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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤投与により、敗血症、肺炎等の重篤な感染症があらわれ、致命的な経過をたどることがある。本剤はIL-6の作用を抑制し治療効果を得る薬剤である。IL-6は急性期反応(発熱、CRP増加等)を誘引するサイトカインであり、本剤投与によりこれらの反応は抑制されるため、感染症に伴う症状が抑制される。そのため感染症の発見が遅れ、重篤化することがあるので、本剤投与中は患者の状態を十分に観察し問診を行うこと。症状が軽微であり急性期反応が認められないときでも、白血球数、好中球数の変動に注意し、感染症が疑われる場合には、胸部X線、CT等の検査を実施し、適切な処置を行うこと。,,,,
通常、成人には、トシリズマブ(遺伝子組換え)として1回162mgを2週間隔で皮下注射する。なお、効果不十分な場合には、1週間まで投与間隔を短縮できる。
通常、トシリズマブ(遺伝子組換え)として1回162mgを1週間隔で皮下注射する。
感染症を合併している場合は感染症の治療を優先すること。感染症が悪化するおそれがある。,,,,
最新のB型肝炎治療ガイドラインを参考に肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。抗リウマチ生物製剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。
投与を避けることが望ましい。なお、リンパ球数減少が遷延化した場合(目安として500/μL)は、投与を開始しないこと。日和見感染を含む感染症を誘発するおそれがある。
定期的に問診を行うなど、注意すること。間質性肺炎が増悪又は再発することがある。
白血球減少、好中球減少、血小板減少が更に悪化するおそれがある。
定期的に心電図検査を行いその変化に注意すること。臨床試験において心障害が認められている。,
トランスアミナーゼ値上昇に注意するなど観察を十分に行うこと。,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。カニクイザルにおいて本薬は胎盤関門を通過することが報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本薬のヒト乳汁への移行は不明である。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
12歳未満の小児等には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与し、副作用の発現に十分注意すること。12歳未満の小児に対する臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
肝機能障害を起こす可能性のある薬剤
肝機能障害があらわれることがある。
機序不明
血圧低下、呼吸困難、意識消失、めまい、嘔気、嘔吐、瘙痒感、潮紅等があらわれることがあるので、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、アドレナリン、副腎皮質ステロイド薬、抗ヒスタミン薬を投与するなど適切な処置を行うとともに症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
肺炎(3.6%)、帯状疱疹(2.8%)、感染性胃腸炎(2.3%)、蜂巣炎(2.1%)、感染性関節炎(0.2%)、敗血症(0.3%)、非結核性抗酸菌症(0.3%)、結核(頻度不明)、ニューモシスチス肺炎(頻度不明)等の日和見感染を含む重篤な感染症があらわれ、致命的な経過をたどることがある。,,,,,,,
発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部X線、CT及び血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスチス肺炎との鑑別診断(β-D-グルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと。
本剤投与により、憩室炎等の急性腹症の症状(腹痛、発熱等)が抑制され、発見が遅れて穿孔に至る可能性があるため、異常が認められた場合には、腹部X線、CT等の検査を実施するなど十分に観察し、適切な処置を行うこと。
,
AST、ALT、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。,,
1%以上
1%未満
頻度不明
抵抗機構
ヘルペスウイルス感染、インフルエンザ
口腔カンジダ症、耳下腺炎
創傷感染
