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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤投与により、敗血症、肺炎等の重篤な感染症があらわれ、致命的な経過をたどるおそれがある。本剤はIL-6の作用を抑制し治療効果を得る薬剤である。IL-6は急性期反応(発熱、CRP増加等)を誘引するサイトカインであり、本剤投与によりこれらの反応が抑制され、感染症に伴う症状が抑制されることがある。そのため感染症の発見が遅れ、重篤化するおそれがあるので、本剤投与中は患者の状態を十分に観察し問診を行うこと。症状が軽微であり急性期反応が認められないときでも、白血球数、好中球数の変動に注意し、感染症が疑われる場合には、胸部X線、CT等の検査を実施し、適切な処置を行うこと。,,
視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防
通常、成人及び小児には、サトラリズマブ(遺伝子組換え)として1回120mgを初回、2週後、4週後に皮下注射し、以降は4週間隔で皮下注射する。
感染症を合併している場合は感染症の治療を優先すること。,,
最新のB型肝炎治療ガイドラインを参考に肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。
投与を避けることが望ましい。なお、リンパ球数減少が遷延化した場合(目安として500/μL)は、投与を開始しないこと。日和見感染を含む感染症を誘発するおそれがある。
白血球減少、好中球減少、血小板減少が更に悪化するおそれがある。
トランスアミナーゼ値増加に注意するなど観察を十分に行うこと。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(カニクイザル)で本薬は胎盤関門を通過することが示されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本薬のヒト乳汁への移行は不明である。一般にIgGは乳汁中に移行することが知られており、非臨床試験においても本薬は乳汁中へ移行することが確認されている。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は12歳未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。,,
肺炎(1.4%)等の感染症があらわれることがある。,,,,
血圧低下、呼吸困難、意識消失、めまい、嘔気、嘔吐、そう痒感、潮紅等があらわれるおそれがあるので、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、アドレナリン、副腎皮質ステロイド薬、抗ヒスタミン薬を投与するなど適切な処置を行うとともに症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
AST、ALT、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。
5%以上
5%未満
感染症
上気道感染、副鼻腔炎、帯状疱疹
血液・凝固
リンパ球数減少
フィブリノゲン減少、貧血
肝臓
ビリルビン増加、ALT増加
代謝
コレステロール増加、脂質異常症
消化器
下痢
その他
注射に伴う反応(発疹、発赤、頭痛等)(11.7%)
日本人健康成人を対象にサトラリズマブ30、60、120、240mg注1)を腹部に単回皮下投与した際の薬物動態パラメータを表1に、血清中サトラリズマブ濃度推移を図1に示す。Cmax及びAUCは投与量比を上回って上昇した4)。
投与量[N=例数]
AUCinf(μg•day/mL)
AUClast(μg•day/mL)
Cmax(μg/mL)
Tmax(day)
t1/2(day)
30mg[N=6]
20.2(算出せず)[1]
16.1(34.5)[6]
1.94 (22.2)[6]
5.50(3.33-7.02)[6]
3.81 (算出せず)[1]
60mg[N=6]
105(46.3)[4]
81.3(55.6)[6]
6.33(44.3)[6]
4.00(3.33-7.02)[6]
5.26(32.1)[4]
120mg[N=12]
311(23.9)[12]
307(24.3)[12]
15.3(17.7)[12]
6.99(3.33-7.03)[12]
4.56(32.7)[12]
240mg[N=12]
