Pmda 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
  • 画面を閉じる

医療用医薬品 詳細表示

ツムラ小柴胡湯エキス顆粒(医療用)


処方せん医薬品以外の医薬品


作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
日本標準商品分類番号等
薬効分類名
承認等
販売名ツムラ小柴胡湯エキス顆粒(医療用)
承認・許可番号
薬価基準収載年月
販売開始年月
貯法・使用期限等
組成
性状
一般的名称
警告
禁忌
効能又は効果
用法及び用量
使用上の注意
慎重投与
重要な基本的注意
相互作用
併用禁忌
併用注意
副作用
重大な副作用
その他の副作用
高齢者への投与
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
小児等への投与
薬物動態
薬効薬理
包装
主要文献及び文献請求先
主要文献
文献請求先
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

ツムラ小柴胡湯エキス顆粒(医療用)


作成又は改訂年月

**2014年4月改訂(第10版)

*2014年3月改訂(第9版)

日本標準商品分類番号

875200

日本標準商品分類番号等

再評価結果公表年月(最新)
1995年3月
**2014年4月

薬効分類名

漢方製剤

承認等

販売名
ツムラ小柴胡湯エキス顆粒(医療用)

販売名コード

5200073D1117

承認・許可番号

承認番号
(61AM)3280

薬価基準収載年月

1986年10月

販売開始年月

1986年10月

貯法・使用期限等

貯法

しゃ光・気密容器

使用期限

容器、外箱に表示

組成

本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス4.5gを含有する。
日局サイコ    7.0g
日局ハンゲ    5.0g
日局オウゴン   3.0g
日局タイソウ   3.0g
日局ニンジン   3.0g
日局カンゾウ   2.0g
日局ショウキョウ 1.0g

添加物

日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物、ショ糖脂肪酸エステル

性状

剤形

顆粒剤

淡黄褐色

におい

特異なにおい

わずかに甘い

識別コード

ツムラ/9

一般的名称

小柴胡湯(しょうさいことう)

警告

1.
本剤の投与により、間質性肺炎が起こり、早期に適切な処置を行わない場合、死亡等の重篤な転帰に至ることがあるので、患者の状態を十分観察し、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)、胸部X線異常等があらわれた場合には、ただちに本剤の投与を中止すること。

2.
発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。(「重大な副作用」の項参照)

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
インターフェロン製剤を投与中の患者(「相互作用」の項参照)

2.
肝硬変、肝癌の患者[間質性肺炎が起こり、死亡等の重篤な転帰に至ることがある。]

3.
慢性肝炎における肝機能障害で血小板数が10万/mm3以下の患者[肝硬変が疑われる。]

効能又は効果

1.
*体力中等度で上腹部がはって苦しく、舌苔を生じ、口中不快、食欲不振、時により微熱、悪心などのあるものの次の諸症:
諸種の急性熱性病、肺炎、気管支炎、気管支喘息、感冒、リンパ腺炎、慢性胃腸障害、産後回復不全

2.
*慢性肝炎における肝機能障害の改善

用法及び用量

通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
著しく体力の衰えている患者[副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。]

2.
慢性肝炎における肝機能障害で血小板数が15万/mm3以下の患者[肝硬変に移行している可能性がある。]

重要な基本的注意

1.
慢性肝炎における肝機能障害で本剤を投与中は、血小板数の変化に注意し、血小板数の減少が認められた場合には、投与を中止すること。

2.
本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。

3.
本剤にはカンゾウが含まれているので、血清カリウム値や血圧値等に十分留意し、異常が認められた場合には投与を中止すること。

4.
他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること。

相互作用

併用禁忌

(併用しないこと)

薬剤名等 
インターフェロン製剤
  インターフェロン-α
  インターフェロン-β

臨床症状・措置方法
間質性肺炎があらわれることがある。(「重大な副作用」の項参照)

機序・危険因子
機序は不明

併用注意

(併用に注意すること)

薬剤名等 (1) カンゾウ含有製剤
(2) グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤
(3) ループ系利尿剤
   フロセミド
   エタクリン酸
(4) チアジド系利尿剤
   トリクロルメチアジド