呼吸器
上気道感染〔鼻咽頭炎、上気道炎等〕(41.5%)、副鼻腔炎、気管支炎、咽喉頭疼痛、咳嗽、鼻炎
喘息、胸膜炎、鼻漏
咽頭不快感、喀血、咽頭紅斑、鼻出血、気管支拡張症、鼻閉
代謝
コレステロール増加(12.7%)、LDL増加、トリグリセリド増加、高脂血症、HDL増加、高コレステロール血症
LDH上昇、CK上昇、血中尿酸増加、糖尿病増悪、血清フェリチン減少、血中リン減少
高トリグリセリド血症、総蛋白減少、血中カリウム減少、血糖増加、血中リン増加、血中カルシウム減少
肝臓
ALT上昇、γ-GTP上昇、AST上昇、肝機能異常、ビリルビン増加、Al-P上昇
脂肪肝、胆石症
循環器
高血圧、血圧上昇
上室性期外収縮、心室性期外収縮、ST部分下降、ST部分上昇、血圧低下、動悸
T波逆転、T波振幅減少、T波振幅増加
血液・凝固
貧血、好酸球数増加、フィブリノゲン減少、リンパ球数減少
好中球数増加、白血球数増加、リンパ節炎
フィブリン分解産物〔FDP、Dダイマー〕増加、ヘモグロビン減少、リンパ節腫脹、ヘマトクリット減少、赤血球数減少、TAT増加
消化器
胃腸炎、口内炎、下痢、腹痛、便秘、口唇炎、嘔吐、逆流性食道炎、胃・腸ポリープ
痔核、腹部不快感、悪心、腹部膨満、胃潰瘍、消化不良、食欲不振、舌炎
急性膵炎、口渇
歯周病、齲歯
歯痛
精神神経
頭痛、浮動性めまい、不眠症
感覚減退、末梢性ニューロパシー
耳
中耳炎、眩暈
外耳炎、耳鳴、突発難聴
耳不快感
眼
結膜炎
結膜出血、眼乾燥、麦粒腫、霰粒腫、眼瞼炎、硝子体浮遊物、網膜出血
白内障
皮膚
発疹〔湿疹、痒疹、丘疹等〕、瘙痒症、爪感染、皮膚感染、蕁麻疹、紅斑、白癬、角化症、脱毛症
皮下出血、皮膚乾燥、嵌入爪、水疱、皮膚潰瘍
皮膚嚢腫、ざ瘡
筋・骨格
背部痛
関節痛、筋痛〔筋痛、肩こり〕、骨粗鬆症、頚部痛、骨密度減少
四肢痛、若年性関節炎増悪
泌尿器
膀胱炎、尿中赤血球陽性、尿路感染
尿蛋白、腎盂腎炎、尿糖、頻尿
BUN増加、腎結石、NAG増加、尿中白血球陽性
生殖器
腟感染
性器出血
子宮頚管ポリープ
その他
注射部位反応〔紅斑、瘙痒感、腫脹、出血、血腫、疼痛等〕、体重増加、発熱、アレルギー性鼻炎、膿瘍、浮腫
季節性アレルギー、胸痛、倦怠感、発汗障害、気分不良、胸部不快感、ほてり、悪寒
免疫グロブリンG減少、血栓性静脈炎、リウマチ因子陽性、DNA抗体陽性、抗核抗体陽性、潮紅、CRP増加
関節リウマチ患者を対象にトシリズマブ81mg又は162mg注1)を腹部に皮下投与した。血清中トシリズマブ濃度推移を図1、薬物動態パラメータを表1に示した10)。
投与量(mg)
例数
Tmax(day)
Cmax(μg/mL)
t1/2注2)(day)
AUClast(μg・day/mL)
81
8
2.7±1.4
3.4±4.3
N.A.
21.4±33.3
162
12
4.6±2.4
10.9±5.6
1.6±0.2注3)
96.7±53.7
(平均値±SD、N.A.:算出せず)
注1)本剤の承認用量は1回162mgの皮下投与である。注2)トシリズマブの体内動態は非線形性であり、血清中トシリズマブ濃度が低下した消失速度が速い相での消失半減期を算出した。注3)11例
関節リウマチ患者を対象とした二重盲検比較試験において、トシリズマブ162mg/2週皮下注(皮下投与群)及びトシリズマブ8mg/kg/4週点滴静注(点滴静注群)注1)の24週までの血清中トシリズマブのトラフ濃度推移を図2に示した。初回投与24週後の血清中トシリズマブ濃度は10.6±7.8μg/mL(皮下投与群、平均値±SD)及び12.4±7.9μg/mL(点滴静注群)であった11)。
トシリズマブ162mg/2週皮下注で効果が不十分な関節リウマチ患者を対象とした二重盲検比較試験において、トシリズマブ162mg/1週皮下注及びトシリズマブ162mg/2週皮下注の12週までの血清中トシリズマブのトラフ濃度推移を図3に示した。試験開始後12週の血清中トシリズマブ濃度は19.7±14.3μg/mL(1週皮下投与群、平均値±SD)及び3.94±3.12μg/mL(2週皮下投与群)であった12)。
高安動脈炎患者を対象とした二重盲検並行群間比較試験において、トシリズマブ162mg/1週皮下注の44週までの血清中トシリズマブのトラフ濃度推移を図4に示した。初回投与12週後の血清中トシリズマブ濃度は52.8±27.3μg/mL(平均値±SD、14例)であった13)。
巨細胞性動脈炎患者を対象とした二重盲検並行群間比較試験において、トシリズマブ162mg/1週皮下注の52週までの血清中トシリズマブのトラフ濃度推移を図5に示した。初回投与16週後の血清中トシリズマブ濃度は63.49±29.31μg/mL(平均値±SD、89例)であった14)(外国人データ)。
