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ツムラ柴朴湯エキス顆粒(医療用)

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗炎症作用
18.3気道粘膜線毛輸送の改善作用
18.4抗不安様作用
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ツムラ柴朴湯エキス顆粒(医療用)

添付文書番号

5200054D1033_1_15

企業コード

460026

作成又は改訂年月

2023年12月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

875200

薬効分類名

漢方製剤

承認等

ツムラ柴朴湯エキス顆粒(医療用)

販売名コード

YJコード

5200054D1033

販売名ひらがな

つむらさいぼくとうえきすかりゅう(いりょうよう)

承認番号等

承認番号

16100AMZ03272000

販売開始年月

1986年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

柴朴湯

3. 組成・性状

3.1 組成

ツムラ柴朴湯エキス顆粒(医療用)

有効成分本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス   5.0gを含有する。
日局サイコ   7.0g
日局ハンゲ   5.0g
日局ブクリョウ   5.0g
日局オウゴン   3.0g
日局コウボク   3.0g
日局タイソウ   3.0g
日局ニンジン   3.0g
日局カンゾウ   2.0g
日局ソヨウ   2.0g
日局ショウキョウ   1.0g
添加剤日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物、ショ糖脂肪酸エステル

3.2 製剤の性状

ツムラ柴朴湯エキス顆粒(医療用)

剤形顆粒剤
色調淡褐色
識別コードツムラ/96
におい特異なにおい
僅かに甘くて渋い

4. 効能又は効果

  • 気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、時に動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:
    • 小児ぜんそく、気管支ぜんそく、気管支炎、せき、不安神経症

6. 用法及び用量

通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。
  2. 8.2 本剤にはカンゾウが含まれているので、血清カリウム値や血圧値等に十分留意すること。,,
  3. 8.3 他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 著しく体力の衰えている患者

    副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    カンゾウ含有製剤

    • 芍薬甘草湯
      補中益気湯
      抑肝散 等

    グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤

    • グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・L-システイン
      グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠 等

    ,,

    偽アルドステロン症があらわれやすくなる。また、低カリウム血症の結果として、ミオパチーがあらわれやすくなる。

    グリチルリチン酸は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が促進されることが考えられる。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 間質性肺炎(頻度不明)

      咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、咳嗽、呼吸困難、発熱等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。

    2. 11.1.2 偽アルドステロン症(頻度不明)

      低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。,

    3. 11.1.3 ミオパチー(頻度不明)

      低カリウム血症の結果としてミオパチーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣・麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。,

    4. 11.1.4 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

      AST、ALT、Al-P、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    過敏症

    発疹、蕁麻疹等

    消化器

    口渇、食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢、便秘等

    泌尿器

    頻尿、排尿痛、血尿、残尿感、膀胱炎等

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    類似処方の小柴胡湯では、インターフェロン-αとの併用例で間質性肺炎の副作用が多く報告されている。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    1. 18.1.1 ケミカルメディエーターの産生・遊離抑制作用
      1. (1) ロイコトリエン(LT)産生抑制作用

        ラット好塩基球性白血病細胞において、レチノイン酸及びカルシウムイオノフォアによるpLTs(LTC4、LTD4、LTE4)及びLTB4の産生を抑制した1)in vitro)。

      2. (2) ヒスタミン遊離抑制作用

        ラット腹膜肥満細胞において、Compound 48/80刺激による脱顆粒反応及びヒスタミン遊離を抑制した2)in vitro)。

      3. (3) アラキドン酸代謝物抑制作用

        ブタ肺動脈内皮培養細胞において、シクロオキシゲナーゼ代謝産物及びリポオキシゲナーゼ代謝物産生を抑制した3)in vitro)。

    2. 18.1.2 サイトカイン産生に対する作用
      1. (1) ハウスダスト抗原陽性喘息患者由来末梢血単球において、抗原刺激によるインターロイキン(IL)-3、IL-4の産生を抑制し、IFN-γ産生を亢進した4)in vitro)。
      2. (2) 重症難治性喘息患者末梢血単核球において、カンジダ刺激によるIL-2産生及びIL-2受容体発現を抑制した5)in vitro)。
    3. 18.1.3 好酸球に対する作用

      ヒト好酸球において、サイトカイン(IL-3、IL-5、GM-CSF)刺激による好酸球生存時間の延長を短縮した6)in vitro)。

    4. 18.1.4 NO産生に対する作用

      イヌ気管上皮細胞において、気道運動亢進に関与するNO産生を増加させた7)in vitro)。

    5. 18.1.5 接着分子発現抑制作用

      ヒト好酸球において、好酸球上の接着分子CD54及びHLA-DRの発現を抑制しなかったが、遊走に関与するCD4の発現を抑制した8)in vitro)。

    18.2 抗炎症作用

    1. 18.2.1 卵白アルブミン感作喘息モルモットに経口投与したところ、気道組織の二相性の好酸球浸潤並びに気道過敏性亢進が抑制された9)
    2. 18.2.2 卵白アルブミン感作喘息モルモットに経口投与したところ、遅発相において抗原誘発の気道収縮が抑制された。また、肺胞洗浄液中の細胞数(好酸球、好中球、マクロファージ、リンパ球)の増加並びに肺組織中のT-リンパ球浸潤が抑制された10)
    3. 18.2.3 Ascaris抗原によって感作されたモルモットに経口投与したところ、遅発型気道反応における呼吸抵抗亢進が抑制された。また、肺胞洗浄液中のヒスタミン量が抑制され、肺組織中の好酸球、顆粒球浸潤が抑制された11)
    4. 18.2.4 イヌ気管支平滑筋において、β-アドレナリン受容体刺激(イソプロテレノール刺激)による筋弛緩反応を亢進した。また、単独では細胞内cyclic AMP濃度には変化を認めなかったが、イソプロテレノールとの併用ではさらに増強した12)in vitro)。

    18.3 気道粘膜線毛輸送の改善作用

    ウサギ気管粘膜上皮細胞において、線毛運動の亢進及びcyclic AMPを増加させた13)in vitro)。

    18.4 抗不安様作用

    1. 18.4.1 マウスに経口投与したところ、改良型高架式十字迷路実験において抗不安様作用を示した14)
    2. 18.4.2 マウスに経口投与したところ、明暗試験法において抗不安様作用を示した。また、Compound 48/80及びチオペラミド刺激による脳内ヒスタミン遊離により誘発された不安様行動を抑制した15)

    20. 取扱い上の注意

    1. 20.1 本剤の品質を保つため、できるだけ湿気を避け、直射日光の当たらない涼しい所に保管すること。
    2. 20.2 開封後は特に湿気を避け、取扱いに注意すること。
    3. 20.3 本剤は生薬を原料としているので、色調等が異なることがある。

    22. 包装

    500g[ボトル]
    5kg(500g×10)[パウチ]
    2.5g×42包[分包]
    2.5g×189包[分包]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    株式会社ツムラ お客様相談窓口

    東京都港区赤坂2-17-11 〒107-8521

    TEL:0120-329-970 FAX:03-5574-6610

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    株式会社ツムラ

    東京都港区赤坂2-17-11

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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