臨床症状・措置方法
偽アルドステロン症があらわれやすくなる。また、低カリウム血症の結果として、ミオパチーがあらわれやすくなる。(「重大な副作用」の項参照)

機序・危険因子
グリチルリチン酸及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が促進されることが考えられる。

副作用

副作用発生状況の概要
使用成績調査(1995年10月〜1997年3月)において、2,495例中、69例(2.8%)88件に臨床検査値の異常を含む副作用が報告された。
本項には頻度が算出できない副作用報告を含む(承認時〜1998年7月)。

重大な副作用

1. 間質性肺炎
(0.1%未満) 
発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。

2. 偽アルドステロン症
(0.1%未満) 
低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。

3. ミオパチー
(頻度不明) 
低カリウム血症の結果として、ミオパチー、横紋筋融解症があらわれることがあるので、脱力感、筋力低下、筋肉痛、四肢痙攣・麻痺、CK(CPK)上昇、血中及び尿中のミオグロビン上昇が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。

4. 肝機能障害、黄疸
(頻度不明) 
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTPの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

  頻度不明 0.1〜5%未満 0.1%未満 
過敏症注1)     発疹、そう痒、蕁麻疹 
消化器 便秘 食欲不振、胃部不快感、嘔吐、下痢 悪心、腹痛 
泌尿器注2) 血尿、残尿感、膀胱炎   頻尿、排尿痛 

注1)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
注2)このような症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。


高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない]

薬物動態

健常人に単回投与した時の血漿中濃度推移から得られた薬物動態学的パラメータは次のとおりである1)

薬効薬理

1. 肝障害抑制作用

(1)
ラットに経口投与したところ、D-ガラクトサミンによる肝細胞膜及び小胞体酵素の障害2)、血清AST(GOT)及びALT(GPT)の上昇、血清総蛋白及びアルブミンの低下がそれぞれ抑制された3)

(2)
アルコール性脂肪肝モデルラットに経口投与したところ、肝内の脂肪滴増加が抑制された4)

(3)
ラットに混餌投与したところ、ジエチルニトロサミン(DEN)による肝臓の8-hydroxy-2'-deoxyguanosine(8-OHdG)の上昇が抑制された5)

2. 肝血流量低下抑制作用
エチオニン添加コリン欠乏食による慢性肝障害モデルラットに経口投与したところ、肝組織血流量低下が抑制された6)

3. 肝再生促進作用

(1)
ラットに経口投与したところ、全肝虚血再潅流(Pringle法)併用による肝部分切除後の肝再生が促進された7)

(2)
ジメチルニトロサミン(DMN)肝障害ラットに肝部分切除後経口投与したところ、肝における再生率及び再生細胞数が増加した8)

4. 肝線維化抑制作用

(1)
DMN又はブタ血清(PS)による肝線維化モデルラットに混餌投与したところ、肝臓のI型コラーゲンの沈着が抑制された。
また、α-SMA陽性肝星細胞数が減少し、肝臓のレチノイド濃度の減少が抑制された9)

(2)
Choline-deficient L-amino acid-defined(CDAA)食による肝線維化モデルラットに経口投与したところ、肝ハイドロキシプロリン、血清ヒアルロン酸の増加、肝組織中のIII型プロコラーゲンα1 mRNA発現及び活性化星細胞増殖が抑制された10)

5. 免疫調整作用
マウスに経口投与したところ、Candida parapsilosis に対する貪食活性が亢進した11)

6. 免疫複合体除去作用
B/W F1マウスに経口投与したところ、LPSによる血中免疫複合体除去能低下が抑制された12)

7. 胃粘膜障害に対する作用
ラットに経口投与したところ、エタノール及び水浸拘束ストレスによる胃粘膜病変を抑制した13)

8. 作用機序
本剤は、以下の作用により薬理効果を示すことが示唆されている。

(1) 肝再生促進作用
DMN肝障害ラットに肝部分切除後混餌投与したところ、肝臓においてHGF値が上昇し、TGF-β値が減少した14)

(2) 肝線維化抑制作用

1)
ラット肝星細胞において、増殖及び筋線維芽細胞様細胞への形態転換を抑制し、I型及びIII型プロコラーゲンmRNA発現を抑制した(in vitro15)

