血友病Aを誘発させたサルにおいて、本剤投与による出血傾向抑制作用及び止血作用が認められた11),13) 。
エミシズマブ(遺伝子組換え)(Emicizumab(Genetical Recombination))(JAN)
C6434H9940N1724O2047S45
約148,000
448個のアミノ酸残基からなる抗活性型血液凝固第IX因子のH鎖1本、444個のアミノ酸残基からなる抗血液凝固第X因子のH鎖1本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖2本で構成される糖タンパク質
*外箱開封後は遮光して保存すること。
*0.4mL×1バイアル
1.0mL×1バイアル
0.4mL×1バイアル
0.6mL×1バイアル
0.7mL×1バイアル
1) トロンビン生成における血液凝固第VIII因子製剤及びバイパス製剤の作用に対する影響(2018年3月23日承認、CTD2.6.2.2.7)
2) Uchida N, et al. Blood. 2016;127(13):1633-41.
3) 社内資料:国際共同第III相臨床試験(BH29884試験)
4) 社内資料:国際共同第III相臨床試験(BH29992試験)
5) 社内資料:国際共同第III相臨床試験(BH30071試験)
6) 社内資料:国際共同第III相臨床試験(BO39182試験)
7) 国内第III相臨床試験(JO42003試験)(2022年6月20日承認、CTD2.7.2.2.2.1.1、2.7.3.2.1.4.1及び2.7.4.2.1)
8) バイオアベイラビリティ試験(JP29574試験)(2018年3月23日承認、CTD2.7.1.2.1)
9) Kitazawa T, et al. Thromb Haemost. 2017;117(7):1348-57.
10) Sampei Z, et al. PLoS One. 2013;8(2):e57479.
11) Muto A, et al. J Thromb Haemost. 2014;12(2):206-13.
12) Takeyama M, et al. J Thromb Haemost. 2020;18(4):825-33.
13) Muto A, et al. Blood. 2014;124(20):3165-71.
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