1剤以上のDMARDで効果不十分な関節リウマチ患者を対象とし、トシリズマブ162mg/2週皮下注(皮下投与群)又はトシリズマブ8mg/kg/4週点滴静注(点滴静注群)注1)を24週間投与する二重盲検比較試験(非劣性試験)を実施した。二重盲検比較試験終了後、162mg/2週皮下注を非盲検下で継続投与した。成績は以下のとおりであった。注1)本剤の承認用量は1回162mgの皮下投与である。
初回投与24週後のACR基準#120%、50%及び70%改善頻度を下記の表1に示す。ACR基準20%改善頻度は、皮下投与群で79.2%であったのに対し、点滴静注群で88.5%であった11)。(群間差注2):-9.4%、95%信頼区間:-17.6%、-1.2%、非劣性の限界値:-18%)
点滴静注群
皮下投与群
群間差注2)[95%信頼区間]
156
159
ACR20
88.5%
79.2%
-9.4%[-17.6; -1.2]
ACR50
67.3%
63.5%
-4.3%[-14.7; 6.0]
ACR70
41.0%
37.1%
-3.8%[-14.5; 6.8]
注2)群間差(皮下投与群―点滴静注群)は登録時の体重(60kg未満、60kg以上)と抗TNF製剤の前治療の有無を層別因子とし、Mantel-Haenszel法を用いて調整した。
本剤の非盲検下での継続投与(例数:147例#2)において、初回投与72週後でのACR基準#120%、50%及び70%改善頻度はそれぞれ89.1%、73.5%及び56.5%であった15)。#1 アメリカリウマチ学会(ACR)の臨床的改善の評価基準#2 本試験にて皮下投与群に割付けられ初回投与72週後に有効性評価できた症例安全性解析対象症例のうち、初回投与後24週までに、本剤の2週間隔投与下の173例において、144例(83.2%)に副作用が認められた。主な副作用は、上気道感染55例(31.8%)、コレステロール増加31例(17.9%)、LDL増加24例(13.9%)、注射部位反応21例(12.1%)、トリグリセリド増加18例(10.4%)であった。
トシリズマブ162mg/2週皮下注で効果が不十分な関節リウマチ患者を対象とし、トシリズマブ162mg/2週皮下投与群(Q2W群)又はトシリズマブ162mg/1週皮下投与群(QW群)を12週間投与する二重盲検比較試験を実施した。二重盲検比較試験終了後、162mg/1週皮下注を非盲検下で継続投与した。成績は以下のとおりであった16)。
初回投与12週後のDAS28(Disease Activity Score)変化量を下記の表2に示す。DAS28変化量の平均値は、Q2W群で-0.84であったのに対し、QW群で-2.14であった。群間差注3)は-1.21(95%信頼区間:-2.13、-0.30;P=0.0108)であり、有意であった。
Q2W群
QW群
群間差注3)[95%信頼区間]P値
20
21
ベースライン
5.49±1.37
5.91±1.23
投与12週後
4.65±1.81
3.77±1.62
ベースラインからの変化量
-0.84±1.14
-2.14±1.71
-1.21[-2.13; -0.30]P = 0.0108
(平均値 ± SD)
注3)群間差(QW群-Q2W群)は、登録時のDAS28を共変量とした共分散分析。
本剤の1週間隔での非盲検下の継続投与(例数:14例#3)において、初回投与52週後でのDAS28変化量の平均値は-3.19であった。#3 本試験にてQW群に割り付けられ初回投与52週後に有効性評価できた症例安全性解析対象症例のうち、本剤の1週間隔投与下の38例において、27例(71.1%)に副作用が認められた。主な副作用は、上気道感染9例(23.7%)、肺炎2例(5.3%)、蜂巣炎2例(5.3%)、コレステロール増加2例(5.3%)、白血球減少2例(5.3%)、好酸球数増加2例(5.3%)、腹痛2例(5.3%)であった。
1剤以上のDMARDで効果不十分な関節リウマチ患者を対象とし、DMARD併用下でトシリズマブ162mg/2週皮下注(例数:437例)又はプラセボ(例数:219例)を24週間投与する二重盲検比較試験を実施した。成績は以下のとおりであった17)(外国人データ)。
初回投与24週後のACR基準20%改善頻度は、プラセボ群31.5%に対し、本剤投与群で60.9%と有意に高かった(P<0.0001、Cochran-Mantel-Haenszel検定)。
投与前から24週までの関節破壊進展を手及び足のX線スコア(Modified Sharp Score)で評価した結果、Totalスコアにおいて、プラセボ群で1.23悪化したのに対して、本剤投与群は0.62であり、有意に関節破壊の進行が抑制された(P=0.0149、van Elteren検定)。安全性解析対象症例のうち、初回投与後24週までに、本剤の2週間隔投与下の437例において、145例(33.2%)に副作用が認められた。主な副作用は、ALT増加39例(8.9%)、AST増加26例(5.9%)、好中球減少症17例(3.9%)、上気道感染10例(2.3%)、注射部位疼痛10例(2.3%)、注射部位紅斑10例(2.3%)、頭痛10例(2.3%)であった。