987(24.7)[12]
973(23.9)[12]
33.7(22.1)[12]
5.50(3.00-14.0)[12]
6.58(42.2)[12]
Tmax:中央値(範囲)、Tmax以外:平均値(変動係数、%)、[ ]: パラメータ算出例数
注1)承認された用法及び用量は、「1回120mgを初回、2週後、4週後に皮下注射し、以降は4週間隔で皮下注射する。」である。
日本人関節リウマチ患者注2)を対象とした国内第I相試験において、サトラリズマブ120mgを0週、2週後、4週後に皮下投与し、以降4週間隔で30、60、120mg注1)を16週後まで反復皮下投与した際の血清中サトラリズマブ濃度推移は図2のとおりであり、120mg群では初回投与後4~8週間で定常状態に達し、32週目(投与終了から16週後)までにほぼ全被験者で血清中サトラリズマブ濃度は定量下限(0.2μg/mL)未満となった5)。
定量下限未満のサンプルは定量下限の1/2で集計注2)承認された効能又は効果は「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」である。また、視神経脊髄炎スペクトラム障害患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験において、サトラリズマブ120mgを0週、2週後、4週後に皮下投与し、以降4週間隔で皮下投与した際の、8週後のCminは21.2±9.05μg/mL(平均値±標準偏差)であった6)(日本人及び外国人データ)。
健康成人及び視神経脊髄炎スペクトラム障害患者から得られた血清中サトラリズマブ濃度を用いて母集団薬物動態解析を行った結果、クリアランス(CL)に対して病態、体重、製剤、抗サトラリズマブ抗体の有無、中央及び末梢コンパートメント分布容積(Vc及びVp)並びにコンパートメント間クリアランス(Q)に対して体重、バイオアベイラビリティに対して抗サトラリズマブ抗体の有無が統計学的に有意な共変量であった。視神経脊髄炎スペクトラム障害患者に、サトラリズマブ120mgを0週、2週後、4週後に皮下投与し、以降4週間隔で皮下投与したときの、シミュレーションに基づく定常状態(52週時点)におけるCmax及び1投与間隔におけるAUC(AUC0-28d)は表2のとおりであった7)。
集団
例数
AUC0-28d(μg•day/mL)
全体集団
154
31.5(14.9)
737(386)
体重群Q1(39.4–57.3kg)
52
44.4(11.5)
1060(316)
体重群Q2(>57.3–75.0kg)
32.2(10.2)
756(275)
体重群Q3(>75.0–151.0kg)
50
17.4(8.19)
380(206)
平均値(標準偏差)
日本人健康成人を対象にサトラリズマブ60mg及び120mg注1)を投与した際の、静脈内投与に対する皮下投与時のバイオアベイラビリティは63.6%(90%信頼区間:42.5%、95.3%)及び69.4%(90%信頼区間:56.4%、85.4%)であった8)。
日本人関節リウマチ患者注2)を対象にサトラリズマブ120mgを0週、2週後、4週後に皮下投与し、以降4週間隔で30、60、120mg注1)を16週後まで反復皮下投与した際の血清中可溶性IL-6レセプター濃度推移、血清中 IL-6濃度推移、血清中CRP濃度推移は、それぞれ図3、図4及び図5のとおりであった9)。
12~74歳の視神経脊髄炎スペクトラム障害患者(39.4~140.4kg)を対象に、経口副腎皮質ステロイド(15mg/日以下、プレドニゾロン換算)及び/又は免疫抑制剤[アザチオプリン(3mg/kg/日以下)又はミコフェノール酸モフェチル(3000mg/日以下)]投与下で、サトラリズマブ120mg又はプラセボを0週、2週、4週、以降は4週間隔で皮下投与する二重盲検比較試験を実施した。二重盲検期間は再発(臨床主要評価判定委員会が判断した治験実施計画書に規定された再発)が26件集まるまでの期間であった。成績は以下のとおりであった。
サトラリズマブ群
プラセボ群
全体集団(主要評価項目対象集団)
41例(日本人11例)
42例(日本人10例)
リスク減少率
62%(ハザード比:0.38、95%信頼区間:0.16-0.88、P値:0.0184)
抗AQP4抗体陽性集団
27例(日本人10例)
28例(日本人9例)
79%(ハザード比:0.21、95%信頼区間:0.06-0.75)
抗AQP4抗体陰性集団
14例(日本人1例)
34%(ハザード比:0.66、95%信頼区間:0.20-2.23)
