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日本薬局方
トリエンチン塩酸塩カプセル
劇薬
処方箋医薬品注)
ウィルソン病(D-ペニシラミンに不耐性である場合)
通常、成人1日6カプセル(トリエンチン塩酸塩として1,500mg)を食前空腹時に2~4回に分割経口投与する。なお、患者の年齢、症状及び本剤に対する反応等に応じて、1日量4~10カプセル(トリエンチン塩酸塩として1,000~2,500mg)の範囲で増減する。
本剤を長期間投与する場合は、3~12ヵ月毎に血清中の遊離銅濃度(総血清銅とセルロプラスミン銅の差)及び尿中銅排泄量の測定を行うこと。
使用経験が無い。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で催奇形性作用が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験で乳汁中に移行することが報告されている。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児を対象とした臨床試験は実施していない。
経口鉄剤
本剤の作用が減弱するおそれがある。経口鉄剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、2時間以上の間隔をあけることが望ましい。
本剤が鉄剤中の鉄と結合し、本剤と銅との結合を阻害する。
他剤・食物(軽食等)
本剤の作用が減弱するおそれがある。
本剤の吸収が妨げられるおそれがある。
間質性肺炎等の肺病変が動物実験で報告されているので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
0.1~5%未満
過敏症
発疹
精神神経系
頭痛、振戦等
消化器
嘔気、胸やけ、胃不快感等
血液
白血球減少、貧血(鉄欠乏性貧血、鉄芽球性貧血等)
ウィルソン病患者に経口投与したところ、血清中のトリエンチン未変化体は投与後2~3時間で最高濃度に達した後、半減期2.08時間で血清から消失した。また、最高濃度到達時間における血清中には、遊離型のトリエンチンは検出されなかった1) 。
ウィルソン病患者に経口投与したところ、投与後24時間までの未変化体及び総代謝物の尿中排泄率は、それぞれ投与量の2.4%及び20.9%であった1) 。
48例を対象とした臨床試験において、46例を対象にした体内銅排泄作用確認試験では、投与前日に対する投与1~3日目の尿中銅排泄量の増加率は平均658.5%であった。また、41例を対象にした長期投与試験では、12例は総合評価を判定不能としたが、29例では以下の結果を得た2) 。
有用性
投与期間 24週以上
投与期間 12週以上
極めて有用
61.9%(13/21)
62.5%(5/8)
かなり有用以上
95.2%(20/21)
87.5%(7/8)
やや有用以上
100.0%(21/21)
100.0%(8/8)
塩酸トリエンチンは、銅イオンと組成比1対1で錯体(pH7.0、8.0で安定)を形成し、尿中銅排泄を促進する3),4) 。
銅代謝異常により誘発される肝炎、肝癌自然発症モデル(LECラット)において、肝臓銅含量を減少させ、尿中銅排泄を促進した4) 。
トリエンチン塩酸塩(trientine hydrochloride)(参考)国際一般名:trientine
N,N'-bis(2-aminoethyl)ethane-1,2-diamine dihydrochloride
C6H18N4・2HCl
219.16
本品は白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又は僅かにアンモニア様のにおいがある。本品は水に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくい。本品は吸湿性である。
H2NCH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2NH2・2HCl
約121℃
100カプセル(ビン)
1) 小林道也ほか:TDM研究. 1993;10(2):166-171
2) 有馬正高ほか:基礎と臨床. 1992;26(3):1093-1107
3) 太田裕一郎ほか:株式会社ツムラ社内資料
4) Sone, H. et al. :Hepatology. 1996;23(4):764-770
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