副腎皮質ステロイド0.2mg/kg/日以上(プレドニゾロン換算値)による治療にも関わらず高安動脈炎の再発を認める12歳以上の患者を対象に、副腎皮質ステロイドを増量の上、症状の寛解を達成した後に、副腎皮質ステロイド漸減投与下でトシリズマブ162mg/1週皮下注(例数:18例)又はプラセボ(例数:18例)を投与する二重盲検比較試験を実施した。二重盲検期間終了後、162mg/1週皮下注を非盲検下で継続投与した。成績は以下のとおりであった18)。
高安動脈炎の再発までの期間を評価した結果を下記の図1と表3に示す。
本剤群
プラセボ群
18
無再発被験者数(%)
10(55.6)
7(38.9)
再発までの期間の中央値(週)注4)[95%信頼区間]注5)
推定不能[12.1; 推定不能]
12.1[10.7; 16.0]
ハザード比[95.41%信頼区間]注6)P値注7),注8)
0.41 [0.15; 1.10]P = 0.0596
注4)Kaplan-Meier法。注5)二重対数変換のBrookmeyer-Crowley法。注6)年齢カテゴリ(18歳未満、18歳以上65歳未満、65歳以上)を層別因子としたCox比例ハザードモデル。注7)年齢カテゴリ(18歳未満、18歳以上65歳未満、65歳以上)を層別因子としたLog-rank検定。注8)O’Brien-Fleming型のα消費関数に基づき、最終解析時の有意水準は両側0.0459とされた。
試験開始時の副腎皮質ステロイド投与量は30mg/日(20-100mg/日の中央値)であった。本剤投与後、最終投与量が10mg/日以下となった被験者の割合は、二重盲検期間終了時点で61.1%(18例中11例)であった。安全性解析対象症例36例のうち、18例(50.0%)に副作用が認められた。主な副作用は、上気道感染7例(19.4%)、胃腸炎4例(11.1%)、肺炎2例(5.6%)、皮膚感染2例(5.6%)、紅斑2例(5.6%)、感染性胃腸炎2例(5.6%)、腟感染2例(5.6%)であった。
50歳以上の巨細胞性動脈炎の新規発症又は再発患者を対象に、副腎皮質ステロイドのベースラインの投与量を20~60mg/日(プレドニゾン換算値)とし、26週間の副腎皮質ステロイド漸減投与下でトシリズマブ162mg/1週皮下注又は162mg/2週皮下注注9)を投与する2群と26週間又は52週間の副腎皮質ステロイド漸減投与下でプラセボを投与する2群の計4群で52週間の二重盲検比較試験を実施した。成績は以下のとおりであった19)(外国人データ)。
初回投与52週後の寛解維持割合を下記の表4に示す。26週間の副腎皮質ステロイド漸減投与下のプラセボ群14.0%に対し、162mg/1週皮下注群で56.0%、162mg/2週皮下注群注9)で53.1%とプラセボ群に比べて有意に高かった。
本剤1週間隔投与群
本剤2週間隔投与群
プラセボ+52週CS漸減群
100
49
50
51
寛解維持割合(例数)
56.0%(56)
53.1%(26)
14.0%(7)
17.6%(9)
プラセボ群との群間差[99.5%信頼区間]P値注10),注11)
42.0[18.0; 66.0]P<0.0001
39.1[12.5; 65.7]P<0.0001
プラセボ+52週CS漸減群との群間差[99.5%信頼区間]
38.4[17.9; 58.8]
35.4[10.4; 60.4]
NRI;ノンレスポンダー補完、CS;副腎皮質ステロイド
注9)本剤の巨細胞性動脈炎に対する承認用法・用量は1回162mgを1週間隔で皮下注射である。注10)ベースライン時の副腎皮質ステロイドの用量(30mg/日以下、30mg/日超)を層別因子としたCochran-Mantel-Haenszel検定。注11)有意水準は両側1%とされ、Bonferroniの方法に基づき多重性を調整。
52週間の累積副腎皮質ステロイド投与量(中央値)は、26週間又は52週間の副腎皮質ステロイド漸減投与下のプラセボ群でそれぞれ3296.0mg、3817.5mgであったのに対し、トシリズマブ162mg/1週皮下注又は162mg/2週皮下注注9)投与群はいずれも1862.0mgであった。安全性解析対象症例149例のうち、78例(52.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、上気道感染18例(12.1%)、膀胱炎6例(4.0%)、帯状疱疹5例(3.4%)、ALT上昇5例(3.4%)、好中球減少5例(3.4%)であった。