注) 臨床主要評価判定委員会が判断した治験実施計画書に規定された再発
二重盲検期間中において、本剤を投与された41例中17例(41.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、注射に伴う反応5例(12.2%)、白血球減少症5例(12.2%)、リンパ球減少症3例(7.3%)であった11)。
18~74歳の視神経脊髄炎スペクトラム障害患者(42.1~151.0kg)を対象に、サトラリズマブ120mg又はプラセボを単剤で0週、2週、4週、以降は4週間隔で皮下投与する二重盲検比較試験を実施した。二重盲検期間は最終症例がランダム化されてから1.5年後までであった。成績は以下のとおりであった。
63例
32例
55%(ハザード比:0.45、95%信頼区間:0.23-0.89、P値:0.0184)
41例
23例
74%(ハザード比:0.26、95%信頼区間:0.11-0.63)
22例
9例
―(ハザード比:1.19、95%信頼区間:0.30-4.78)
二重盲検期間中において、本剤を投与された63例中22例(34.9%)に副作用が認められた。主な副作用は、注射に伴う反応6例(9.5%)、下痢4例(6.3%)であった13)。
サトラリズマブはヒトIL-6レセプターに対しpH依存的な結合親和性を示すヒト化モノクローナル抗体である。サトラリズマブはin vitroにおいて、膜結合型及び可溶性IL-6レセプターに結合してそれらを介したIL-6の生物活性の発現を抑制した14),15),16)。また、サトラリズマブはカニクイザルに投与されたサルIL-6の活性発現を抑制した17)。
サトラリズマブはin vitroにおいて、健康成人末梢血から分離されたプラズマブラストの、IL-6によるイムノグロブリンG1産生を抑制した18)。
サトラリズマブ(遺伝子組換え) (Satralizumab (Genetical Recombination))(JAN)
C6340H9776N1684O2022S46
約146,000
アミノ酸残基214個のL鎖2本とアミノ酸残基443個のH鎖2本からなる糖タンパク質
外箱開封後は遮光して保存すること。
1mL×1シリンジ
1) 免疫原性(2020年6月29日承認、CTD2.7.2.2.4)
2) Rivory LP, et al. Br J Cancer. 2002;87:277-80.
3) Warren GW, et al. J Interferon Cytokine Res. 2001;21:821-6.
4) 薬物動態(2020年6月29日承認、CTD2.7.2.2.2.1.1)
5) 薬物動態(2020年6月29日承認、CTD2.7.2.2.3.1.1)
6) 薬物動態(2020年6月29日承認、CTD2.7.2.2.4.1.1)
7) 薬物動態(2020年6月29日承認、CTD2.7.2.3.2.3)
8) 吸収・分布・代謝・排泄(2020年6月29日承認、CTD2.7.2.3.1.2)
9) 薬力学(2020年6月29日承認、CTD2.7.2.2.3.1.2)
10) 国際共同第Ⅲ相二重盲検並行群間比較試験<SA-307JG試験>(2020年6月29日承認、CTD2.5.4.4.1及び表2.7.3.8-4)
11) 副作用の集計<SA-307JG試験、二重盲検期間>(2020年6月29日承認、CTD表2.7.6.2-12)
12) 海外第Ⅲ相二重盲検並行群間比較試験<SA-309JG試験>(2020年6月29日承認、CTD2.5.4.4.1)
13) 副作用の集計<SA-309JG試験、二重盲検期間>(2020年6月29日承認、CTD表2.7.6.2-16)
14) ヒト及びカニクイザルの膜結合型IL-6Rに対する結合活性(2020年6月29日承認、CTD2.6.2.2.1)
15) ヒト及びカニクイザルの可溶性IL-6Rに対する結合活性(2020年6月29日承認、CTD2.6.2.2.2)
16) 膜結合型及び可溶性IL-6Rを介したIL-6活性発現に対する抑制作用(2020年6月29日承認、CTD2.6.2.2.6)
17) カニクイザルにおけるIL-6活性の抑制作用(2020年6月29日承認、CTD2.6.2.2.11)
18) IL-6によるヒトプラズマブラストのIgG1産生に対する抑制作用(2020年6月29日承認、CTD2.6.2.2.8)
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