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ツムラ茵ちん蒿湯エキス顆粒(医療用)

添付文書番号

5200003D1049_1_11

企業コード

460026

作成又は改訂年月

2023年12月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

875200

薬効分類名

漢方製剤

承認等

ツムラ茵ちん蒿湯エキス顆粒(医療用)

販売名コード

YJコード

5200003D1049

販売名ひらがな

つむらいんちんこうとうえきすかりゅう(いりょうよう)

承認番号等

承認番号

16100AMZ01150000

販売開始年月

1986年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

茵蔯蒿湯

3. 組成・性状

3.1 組成

ツムラ茵ちん蒿湯エキス顆粒(医療用)

有効成分本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス   1.5gを含有する。
日局インチンコウ   4.0g
日局サンシシ   3.0g
日局ダイオウ   1.0g
添加剤日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物

3.2 製剤の性状

ツムラ茵ちん蒿湯エキス顆粒(医療用)

剤形顆粒剤
色調淡褐色
識別コードツムラ/135
におい特異なにおい
わずかに渋い

4. 効能又は効果

  • 尿量減少、やゝ便秘がちで比較的体力のあるものの次の諸症:
    • 黄疸、肝硬変症、ネフローゼ、じんましん、口内炎

6. 用法及び用量

通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。
  2. 8.2 サンシシ含有製剤の長期投与(多くは5年以上)により、大腸の色調異常、浮腫、びらん、潰瘍、狭窄を伴う腸間膜静脈硬化症があらわれるおそれがある。長期投与する場合にあっては、定期的にCT、大腸内視鏡等の検査を行うことが望ましい。
  3. 8.3 他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること。ダイオウを含む製剤との併用には、特に注意すること。
  4. 8.4 ダイオウの瀉下作用には個人差が認められるので、用法及び用量に注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 下痢、軟便のある患者

    これらの症状が悪化するおそれがある。

  2. 9.1.2 著しく胃腸の虚弱な患者

    食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢等があらわれるおそれがある。

  3. 9.1.3 著しく体力の衰えている患者

    副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。本剤に含まれるダイオウの子宮収縮作用及び骨盤内臓器の充血作用により流早産の危険性がある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤に含まれるダイオウ中のアントラキノン誘導体が母乳中に移行し、乳児の下痢を起こすことがある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

    AST、ALT、Al-P、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

  2. 11.1.2 腸間膜静脈硬化症(頻度不明)

    長期投与により、腸間膜静脈硬化症があらわれることがある。腹痛、下痢、便秘、腹部膨満等が繰り返しあらわれた場合、又は便潜血陽性になった場合には投与を中止し、CT、大腸内視鏡等の検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと。なお、腸管切除術に至った症例も報告されている。

11.2 その他の副作用

頻度不明

消化器

食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢等

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

  1. 18.1.1 肝障害に対する作用

    ラット培養肝細胞において、TGF-β1添加によるアポトーシス発現を抑制した1)in vitro)。

  2. 18.1.2 肝繊維化抑制作用

    ヒト肝星細胞LI90において、MAPキナーゼ(ERK、JNK)活性を抑制し、III型プロコラーゲンmRNA発現及びPIIINP濃度を抑制した2)in vitro)。

  3. 18.1.3 サイトカインに対する作用

    コンカナバリンA肝障害モデルマウスに経口前投与したところ、2又は8時間後の血清インターロイキン(IL)-2、IL-12及びインターフェロン(IFN)-γが抑制され、IL-10が増加した(in vivo)。また、同モデルマウス脾臓細胞において、IL-12及びIFN-γ産生を抑制し、IL-10を増加させた3)in vitro)。

18.2 肝障害に対する作用

  1. 18.2.1 Fas誘導性致死性肝アポトーシス惹起マウスに経口前投与したところ、生存期間が延長し、血清AST、ALTの上昇が抑制された。また、組織学的に肝細胞中のアポトーシス小体数増加及び肝細胞障害悪化が抑制された4)
  2. 18.2.2 D-ガラクトサミン+LPS肝障害モデルマウスに経口前投与したところ、血清ALT上昇が抑制された。また、組織学的に肝細胞壊死及び炎症性細胞浸潤が抑制された5)
  3. 18.2.3 LCA添加飼料と同時に7週間経口投与したラットにおいて、血清AST、ALT、総コレステロール、総胆汁酸の上昇が抑制された6)
  4. 18.2.4 四塩化炭素肝障害モデルラットに混餌投与したところ、血清Al-P上昇が抑制された7)
  5. 18.2.5 コンカナバリンA肝障害モデルマウスに経口前投与したところ、血清AST、ALT、LDHの上昇が抑制された。また、組織学的に炎症細胞浸潤及び肝細胞壊死が抑制された3)

18.3 肝線維化抑制作用

Choline-deficient L-amino acid-defined(CDAA)食による肝繊維化モデルラットに混餌投与したところ、肝ハイドロキシプロリン、血清ヒアルロン酸増加、肝組織中の細胞外マトリックス(III型プロコラーゲンmRNA)発現及び活性化星細胞増殖が抑制された。また、組織学的に繊維化を抑制した2)

18.4 利胆作用

ラットに経口投与したところ、エチニルエストラジオールによる胆汁基礎分泌の低下が抑制された6)

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 本剤の品質を保つため、できるだけ湿気を避け、直射日光の当たらない涼しい所に保管すること。
  2. 20.2 開封後は特に湿気を避け、取扱いに注意すること。
  3. 20.3 本剤は生薬を原料としているので、色調等が異なることがある。

22. 包装

500g[ボトル]
5kg(500g×10)[パウチ]
2.5g×42包[分包]
2.5g×189包[分包]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

株式会社ツムラ お客様相談窓口

東京都港区赤坂2-17-11 〒107-8521

TEL:0120-329-970 FAX:03-5574-6610

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

株式会社ツムラ

東京都港区赤坂2-17-11

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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