本薬はin vitroにおいて、可溶性及び膜結合性IL-6レセプターに結合してそれらを介したIL-6の生物活性の発現を抑制した20)。また、本薬は、カニクイザルに投与されたヒトIL-6の活性発現を抑制した21)。
本薬は、カニクイザルコラーゲン誘発関節炎において、関節炎発症前からの投与により関節腫脹の発現を抑制するとともに、関節炎発症後の投与により関節の腫脹を改善した22),23)。
抗マウスIL-6レセプター抗体は、IL-6トランスジェニックマウスでの貧血状態、蛋白尿、高γグロブリン血症等の所見の発現を抑制し、生存日数を延長させた24)。
トシリズマブ(遺伝子組換え)(Tocilizumab(Genetical Recombination))(JAN)
軽鎖(C1033H1606N278O337S6)重鎖(C2181H3398N582O672S15:主成分)
約148,000
アミノ酸214個の軽鎖2分子とアミノ酸447、448(主成分)又は449個の重鎖2分子からなる糖蛋白質
外箱開封後は光を遮り保存すること。
0.9mL×1シリンジ
0.9mL×1オートインジェクター
1) 社内資料:海外臨床試験(点滴静注用製剤)における悪性腫瘍発現頻度
2) Hirota H, et al. Cell. 1999;97:189-98.
3) Abdel-Razzak Z, et al. Mol Pharmacol. 1993;44:707-15.
4) Muntané-Relat J, et al. Hepatology. 1995;22:1143-53.
5) Pascussi JM, et al. Biochem Biophys Res Commun. 2000;274:707-13.
6) 肝組織を用いた代謝薬物相互作用試験(2008年04月16日承認、アクテムラ点滴静注用80mg,同200mg,同400mg申請資料概要2.7.2.2.1.1)
7) Rivory LP, et al. Br J Cancer. 2002;87:277-80.
8) Warren GW, et al. J Interferon Cytokine Res. 2001;21:821-6.
9) 寺尾公男, 他. 臨床薬理. 2007;38(Suppl):S236.
10) 関節リウマチ患者を対象とした第I/Ⅱ相試験(MRA227JP)における薬物動態(2013年03月25日承認、申請資料概要2.7.2.2.1)
11) Ogata A, et al. Arthritis Care Res. 2014;66:344-54.
12) Ogata A, et al. Mod Rheumatol. 2018;28:76-84.
13) 高安動脈炎患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(MRA632JP試験)における薬物動態(2017年08月25日承認、申請資料概要2.7.2.2.1)
14) 巨細胞性動脈炎患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(WA28119試験)における薬物動態(2017年08月25日承認、申請資料概要2.7.2.2.2)
15) 関節リウマチ患者を対象とした第Ⅲ相二重盲検並行群間比較試験(MRA229JP試験)(2013年03月25日承認、申請資料概要2.7.3.3.2.5)
16) 社内資料:関節リウマチ患者を対象とした第Ⅲ相二重盲検並行群間比較試験(MRA231JP試験)
17) Kivitz A, et al. Arthritis Care Res(Hoboken). 2014;66:1653-61.
18) 社内資料:高安動脈炎患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(MRA632JP試験)
19) 巨細胞性動脈炎患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(WA28119試験)(2017年08月25日承認、申請資料概要2.7.3.2.2)
20) Mihara M, et al. Int Immunopharmacol. 2005;5:1731-40.
21) Shinkura H, et al. Anticancer Res. 1998;18:1217-21.
22) Mihara M, et al. Clin Immunol. 2001;98:319-26.
23) Uchiyama Y, et al. Biol Pharm Bull. 2008;31:1159-63.
24) Katsume A, et al. Cytokine. 2002;20:304-11.
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