2)
DMN又はPSによる肝線維化モデルラットに混餌投与したところ、マロンジアルデヒド濃度の上昇が抑制された(in vivo )。また、ラット肝星細胞及び肝細胞において、酸化ストレスを抑制した(in vitro9)

(3) 免疫調整作用

1) マクロファージ(Mφ)活性化作用
ラットに経口投与したところ、肝Mφが活性化された16)

2) サイトカイン産生調節作用

・マウス肝類洞内皮細胞のインターロイキン(IL)-1産生を増加させた(in vitro17)

・健常人及び慢性肝炎患者末梢血単核細胞において、IL-1β、IL-6、GM-CSF及びTNF-γの産生を誘導した(in vitro18)

・C型慢性肝炎患者の末梢血単核細胞において、IL-10の産生を誘導し、IL-4及びIL-5の過剰産生を抑制した(in vitro19)

・健常人及びHBe抗原陽性慢性活動性肝炎患者の末梢血単核細胞において、IFN-γの産生量を増加させた(in vitro18)20)

3) natural killer(NK)細胞活性化作用
マウスに経口投与したところ、NK細胞活性が増強した21)

(4) 抗アレルギー作用

1)
Compound 48/80惹起マウス腹腔内肥満細胞において、ヒスタミン遊離及び脱顆粒を抑制した(in vitro22)

2)
ハウスダスト及び抗ヒトIgE添加時の好塩基球からのヒスタミン遊離を抑制した(in vitro23)

(5) 活性酸素抑制作用
マウスに経口投与したところ、エンドトキシンによるスーパーオキシドジスムターゼ及びグルタチオンペルオキシダーゼ活性の低下を改善した24)

包装

500g、2.5g×42包、2.5g×189包

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
内田英二・他. 臨床医薬. 1997, 13(18), p.4687.

2)
Araki, N. et al. Acta Histochem. Cytochem. 1988, 21(5), p.439.

3)
Ohta, Y. et al. Am. J. Chin. Med. 1997, 25, p.333.

4)
戸田 隆・他. アルコール代謝と肝. 1988, 7, p.371.

5)
Shiota, G. et al. Hepatology. 2002, 35(5), p.1125.

6)
栗原 毅・他. 診断と治療. 1993, 81(3), p.740.

7)
宇佐美 真・他. 漢方医学. 1990, 14(4), p.121.

8)
Miyamura, M. et al. J. Pharm. Pharmacol. 1998, 50, p.97.

9)
Shimizu, I. et al. Hepatology. 1999, 29(1), p.149.

10)
Sakaida, I. et al. J. Hepatol. 1998, 28, p.298.

11)
丸山博文・他. 炎症. 1988, 8(1), p.65.

12)
田中盛久・他. 和漢医薬学会誌. 1987, 4(3), p.406.

13)
Kase, Y. et al. Biol. Pharm. Bull. 1997, 20(11), p.1155.

14)
Ono, M. et al. J. Pharm. Pharmacol. 2000, 52, p.111.

15)
Kayano, K. et al. J. Hepatol. 1998, 29, p.642.

16)
Fujiwara, K. et al. J. Ethnopharmacol. 1995, 46, p.107.

17)
溝口靖紘. 消化器科. 1990, 12(2), p.143.

18)
Yamashiki, M. et al. J. Clin. Lab. Immunol. 1992, 37, p.111.

19)
Yamashiki, M. et al. Hepatology. 1997, 25(6), p.1390.

20)
Kakumu, S. et al. Int. J. Immunopharmac. 1990, 13(2/3), p.141.

21)
Kaga, H. et al. Acta Med. Biol. 1991, 39(4), p.161.

22)
Toda, S. et al. 和漢医薬学会誌. 1987, 4(2), p.77.

23)
谷崎勝朗・他. 臨牀と研究. 1991, 68(7), p.2173.

24)
Sakaguchi, S. et al. Biol. Pharm. Bull. 1993, 16(8), p.782.

文献請求先

株式会社ツムラ お客様相談窓口

東京都港区赤坂2-17-11 〒107-8521

TEL:0120-329970

FAX:03-5574-6610

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
株式会社ツムラ

東京都港区赤坂2-17-11

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

画面を閉じる

Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.